また来たフロティーラ第二弾:イスラエル海軍が無事拿捕 2025.10.8

先週、ヨム・キプールの日に、フロティーラの大船団が、イスラエルが閉鎖しているガザ海域に入ろうとして、すべて拿捕されたが、その直後に、また新たなフロティーラが、ガザに向かっていると報じられていた。

そのフロティーラ第二弾は、2週間前にイタリアから出航した9隻で、活動家は約100人。110万ドル分の支援物資を積み込んでおり、ガザに届けると表明

していた。

この船団は、10月8日(水)、仮庵の祭り初日早朝に、ガザ海域に到達し、イスラエル海軍が、衝突なく拿捕した。

イスラエル海軍は、ガザ海域は、戦闘地帯に入らないよう、合法的に封鎖しているとして、そこに強行的に侵入する意味はないと警告したが、今回も、聞かなかったという。

www.timesofisrael.com/liveblog_entry/israel-says-it-intercepted-latest-gaza-flotilla-with-all-passengers-safe-and-set-for-deportation/

先週、ヨム・キプールの日に拿捕された、前回のフロティーラ船団の活動家たち400人以上の大部分は、すでに、イスタンブールなどへ強制送還されている。

Swedish activist Greta Thunberg (c) at Ramon International Airport on October 6, 2025, before being deported along with other Gaza flotilla activists. (Foreign Ministry)

中心人物であるグレタ・トゥーンベリ氏含む170人は、6日、ギリシャ、スロバキアへ送還された。

トゥーンベリ氏は、ギリシャに到着後、イスラエルに拘束されていた間、拷問されたと主張したが、イスラエルは、否定している。

www.timesofisrael.com/greta-thunberg-170-other-activists-from-gaza-bound-flotilla-deported-from-israel/

www.ynetnews.com/article/hyjlqdqpgl

人質全員解放なるか:イスラエルとハマスの交渉・アメリカからはウィトコフ氏とクシュナー氏 2025.10.6

本日10月6日(月)、エジプトで行われるハマスとイスラエルの間接交渉は、カイロではなく、シナイ半島先端のシャルム・エル・シェイクで行われる。

ハマスからは、ハリル・アル・ハヤ(写真中央)をリーダーとする代表団が、間接的な交渉に臨む。

(KHAMENEI.IR / AFP)

ハリル・アル・ハヤは、イスラエルの攻撃で息子娘など家族親族7-8人を失っている。現在はハマスの政治部副長官としてカタールに在住。先月、イスラエルの暗殺未遂で生き延びた人物である。

サウジアラビア系の報道によると、ガザでは、人質の遺体を集める様子がみられているとのこと。

www.timesofisrael.com/liveblog_entry/report-hamas-begins-collecting-bodies-of-hostages/

Avi Ohayon GPO

イスラエルからは、ロン・ダーマー戦略相をリーダーとする代表団が、すでに現地に向かっている。

国内では、強硬右派のベン・グヴィル氏、スモトリッチ氏が、交渉に反対を表明しつつ、今回も連立は離脱しないと表明し、いわばゴーサインを出したとみられている。

仲介者としては、エジプト、カタール、トルコからの代表に加え、アメリカからは、ウィトコフ特使と、元大統領顧問のジャレッド・クシュナー氏が参加する。

トランプ大統領は、いつものごとく、楽観的なコメントを出し続けているが、交渉では、特にハマスが、イスラエルが解放する、パレスチナ終身刑テロリスト250人(全部で280人中)の中に、マルワン・バルグーティなどを要求する可能性もあり、困難が予想されている。

www.timesofisrael.com/hamas-said-to-demand-release-of-terror-chiefs-oct-7-terrorists-in-deal-for-hostages/

なお、合意に至った場合、イスラエルは、この他にも、10月7日以降にガザで拘束した1700人を解放することになる。なんとも不条理な交換だが、イスラエルとしては、ともかくも人質を全員取り戻すことに焦点を置いているようである。

www.timesofisrael.com/as-negotiators-reach-cairo-trump-says-1st-phase-of-gaza-deal-should-be-done-this-week/

10月7日ニューヨークで“反”イスラエル大規模デモ計画  2025.10.6

先週、フリティーラ船団をイスラエルが拿捕して、活動家たちを強制送還していることを受けて、トルコやイタリア、スペインなどヨーロッパ各地の都市では、大群衆が、停戦を求める反イスラエルデモを行っていた。

ローマでは、100万人規模のデモだったとの報道もある。

www.timesofisrael.com/mass-marches-held-in-barcelona-rome-as-anti-israel-protesters-rally-across-europe/

www.timesofisrael.com/hundreds-of-thousands-march-in-rallies-across-europe-against-israel/

こうした中、明日10月7日(火)、3000人から5000人とも言われるハマスが、イスラエルになだれ込んで、1200人を大虐殺し、251人を拉致してから、2年目を迎える。

この日を記念して、親パレスチナ・反シオニスト団体“Within our life time“が、ニューヨーク市マンハッタンで、大規模な反イスラエルデモを行うと発表した。「殉教者たちに敬意を表し、ジェノサイドを終わらせる」ため、”洪水“を起こすと言っている。

この団体は、ニューヨーク在住のパレスチナ人が、反シオニズム、パレスチナ人の帰還を目標に立ち上げた反イスラエル団体である。

このデモには、ニューヨーク州立大学の「パレスチナ人の義を求める学生たち」の活動家たちが、学生にも広く参加を呼びかけている。アメリカでは同様のデモが、サンフランシスコ、ボストンなど複数の都市で計画されている。

