国連安保理がイスラエル指名なしでカタール攻撃非難の共同声明:アメリカ拒否権発動せず 2025.9.12

国連安保理は、9月11日(木)、イスラエルによるドーハ攻撃についての緊急協議を行った。

イスラエルのダノン代表は、ネタニヤフ首相が、表明したように、「テロリストを免責にするべきではない。テロリストに聖域はない」と訴えた。

しかし、カタールのアブダラヒム・アル・シャーニー首相は、攻撃自体を非難するにとどまらず、イスラエルは、進行中だった交渉を破壊したのであり、人質の命を見捨てたと訴えた。

www.timesofisrael.com/liveblog_entry/at-un-security-council-qatar-accuses-israel-of-trying-to-derail-gaza-truce-efforts/

最終的に、国連安保理加盟国15カ国は、全会一致で、イスラエルのドーハ攻撃について、「安保理は、緊張緩和の重要性を強調する。国連憲章の原則に基づき、カタールの主権と領土保全を支持する」共同声明を出した。

今回、アメリカが珍しく拒否権を発動しなかったことが注目された。

アメリカがイスラエルのドーハ攻撃に合意していたわけではないことが表れている。しかし、「イスラエル」という名称は、共同声明の中には出ていないところに、アメリカへの配慮があったと言われている。

トランプ大統領は、イスラエルのドーハへの攻撃が、人質解放の障害にならないことを願っていると表明した。

www.timesofisrael.com/liveblog_entry/in-rare-joint-statement-un-security-council-condemns-israeli-strike-in-doha/

「パレスチナ国家はありえない」ネタニヤフ首相がE1建築計画に署名 2025.9.12

パレスチナ国家承認に向かう国際社会

国際社会では、今、長引いているガザ戦争を終わらせ、恒久的な平和をもたらすためには、パレスチナ国家を設立するしかない、との考えが広がっている。フランス、イギリス、カナダなどG7からも、次々に、パレスチナ国家を承認する意向表明が出ている。

国連では、本日、二国家解決に関する投票を行う。また、フランスとサウジアラビアが中心となって、22日(月)に、パレスチナ国家承認について、が話し合われることになっている。

この時に、新たにパレスチナ国家を承認しようとする国が、その意向を正式に表明することになる。

なお、国連では、その加盟国193カ国中、147カ国は、すでにパレスチナ人の国を承認している。これにより、パレスチナ自治政府は、まだ国連加盟国ではない中、オブザーバーとしての立場で国連に出入りしている。

まだ国と認めていないのは、G7含む欧米諸国で、日本もまだ承認していない。しかし、林官房長官が、日本は二国家共存を支持していると強調した。

また、11日(木)岩谷外相が、超党派「人道外交議員連盟」から、パレスチナを国家として承認するよう、政府に求める要望書を受け取ったとのこと。承認するかどうか検討すると言っている。

www.nikkei.com/article/DGXZQOUA115CU0R10C25A9000000/

パレスチナ国家はありえないとネタニヤフ首相

イスラエルは、今現在の治安状況、またこれまでにパレスチナ国家を設立しようとして、逆にテロが増えて失敗してきた経験から、パレスチナ国家承認は絶対に認めないと、激しく反発している。

宗教シオニスト党のスモトリッチ財務相は、エルサレムと、西岸地区のユダヤ人地区マアレイ・アドミムの間にある、E1地区にユダヤ人の家屋3412戸を建設し、エルサレムとつなぐ計画を発表した。

これにより、西岸地区は、南北で分断され、国家設立が事実上、不可能になる形である。

世界からは非難の炎上となったが、ネタニヤフ首相が、9月11日(木)この地域を訪問しb、この計画に合意する文書に正式に署名。「パレスチナ国家はありえない」と宣言した。

この案は、もうずいぶん前からあった計画だが、国際社会の反発を受けて実施できなかったものである。それを今、実施するということで、国際社会に反旗を翻すようなものである。

www.timesofisrael.com/there-will-be-no-palestinian-state-pm-signs-plan-cementing-e1-settlement-expansion/

