角笛響く5783年ローシュ・ハシャナ(新年祭):第3神殿用?アメリカから赤い雌牛到着 2022.9.28

https://www.history.com/topics/holidays/rosh-hashanah-history

イスラエル、また世界のユダヤ人コミュニティでは、25日日没から2日間、ローシュ・ハシャナ(新年)が行われた。

ユダヤ暦は天地創造を紀元前3761年として数えるので、今年は、5783年である。以下は、その準備で賑わう、エルサレムやテルアビブのカルメル・マーケットの様子。

新年:悔い改めのシーズン

各地のシナゴーグでは、25日日没に、大勢が集まって特別な夕食会が行われ、翌日の午前中にショーファー(角笛)が吹き鳴らされた。ユダヤ教の新年は、日本の新年と違い、新しい年への祝いと、新年の祝福への祈りにとどまらず、個人にこの1年に犯した罪とそれを悔い改めるということがテーマになる。

この日に、ショーファー(角笛)を吹くのは、全能の神の前に出る時が近づいたという呼びかけを意味する。全能の神の前に出て、無事に合格する自信のある人はいない。これまでの歩みを振り返り、傷付けた人がいれば、まずは、その人に謝罪し、関係修復を図る。それから、神に罪の赦しを願い、祈るのである。

今年も新年の直前まで、エルサレムの嘆きの壁は、悔い改めに来る人でぎっしりになっていた。

以下は新年の嘆きの壁の様子

新年から10日後にあたる10月4日から5日はヨム・キプール(贖罪の日)、罪のあがない(神殿があった時代は、牛がその罪の罰を代わりに受けることで罪が帳消しにされえるということ)がなされることになる。今は神殿がないので、牛を犠牲にすることはないが、ユダヤ教では、鶏を犠牲にするなど、さまざまな方法が定められている。

www.chabad.org/library/article_cdo/aid/4687/jewish/Yom-Kippur.htm

いずれにしても、この日には、メシア(救世主)が来て、裁きを受けるとされる。この時には、生きている者も、死んでいる者もよみがえって、裁きを受ける。したがってこの時までに、悔い改めと横の関係における謝罪、関係修復を終えておく必要があるということである。

これが終わると、神との関係の修復も終わり、いわば新婚旅行のような7日間「仮庵の祭り」となる。今年は、10月9日から16日。続いて18日までがシェミニ・アツェレート(仮庵の最終日)とシムハット・トーラー(神から聖書を与えられたことをよろこび、年間通読が始まる)である。

www.chabad.org/library/article_cdo/aid/4126/jewish/Sukkot.htm

www.chabad.org/library/article_cdo/aid/4689/jewish/Shemini-Atzeret-Simchat-Torah.htm

アメリカから律法基準満たす赤い牛到着:提供はクリスチャン農家

完璧な赤牛を提供したクリスチャンのバイロン・スティンソンさん

新年に先立つ15日、アメリカのテキサス州から、育った土地や、食料などが律法の基準にあっているとされる赤い牛5頭が、ベングリオン空港に到着した。もしそのままイスラエルに定着させることができれば、第三神殿が完成した際には、大贖罪日のささげものにする可能性が出てくる。なんともタイムリーな到着である。

聖書の民数記19章には、かつて贖罪の日に、全イスラエルの罪をあがなうためのいけにえとして捧げられていた赤い牛についてが以下のように書いてある。

傷がなく、まだくびきの置かれたことのない、完全な赤い雌牛をあなたのところに引いて来させよ。あなたがたはそれを祭司エルアザルに渡せ。彼はそれを宿営の外に引き出し、彼に前でほふれ。祭司エルアザルは、指でその血を取り、会見の天幕の正面に向かってこの血を七たび振りかけよ。(民数記19:2-4)

第三神殿推進派たちは、ここに書かれている「完全」に赤い雌牛の育成を試みてきたが、これまで、律法にかなう土壌や餌で育てた赤牛で、100%の赤毛のものを得ることができなかった。今年初頭、「Temple Institute(神殿研究所)」は、イスラエルでも100%の赤牛の育成を試みてきたが、まだ99.9%で、1%違うので、まだ使えないと言っていた。

しかし、この度、アメリカのテキサス州で5頭の赤い牛が、ついに100%と認定され、イスラエルに搬送された。100%赤毛であるだけでなく、傷もいっさいない、1歳未満の牛たちである。これほどの完璧な赤牛は、神殿があった2000年前以来とのこと。

驚いたことに、この牛たちを提供したのは、クリスチャン農家で、“ブネイ・イスラエル(イスラエルを建てる)”というミニストリーのバイロン・スティンソンさんである。

牛たちは、ハイファ1週間隔離のあと、イスラエルの農家2軒に引き継がれ、一般に公開される予定。実際にささげものになるのは、3年後になるとのこと。

イスラエルでは第三神殿建設に向けた準備が水面化で進められているが、3年後までに神殿ができるのかも!?

www.jpost.com/judaism/article-717650

石のひとりごと

ニュースをみていると、いろいろな点で、聖書がいう終わりの時の様子が見え隠れするようになっている。イエス・キリストが、まだ地上におられたとき、「時が満ち、神の国は近くなった。悔い改めて福音を信じなさい。」(マルコの福音書1:15)と言われたことを思い出す。

2000年前に、この言葉を述べたあと、イエスは、赤牛よりもさらに、はるかに完全なささげものとなり、十字架でその血を流された。赤牛とまったく違う点は、その後復活されたということ。

このため、これを信じる者は、ユダヤ人に限らず、だれでであっても完全な罪のあがないを得て、神との関係の回復(永遠のいのち)を得ることができる。これが、救いであるとクリスチャンたちは信じている。

ユダヤ人は、イエスをキリストとは信じていないので、これから来る終わりの時に来ると言われているメシア(救世主)は、はじめて地上にやって来ると信じている。クリスチャンにとっては、イエス・キリストの再臨ということである。

ユダヤ人もクリスチャンも、その時を待っているのだが、今、まさに、その時が近づいている気配がしているということである。

再びイエスのこのことばが、聞こえてくるようである。「時が満ち、神の国は近くなった。悔い改めて福音を信じなさい。」(マルコの福音書1:15)

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。