一方で、ニューヨークに拠点があるユダヤ教正統派ハバッド派は、6日(月)から始まる仮庵の例祭中ながら、10月7日を覚える記念イベントを行う。上記、ニューヨークでの大規模デモと並行する形である。

またニューヨークの大学では、親イスラエルの学生もおり、たとえばコロンビア大学では、10月7日に1200の椅子を並べて、ハマスに殺害されたイスラエル人たちを覚えるイベントが計画されている。

www.timesofisrael.com/anti-israel-activists-to-flood-new-york-city-on-oct-7/

石のひとりごと

先日、イスラエル人のプレス関係の人と話した。イスラエルを憎む人とは、もはや何を言っても気は変わらない。話し合っても何も変わらないという点に、驚きと絶望の様子だった。

こうした反イスラエル感情の背景にあるのは、理解不能な憎しみであり、反ユダヤ主義につながるものなのだろう。

たとえば、今、世界では、プーチン大統領を厄介者と目している人は少なくないが、その思いがロシア人全員に向かうことはない。

しかし、イスラエルの場合、イスラエルの国や、ネタニヤフ首相への嫌悪が、その市民たち全員と世界のユダヤ人全員にまで及んでいる。これが反ユダヤ主義であり、そこに理論はない。霊的な背景だということが見えてくるのではないかと思う。

ちなみに、日本の偏向報道のひどさは、イスラエルのメディア関係者にも明らかになっている。このため、日本人の反イスラエル感情は、世界第3位とまで言われている。ただ日本人はそれをデモとかのアクションに出すまで行く人はあまりいないということなのである。

国内でのイスラエル関係のイベントを行うスタッフによると、日本で行われる親パレスチナデモ、反イスラエルデモに参加する日本人は、おおむね中高年だと言われていた。昭和の学生デモを知っている世代である。今の若者は、あまり含まれていないとのことだった。

そういうわけで、日本にも、反ユダヤ感情はあるかもしれないが、イスラエル人にとって、比較的安全な国と目されているようである。

親イスラエルラリーもある:東京でも 2025.10.6

大規模な親パレスチナデモが報じられているが、親イスラエルラリーも発生している。最強レベルの反ユダヤ主義、反イスラエル主義の傾くフランスだが、5日(日)、パリでは、イスラエル人人質の解放を求める親イスラエルデモが行われていた。

また東京でも、10月5日(日)銀座で人質解放を求めるデモが、100人程度の参加者で行われていた。在日イスラエル大使館、イスラエルでは、ILTVがその様子をFBで伝えていた。

イスラエル外務省からは、“Thank you、Tokyo!”との書き込みがみられる。

石のひとりごと

世界で拡大する反イスラエルデモの大きさに圧倒されるが、世界には、聖書に従い、イスラエルのために立とうとする人々もいるという姿に励まされる。

イスラエル人にとってはなおさらだろう。私たちも心が萎えることなく、イスラエルのために、とりなしていこう。

エルサレムでEagles Wingの全世界をつなぐイスラエル祈り会:ICEJの仮庵の祭りは今日から 2025.10.6

Eagles Wingによるイスラエルでの親イスラエルイベント

10月4日(日)、エルサレムでは、福音派クリスチャンの団体Eagles Wing(ロバート・スターン牧師)が、毎年開催している、全世界のクリスチャンをつないでイスラエルのために祈る集会、DPPJ(Day of Prayer for Peace of Jerusalemエルサレムの平和のために祈る日)を行っていた。

evangelical Bishop Robert Stearns.
(photo credit: EAGLES’ WINGS)

Eagles Wingは、2002年に発足し、詩篇122:6「エルサレムの平和のために祈れ」を元に、世界中にこの祈りにコミットするクリスチャンに呼びかけてきた。今では175カ国に、数百万人がサインアップしているという。

会場はエルサレム旧市街、ヤッフォ門を入ったところのダビデの塔があるエリアで、5日午後4時から5時半(日本時間午後10時から11時半)の間で行われ、集会はオンラインで世界にも流された。

集会には、在イスラエル米大使で福音派牧師でもあるマイク・ハッカビー氏はじめ、イスラエルのギドン・サル外相、エルサレム市長のモシェ・リヨン氏も出席していた。

またギリギリハマスの虐殺を逃れ、ユーロビジョンのイスラエル代表を務めたユバル・ラファエルさんも歌を披露した。

この祈り会は、Eagles Wingが主催する、Watchman on the wall tour(とりなし手たちのツアー)の中で行われる祈り会である。今年のツアーは、9月28日から10月9日までとなっている。

エルサレムポストによると、今年は、5大陸から牧師、アーティスト、インフルエンサーなど220人が参加し、彼らを通じて、オンラインでこの祈り会に参加したクリスチャンは、3億万人を超えるとみられている。これまでで最大規模であった。

以下は、10月4日(土)安息日明け夜に行われたDPPIの集会の様子

ICEJ(国際クリスチャンエンバシー)のFeast of Tabernacle 仮庵の祭り

ICEJ(国際クリスチャンエンバシー)の仮庵の祭りは、本日10月6日(月)から、13日(月)の開催となっている。以下はテーマの聖書箇所。

万軍の主はこう仰せられる。「その日には、外国語を話すあらゆる民のうちの十人が、ひとりのユダヤ人のすそを堅くつかみ、『私たちもあなたがたといっしょに行きたい。神があなたがたとともにおられる、と聞いたからだ』と言う。ゼカリヤ書8:23

feast.icej.org

これまでからも、数千人が参加するために、イスラエルにやってくる、最大級のツアーイベントで、イスラエルにとっては、大きな収入源となっている。

石のひとりごと

世界が反イスラエルでデモを行う中、世界中から大勢の福音派クリスチャンたちが、イスラエルを愛し、イスラエルを支持して祈るためにやってくる。

この様子をユダヤ人たちは不思議に思わないだろうか。彼らにそうさせているのは、イエス・キリストに他ならない。そのキリストの愛に目が開かれるユダヤ人が起こされるようにと祈りたい。

