ハマス・イスラエル停戦合意とその後 2018.8.10

イスラエル軍の空爆を受けるガザ地区 写真出展:Times of Israel
8日夕刻から9日朝にかけて、ガザからのロケット弾が、イスラエル南部、スデロットやアシュケロンを含む南部一帯に断続的に打ちこまれ、9日午後には、射程の長いミサイルがベエルシェバ郊外にも着弾した。

午後9時すぎにも南部地域へ数発のロケット弾が撃ち込まれたが、それ以後の飛来はない。10日朝、政府は南部地区住民に出していた、イベントなどの中止の指示をすべて解除した。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5326293,00.html

アラブ系メディアからの情報として伝えられたところによると、9日夜10時45分に、エジプトの仲介ですすめられていたハマスとイスラエルに間の停戦合意が成立したとのことである。

イスラエルはこれを否定しているが、ネタニヤフ首相は、9日午後5時から予定されていた治安閣議を午後7時に延期し、その後2時間あまりの話し合いの結果、午後10時に、「治安閣議は、イスラエル軍に今後もテロ組織には断固たる対応を行うよう指導した。」との報告が出された。

停戦になったのは、午後10時45分ということである。この流れから、イスラエルは、エジプトに、ハマスとの交渉の時間を提供していたとみられ、イスラエルも、ハマスとの停戦に応じたと見るのが自然である。

ただし、この停戦合意は、たんにこの24時間の間の暴力のやり取りを停止するというだけであって、これがエジプトがすすめていた本来の、長期間(5年)の停戦合意かどうかは不明。

後者の合意については、ハマスがイスラエルとエジプトの国境を開放することを要求。イスラエルは、すべての暴力行為を停止することと、イスラエル人2人とイスラエル兵2人の遺体の返還を要求している。もしこちらの停戦であれば、今後、なんらかの動きが出てくるはずである。

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ガザから南部へロケット弾の雨:6人負傷 2018.8.9


8月8日夕刻からガザから、スデロットなどイスラエル南部地域に向かって、ロケット弾が夜中になってもまだ発射され続けており、イスラエル市民に負傷者も出て、緊張が高まっている。イスラエル軍はガザへの空爆を行っている。

<9日深夜までの経過>

イスラエル軍の攻撃を受けるガザ 写真出展:Times of Israel
8日夕刻18:00、ガザから、国境で対地下トンネルの防護壁を建設機材に向けて砲撃があった。これを受けてイスラエル軍戦車がガザへ砲撃を行った。

続いて19時半ごろ、ガザからロケット弾8発がイスラエル南部に向けて発射され、2発はアイアンドームが撃墜したが、少なくとも2発が、スデロット市内に着弾。家屋2軒と車数台を破損した。

これにより、男性(34)が、飛び散ったガラスの破片で負傷。もう一人の男性は、別の場所で、破片にあたって負傷。負傷者は、13歳を含む少なくとも6人となっている。このほか、妊娠中の女性など15人がショックで病院に搬入された。

現場では、上空で、ロケット弾を迎撃する様子を市民が撮影しており、大きな爆音で、付近にいた子供達が悲鳴でパニックになって、シェルターへ走る様子が伝えられている。

その後、22時ごろから、再び、ホフ・アシュケロンを含む南部広範囲で、立て続けにサイレンが発動なり続けた。深夜0時までにロケット弾70発がガザから発射された。これまでにアイアンドームが4発迎撃し、その他は、空き地に着弾している。

イスラエル軍は、ガザのトンネル関連地域やコンクリ工場、ハマス基地関連など12箇所への空爆を行った。現在、リーバーマン防衛相と幹部は緊急に対策を検討している。

https://www.timesofisrael.com/idf-strikes-hamas-posts-in-gaza-as-fresh-rocket-sirens-sound-in-south/

この一連の攻撃は、昨日7日、ガザからイスラエル側へ発砲した2人が、イスラエル軍戦車の反撃で死亡したことへの反撃とみられる。ハマスは、反撃を予告し、「今夜イスラエル人は寝られないだろう」と言っていた。

https://www.timesofisrael.com/idf-shells-gaza-post-after-soldiers-come-under-fire-2-hamas-men-said-killed/

<ハマス:イスラエルとの長期停戦合意は最終段階と発表>


ガザとイスラエルの衝突がエスカレートしているが、この4ヶ月、エジプトと国連(後の情報ではトルコとカタールも関与)は、ハマスに対し、イスラエルとの長期停戦に応じるよう交渉を行ってきた。

先週、ハマスの海外指導者アル・アロウリもガザ入りし、なんらかの動きがあるとみられた。8日15:00ごろ、ハマスは、合意の最終段階に入ったと発表。試験的に2週間ほどの停戦を実施し、今月末までに、5年間の停戦合意に持ち込むと伝えられた。

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国家民族法で課題噴出:ドルーズ10万人デモ 2018.8.6

ラビンスクエアでのドルーズデモ 写真出展:Ynet
7月19日に国会審議を3回通過して基本法にとりいれられた国家民族法(Nation State Law)。

イスラエルはユダヤ人の国と定義する法律だが、安息日やユダヤの例祭を国の祭日とし、アラビア語は公用語からはずして格下げになる他、国の自決権はユダヤ人に帰属するとされていることから、差別的だとして、少数民族から不満が噴出している。

特にイスラエルに忠誠を誓い、イスラエル軍や、国境警備隊にも従事し、多数の戦死者を出してきたドルーズ族からの反発が大きい。国家民族法が確定以来、ドルーズのイスラエル軍将校2人が、「この国に命をかける気が無くなった。」として、辞任を表明した。

アラブ系市民からも、この法律で、運転免許証の記載がヘブル語だけになるとか、これまで以上に、ユダヤ人地区とアラブ人地区へのインフラ整備や教育への差が拡大するんではないかなど、本来の論点ではない論議にまでひろがっている。

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LGBTと代理出産:エルサレム・ゲイパレードに2万人 2018.8.6

エルサレム・ゲイパレード 写真出展 Times of Israel
物議を呼んでいる国家民族法と同じ頃、代理出産に関する法案も、国会を通過した。それによると、イスラエルは、独身女性と結婚している夫婦が代理出産で子供を持つことを支援するが、独身男性にはこれを認めないということである。