なお、西岸地区のパレスチナ自治政府は、厳しい経済不審に陥っており、自治政府が転覆して、カオスに突入する可能性が懸念されている。強硬右派は、それも予想しているのか、近い将来、ユダヤ・サマリア地区(西岸地区)をイスラエルに併合する野望を口にするようになっている。

www.timesofisrael.com/there-will-be-no-palestinian-state-pm-signs-plan-cementing-e1-settlement-expansion/

石のひとりごと

2000年代初頭から、イスラエル情勢を追ってきた中で言えることだが、現実問題として、また特に今のパレスチナ人の状況で、パレスチナを国として承認することには無理があると思う。

今のパレスチナの支配者が、基本、テロ組織だからである。国になる準備もそれを真剣に目指す動きもないからである。

国になるには、まず自国のイメージとともに、隣国と共存し、共に助け合い、成長するという目標が必要になるが、今のパレスチナ社会には、どれもみあたらない。こういう信念がない中では国は成り立たないと思う。

にもかかわらず、国際社会がまともに、国として認めようとしている。そんな特権を今の状況で与えようものなら、現地にいる両方の人々に命の危機が及ぶことになる。

現地の実情を何も知らない人たち、特にそこに行ったこともないような人が、感情論や自分自身の正義感や、人道問題だけで国承認というのは、無責任に過ぎると思う。

一方で、それがわからない人々の前で、強硬右派たちが、強行的に西岸地区を併合することになれば、イスラエルは、さらに非難の的になるだろう。とはいえ、パレスチナの国が承認されたら、今後の嵐は恐ろしいことになるので、何かしなければならないわけである。

あらゆる点において、イスラエルは今、ジレンマに直面していると言われている通りである。

フランスで反政府暴動20万人:マクロン大統領危機 2025.9.12

パレスチナ国家承認を推し進めているフランスのマクロン大統領。足元では危機的状況にみまわれている。9月10日(水)、パリはじめ、フランス全土で、20万人が参加したとみられる暴動が発生した。

高速道路を封鎖し、バリケードを貼るなどの暴徒であった。対処した警備員は8万人。催涙弾なども使われ、パリだけで300人。全国で約500人が逮捕された。

このデモは「すべてを封鎖せよ」と名付けられ、主に若者世代が、今の政府に反発して起こしたものである。現在、フランスは、深刻な赤字経済に陥っており、年金凍結など、さまざまな緊縮財政を進めている。

こうした中、9日(火)、予算案をめぐって、前のバイル首相が議会で不信任とされ、政府が崩壊した。マクロン大統領が、次にルコルニュ首相(39)を任命したが、これにも反発が出ている。

国民に緊縮を押しつける政府だが、それを運営するマクロン大統領はじめ、首相たち政治家が、金持ちであるため、不満が爆発したとみられている。パリでは、マクロン大統領に反発する若者たちが、「金持ちのエリート共和国」と叫んでいた。

結局、マクロン大統領が退陣しなければならないと言われている。

www.reuters.com/world/europe/block-everything-protests-sweep-across-france-scores-arrested-2025-09-10/

石のひとりごと

イスラエルを祝福する者は祝福されると聖書は言っているが、その逆も言っていることである。どちらかというと、その逆、イスラエルに敵対する者が、困難に直面するという例の方が確実なような気がする。石のひとりごと。

どうするNATO!?ロシアのドローンが NATO加盟国ポーランドに侵入 2025.9.12

9月10日(水)朝、ポーランド領空にロシアのドローン3機が侵入。撃墜することとなった。ポーランドは、NATO(北大西洋条約機構)加盟国なので、これはポーランドだけの問題ではない。

NATO加盟国の条約第4条によると、加盟国が領土保全や政治的独立が危ぶまれた時は、その防衛に協力することになっている。加盟国であるアメリカは、ロシアに対し、NATO加盟国を防衛すると、ロシアに警告した。

アメリカが実際に軍事的に動く様子はないが、ヨーロッパ諸国は、ポーランドの防衛を強化する動きに出ている。

フランスは、ポーランドに3機の戦闘機を送ると表明。ドイツは、NATOの東の国境に沿って、航空警察を拡大すると発表した。オランダとチェコもポーランドに防衛を送ると表明した。