またこの期間、特にエルサレムの平和が維持されるように祈られたし。

トランプ大統領20項目ガザ停戦案:明日エジプトでハマスとイスラエルが交渉へ 2025.10.5

明日エジプトで、ハマスとイスラエルがガザ停戦案交渉へ

トランプ大統領が、9月29日(月)に提示した20項目のガザ停戦案は、おおむねイスラエルに有利な形であった。

ハマスは、停戦発動から72時間以内に、遺体も含め、人質を全員解放すること、ハマスは武装解除すること、ハマスは戦後ガザ統治に関わらないこと、イスラエル軍の撤退は打段階を追ってであり、ガザに駐留する可能性も残しているなどである。つまり、ハマスは終焉ということである。

ネタニヤフ首相は、パレスチナ国家へ可能性については認めないことを明確にした上で、これを受け入れると発表した。これに、アラブ、イスラム諸国、ヨーロッパも賛同したことから、ボールはハマスに投げられた形となった。

その後、エジプト、カタールとトルコが仲介者として、話を続けている。なかなか答えを出さない中、トランプ大統領は、30日(火)、解答は3-4日以内に出すようにと述べ、出さないならひどいことになると圧力をかけた。

www.timesofisrael.com/hamas-slated-to-respond-positively-to-us-proposal-but-request-amendments-source/

ハマスは、10月3日(金)、停戦から72時間以内に人質全員解放は不可能と反論。修正案を出しつつではあるが、停戦とイスラエル人人質の全員解放とパレスチナ人囚人との交換、それに伴う即時停戦への交渉(間接)に応じると返答した。

以下は、ハマスの返答。トランプ大統領の努力を高く評価すると書いている。

www.timesofisrael.com/full-text-of-hamass-response-to-trump-plan-for-ending-gaza-war-returning-hostages/

専門家によると、今の所、ハマスが応じるのは、停戦と人質交換という、第一段階のみであり、第二段階以降はその後のことになっていると理解されている。

ハマスが受け入れたのは、まだ部分的だが、トランプ大統領は、人質を全員解放すると言っていることを評価し、イスラエルはこれを認めるべきだとして、ネタニヤフ首相に、ハマスとの交渉を受け入れるよう、圧力をかけていると言われている。いわば、ボールは、イスラエルに戻ってきた形である。

www.timesofisrael.com/pm-hopeful-all-hostages-will-be-freed-in-days-trump-i-told-bibi-this-is-your-victory/

4日(土)、トランプ大統領は、イスラエル軍が撤退するラインを提示した。

イスラエルとしても、人質解放はもう待てない事項であるし、戦争は終わらせたい。ネタニヤフ首相はこれを受け入れると表明。イスラエルとハマスは、明日6日(月)、カイロで、人質交換に関する交渉に臨むこととなった。

www.jpost.com/israel-news/article-869404

なお、6日は、日没から仮庵の祭りである。ネタニヤフ首相は、うまくいけば、仮庵の最中にも人質が帰国できるかもしれないと語った。

しかし、ことはそう楽観的ではない。元イスラエル国家安全保障会議議長のギオラ・アイランド少将(退役)によると、イスラエルが出している、人質と交換に釈放するパレスチナ人テロリスト250人のリストに、ハマスは合意していないという。

ハマスがより重篤な刑罰に処せられている収監者を要求した場合、イスラエルが、応じない可能性がある。

さらに、ハマスは、人質は、今イスラエルが戦闘を続けている地域にいると主張。イスラエル軍が、戦闘を停止するとともに、その地域から出るよう、要求している。それはトランプ大統領が出している、イスラエル軍の撤退ラインを越えるものである。

さらには、遺体が戻ってきても、それをすべて判別するまでに数週間かかるという問題もある。

アイランド氏は極めてネガティブな見方を提示しながらも、これは一つの見方に過ぎず、以外にも人質が帰ってくる可能性も否定しないと言っていた。

右派議員は反発:テルアビブで毎週のデモは「今しかない」と受け入れを要求

ネタニヤフ首相が、トランプ大統領の案を受け入れていることについて、強硬右派のベン・グヴィル氏や、スモトリッチ氏は反発を表明している。

ベングヴィル氏は、「人質が解放された後、ハマスが存続するようなことになれば、政府を叩き壊す」と激しい反発を表明した。

www.timesofisrael.com/ben-gvir-threatens-to-bolt-government-if-hamas-continues-to-exist-after-hostages-freed/

一方、テルアビブで行われる毎週の人質解放関連、反右派政権デモでは、「今しかない」と、トランプ大統領の案を卯j系れ、人質解放を最優先するよう訴えるデモに数万人が参加していた。

 

www.timesofisrael.com/now-or-never-tens-of-thousands-rally-as-trumps-gaza-ceasefire-plan-nears-final-push/