言い換えれば、ゲイカップルが、代理出産で子供をもつこどだけは赦されないということを意味している。これを受けて、LGBT(ゲイ・レスビアン・バイセクシャル・トランスジェンダー)が、不平等だとして反発している。

https://www.jpost.com/Israel-News/Surrogacy-bill-passes-Netanyahu-flip-flops-on-homosexual-surrogacy-562810

エルサレムのオープンハウス(ゲイ支援施設)のCEOオフィル・エレズさんによると、イスラエルは、世界でも有数のゲイ・フレンドリーな国だが、同時に市政においてはまだかなり保守的なところがあり、難しい点も多いという。

エレズさんは、イスラエル人は、子供好きが多く、子供こそが人生の喜びであると考えている。ゲイだからといって、その権利を奪うことはどの政府にもできないはずだと訴える。

同性のカップルでは、子供が正常に育たないのではないかとの質問が出たが、エレズさんは、「異性夫婦でも問題を抱える家庭は多い。むしろゲイカップルは愛で結ばれているので、家庭に愛がある。子供に必要なのは愛だ。ゲイカップルの子供は皆、正常に育っている。」と力を込めて訴えた。

イスラエルでのゲイの割合について、エレズさんは、地域性もあるが、概ね総人口の10%ぐらいとの返答であった。

<エルサレム・ゲイ・パレードに2万人以上>

エルサレムでは、8月3日夕方からゲイ・パレードが行われた。3年前、パレードに参加していた16歳少女が、同性愛に反対する超正統派男性に、パレード中に殺害されたことから、今年も治安部隊2500人に守られながらのパレードとなった。

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水面下で進む?:ガザ・西岸地区・米中東和平政策 2018.8.6

<イスラエル・ガザの関係悪化>

ガザ国境8月3日 写真出展:Times of Israel
ガザからの火炎凧や風船による攻撃は一時減少にあったが、また元にもどっている。火炎風船によるイスラエル南部農地での火災は、今週末だけで40箇所もあった。

https://www.timesofisrael.com/gaza-indendiary-balloons-spark-40-fires-in-southern-israel-over-weekend/

また火炎風船は、ベエルシェバで発見され、家屋の屋根にとまっているものも発見されたため、イスラエルは、いったん再開していたガス、燃料のガザへの搬入を再び停止した。前回が期限付きであったのに対し、今回は期限付きではない。

https://www.jpost.com/Arab-Israeli-Conflict/Israel-again-bans-gas-and-fuel-into-Gaza-563971

Yネットによると、ハマスは、凧・風船攻撃について、参加するのは14歳以下で、この攻撃は、住宅地からに限るとの指令を出したという。イスラエルの攻撃を受けにくくするためである。

毎週金曜の国境での「帰還への行進」デモも続いている。先週28日、国境をパトロールしていたイスラエル兵が撃たれて中東度の負傷を負った。これに対し、イスラエルが、ハマス7箇所を攻撃。ハマスのパレスチナ人3人が死亡した。

https://www.timesofisrael.com/soldiers-fired-upon-by-gazan-gunmen-2-palestinians-said-killed-in-idf-strikes/

今週3日(金)のデモでは、8000人が集まってイスラエル軍との衝突。パレスチナ人1人(25)が死亡した。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5322095,00.html

5日、イスラエルは、ガザとの国境に地上、地下に及ぶ防護壁をん建設中だが、ガザ北部、イスラエルと接する海上200メートル突出する海上防護壁が建設中である様子が公開された。

イスラエルとガザの関係は悪化の一途をたどっているようだが、エジプトの仲介で、イスラエルとハマスの和平交渉が水面下で動いているという。

1)ガザ・ハマスとイスラエルの停戦合意への動き

ガザでは先週、海外のハマス指導者アル・アロウリらが、エジプト経由で、ガザ入りした。エジプトの仲介で進められているハマスとイスラエルの停戦合意を協議するためである。

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ゴラン高原とシリア:その後 2018.8.6

1)シリア政府の支配回復で、UNDOF(国連兵力引き離し監視軍)戻る

国境のUNDOF車両 写真出展:Times of Israel
シリア南部からクネイトラに向けてシリア軍が反政府勢力に攻撃を行ってたが、この地域での戦闘がはじまって6週間で、シリア政府軍が、おおむね制圧した形になりつつある。

クネイトラには、1974年から内戦が始まるまでの2011年の間シリアとイスラエルの間に駐屯していたUNDOF(国連兵力引き離し監視軍)が駐屯地に戻ることとなった。まもなく、シリアとイスラエルの行き来の再開も検討されている。

しかし、UNDOFは監視するだけで、行動はしないことになっているため、今回は、ロシア軍も警備にあたることになった。イスラエルは、ロシアに、クネイトラにいるシリア難民たちを政府軍の虐殺から保護するよう、要請したという。

https://www.timesofisrael.com/as-it-returns-to-border-un-looks-to-reopen-crossing-between-israel-and-syria/

2)イスラエル軍とFAIクリニック撤収へ


この地域での内戦が収束に向かっていることを受けて、よき隣人作戦の一環として、イスラエル軍とアメリカのクリスチャン団体FAIが協力して2017年から開いていたシリア側のクリニックを撤収する様子も伝えられている。

これまでにこのクリニックで治療したシリア人は6800人。今後も、必要がなくなったのではないため、撤収というよりは、一次的な凍結という理解でもあるという。

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米経済制裁再開で緊張するイラン情勢 2018.8.6

1)アメリカの経済制裁開始前夜

写真出展:BBC
トランプ大統領がイランとの核合意の離脱を宣言してから90日になる8月6日、イランへの最初の経済制裁が発動される。続いて180日後の11月5日には、原油の輸出制限を含むあらたな経済制裁が課される予定。

https://www.cnbc.com/2018/05/08/here-are-iran-sanctions-returning-after-trump-leaves-nuclear-deal.html

イランでは、通貨価値が急激に下がり、その経済はすでに大打撃を受けている。また、深刻な干ばつもあいまって、テヘランを含む各地で、時々に反体制デモが行なわれている。

先週金曜には、テヘランから100キロ地点で、反体制デモの500人が、シーア派イスラムの神学校を襲撃したが鎮圧された。デモは発生しているが、まだアメリカとイスラエルが期待するような、現イスラム政権を揺るがすほどのデモにはなっていない。