ロシアと国境を接するリトアニアは、ウクライナへの攻撃が、リトアニアにも拡張してくることの警告を発し、ドイツの防衛隊を受け入れると表明した。

NATO評議会は、12日(金)にもこの件での緊急評議会を開催するとのこと。

第三次世界大戦になりうる様子で、緊張が高まっているが、今の所は、双方ともに、実際に軍事行動に出ることはないとみられている。今回、ロシアは、ドローンを送って、NATOの出方を試したのではないかと言われている。

www.bbc.com/news/articles/c0lkz2n34z6o

www.nikkei.com/article/DGXZQOGN10D280Q5A910C2000000/

www.bbc.com/news/articles/clydk8821nro

ロシアと中国、北朝鮮が接近する中で、ロシアとアメリカ、NATOが直接対立する様相である。第三次世界大戦の気配もして、この時代の向こうに何があるのか緊張する日々である。

フーシ派の弾道ミサイル攻撃続く・エルサレムにも:イスラエル軍またサナア攻撃 2025.9.12

イエメンのフーシ派は、いくら攻撃しても、しつこく弾道ミサイルをイスラエルに向けて放ってくる。

先週、最南端エイラットに近いラモン空港に着弾したのに続き、数日前には、聖地とされ、標的になることは少ない、エルサレム市内全域でサイレンが鳴り、市民たちがシェルターに走ることとなった。

イスラエル軍は、9月10日(水)、サナアとその近郊にあったプロパガンダを担当する軍中央司令室への攻撃を行った。

イスラエル軍によると、空軍戦闘機10機が、これまでで最長となる2350キロを飛行し、サナアなど15ヶ所に30の爆弾を投下したとのこと。フーシ派は、この攻撃で35人が死亡。131人が負傷したと発表した。

イスラエルが、イエメンのフーシ派を攻撃するのは、今回で17回目とのこと。

www.timesofisrael.com/israel-strikes-houthis-targeting-propaganda-hq-camps-with-operatives/

ドーハ攻撃は失敗?ハマス指導者6人のうち2人負傷のみか 2025.9.11

ドーハでのハマス指導者6人攻撃の結果は期待薄か

9月9日(火)、イスラエルは、カタールの首都ドーハで、ハマス最高指導者たち6人を標的とした攻撃に踏み切った。6人が全員死亡となれば、ハマス殲滅に大きく近づくことになる。

(Credits: Mahmud Hams/AFP, Louai Beshara/AFP, Hamas, Ashraf Amra/APA/ZUMA Press via Alamy)

イスラエルは、6人がどうなったか慎重に調査しているが、これまでのところわかったことは、標的になった6人のうち、2人が負傷。そのうち1人は重傷となっている。その2人がだれなのかは報じられていない。

新たな報告によると、ドーハには故イシュマエル・ハニエ、その近くにあったアル・ハヤのオフィスはじめ、いくつかのハマス・オフィスが攻撃されていた。

ハニエのオフィスには空爆1発が直撃していたが、主要な標的であったアル・ハヤのオフィスではなかった。

サウジアラビアの情報筋からは、イスラエルが電話で位置情報を確認していたが、電話がオフィスに置いてあるなどで、食い違いが発生したのではないかとも言われている。

まだ断定はできないが、今の所、攻撃が劇的な成功と変化をもたらすものではない流れである。つまり、成功したとは言えない状況のようである。

イスラエルの攻撃に対し、ガザでハマスが、人質に拷問していないことを祈るのみである。

日本含む国際社会からのイスラエル非難

一方で、イスラエルに対する国際社会からの批判は非常に激しくなっている。本日、国連安保理は、この件で、緊急会議を開催する。

日本の林官房長官は、11日(木)、イスラエルのカタールへの攻撃は、カタールの安全と主権、ひいてはこの地域の安定を脅かすものだ。日本はこれを強く非難する」との声明を出した。

www.arabnews.jp/article/japan/article_157769/

こうした中、ネタニヤフ首相は、11日、声明を発表した。

ネタニヤフ首相は、ハマス指導者たちは、10月7日の大虐殺を指揮した者たちだと強調し、9月11日が、アメリカの同時多発テロの日でもあることから、この時、アメリカがどう対処したのか、考えてほしいと問いかけた。