石のひとりごと

ハマスとイスラエルの交渉は、裏が深く、理解するのが難しい。それほど、双方が狡猾に対峙しているということである。

アイランド少将(退役)は、結局のところ、ハマスだけでなく、交渉役のエジプト、カタール、トルコも、平和を望んでいるのではなく、ガザの存在を残すことで、将来的にもイスラエルを“出血させる”ことが目的なのだと言っていた。

実際のところ、国連からして、パレスチナ人を“難民”と呼んでいるということ自体、いずれは元の地、つまりは、今のイスラエルの地に戻るということであり、イスラエルの存在がなくなることが前提になっているとも言っていた。

イスラエルは、イスラエルがいなくなることを望んでいる者との交渉に臨んでいるということである。このことにおいても、主がイスラエルを通して、ご自身を世界に表されることを期待する。

ガザ市への攻撃はスローダウンも病院地下にハマスのトンネル発見 2025.10.5

トランプ大統領の停戦案が出た後、イスラエル軍は、ガザ市で継続していた戦闘を、スローダウンさせている。しかし、危険とみなされた状況においては、攻撃は続けられており、ハマスは、4日(土)の死者数は57人と報告している。

また、ガザ市では、ヨルダン病院地下に、トンネル(1.5km)が発見された。このトンネルは、武器製造工場やその他の部屋につながっていた。イスラエル軍は、国際メディアにこのトンネルを公開した。しかし、ヨルダンは、病院とハマスとの関連を否定している。

ガザ市では、もう一つハマド病院の地下にもトンネルが発見された。

www.timesofisrael.com/idf-strikes-in-gaza-city-significantly-subside-but-dozens-said-killed-in-past-day/

www.ynetnews.com/article/by0pwdyaxe#autoplay

なお、イスラエル軍は、ガザ市からの避難民は、90万近くになったとみている。

www.timesofisrael.com/idf-strikes-in-gaza-city-significantly-subside-but-dozens-said-killed-in-past-day/

イギリスでヨム・キプールの朝にシナゴーグ襲撃テロ:ユダヤ人2人死亡3人重傷 2025.10.3

イギリス・マンチェスターのシナゴーグでテロ:ユダヤ人2人死亡・3人重傷

Wikipedia

10月2日(木)朝9時半、イギリス北部、マンチェスターのヒートン・パーク・ヘブル・シナゴーグで、ヨム・キプールの集会で、多数のユダヤ人たちが、外に集まっている中へ車が突っ込んできて、門に衝突した。その後、テロリストは、付近にいたユダヤ人を、ナイフで刺しはじめた。

これにより、ユダヤ人2人、アドリアン・ダウルビィさん(53)とメルヴィン・クラヴィッツさん(66)が死亡。4人が重傷となった(1人はテロリスト?)。

犯人1人は、近くにいた警察官が銃撃したが、体に爆弾らしきものを装着していたので、爆発させるのではと緊張が走った。以下はその時の様子。

爆弾は偽物だったが、ロボットによる爆発物確認作業が終わり、安全が確認されたのは、数時間経ってからだった。犯人の死亡もその時に確認された。警察はこの他、3人(30代男性2人と60代女性1人)を逮捕している。

事件は、6分ほどの間だった。この間、ラビ・ダニエル・ウォーカーは、外にいた人々を中に呼び込み、シナゴーグの扉を閉めて、犯人が中に入ってこないようにしていた。

その後、目撃者によると、中にいた幼い子供3人を含む、約30人のユダヤ人は、安全に外へ導き出されていたとのこと。

ヨム・キプールで、男性たちは白い服を着ているのがわかる。

イギリスの警察は、事件を「テロ攻撃」と認定し、一時全国の警察や救急隊に、緊急事態を発動。

スターマー首相は、デンマークでの欧州首脳会議から急遽帰国し、全国のシナゴーグに警備を追加配備するよう、指示した。

www.timesofisrael.com/2-killed-3-seriously-injured-in-yom-kippur-attack-at-uk-synagogue-assailant-shot-dead/

www.timesofisrael.com/liveblog_entry/adrian-daulby-53-and-melvin-cravitz-66-named-as-manchester-synagogue-attack-victims/

テロ事件の後、チャールズ3世とカミラ王妃は、よりにもよって、ユダヤ人にとって最も聖なる日にこんなことが起こったと、深い衝撃と悲嘆を表明した。

www.timesofisrael.com/2-killed-3-seriously-injured-in-yom-kippur-attack-at-uk-synagogue-assailant-shot-dead/

テロリストはシリア系イギリス人

Manchester, UK, on Yom Kippur, October 2, 2025.

このテロに及んで、警察に銃殺されたテロリスト、ジハード・アル・シャミ(35)は、幼少期にシリアへ移住し、2006年にイギリスの市民権を獲得していた。イスラム主義者とみられているが、警察にその記録や前科もないとのこと。

www.timesofisrael.com/manchester-attacker-named-starmer-suspect-attacked-jews-because-they-are-jews/

イギリスでは、反ユダヤ主義が急速に悪化しており、ユダヤ人たちは、いつかはこのような事件になるのではないかと思っていたという。今後、反ユダヤ主義暴力の津波になるのではないかと恐れているとのこと。

ヘルツォグ大統領が数日前に激増する反ユダヤ主義暴力をイギリス王室に警告

イギリスの反ユダヤ主義を監視している組織CSTによると、イギリス在住のユダヤ人は役29万人。2023年10月7日以降、イギリス国内での反ユダヤ主義事件が急増している。昨年は、3528件の反ユダヤ主義暴力が発生していた。また、今年半年だけで1500件を超える事件が発生している。