また、アメリカは各国にもイランからの輸入停止を要請しているが、中国は、それに同調せず、イランから継続して石油を輸入することを明らかにした。

今後、アメリカの経済制裁がどの程度、現イスラム主義政権打倒への圧力として効果を発揮するのか、まだ、予想もつかないといったところである。

2)ホスムズ海峡閉鎖を示唆か


トランプ大統領は、いよいよイランへの経済制裁を始めるにあたり、「今、イランの経済は最悪だ。もしイランが話し合いたいというなら、無条件で会う。」とメディアを通じてよびかけた。

これに対し、イランは、「アメリカとの話し合いは、アメリカが2015年の核合意に戻ることが条件だ。」として、これをすかさず一蹴した。

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トルコのブランソン牧師:その後 2018.8.6

アンドリュー・ブランソン牧師 写真出展:ワシントンポスト
アメリカの圧力とイスラエルの協力で、2016年から21ヶ月間、スパイ容疑で拘束されていたアメリカのアンドリュー・ブランソン牧師が、先週、刑務所からは解放され、自宅軟禁となった。

アメリカは、ブランソン牧師の無実を主張しており、完全な解放と、帰国を要求している。トランプ大統領は、トルコが約束通り、ブランソン牧師を完全に釈放しなかったとして、トルコのギュル法相と、ソイル内相への個人経済制裁を発動した。

https://jp.reuters.com/article/us-turkey-idJPKBN1KN024

<黙示録2:8−10:スミルナの教会>

エルサレムの祈りの家スカット・ハレル(リック・ライディング牧師)では、ブランソン牧師をよく知っているトルコ人でユダヤ人のマイクさん(今はイスラエル在住)が、ブランソン牧師とその教会がその後どうなっているのかを証した。

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北部:ロシア製シリア軍戦闘機撃墜 2018.7.24

撃墜されたものと同じ型の戦闘機 写真出展:Jpost Russia's Defence Ministry
シリアの内戦が終焉に近づき、シリア政府軍の反政府勢力への攻撃が、イスラエルとの国境クネイトラ周辺で激しさを増してきた。

以下に述べるが、昨日、イスラエル北部で、警報が何度も鳴ったのに続いて、今日24日も午後1時半ごろ、再びゴラン高原、ヨルダン渓谷などで警報が複数回鳴った。

今日は、シリアから、ロシア製の戦闘機1機が、ゴラン高原からイスラエル領内へ2キロ侵入して来たことから、ツファットに配備されていたパトリオットが、迎撃ミサイル2発を発射して撃墜。戦闘機は、シリア軍とISが激戦中のシリア側ヤルムク地方に墜落した。イスラエル側に被害はなかった。

https://www.jpost.com/Arab-Israeli-Conflict/Israel-fires-Patriot-missiles-against-Syrian-jet-in-Golan-Heights-563275

<23日:ダビデの石投げ迎撃ミサイル初始動>

ダビデの石投げ迎撃ミサイル 写真出展:Jpost
昨日23日朝10時半ごろ、ツファットやエン・ゲブを含むゴラン高原からガリラヤ南部など広範囲に警報が何度も鳴り響いた。

警報は、シリア方面からイスラエルに向かっているとみられたミサイルに反応した中距離迎撃ミサイル、ダビデの石投げが発射されたことに反応したもので、イスラエル領内には危険が及ばない、いわば、間違い警報であった。

ダビデの石投げは、アイアンドームとアローの中間で射程40-300キロをカバーする迎撃ミサイルで、シリア領内から中距離弾道ミサイルが発射されたために、イスラエル領内へ到達すると計算したのである。

ロシアとの交渉:シリアのイラン撤退について 2018.7.24

<イランのミサイル基地を空爆:今月4回目>

research facility in the Masyaf area of northwest Syria on July 22, 2018. 写真出展:Times of Israel
上記事件の前日22日、シリア北西部ホムス近くにあるイランのミサイル製造工場とみられる設備が空爆を受け、破壊された。シリア国営放送は、イスラエルの空軍機によるものと報じた。イスラエルは、ノーコメントだが、おそらくイスラエルであるとみられる。

この設備は以前にも破壊されたことがある地域で、欧米が化学兵器工場ではないかと疑っていた地域でもある。攻撃により、ヒズボラ数人が死亡したとの情報もあるが不明。とりあえずは、工場が破壊され物損のみとされている。

ネタニヤフ首相は、シリア領内にイランの設備は容認しないと言っているが、今月に入って、シリアのイラン関連施設が破壊されるのは、4回にものぼっている。これについて、たたける時にたたいているという見方と、いよいよイランがシリアに進出しているとの見方と両方ある。

https://www.timesofisrael.com/israel-jets-said-to-strike-chemical-weapons-site-in-syria/

<イスラエル国境から100キロのイランも容認しない:ネタニヤフ首相>

ロシア代表団と対話 写真出展:GPO
23日、プーチン大統領が、ラブロフ外相とロシア軍長官をイスラエルに派遣してきた。ネタニヤフ首相がモスクワでプーチン大統領と会談してから2週間後である。ハイレベル外交であるにもかかわらず、申し入れからわずか数日後の訪問であった。

シリア西南部をアサド政権が、制圧し始め、ロシアとしてもイスラエルとの国境ゴラン高原に関する取り決めを、早期にしておかなければならなくなってきたのである。

ロシアは、シリアからイランを完全に退去させることは非現実的だと主張している。しかし、イスラエルの懸念もかんがみ、以前はゴラン高原から80キロまでイランは撤退するとしていたが、今回、100キロまでとして交渉にやってきたのであった。

これに対し、ネタニヤフ首相は、弾道ミサイルがあれば届いてしまうので、結局100キロでも不十分だとこれを拒否した。ラブロフ外相らの訪問は、ちょうと北部でダビデの石投げが発動した数時間後だったので、ロシアもなっとくせざるをえなかっただろう。

イスラエルはあくまでもイランの完全撤退を主張している。その他、イスラエルは次のことも要求した。

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シリアのホワイトヘルメッツ救出:イスラエル軍 2018.7.24