アメリカは、アフガニスタンでアルカイダを追い詰め、パキスタンでオサマ・ビン・ラディンを殺したが、国際社会はそれに反発はしなかったではないかと訴えた。

ネタニヤフ首相は、最後に、「カタールは今すぐ、ハマスを追放するか、裁判にかけるべきだと述べ、そうしないなら我々がそれをするのみだ」と強く宣言した。

これに対し、カタールは、「ハマスは、交渉で、アメリカとイスラエルが合意した事を、検討しようと集まっていた。

それを知っていながら、攻撃したということは、イスラエルが、人質解放と停戦の可能性をすべて破壊したということだ」と言い返した。

www.timesofisrael.com/netanyahu-tells-qatar-to-expel-hamas-chiefs-or-bring-them-to-justice-if-you-dont-we-will/

ハマスは交渉継続の意向と

カタールは、イスラエルを強く非難しつつも、アメリカの圧力もあり、仲介は継続すると表明している。

また。サウジアラビアのメディアによると、ハマスも交渉を続ける意思を表明しているとのこと。

www.timesofisrael.com/liveblog_entry/report-despite-strike-in-qatar-hamas-leadership-united-on-completing-ceasefire-talks/

石のひとりごと

ハマスは交渉を続けると言っているが、国際社会の後押しがある今、優位に立てると思っているのではないか。

国際社会は、イスラエルを最悪の国のように言っているが、よく考えれば、ネタニヤフ首相の言っていることは筋が通っていると思う。

まず、ハマスは国際テロ組織である。この戦争を終わらせるなら、ガザを支配するハマスが人質を全員解放し、非武装化すること。そしてカタールにいるハマス指導者たちを、カタールが差し出して裁判にかければいいだけの話である。

それを早くしていれば、イスラエルがカタールにいるハマスを攻撃せずにすんだということなのである。

しかし、世界は別の筋を通そうとしている。どういうわけか、最悪のテロ組織ハマスを存続させるだけでなく、その国家まで認めようとしている。パレスチナの国というが、今、パレスチナ人たちを支配しているのは、ハマスはじめ、あらゆるテロ組織なのである。

おかしいとしか言いようがないのだが、ここから見えてくることは、結局のところ、世界は、イスラエルの存在を受け入れたくないということではないかと思う。

それは、やはりイスラエルが、この全能の神がその証をするように選ばれていることの別の意味での証であると思う。罪に覆われた世界は、主を受け入れることができないからである。

イスラエルはいよいよ孤立に向かっている。こういう時だからこそ、主がイスラエルを通して、世界にその存在と栄光を表してくださることを期待する。

 

 

ガザ市から20万人移動とIDF推測:南部で人道支援拡大準備中 2025.9.11

ガザ市から20万人移動か:避難民移動を待ちのイスラエル軍

ガザ市にいる非難民たちに、戦闘が始まる前に海岸ぞいに南部人道地域へ非難するようにビラを巻いて指示したイスラエル軍。これまでに、100万人いる市民たちのうち、20万人がガザ市を出たとみている。

イスラエル軍は、地上軍を投入してガザ市のハマスを一掃する計画だが、市民が移動するのを待っている状況にあるとのこと。

www.timesofisrael.com/liveblog_entry/idf-says-some-200000-palestinians-have-left-gaza-city-as-it-gears-up-for-offensive/

ラファに新しく改善されたGHF配布センター2カ所準備中

一方ガザ南部ラファは、おおむねイスラエルの管理下にあるとされ、戦闘はなく静けさがあるという。イスラエル軍は、この地域を整備しており、GHFに引き渡して、食糧配布センターを2カ所開設する予定になっている。

これまでに設立されたGHFは、人々が住んでいることから非常に遠いことと、サイトでの歩行者の流れの中で銃撃事件も発生して非難され続けた。イスラエル軍は、そこから学んだことを新たな配給センターに生かしていると語っている。