こうした状況を受けて、イスラエルのヘルツォグ大統領が、今週初頭、実に、この事件が発生する数日前に、イギリスの国王、チャールズ3世に、反ユダヤ主義と反イスラエル主義事件の急増を憂慮すると警告する手紙を出していた。

www.ynetnews.com/article/r10en5hnge#autoplay

ヘルツォグ大統領は、「80年前は、ファシズムとナチズムに対して団結していた国々が、今では、ユダヤ人を憎む反ユダヤ主義に支配されるようになっている」書いていた。

ヘルツォグ大統領は、世界に拡大する反ユダヤ主義が、今の中東情勢に端を発していることは理解するが、それが反ユダヤ主義につながっていくことは、各国首脳は防がなければならないと述べていた。

www.timesofisrael.com/days-before-manchester-attack-herzog-warned-king-charles-over-rising-antisemitism/

なお、イギリス当局は、このテロが発生した同じ日の夜、同じマンチェスター市内で、特にガザのフロティーラへのイスラエルの対処に反発する左派反イスラエルのデモを許可していた。警察は延期を求めたが、主催者は、拒否し、この日の夜、デモが行われていた。

石のひとりごと

ヨム・キプール(大贖罪日)は、ユダヤ人たちが、聖書に書かれている天地創造の神、主の前に、すべての罪を悔い改めたあと、ついにあがないを受けるとされる日である。ユダヤ人たちは、この日、罪が赦され、自分の名が天の書物に書き記されたことを思うのである。

聖書にも記されているユダヤ人が守るべき秋の例祭は、終わりの時の型であり、それでいくと、ヨム・キプールは、メシアが来る日と考えられている。

私たちキリスト者は、イエスキリストの十字架と復活という肩代わりの犠牲によって、贖いが完成したとして、これを信じる者のすべての罪が赦され、天に名が記されると信じている。そうして、将来、主イエスが再臨する日が来ると信じている。ヨム・キプールに来るとみられる、ユダヤ人のメシアの到来は、キリスト者にとっては、イエスキリストの再臨ということになる。

その悔い改めと赦しの頂点である、まさにこの日にあえて、しかも神の前に出ている最中のユダヤ人を殺したということである。

このテロリストたちは、ユダヤ人への敵意に止まらず、この神である主にまともに、敵意を表明したようなもので、その自らの罪によって、自分自身で、地獄直行を選んだようなものではないだろうか。恐ろしい限りである。

このことからわかることは、このテロリストたちは、主を信じていないということである。それを言うなら、ヨム・キプールの日に、あえてフロティーラで、イスラエルを非難しようとした人々も、霊的には、主ご自身に反発をしていた形ではないかと思う。

今、世界で広がっている反ユダヤ主義、反イスラエル主義に走る人々は、左派系であり、神より人間重視の人々である。その背景には、最終的には霊的な主への反発へとつながっていく気配を感じるのである。

世界各地でガザ・フロティーラ船団拿捕に反発する反イスラエルデモ 2025.10.3

10月2日(木)夜、イスラエル軍が、ガザ・フロティーラ船団の41隻を拿捕し、活動家たち400人以上をアシュドドへ連行。3日(金)から強制送還が始まると伝えられている。

この件について、活動家たちが、44カ国から来ていたこともあり、世界中からイスラエルへの非難が殺到。世界各地で、反イスラエルデモが発生した。

Pro-Palestinian protest in London following the interception of the Gaza flotilla
(Photo: Jack Taylor/Reuters)

イギリス、フランス、ドイツなどは、乗組員の安全保障を求めるとともに、物資がガザへ届けられるよう要求する声明を出した。

イギリスでは、各地で、ガザ・フロティーラを拿捕したイスラエルに反発するデモが計画されていたが、2日朝に、マンチェスターで、シナゴーグでのテロが発生したことを受けて、警察が延期を要請した。

しかし、マンチェスターでは、これに応じず、デモが発生していた。Ynetによると、ロンドンなど、その他の地域でもデモが行われていたとのこと。

Police clash with pro-Palestinian, anti-Israel demonstrators during a protest in Barcelona, Spain, on October 2, 2025, (AP/Emilio Morenatti)

ベルギー、スペインは、イスラエル大使を召喚して、この件は受け入れられないと伝えた。

スペインでは、バルセロナで、スターバックスや、ハンバーガー店、レストランなどに反イスラエルの落書きがされた他、Ynetによると、1万5000人が参加するデモが発生していた。

スイスのジュネーブでのデモでは、警察3000人が出て、催涙ガスや放水銃も使われたとのこと。

www.ynetnews.com/article/rkkmkkhhgl#autoplay

イタリアでは、ミラノ、ローマ、各地で、交通を遮断するなどのデモが発生した。トルコは、イスラエルのテロ行為だと非難。イスタンブールでは、イスラエル大使館の外で、デモが発生した。

南アフリカからは、活動家の中にネルソン・マンデラ氏の孫が含まれており、現在イスラエルに拘束されていることもあり、ガザとの連帯を表明するフロティーラの物資とその思いがガザに届けられるべきだと表明した。

コロンビアは、イスラエル外交官4人を追放。イスラエルとの自由貿易協定を停止すると発表した。コロンビアのペトロ大統領は、ネタニヤフ首相をジェノサイドと呼び、トランプ大統領をジェノサイドの共犯者と呼んでいた首脳である。

www.timesofisrael.com/israel-draws-global-condemnation-for-gaza-flotilla-interception-protests-in-europe/