イスラエル兵に合図するホワイトヘルメッツ 写真出展:IDF Times of Israel
シリアの内戦で反政府勢力が劣勢となり、戦いがゴラン高原付近で激しくなってくる中、23日、シリアのホワイトヘルメッツとその家族ら400人以上が、イスラエルを経由してヨルダンに避難を完了した。救出作戦を実施したのはイスラエル軍である。

ホワイトヘルメッツは、シリアの内戦中、白いヘルメットをかぶり、激しい戦闘の中を走り回って、負傷者たちの救出にあたってきた市民グループである。世界は、英雄として彼らの働きを伝えてきた。このホワイトヘルメッツは、反アサド派である。
ホワイトヘルメッツ 写真出展:Times of Israel
先週、シリア軍は、まずヨルダンとの国境ダラアを制圧、続いてゴラン高原のシリア側への攻撃を始め、南部で一部はイスラエルとの国境近くにいるISへの攻撃もはじめた。反政府勢力は、北部で唯一残っている支配域イドリブ地方へ行こうとしているが、その道路も遮断されかかっている。

このため、ゴラン高原クネイトラ地域にいたホワイトヘルメッツたちは、シリア軍に挟まれた形となった。アサド政権はホワイトヘルメッツを敵視しており、もし捉えられたら拷問、死刑になってしまう。

これを見て、カナダ、アメリカが、イスラエルとヨルダンに、隊員とその家族の救出を要請。イスラエルは、この時、ガザ国境で、自国の兵士一人を失い、ガザへの攻撃の真っ最中であったが、国際社会の要請に応じ、シリアからのホワイトヘルメッツ救出する役割を引き受けたのであった。

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再起不能?ハマス反撃なし 2018.7.24

カレン・ショムロン検問所 写真出展\ Eliyahu Hershkovitz
21日金曜、ガザ国境でのハマスとの衝突で、イスラエル兵1人が死亡し、イスラエル軍が空軍と戦車も連動させて、ガザ地区のハマス関連施設60箇所への激しい攻撃を行った。さらに、イスラエルが地上軍投入との情報も流れたことから、ハマスがあわてて、エジプト仲介の停戦に応じたとみられている。

ガザ国境では、その後日曜に、イスラエル軍との短い応酬があったが、それ以来、発火凧もひとつも飛来していない。その後、IDFが、ハマス関連施設の攻撃ビフォー・アフターというクリップを発表。ハマス本部などのすさまじい破壊が伝えられた。

http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/249303

これほどの破壊と打撃を与えたにもかかわらず、ハマス戦闘員4人が死亡したものの、物的被害だけで、民間人に犠牲者が出ていないということは驚きである。イスラエル軍の情報収集、攻撃技術が、4年前よりはかなり進歩しているということである。

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いろいろあった神殿崩壊記念日 2018.7.24

1)神殿の丘へユダヤ人1440人

神殿の丘のユダヤ人 写真出展:Jpost
7月21日日没から22日は、ティシャ・ベ・アブ(アブの月の9日)と呼ばれる神殿崩壊記念日であった。この日は、宗教的な決まりではないが、2つの神殿が破壊されたことをはじめ、ユダヤ人の歴史の中で発生した様々な悲劇がこの日に重なったことを思って嘆く日とされている。

エルサレムの嘆きの壁は、日没から嘆きに来るユダヤ人でいっぱいになり、ユダヤ教シナゴグでは、断食して床にすわって、哀歌を読みながら嘆くというのがこの日である。しかし、統計によると、この日、断食すると応えたイスラエルのユダヤ人は36%だった。

https://www.timesofisrael.com/for-over-half-of-israelis-tisha-bav-is-just-another-day/

こうした中、第3神殿の建設をめざす右派勢力は、毎年、この日に神殿の丘へ入ろうとして、治安部隊にとっては、緊張の1日となる。

昨年は1293人、今年は記録更新の1440人が神殿の丘へ上がった。神殿の丘では祈ることも賛美も、宗教書の持ち込みも全部禁止であるが、それを破ったとして、今年は15人が拘束された。

https://www.jpost.com/Israel-News/Over-800-Jews-enter-Temple-Mount-on-Tisha-Be-av-two-arrested-563113

夜には若いシオニストたちが、嘆きの壁の前で”私は信じる”という、来るべきメシアを信じるという賛美を大合唱した。エルサレム・タルムードには、メシアが、ティシャベアブの日に生まれ、定められた時に来て、平和をもたらすと描かれているという。それを信じると歌ったということである。

http://www.jewishpress.com/news/israel/jerusalem/tisha-bav-at-the-western-wall-in-jerusalem-thousands-of-jews-sing-i-believe/2018/07/22/

2)LGBTのデモ行進

テルアビブのラビンスクエア 写真出展:Jpost
ティシャベアブの日の日没後、テルアビブでは8万人が、ラビンスクエアに集まり、ゲイの権利を認めるよう訴えるデモを行った。

このデモは、性転換者が代理出産で子供の親になることを認める法案を、ネタニヤフ首相が支持すると約束したにもかかわらず、最終的に却下になったことに反対するものである。

参加者は、「人口800万人もいるのに、男性と女性だけか」とか、「政府は私を性別で差別する」「私が男か女かを決めるのは、私だけだ」などと叫んだ。

エルサレムでは、150人が同様のデモを行った。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5314631,00.html

嘆きの壁の石1つだけ落下 2018.7.24

落ちた石の横で祈る女性 写真出展:Times of Israel
ティシャベアブの翌日、嘆きの壁南側で、第二神殿時代からのロビンソンアーチに近い部分の石が、一つだけ突然取り出したかのように、地上に落下した。幸いだれもいなかったので、負傷者は出なかったが、石は100キロはあるとみられ、もし1日早かったら、大事故になるところであった。

たまたま撮影されていた映像をみると、その石だけがぽろっと落ちるように落ちている。この石はヘロデ時代からの石で、考古学者によると、石が侵食により落ちたのではないかとみられている。

嘆きの壁では、2004年にも、大きな石が、ヨム・キプールの日に祈っている人々の上に落ちたことがあった。この時も軽傷者だけですんだ。その後、2009年に、トルコ時代の壁部分は補強がなされたが、その下のヘロデ時代の石はそのままである。

問題は、嘆きの壁が神殿の丘の一部であるため、イスラエルにアクセスがないということ。前回の補修もヨルダンが実施したため、どの程度の補修かは不明。今、嘆きの壁全体が危険な状態にある可能性があるという。