たとえば、ラファであれば、人道地帯とされているアル・マワシからは見える位置にあり、遠くても20分ぐらいの徒歩で到達できるという。センター内での人々の動きはより明確に、シンプルになっているという。

またセンター内に、イスラエル軍は駐留せず、周辺で治安の維持を図るようにして、イスラエル軍が市民を殺したと言わせない形になるとのこと。

*ガザへの食糧配布

イスラエルは、今年3月、一旦支援物資の搬入をすべて停止した。ハマスの横領が問題になっていたからである。

しかし、そのことからだけではなかったと思われるが、ガザ市民が飢餓状態に陥っているとのニュースが出るようになり、国際社会は、イスラエルのみにその責任を問い、飢餓を武器に使っていると非難した。

イスラエルは5月中旬から、食料や支援物資の搬入をフルで再開させた他、空からの物資の投下や、ガザ全域でのスープキッチンも徐々に再開させた。

以来、GHFだけで、1億6600万食以上を配布したとのこと。1日計算では、11日だけで120万食である。だいぶ満たされてきたのか、ガザの飢餓問題についてのニュースは少なくなっている。また、ガザ市から南部へ移動するガザの人々の様子をみると、ガリガリになっているような人はみえない。

www.timesofisrael.com/waiting-for-gaza-city-residents-to-head-south-israel-readies-new-aid-sites-in-rafah/

親イスラエル福音派でトランプ大統領支持活動家チャーリー・カーク氏暗殺:トランプ大統領・ネタニヤフ首相が遺憾と哀悼表明 2025.9.11

親イスラエル・親トランプ大統領インフルエンサーのチャーリー・カーク氏暗殺

9月10日(水)、福音派クリスチャンで親イスラエル、ニューヨークタイムスはカリスマと表現するほど、強力なトランプ大統領支持の右派活動家でインフルエンサー、チャーリー・カーク氏(31)が、アメリカ・ユタ州のユタバレー大学で、“The American Comeback”の演説中に首を撃たれ、病院に搬送されたが、その後死亡した。

www.nytimes.com/live/2025/09/11/us/charlie-kirk-shooting-news

一時、容疑者が拘束されたが、犯人ではなかったようで、警察は今も犯人の捜索を続けている。以下は当日の集会の様子。かなりの人気者であったことがわかる。銃撃の後、人々はパニックになり現場から逃げていた。

twitter.com/yashar/status/1965913512037003453

Charlie Kirk, wife Erika and their two children.Instagram/charliekirk17762021年に結婚したカーク氏の妻のエリカ・フランツィヴェさんと2人の幼い息子と娘が遺族となった。

カーク氏に支えられてきたトランプ大統領は、すぐにSNSで遺憾と追悼を表明。次の日曜まで国旗を反旗にするよう指示した。

イスラエルでもトップで報じられ、ネタニヤフ首相も、遺憾と追悼を表明した。

チャーリー・カーク氏:インフルエンサーとして若者に影響力発揮の右派活動家

チャーリー・カーク氏は、2012年、まだ18歳の時に、右派保守派政治団体、ターニングポイント(TPUSA)を協力者と共に設立。850の大学に支部を置くまでに成長した。

大学を卒業後もTPUSAは、ユーチューブや、SNSなどを通じて、強力なインフルエンサーとなり、カーク氏は、若者の間で、最も強力な右派保守系活動家となっていった。

2024年の大統領選挙の際は、MAGA(Make America Great Gaian)を推奨し、若者がトランプ大統領に投票する影響力になっていたと言われている。

以下は、カーク氏の訃報を受けたトランプ大統領のコメント

チャーリー・カーク氏:イスラエルの心の友と呼ばれる福音派クリスチャン

TPUSAが、強硬ともいえる右翼であったため、カーク氏の発言の中に、陰謀論的ともとれる発言(ユダヤ人が全てを支配しているとの中傷)があったことから、ADL(反名誉毀損連盟)から、キリスト教ナショナリズムだと非難されたこともあった。