ヨーロッパに根付く反ユダヤ主義を後押ししたパレスチナ問題/Ynet

www.ynetnews.com/opinions-analysis/article/s1ilyt2nlg

Ynetのこの記事は、中東からのイスラム教徒移民者の問題もあいまって、反ユダヤ、反イスラエル主義がエスカレートして、ヨーロッパが今、大きな混乱の中にあると指摘する。

ヨーロッパの反ユダヤ主義は、1世紀にさかのぼって、キリスト教会の権威が、ユダヤ人を「キリスト殺し」と教えたことから根付き始めた。その後様々な要素も加わって、やがてホロコーストにつながっていった。

その後、イスラエルが独立して、パレスチナ人との対立から中東戦争が続くと、ヨーロッパ諸国の中で、古くから根付いている反ユダヤ、反イスラエルが盛り返すようになる。特にこの記事では、フランスが、1973年のヨム・キプール戦争の只中で、イスラエルに武器供与を停止したことを挙げている。

その後、ヨーロッパの反ユダヤ、反イスラエル主義は、アラブ諸国からの大量の移民によっても悪化していった。そうした中でのガザ問題。ヨーロッパの反ユダヤ、反イスラエル主義は、パレスチナ問題に大きく後押しされているとこの記事は指摘している。

今後、ユダヤ人たちは、イスラエルへと移動していき、イスラエルは強化されるだろう。しかし、ヨーロッパは、ユダヤ人の代わりに、多くはイスラム系の反ユダヤ主義が、勢力を拡大していき、弱体化するサイクルが形成されたと指摘している。

石のひとりごと

世界はなにやら混乱している。やはり終わりの気配を感じる日々である。

明日が見えない2025年のヨム・キプール:今年もヨナ書に学ぶ 2025.10.2

厳しさ極まる中で今年もヨム・キプール

イスラエルと世界のユダヤ人は、10月1日(水)日没(日本時間深夜以降)から、現在、ヨム・キプールに入っている。国をあげて、交通が止まり、商店も閉まって道路は空っぽになる。

エルサレムのメア・シャリームでは、超正統派ユダヤ教徒たちが、神殿がない中、通りで、鶏を贖いの捧げ物にする習慣を行っていた。(以下のサイトに写真あり)

www.upi.com/Top_News/World/Photos/Israelis-perform-Kapparot-ritual-before-Yom-Kippur/15854/

嘆きの壁、各地シナゴーグでは、日没から、集会が行われた。以下は、その頃のエルサレムの様子。

この日ばかりは、世俗派の人々も25時間、断食している。メシアニックのエルサレム・アッセンブリーでは、礼拝堂を解放し、だれでも祈りに来られるようにしている。

国を上げて、聖書が命じる通りに、その神、主の前に、それぞれの罪を認識して悔い改める1日である。こんな国はどこにあるだろうか。

しかし、イスラエルの置かれている状況は、いつにも増して厳しくなっている。ガザでの戦争は続いている。同時に、トランプ大統領のガザ停戦案にハマスがどう出てくるかによって、停戦になるのか、その逆の大攻撃になるのかという瀬戸際にある。超不安定な中でのヨム・キプールである。

さらに、今年は、ヨム・キプールに入ったまさにその時間に、全世界のインテリが大勢乗り合わせているフロティーラが、イスラエルが封鎖しているガザ海域侵入を試みることで、世界的な反イスラエル感情をつきつけられた形となった。

先を見て不安になりやすい日本人にはどうにも耐え難い状況だろう。しかし、イスラエル人たちは、この状況の中でも、例年と変わらず、その神である主に目を向けている。ユダヤ教が、自分たちに祝福を与えてもらうためだけの宗教ではないことは明らかである。

神戸のシナゴーグに行くと、日本にいる、また日本を訪問中のイスラエル人たちが60人ほど来ており、断食前の食事をしたあと、いっせいにヨム・キプールの祈りに入っていた。

ヨム・キプール専用の書物にそって、カンターがメロディに合わせて導く中、会衆も一緒に声を出して祈りを捧げる。その内容たるや、何ページもにもわたって、延々と細かく罪が描き並べられている。

それらを認めるがごとくに読み進め、その後に、主こそが全能の神であるとの告白に続いていく。特に挙げられている聖書か所は、詩篇29である。

主は、大洪水のときに御座に着かれた。まことに、主は、とこしえに王として御座に着いておられる。

主は、ご自身の民に力をお与えになる。主は、平安をもって、ご自身の民を祝福される。(詩篇29:10-11)

*海外旅行を好むイスラエル人たち

(Photo: Yuval Chen)

イスラエル人たちは、国が戦争をしていても、チャンスがあれば海外に行っている。イスラエル人は海外で、異文化に触れることを好む人々である。

特に兵役が終わった若者たちは、長期間の海外バックパック旅行に出かける。これが、イスラエル文化なのである。

異文化に触れることで、自分のアイデンティティを確立することになり、祖国イスラエルにおける自分の立ち位置や使命も発見することになる。

同時に、今は、戦争で敵対者から憎まれる経験をする中、そこから一時的にも離れたいという欲求もあるという。

イスラエルは、今現在も戦争中だが、一時的にも兵役を終えた若者は、日本にも多く来ている。昨日の神戸のシナゴーグでのヨム・キプールにも来ていた。

日本に1週間前に来たという若い女性から、どこかおすすめの場所はある?と聞かれた。京都や奈良にも行くと言っていた。日本は安全であり、シェケルに対して、日本円は安いので、今は訪問どころなのである。

www.ynetnews.com/opinions-analysis/article/rkf11xhk2le

ヨナ書に再確認する主の義と主の恵み

ユダヤ人たちは、ヨム・キプールには、聖書の中のヨナ書を読むことになっている。

ヨナは、主の預言者だったが、イスラエルの敵であるニネベ(アッシリアの都市、現在のイラク北部)に行って、悔い改めを呼びかけるようにとの主の指示に従わず、それから逃げようとして、タルシシュ行きの船に乗った。