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イスラエル兵1人死亡:ガザへ大規模攻撃 2018.7.21

ガザ南部へのイスラエル軍の空爆 写真出展:Times of Israel AFP PHOTO / SAID KHATIB
月曜、イスラエルは、いつまでも続く火炎凧・風船によるテロ行為に対し、ガザへの物流に加え、燃料も搬入を停止したが、ガザ地区国境では金曜午後、パレスチナ人とイスラエル軍の暴力的な衝突になった。この時、パレスチナ人射撃手により、イスラエル兵1人が死亡した。

加えて、エルサレム南東部のパレスチナ人地区ベイト・ジャラ近くで、ガザから飛来したとみられる火炎風船が発見された。

こうした事態を受けてイスラエル軍は、午後8時より、空軍機と戦車で、ガザ地区奥深くにまで至る広域への攻撃を開始。リーバーマン防衛相は、「ハマスは、我々に大規模な攻撃をせざるをえないようにしている。」と述べ、緊張が高まった。

テルアビブの防衛庁本部では、ネタニヤフ首相、リーバーマン防衛相、エイセンコット参謀総長らが入って、緊急の治安会議が行われた。

一方、ハマスのハニエ指導者も、イスラエルとの国境に現れ、「ガザの包囲が解かれるまでは、何人死のうがデモは続く。」と述べた。午後8時半、ガザからロケット弾が3発発射され、2発は迎撃ミサイルが撃墜。1発は空き地に着弾した。

周辺南部住民はシェルター近くにいるよう指示されている。しかし、今の所、先週末のような連続したロケット攻撃は報告されていない。

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基本法で制定へ:イスラエルはユダヤ人の国 2018.7.20

国会審議(アラブ系議員たち) 写真出展:Times of Israel :Times of Israel Amit Shabi)
19日、数年前から物議となっていた”Nation State Law”ー 基本法(日本の憲法に匹敵)にイスラエルはユダヤ人の国と明記する法案が、国会での審議3回目を通過し、基本法として制定されることが決まった。

これにより、イスラエルは、首都を統一されたエルサレムとするユダヤ人の国と基本法に明記されることになった。公用語はヘブライ語となり、アラビア語は公用語から格下げの公用語になる。さらに、ユダヤ人が居住する入植地が国に所属するとみなされる。

しかし、イスラエル総人口の20%、10人に2人はアラブ系市民である。この法案については、アラブ系市民は二級市民になるとして反発。ユダヤ系市民の間でも、イスラエルの民主主義に矛盾するのではないかとの意見も多く、論議になっていた。

イスラエルは、建国以来、ユダヤ人の国であると同時に、民主主義の国であるという2点を同等の位置付けで歩んできた。

イスラエルがユダヤ人の国であることは明白なので、それをあえて基本法に明記しないことで、民主主義を尊重し、アラブ系住民との衝突も避けてきたといえる。

今回の法案が出たとき、「あえて文字にして論争を引き起こす必要があるのか。」との意見もあった。アラブ系市民との友好関係を推進しているリブリン大統領は、文字にする必要はないとの立場をとっていた。

しかし、物議をかもしながらも法案は、国会審議を2回通過。昨日の最終論議は紛糾し、8時間に及んだが、結果的に賛成62、反対55で、可決されたのである。

今回の決定は基本法、日本でいうなら憲法を改正するということである。今後、これを基準に様々な法律が制定される。今後、実際にどのような影響が出てくるかは、時間とともに明らかになってくると思われる。

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南北国境:続報 2018.7.20

<クネイトラの反政府勢力がシリア軍へ投降>

ゴラン高原に立つイスラエル兵 写真出展:Times of Israel (AFP Photo/Jalaa Marey)シリア南西部で反政府勢力が、ロシアの仲介で、武装解除に応じたが、19日、イスラエルと国境を接するクネイトラにいる反政府勢力も重火器の武装解除に応じた。

https://www.timesofisrael.com/syria-rebels-agree-to-surrender-zone-bordering-golan-monitor/

この地域には、イスラエルが支援しているシリア難民キャンプがある。Times of Israelによると、反政府勢力がシリアとロシア軍に投降する直前、イスラエルは食料72トン、燃料9000リットル、医薬品、衣料品とおもちゃを搬入したという。

https://www.timesofisrael.com/idf-delivers-aid-to-displaced-syrians-as-rebels-surrender-to-assad/

<ガザからロケット弾・イスラエル軍空爆>


もう毎度のことになってしまい、ニュースにも上がらなくなっているほどだが、ガザ地区周辺都市では、今日も昨日も警報が鳴り、ガザからのロケット弾が着弾した。幸い、道路など空き地に着弾しているので人的被害はでていない。

イスラエル軍はこれに対しガザ内部2箇所へ空爆を行った。この攻撃で、1人が死亡したと伝えられている。

https://www.jpost.com/Arab-Israeli-Conflict/Four-injured-in-IDF-strike-on-Gaza-Strip-562943

大規模衝突を防げるか:ガザ情勢 2018.7.19

凧に対処するドローン 写真出展:Times of Israel (AP Photo/Hatem Moussa)
先週末、ガザから200発ものロケット弾がイスラエルに発射され、イスラエルもガザ内部のハマス関連施設40箇所を空爆破壊するという暴力の応酬があった。

その後、ハマスとイスラム聖戦が停戦を宣言(イスラエルの同意はなし)して、落ち着くかに見えたが、数時間後には、ガザからのロケット弾が飛来して、イスラエルが空爆するという攻撃の応酬再開となった。

また停戦に、焼夷凧は含まないと主張し、その後も焼夷風船がイスラエル南部に飛来し続けている。無人のドローンが上空で凧や風船を処理しているが、全部をキャッチすることはできていない。消防隊は、火曜だけで9箇所の消火に対処させられた。

https://www.timesofisrael.com/idf-using-autonomous-drone-system-to-intercept-gaza-kites-balloons/

17日火曜には、コンドームを風船のように膨らませて発火物を付けたものが、幼稚園の庭で発見された。子供達は幼稚園にいたが幸い、被害はなかった。
ガザ周辺で、発火物を足にくくりつけられて死んでいる野鳥もみつかった。・・・なんとも醜い事態になりつつある。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5311701,00.html