しかし、カーク氏は、自分が、福音派クリスチャンで、親イスラエルの立場を明確にしており、常にイスラエルを擁護する立場にあると、ADLの指摘を否定した。

実際、カーク氏は、様々な親イスラエル団体に招かれて講演する人である。2018年にトランプ大統領が、アメリカ大使館をエルサレムへ移転させた際、ユダヤ人国家の概念を認めるトランプ大統領を賞賛する声明を出していた。

またカーク氏は、進行中のガザのハマスとの戦争においても、パレスチナ人を植えさせているという非難に対し、イスラエルを擁護する声明を出していた。

若い世代に受け入れられていることから、先月もZ世代の集会で、共和党員の間でも、イスラエル指示が低下しており、アメリカ国内で反ユダヤ主義暴力が横行していることについての話し合いを行っていた。

www.timesofisrael.com/conservative-influencer-and-israel-advocate-charlie-kirk-shot-dead-at-utah-event/

ネタニヤフ首相は、カーク氏は、「カーク氏は、真実を語り、自由を擁護したことで殺された。ライオンの心を持ったイスラエルの友だった。嘘と戦い、ユダヤ・キリスト教文明のために、高く立ち上がった人だった」とコメントした。

また、イスラエル擁護の活動家ヨセフ・ハダッド氏は、「私たちは。イスラエル国家の真の友を失った。カーク氏は、親パレスチナの人々の前に、躊躇する事なく、勇敢に立ち上がった。

イスラエル人でもユダヤ人でもないのに、ハズバラ(イスラエルを擁護すること)を実行した。今の戦争におけるハズバラの栄誉がある。カーク氏の暗殺は、アメリカにとって、またイスラエル国家にとっても暗闇の日だ。」と語った。

www.ynetnews.com/article/h1xq8a1oxg#autoplay

石のひとりごと

国のトップであるトランプ大統領とネタニヤフ首相までが、追悼のコメントを発表している。親イスラエルの福音派で、ここまで実社会に影響力があった人がいたとは知らなかった。

イスラエルを祝福するものは祝福されると聖書は言っている。カーク氏は、暗殺されたが、その栄誉という祝福をもらったのかもしれない。しかし、残された家族たちの支えのためにも祈らなければならない。

カーク氏の暗殺で、アメリカの保守派はさらに強くなっていくだろうか。それともその逆になるのか。

イスラエルを祝福しようとする福音派の戦いが始まりそうである。

暗殺直前に参政党の招聘で来日していたチャーリー・カーク氏 2025.9.11

Turning Point USAが、若い世代に祖国に目を向けさせようとしている点では、最近、日本でも「日本人ファースト」を掲げて、急速に支持を伸ばしている参政党(神谷宗幣代表)と通じる点があるようである。

参政党は、この9月、チャーリー・カーク氏を招聘し、暗殺されるわずか4日前の7日(日)、東京で神谷氏との対談イベントを行っていた。参政党はそのHPで、以下のようなコメントを発している。

チャーリー・カーク氏の訃報に接し、深い悲しみと衝撃を禁じ得ない。私たちは9月7日に氏を日本へ招き、講演会を行ったばかりである。その短い時間において、氏は単なる来賓ではなく、共に未来を築く同志となった。年末の氏主催イベントで再会することも約束していた。

氏は、私たちに多くの重要なメッセージを遺した。たとえその命が奪われても、氏の志とメッセージが奪われることは決してない。

sanseito.jp

石のひとりごと

アメリカでも日本でも、若い世代が、祖国に目をむけ、祖国の発展と繁栄を考えようとする動きが立ち上がっている。やはり時代は今変わろうとしているのだろうと思う。

しかし、それはまたちょうど、第二次世界大戦が勃発する前の世界の様子に通じる点でもあるので、なんとなく不安な思いもある。ロシアがNATO加盟国ポーランドへドローンを発射したところでもある。

変化の時代、全ての支配者はだれなのか。天地創造の主にしっかりつながっておくことの重要性をますます感じさせられるところである。

イスラエルがドーハでハマス最高指導者6人を攻撃:成功ならガザ戦争終わるとネタニヤフ首相 2025.9.10

イスラエルがカタールのドーハに集まるハマス指導者らを攻撃

イスラエルのサル外相が、イスラエルは、アメリカの停戦条件を受け入れると表明した数時間後の9月9日(火)午後4時、イスラエルが、カタールの首都ドーハへの攻撃を敢行した。