ところが、その船が遭難し、ヨナは海へ投げ入れら得て、大きな魚に飲み込まれ、3日3晩、その腹の中で悔い改めることになる。吐き出されたあと、ヨナはニネベに行って使命を果たした。これにより、ニネベの人々は、全員が悔い改めることで、裁きを免れることになる。

ヨナは憎い敵ニネベが救われたのを見て、神に立腹する。そんなヨナに、神は、日陰になる木を与え、それがすぐ枯れることで、ヨナに何かを教えようとされた。

なぜこれをヨム・キプールに読むのだろうか。いろいろな説や教えがあるが、このストーリーには、神の義と恵みが教えられている。

ヨナは、イスラエルを苦しめてきた敵であるニネベが、悔い改めて罰をのがれことに、神の義を見失い、生きることに絶望した。イスラエルを苦しめた悪者が罰せられない、そんな世界に生きていたくないと思ったのである。

しかし、それでも神から逃れることはできず、救いは神にからのみ来ることを体験し、最終的には、ニネベに行き、ニネベはわざわいを逃れることになる。しかし、その様子を見て、ヨナはやはり納得できず、神に文句を言った。

それに対し、神はヨナの不機嫌を直そうと、とうごまの木を与えたが、その木はあっという間に枯れることになる。全能の神、主がなぜそうされたのか納得がいかないヨナは、やはり死にたいというのである。

ヨナ書のユダヤ教の教えの中に、主の義は絶対だが、同時にその恵みも実在するというものがある。

注目の点は、ヨナの警告を聞いて、ニネベが悔い改めただけでなく、悪の道から立ち返ったと書かれている点である。

絶対の義である主の前に、自分たちの罪を認めただけでなく、二度と同じことをしないと神に宣言する。そこに、主は、将来の新たな可能性を見出して、以後、その歩みを支援してくださるのである。これが恵みだというのである。

キリスト教では、イエスの十字架と復活による贖いにより、永遠の命を受け取り、天に行く。これが恵であると信じる。しかし、私たちも救われた時が、ゴールなのではなく、そこがスタートラインとなって、この世にいる間、本来の使命を果たせるようになる。それを支えてくださるのが主の恵でもあるということなのである。

また今回、ヨナ書から思わされたのは、ユダヤ人と異邦人の関係である。ヨナ書では、ヨナよりも先に、船の乗組員だった異邦人たちが主に立ち返った。その後、ニネベの異邦人が主に立ち返るのである。

ヨナがそう意図して用いられたのではないのにそうなっている。このように、ユダヤ人自身が意図したわけではないのに、彼らの失敗や苦難を通して、ユダヤ人であったイエスの苦難を通して、異邦人が先に、主を知り、主との関係を回復しているということなのである。

ヨナが怒っているように、ユダヤ人にとっては、納得のいかないことのオンパレードだろう。ユダヤ人はこのように、不条理ともいえるような苦しみを通して、異邦人に救いの道を示す役割を担っていると思う。

イスラエルは、その苦難の歩みを通して、それでも最後には、見捨てられることがない様子から聖書の神の存在を証してくれている。それが、選びの民の今の使命であり、だからこそ、その報いとして、最後に国単位で救われることが約束されている唯一の国だと思う。

このヨナ書を、まだイエスを信じる救いを受けとっていない、ユダヤ人たちが、ヨム・キプールの日に毎年読んでいるということも非常に興味深いと思う。

ユダヤ人たちは、将来、この日にメシアが来て、最後の裁きをする。その時にイスラエルは大きな恵みを受けると信じているのである。

これは現時点では、キリスト教的な理解であることを強調しつつ・・・私たちは、その日、ユダヤ人たちの目が開かれて、彼らに対するイエスの贖いが明らかになり、イエスを拒否し続けた罪を悔い改めて、国全体が救われることになると信じている。

ヨム・キプールでヨナ書を読んでいるユダヤ人を思うと、その日の祝福が見えるようだった。

親パレスチナ・フロティーラ船団:衝突なくイスラエル軍が活動家ら拘束2025.10.2

ヨム・キプールが始まって数時間後、47隻からなるフロティーラ・スムード船団が、イスラエルが封鎖するガザ海域に到達した。

イスラエル軍は、船団に対し、ガザへの支援物資は別ルートで、ガザへ搬入するので、方向を変え、アシュドド港へ行くようにと指示したが、従わなかった。

イスラエル海軍に連行されるフロティーラ 船 Oct. 2, 2025. (AP Photo/Leo Correa)

その後、イスラエル海軍13部隊が、フロティーラ47隻中40隻に、乗り込み、トゥーンベリ氏含む、多国籍の活動家たちの身柄を拘束し、アシュドドへ連行した。

BBCは443人が拘束されたと報じている。イスラエル軍は、衝突も負傷者も出なかったとの報告している。拘束された活動家たちは、数日中に強制送還されるとのこと。

なお、毎日新聞によると、フロティーラには、日本人も加わっていた。大津市出身でオランダ在住の安村美香子さん(62)。「各国政府が何も行動を起こさないから、市民がやるしかない」と語っていたという。

mainichi.jp/articles/20250930/k00/00m/040/075000c

この間、ガザからは、イスラエルに向かってロケット弾5発が発射されたが、4発は迎撃され、1発は空き地に着弾して、被害はなかった。

www.timesofisrael.com/navy-intercepts-gaza-flotilla-begins-detaining-activists-after-final-call-to-change-course/