イスラエル軍は、火曜、ガザ地区内2箇所への空爆を行った。これを受けて、ガザからもロケット弾が飛来した。どっちが先か・・のようにみえるが、ガザからの凧攻撃が一番最初である。イスラエルはこれをれっきとしたテロ行為とみなしている。

凧攻撃をやめさせるため、イスラエルは現在、ガザへの検問所カレン・ショムロンにおいて、医療人道支援物資以外の物流を停止している。火曜からは、燃料、ガソリンの搬入も停止している。これは、ハマスにとっては致命的で、電気が1日数時間しかないガザ住民にとっても大きな痛手になるだろう。

ただし、あこの処置については、日曜までと期限が切られており、ハマスに出口を与えた形である。ぎりぎりまで、大規模衝突を避けようというイスラエル意図がうかがえる。

しかし、イスラエル軍は、新たな衝突に備え、すでに国境付近に軍司令部を設置。テルアビブ地域には迎撃ミサイルを配置した。

ネタニヤフ首相は、被害にあっているスデロットを訪問。続いて、今日は、リーバーマン国防相とともに国境の軍司令部を訪問し、イスラエル軍はいかなるシナリオにも対処する用意ができていると述べた。

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イスラエル国境で保護を求めるシリア難民の声 2018.7.19

クネイトラ 写真出展:アル・ジャジラ
先週、シリア南部ダラアをシリア政府軍が奪回したことで、30万人とも言われる難民が発生。そのうちの5-6万人が、イスラエルとの国境に近いクネイトラ方面へ逃れてきたことはお伝えした通りである。

懸念された通り、シリア南部ダラアを抑えたシリア軍とロシア軍は、イスラエルとの国境クネイトラ周辺の反政府勢力への攻撃を始め、1974年に策定された国連ひきはなし軍が監視する非武装地帯からシリア側数キロの地点にまでせまっている。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5311082,00.html

17日朝には、クネイトラを見下ろす戦略的要所であるアル・ハアラ高地を攻撃し、反政府勢力から4年ぶりに奪回している。この時の攻撃で、クネイトラの学校が被害を受け、子供達を含む少なくとも10人が死亡した。

これを見て、この地域に避難しているシリア難民たち100人ほどが恐れをなし、白旗をかかげて、イスラエルとの国境200メートルまで接近してきた。

イスラエル軍は、拡声器で、アラビア語にて、イスラエルは国境を開けられないことを説明。そこからイスラエルとの間には、地雷が多数埋められていることから、「無理に入ってくることはあなたがたのためにならない。」と伝えた。まもなくシリア難民たちは引き返していった。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5311566,00.html

<クネイトラのシリア難民の声:イスラエルに行けば安全>

クネイトラのシリア難民とテレビ記者会見
クネイトラのアル・ブルカ・シリア難民とビデオ電話で、記者会見が行われた。代表はアブル・ハンマルさん。通常なら、安全のために、名前や顔は非公開なのだが、悲惨な状況をなんとか国際社会に知ってもらいたいと、顔を隠さない記者会見であった。

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ヘルシンキ:米露首脳会談とイスラエル 2019.7.19

ヘルシンキでの米露会談 写真出展:ワシントンポストPablo Martinez Monsivais/AP
15日、ヘルシンキで、世界の2大超大国米ロの首脳会談が行われた。公式会談としては初めてであった。これほどの大きな会談であるのに、準備期間は2週間しかなく、したがって根回しもなく、議題も不明のままの会談で、メディアはかなりふりまわされていたようである。

予想された通り、特に具体的な成果や変化はなかったが、会談後記者会見において、トランプ大統領が、米大統領選挙時のロシアの介入容疑を追求しなかったことで、自国の諜報機関を愚弄したとして大騒ぎになった。

この容疑を不問に伏すことで、ロシアが今後も民主国家の選挙や政治に介入することを容認することになり、やがては民主主義がロシアの社会主義に飲み込まれてしまうというのが、懸念されたのである。

さすがに、ペンス副大統領とポンペイオ国務長官のすすめで、トランプ大統領が、記者会見での発言を撤回修正するに至っている。

また、この首脳会談に先立ち、特にクリミア問題でロシアと対立するNAT0首脳会議があり、トランプ大統領も出席。経費負担でアメリカとヨーロッパが衝突。その後、トランプ大統領が、クリミア問題にも言及せず、プーチン大統領に接近する様子に懸念を持ったEU首脳も多かったと思われる。

イスラエルでは、両首脳がシリア問題において、イスラエルの治安を守ることで一致したというニュースがトップで流されていた。

トランプ大統領によると、アメリカもロシアもイスラエルに協力していることを確認し、共に、1974年以来のイスラエルとシリアの国境を守ることでの合意を確認したとのことであった。余談だが、プーチン大統領はネタニヤフ首相のファンだとトランプ大統領は言った。

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エイラット国際空港開港 2018.7.19

新エイラット国際空港 写真出展:JPost (AMIR COHEN/REUTERS)
イスラエルでは南北国境が緊張しているが、戦争が始まるまでは、日常生活に変わりはない。南北国境地域以外は、いたって平和にやっている。
こうした中、16日、イスラエル最南端エイラットに国際空港が開港した。*実際に観光客が降り立つのは、来年3月の予定。

エイラットは、紅海に面し、スノーケリングなどもできるリゾート地である。しかし、エイラットに行くには、小さな空港があるにはあるが、一般的には、長時間バスに乗るしかなく、観光客も伸び悩みであった。

国際空港ができたことで、特に、ヨーロッパなど近場からリゾートに来る旅行者を期待できるようになる。すでにドイツ系のルフトハンザが、乗り入れを決めている。

空港は、イスラエル発の宇宙飛行士としてスペースシャトルに乗り込み、帰還時の事故で死亡したイラン・ラモンさんと、その息子で、父親の死亡6年後に戦闘機事故で死亡したアサフさんの名前から、イランとアサフ・ラモン空港と名付けられた。

https://www.jpost.com/Israel-News/First-flight-lands-at-Ramon-Airport-as-Eilat-seeks-to-grab-more-tourists-562683