報告によると、イスラエルの戦闘機10機以上がドーハに到達し、数秒以内に10発以上の弾丸を同一の建物に投下したという。ドーハには、10年以上前からハマスのオフィスがあり、ガザの外での拠点となっている。

標的になったのは、以下のハマス最高指令官6人で、10月7日の計画に深く関わった指導者たちである。

(Credits: Mahmud Hams/AFP, Louai Beshara/AFP, Hamas, Ashraf Amra/APA/ZUMA Press via Alamy)

ガザのハマス部隊長のハリル・アル・ハヤ、西岸地区のハマス指導者ザヘル・ジャバリン、ハマス評議会議長のムハンマド・ダルウィシュ、ニザール・アワダラ、そしてハマス海外指導者ハレッド・マシャアル。(ともう一人)

ハマスによると、6人は、ガザに関するアメリカの停戦条件を検討していたとのこと。

この攻撃で、ハリル・アル・ハヤの息子と、アル・ハヤの事務所長、幹部ボディガード3人の計5人が死亡したと発表し、上記6人の死亡は否定した。この他、カタールが、治安部隊要員1人が死亡したと発表している。

この思い切った攻撃は、「火の首脳作戦」とされ、ハマスへの最終的な打撃を狙った攻撃だった。ネタニヤフ首相は、この作戦が成功したら、ガザの戦争は終わると言っている。

ネタニヤフ首相は、8日(月)に発生したエルサレムでのテロを受けて、この攻撃を指示したと表明している。

ハマスの反応:イスラエルは停戦に合意する気がないと非難

しかし、ネタニヤフ首相は楽観的な見方を否定しておらず、6人が死亡したかどうかの明確な結果を待っているところである。

当事者のハマスは攻撃を受けて、イスラエルには交渉で同意する意志がないと非難した。

on September 9, 2025. (Shalev Man/Foreign Ministry)

実際のところ、この攻撃の前に、サル外相が、クロアチアでの記者会見で、アメリカの停戦合意を受け入れると表明はしていた。

しかし、妥協したのではなく、条件として、人質全員解放と、ハマスの武装解除の2点はあげていた。

これは、ハマスが降参してはじめて成立する条件である。ハマスがそのまま受け入れるはずはない。そこへ、この攻撃であった。ハマスは、イスラエルは停戦に合意する気がないと非難した。

www.timesofisrael.com/liveblog_entry/israel-has-accepted-trump-proposal-for-gaza-ready-to-end-war-tomorrow-saar-says/

ネタニヤフ首相からガザ市民へ

こうした中、ネタニヤフ首相は、ガザ市民にメッセージを発信。今回攻撃したのは、10月7日のイスラエル人虐殺に関わった者たちだと強調し、この組織を排除しなければ、お互いにとって将来はないと語った。

確かに、サル外相が先に、アメリカの案を受け入れると表明しているが、ハマスの脅威がなくなっていることが条件になっていた。

ネタニヤフ首相は、今、ガザの市民に向けて、安心してトランプ大統領の案を受け入れるよう、呼びかけた。

www.timesofisrael.com/israel-strikes-hamas-chiefs-in-qatar-terror-group-insists-senior-leaders-unharmed/

トランプ大統領は攻撃を非難:同時にうまくいけば戦争が終わるとの見解も

イスラエルはこの攻撃は、独断で行ったものであることを強調している。トランプ大統領は後に、イスラエルの攻撃の情報が入ったが、それをウィトコフ特使がカタールに伝えるには間に合わなかったと言っている。

www.timesofisrael.com/israel-strikes-hamas-chiefs-in-qatar-terror-group-insists-senior-leaders-unharmed/

アメリカのトランプ大統領は、この攻撃について、交渉への大きな打撃になるとして、イスラエルを非難した。しかし、もしハマスの最高指導者6人が死亡していた場合は、戦争が終わる可能性も示唆している。

しかし、まだそうなる確証はない。まずは、ハマスの人質への報復が懸念されている。これまでに解放された人質が、イスラエルの攻撃があるたびに拷問されていたと語っていたからである。