石のひとりごと

今回も大きな衝突にならず、なによりであった。これだけのことをするために資金もかかっただろうが、反イスラエルをアピールする以外に、なんの意味があったか不明としかいいようがない。

親パレスチナのガザ・フロティーラ船団47隻がガザへ再接近:ハマスと連携か 2025.10.1

ガザ・フロティーラ船団がガザへ再接近:ヨム・キプールにイスラエル軍対処準備

Wall street jounal

スウェーデンの機構活動家グレタ・トゥーンベリ氏を代表とする、親パレスチナのグローバル・スムード・フロティーラの船団47隻が、ガザ海域に近づいている。

イスラエルでは、10月1日(月)日没から、ヨム・キプール(大贖罪日)に入るが、この夜中すぎに、閉鎖海域(ガザ海岸から278km)に突入するみこみであるため、イスラエルは対処に追われることになる。

*以下は9月26日からのクリップ

47隻の船団に乗っているのは、数十カ国の親パレスチナ活動家約600人で、国会議員や弁護士なども含まれている。民間人ばかりなので、衝突で負傷者が出ないようにしなければならない。

GPO

フロティーらは、今年6月にも来たが、この時は、海域の外で、治安部隊が乗り込んで、静かに、アシュドド港へと誘導。トゥーンベリ氏たち3人は、10月7日のハマスの虐殺の記録映像を見せられた後、そこから送還されていた。

mtolive.net/ガザ・フロティーラ拿捕後グレタさんら3人送還:/

ところが、トゥーンベリ氏たちは、さらに多くの船団組んで、ガザにむけて出発したということである。しかも、今回は、トランプ大統領の20項目からなる、停戦案にイスラエルが合意し、アラブ諸国、ヨーロッパ諸国も賛同する中でのことである。

イタリアは、フロティーラの活動を支援する立場であったため、スペイン軍艦1隻とともに、海軍艦2隻を出して、船団を護衛している。しかし、メローニ首相は、このタイミングでは、停戦を妨害する可能性があるとして、フロティーラ船団は停止するよう警告を出した。

しかし、フロティーラ活動家たちは、これに聞き従わず、今もガザに向かっている。イタリアは、ガザ海域以降は護衛せず、引き返すと言っている。

イスラエル海軍は、前回のように、船に乗り込んで、活動家を全員拘束し、1隻に大型船に集めて、アシュドド港へと連行するとみられる。その後47隻の船の一部はアシュドド港へ連行するが、一部は沈没させる可能性もあるとのこと。

対処する警察官は600人だが、軍事的に制圧するのではなく、外交的な対処をめざすとしている。万が一にも衝突や負傷者が発生した場合に備えて、アシュドドでは、救急車8台が待機する他、近隣の病院も厳戒態勢に入る。

www.timesofisrael.com/gaza-flotilla-rebuffs-calls-to-stop-as-israel-readies-for-complex-interception/

ハマスがフロティーラに関わっていた証拠書類を発見と発表:イスラエル外務省

イスラエル軍は、ガザで多くのハマス文書を発見、回収している。イスラエル外務省は、9月30日(火)、その中に、現在のフロティーラ指導者と、ハマスの海外機関であるPCPA(Popular Conference for Palestinians Abroad 2018年設立)との関連を証拠づける書類があったと発表した。

GPO

書類には、PCPA工作員のリストがあり、そのうちの一人、ザヘル・ビラウィ(写真左から二人目)は、過去15年間にわたって、フロティーラのような船を組織した人物であった。

また、スペインのPCPAに所属するサイフ・アブ・カシュクは、今回の船団に加わっている、スムード艦隊を組織するCEOである。

停戦案が出ている今、それを妨害する可能性もあるフロティーラの船団だが、その背後にハマスがいる可能性が高い。

www.timesofisrael.com/documents-from-gaza-show-hamass-direct-involvement-with-aid-flotilla-israel-claims/

なお、世界の主要な反イスラエル組織も、トランプ大統領の20項目からなる停戦案を、植民地主義、民族浄化だとして反発しているとのこと。

www.jpost.com/international/article-869126

石のひとりごと

ガザに住む人々は、とにかく攻撃が止まることを願っている。アラブ諸国やヨーロッパ諸国もこれを願って、トランプ大統領のガザ停戦案を賞賛している。

しかし、この案は、ハマスには不利なものである。このタイミングで、フロティーラ船団が、ガザを目指して混乱を起こし、停戦を邪魔しようとしている点からも、フロティーラとハマスとの連携が見え隠れする。

フロティーラはじめ、世界の親パレスチナの活動家たちは、トランプ大統領とネタニヤフ首相も合意した、ガザ停戦案に反発している。

結局のところ、ガザの人々のことを考えての親パレスチナ運動ではなく、イスラエルを憎むがゆえの親パレスチナ運動だというのが真の動機なのだろう。

これはまさに、ハマスと一致する点である。ハマスは、ガザの人々のことは全く考えておらず、イスラエルを打倒することのみを考えている。フロティーラとハマスの接点に不思議はないだろう。

ともかくも、イスラエルが今夜、この船団を平穏のうちに取り押さえることができるように祈る。