ハマスとイスラム聖戦が停戦を宣言 2018.7.15

ガザからの攻撃 写真出展:Times of IsraelAFP/Bashar Taleb)
金曜夜から始まったガザとイスラエルの軍事衝突は、イスラエル市民4人が負傷したことから、戦火の拡大が懸念されたが、エジプトと複数の国々の仲介により、ハマスとイスラム聖戦が停戦を宣言。土曜午後11時現在(日本時間朝5時)、一応の静けさが戻っている。

ハマスとイスラム聖戦は、イスラエルの空爆が衝突の原因だと主張したとのことだが、エジプトが、「イスラエルは、容赦なくエスカレートさせる用意をしているから、もし戦火の拡大を望まないなら、ガザの方が先に攻撃を停止しなければならない。」と説得したもようである。

イスラエル軍によると、攻撃が始まってからの24時間で、イスラエルに発射されたロケット弾や迫撃砲は約160発(100発は土曜午後3時以降)。アイアンドームが約30発を撃墜し、その他は、空き地や道路などに着弾した。

スデロットでは、ロケット弾の破片が家屋に飛び込み、中にいたイスラエル人家族4人が負傷(軽傷から中東度)。続いてシナゴーグの建物も被害を受けたが、当時だれもいなかったため負傷者はなかった。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5309726,00.html

https://www.haaretz.com/israel-news/gaza-rocket-israeli-army-renews-strikes-on-hamas-targets-after-overnight-flare-up-1.6270173

ガザでは、死者は2人(15歳、16歳)で、負傷者は12人。イスラエル軍による空爆は40箇所と、規模は大きかったが、ターゲットが、ハマスの放火凧関連指令部や、訓練場などの施設であったことと、周辺住民には攻撃の忠告を出していたことから、人的被害が以前より少なかったとみられる。

https://www.aljazeera.com/news/2018/07/smoke-rises-gaza-israeli-military-renews-bombing-180714112426621.html

イスラエル政府は、日曜、今後の対策を協議することになっている。

緊急:南部で警報鳴り通し:ガザへ大規模攻撃中 2017.7.14

ガザから発射されるロケット弾 写真出展AFP PHOTO / BASHAR TALEB)
土曜正午半から午後4時現在までに、50発以上が、アシュケロンなどを含む南部地域に向けてロケット弾、ミサイルが発射され、現在、警報がなりっぱなし。住民はシェルターから15秒のところで待機することや、屋外での100人以上の集会、ガザから7キロまでは500人以上の集会は中止するよう指示されている。

イスラエル軍は、白昼の攻撃では、2014年のガザとの衝突、ツック・イタン(境界の崖作戦)以来の規模となる空爆を、ガザ各地で行なっており、テレビでは、継続してニュースが流されている。

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シリア南部ダルア陥落:難民がイスラエルか国連に保護を要請 2018.7.14

写真出展:REUTERS/Omar Sanadiki
シリア南部デラアでは、2週間に及ぶ激しい戦闘の末、ロシアが仲介した停戦合意が成立し、反政府勢力が武装解除するとともに、これに応じない者がイドリブ方面へ移動している。これを受けて12日、シリア政府軍が、ダルア市内で、勝利宣言とともにシリア国旗を掲げ、内外にその陥落が明らかとなった。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5309059,00.html

今後、シリア軍が、イスラエルとの国境ゴラン高原方面の反政府勢力掃討を開始することは避けられない見通しである。

<イスラエルはアサド政権容認を表明:ネタニヤフ首相モスクワ訪問>

写真出展:GPO
内戦勃発の町ダルアがシリア政府軍にほぼ陥落した11日、プーチン大統領のワールドカップ外交の一環で招かれたネタニヤフ首相がモスクワを訪問していた。ネタニヤフ首相は、プーチン大統領に、イランとヒズボラをシリアから撤退させるなら、治安維持に支障とならない限り、イスラエルは、アサド政権がシリアを支配することを容認すると伝えた。

公式発表はないが、イスラエル政府関係者によると、ロシア、さらにはアサド政権も、イランの独走には閉口しており、イスラエルのイラン追放の要求が実現する可能性はおおいにあるとの楽観視を語っている。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5308957,00.html

しかし、アメリカからは、イスラエルに対し、ロシアを信用しすぎないよう、警告する意見も出ている。

https://www.timesofisrael.com/top-us-senator-warns-israel-against-deal-with-russia-over-syria/

<戦闘を前に:シリア難民がイスラエルへ保護を要請>


イスラエル・メディアTPSによると、ネタニヤフ首相・プーチン大統領会談の翌12日、ゴラン高原周辺に逃れてきていたシリア南部からの難民たちが、シリア政府軍の攻撃が間近に迫ったことを受けて、イスラエルか、国連による保護を要請するデモを行った。

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シリア南部からイスラエルへイラン製ドローン 2017.7.13

写真出展:Times of Israel
ネタニヤフ首相が、プーチン大統領に会っていた時、シリア南部から偵察用ドローンがガリラヤ方面へ侵入。イスラエル軍は、ロシア軍のものでないことを確認してから、約16分後、パトリオット迎撃ミサイルでこれを撃墜した。この間、ゴラン高原やヨルダン渓谷で警報が鳴った。

撃墜はガリラヤ湖上空であったため、破片はガリラヤ湖に落下。多くの住民が迎撃ミサイルがドローンを撃墜する様子や大きな爆音を聞いたが、被害はなかった。

http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/248849

これを受けて、イスラエル軍は、ゴラン高原クネイトラ周辺のシリア軍拠点3カ所を空爆した。物損はあったが負傷者等はなかったもようである。

https://www.timesofisrael.com/reports-of-israeli-strike-in-syria-hours-after-regime-drone-penetrates-airspace/

後にこのドローンがイラン製であったと報告された。イランは今年2月にも爆発物つきのドローンを送り込み、緊張が高まったという経過がある。

西日本「激甚災害」イスラエルでも報道・支援活動開始へ 2018.7.11

写真出展:BBC
西日本豪雨による被害が徐々に明らかとなり、死者数は150人を超えた。行方不明者もまだ多数あり、家族を失った人々の悲しいニュースが入り続けている。

この「激甚災害」のニュースは、イスラエルのテレビのプライムタイムニュースでも報じられた。

https://www.mako.co.il/news-world/international-q3_2018/Article-5159f23279d7461004.htm?sCh=31750a2610f26110&pId=1675883010