人質家族たちは、深い恐怖と、人質が帰ってくるチャンスが著しく落ちたとの深い不安に陥っていると表明している。

www.timesofisrael.com/hostage-families-express-grave-fear-that-doha-strike-could-endanger-the-captives/

また、ヨーロッパは、カタールの首都を攻撃したイスラエルに対し、国際法に違反だと非難の大炎上になっている。

www.timesofisrael.com/white-house-berates-israel-for-unilaterally-bombing-hamas-leaders-in-ally-qatar/

ガザ交渉は頓挫か?カタールは激怒も仲介は続けると 2025.9.10

イスラエルに首都を攻撃されたカタールは、このような攻撃を受け入れることはできないと表明。アメリカに、仲介から一時離脱すると伝えた。

www.timesofisrael.com/liveblog_entry/qatar-tells-un-it-will-not-tolerate-reckless-israeli-behavior/

しかし、アメリカの強い圧力を受け、カタールのアル・タヒニ首相は、カタールには反撃する権利があることは強調しつつ、中東にとって今、大きな分岐点にあるとの認識から、仲介を継続すると表明した。

www.timesofisrael.com/liveblog_entry/qatari-pm-says-doha-will-continue-mediation-efforts-reserves-right-to-respond-to-israeli-attack/

そのカタールだが、ハマス幹部を首都に在留させていることからみても、明らかにハマス擁護者である。それが、仲介者になっていることに疑念を訴えるイスラエル人も少なくない。

イスラエルが地上軍侵攻に向けてガザ市全域に緊急避難勧告のビラ:エジプトはガザ避難民受け入れ拒否 2025.9.10

People watch as leaflets dropped by the Israeli military urging evacuation south to al-Mawasi land in Gaza City on September 9, 2025. (Omar AL-QATTAA / AFP)

ガザ市の高層ビルを大規模に破壊したイスラエル軍は、9月9日(火)、地上軍侵攻を前に、ガザ市全域の住民に南部への避難を警告するビラをまいた。

これまでは、部分的な警告であり、広範囲に警告を出すのは初となる。

イスラエル軍は、南部の人道支援地域アル・マワシへの避難を呼びかけた。

しかし、多くの市民は、高齢者や子供、負傷者を抱えており、長距離を歩くのは困難である。途中でハマスに攻撃される可能性もある。

タクシーや運搬車両を調達するには1000ドル必要とも言われ、払えない人の方が多い。

これまでにガザ市から出た避難民は、100万人中、10万人にとどまっている。避難したくてもできないというのが現状とも言われている。しかし、イスラエル軍は、必ず入ってくる。人々の間でパニックになっているという。(別件だが、飢餓状態に見える人はいない)

こうした中、ガザでは、「私たちは出て行かない」とのプラカードを掲げる人も報告されている。しかし、これを報じたのがハマスなので、ハマスの工作である可能性もあると言われている。

それでも避難してガザ地区の海岸沿いで、テントもなく途方に暮れている人が1500人いるとのこと。イスラエルはガザ南部での人道支援の改善をおこなっている。

www.timesofisrael.com/in-first-israel-orders-all-of-gaza-city-to-evacuate-ahead-of-ground-invasion/

エジプトがガザ避難民受け入れを拒否

イスラエルはガザ南部のエジプトとの国境に近い地域を人道支援地域に指定している。イスラエルはエジプトに対し、エジプトへ行くことを希望するガザ市民がいれば受け入れてほしいと伝えたが、エジプトはこれを拒否した。

エジプトは、戦争当初、二重国籍を持つガザ市民などを受け入れていたが、現在は停止している。ガザ市民を受け入れて、エジプトからイスラエルを攻撃することでもあれば、エジプトがイスラエルの標的になる可能性を懸念していると言われている。

また、いったんエジプトに出たガザ市民が、将来ガザに戻れるかどうか、イスラエルが確証していないこともその原因と推測されている。行き場のないガザ市民を受け入れるアラブ諸国は一つもない。

www.nytimes.com/2025/09/07/world/middleeast/egypt-israel-gaza-city.html