イスラエルの国際人道支援団体イスラエイドは、9日、岡山県に、その日本支部であるJISP(Japan IsraAID Support Program)を立ち上げ、現地で支援活動を開始した。

今回、イスラエルから岡山へ派遣された3人は、2011年の東日本大震災での支援活動を経験した後、さらに7年間、イスラエルで訓練を受けてきたという。必要に応じて救援・支援を増やしていくとのこと。

JISPは、2011年に東日本大震災で支援を行なった専門家たちからなり、2013年に設立されてから、ネパールや熊本での地震の際にも活躍している。

https://www.israel21c.org/israaid-trained-emergency-team-sent-to-flooded-japan-area/

昨夜、エルサレム・アッセンブリーでの祈り会でも日本の被災地のために祈られたが、その際、「日本では200万人もの人々が避難している。日頃イスラエルの問題は大きいと思っているが、日本の様子を見ると、我々の問題は小さいと思った」とのコメントも・・・。

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イスラエルで続く小規模地震 2018.7.11

ティベリア 写真提供:Times of Israel
ガリラヤ地方では、先週水曜に地震があったが、それ以降も小さな地震が続いている。日曜夜にも小さな地震が4回、月曜にも同様の地震が観測された。

地震の規模はいずれもマグニチュード3-4程度(東日本大震災は9)で、一部壁が落ちるなどして、避難を余儀なくされたアパートもあったが、大きな被害はない。

https://www.timesofisrael.com/northern-israel-struck-by-earthquake-for-third-time-in-a-day/

イスラエルではほぼ100年ごとに大きな地震が来ると言われているが、次の大地震がそろそろくる時期。前回の大きな地震は1927年で犠牲者は500人。

イスラエルの建物は多くが石でできている。特に北部の多くのアパートは一階部分が、足だけで立っており、山の斜面に立ち並んでいる地域も多い。もし将来、大きな地震になれば、それらがいっせいに転がり落ちる様子は、容易に想像されるところである。

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シリア南部停戦でアサド政権勝利への一歩 2018.7.11

シリア南部の戦闘 図:BBC
7年目を迎えるシリアの内戦。2015年にロシアが軍事介入を始めて以来、アサド大統領率いるシリア政府が勢力を回復し、ISはじめ、各地の反政府勢力を鎮圧、領地を奪回しつつある。

こうした中、シリア政府軍がいよいよシリア南部、ヨルダンとイスラエルの国境付近の反政府勢力の掃討を開始した。

これにより、デラアを中心とした地域で6月19日から激しい戦闘となり、シリア難民32万人が発生。ヨルダンは、難民をこれ以上受け入れるのは限界だとして、受け入れを拒否したため、6万人ほどが、イスラエルとの国境、ゴラン高原クネイトラ方面へ近づいてきた。

イスラエルは、難民を受け入れない方針を決め、代わりにゴラン高原シリア側に、テント村を提供し、人道医療支援を行なっている。(以下に詳細)

その後、約1週間後の7月7日、シリア政府軍と反政府勢力が、ロシアの仲介で停戦に合意。反政府勢力が非武装に応じ、一部はシリア北部にかろうじて残っている反政府勢力支配域イドリブ地方へ移動したもようである。これで、シリア南部はアサド政権の支配するところとなった。

戦闘がやんだことを受けて、難民数万人が、デラア方面への帰還を始めている。

https://www.timesofisrael.com/thousands-head-home-in-south-syria-after-ceasefire-deal-monitor-says/

<シリア内戦終焉のはじまり?>


今回、シリア南部で反政府勢力が敗北したことで、いよいよアサド政権が反政府勢力鎮圧に成功し、内戦が終焉に向かう可能性が出てきた。

イスラエルとの国境、クネイトラ周辺にいる反政府勢力は、北部はすでにシリア政府勢力になっているので、南部のヨルダンからの補給に頼っていた。今回の南部での敗北により、反政府勢力は、いわばシリア政府軍に包囲された形になった。

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イスラエル軍と協力するクリスチャン医療支援隊 2018.7.11

シリア南部からの難民キャンプ
シリア南部での戦闘で難民がゴラン高原にまでせまったきたが、イスラエルは難民を領内に受け入れず、シリア領内でとどまるよう支援することを決めた。その上で、イスラエルとの国境付近に来た難民には、医療を提供する他、人道支援物資の搬入を行なっている。

イスラエル軍と協力し、シリア側で、医療活動をしているのは、AFI(Frontier Alliance International)と呼ばれる国際クリスチャン団体である。

AFIの医師、看護師らは、明確にイエスの名を全面に出しながら、自らの危険をかえりみず、難民たちの中に入って医療活動を行っている。献金だけでなく、実際に現場で働く彼らの働きは、イスラエル軍にも非常に高く評価されている。以下はシリアとの国境取材より。

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ガザ焼夷凧への対処:カレン・ショムロン検問所閉鎖 2018.7.11

カレン・ショムロン検問所 写真提供:Times of Israel
ガザ周辺に焼夷凧や風船が飛来して、イスラエルの畑で火災が発生する事件は今も連日続いている。この100日あまりで、焼失した範囲は、2万8000デュナムで、ネタニヤ市やレホボト市の大きさに匹敵するという。
イスラエルは、今ドイツなどを介して、ハマスと人質の交換交渉を行っていることから、焼夷凧攻撃への武力による反撃は行っていない。

しかし、イスラエルは、昨日から、焼夷凧への報復として、ガザへの最大の物資搬入の検問所カレン・ショムロンを閉鎖を開始した。これにより、ガザからの輸出入が停止する。これは、ガザのビジネスが麻痺することを意味し、ハマスに大きな打撃になるはずである。

ただし、建築物資以外の食料や医療物資、特別な必要のあるものについては制限しないとしている。

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CGN TV

2018/7/20に公開
ゴラン高原のシリア難民とイスラエル 2018.7.20

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CBN

2017.10.03に公開

クリスチャン・メディア・サミット  CBN 2017 10/31

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IDF

2017/10/01 に公開

メキシコでのイスラエル軍救援隊


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GPO

北米からの移住 2017.7.4

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考古学関連

2017/10/01 に公開

第二神殿時代・神殿への大通り イスラエル考古学局

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MOL

2016/01/27 に公開

若者のテロ自殺

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