ガザ市への地上軍はまもなくか?ザミール参謀総長が再び政府に反対表明 2025.9.15

ガザ市で高層ビル4棟破壊:地上軍作戦はもうすぐか?

カタール問題で中東首脳が集まり、ルビオ米国務長官が、イスラエルを訪問している今も、イスラエルはガザ市への攻撃を続けている。9月14日(日)、イスラエル軍は、ガザ市の高層ビル4棟を破壊した。これによりハマス戦闘員ら数十人が死亡したとみている。

これらのビルの破壊に先立ち、イスラエル軍は続けて攻撃前にその位置情報を提示して避難を警告した。しかし、ハマスは、病院で死亡が確認された13人を含め、24時間内の攻撃で47人が死亡したと発表している。

Displaced Palestinians evacuating southbound from Gaza City travel on foot and by vehicle along the coastal road in Nuseirat in the central Gaza Strip on September 13, 2025. (Eyad BABA / AFP)

これまでの警告で、ガザ市を出た避難民は、30万人になったと推測されている。まだ70万人残っている計算だが、イスラエル軍は、まもなく地上軍による攻撃を開始するともみられている。

www.timesofisrael.com/israel-levels-three-towers-in-gaza-city-as-residents-continue-to-evacuate-area/

こうした中、イスラエルは、ガザから出ることを希望する人は出られるようにする方針にすると言っているが、まだ正式に始まったかどうかは未確認である。

しかし、Times of Israelによると、ハマスメンバーが、市民に紛れて、家族をガザから出そうとする動きもあり、中には、自分も出るための申請を出したケースがあると伝えている。

ハマスは、ガザ市の市民に避難せず、そのままとどまるように強制していると言われる中での動きである。COGATはこれを拒否したとのこと。

www.timesofisrael.com/as-hamas-urges-gazans-to-stay-put-its-leaders-are-trying-to-flee-strip-says-israel/

ザミール参謀総長が政府にガザ戦闘拡大に再度反対を表明

IDF chief of staff Lt. Gen. Eyal Zamir (Photo: IDF Spokesperson’s Unit)

Ynetによると、ザミール参謀総長は、12日(金)、国会に対し、ネタニヤフ首相はガザへの攻撃拡大について、何を期待し、何に備えるかの明確な指示をもらっていないと表明したという。

ザミール氏はまた、GHF(ガザ人道財団)の4ヶ所の配布センターでの支援物資配給プログラムは失敗だった述べ、にもかかわらず、これから12か所にまで増やすことに疑問も表明した。

ザミール氏は、2週間前に、ガザ市への侵攻に反対し、別案として、これを包囲する作戦を出していた。しかし、ネタニヤフ首相と閣議はこれを却下し、ガザ市への攻撃拡大を選択した。ザミール参謀総長は国の軍として、政府に従うことを決め、今も攻撃を続けている。

しかし、13日の会議で、再び、ガザへの地上軍侵攻は、①兵士へのリスク、②人質へのリスク、③国際的に正当性が認められていないこと、④ガザ民間人の避難困難、また、イスラエル軍がガザ市を制覇した後、長期にわたる軍事支配におくことになるなどの理由を挙げて、反対意見を出したとのこと。

こうした懸念に、ネタニヤフ首相はなんの答えも与えず、地上軍進軍を指示しているということである。ザミール参謀総長が今また、反対意見を出したことについて、軍は政府に従うが、全ての責任は、政府のあると明確にしたとみられている。

www.ynetnews.com/article/hkkmhfsoll

*イスラエルの負傷兵の現状

Wounded IDF soldiers arrive for the funeral of a comrade at Mt. Herzl Military Cemetery in Jerusalem, July 8, 2025. (AP Photo/Maya Alleruzzo)

国防省によると、イスラエル国内での負傷兵はすでに2万人。

2万人のうち、45%は重度の身体への負傷を負っている。障害者となった兵士は90人近くにのぼる。また99人は四肢を失って義手義足になっている。

全負傷者2万人のうち、57%の1万人以上はPTSDと診断されている。

2万人のうち、64%は予備役兵(徴兵されて戦場に行った市民兵)だった。

www.timesofisrael.com/more-than-10000-idf-soldiers-have-been-treated-for-mental-health-issues-since-oct-7/

石のひとりごと

ガザ市民のうち47%は18歳以下と、半分近くが子供なので、地上軍が入っていくと、大勢の子供たちが犠牲になる可能性が高い。人質やイスラエル兵の犠牲も避けられないだろう。

それでも、ガザへ地上戦に踏みきるべきなのか。一方で、踏み切らなかったらどうなるのか。

私たちにはただ見守るしかできないが、主が双方を憐れんでくださり、多くの命が失われることを避ける道を与えてくださることを祈るのみである。

スペイン自転車レース最終日に10万人親パレスチナ暴力的デモで最終ステージ中止:デモを賞賛するスペインの外相 2025.9.15

スペイン首都マドリードで10万人が反イスラエル暴動:自転車レース最終日中止

9月14日(日)、マドリードで行われる予定だった、自転車レース、ブエルタ・ア・エスパーニャの最終ステージでは、親パレスチナデモが10万人規模となり、プラカードを掲げて、道路を封鎖するなどした。

1500人の警察が配備されていたが、たいへんな暴動になり、20人が逮捕される事態となった。

このため、最後のレースは中止とされた。選手たちは、マドリードに入る前、59キロ前でストップをかけられたとのこと。

スペインでは毎年9月に、ブエルタ・ア・エスパーニャと呼ばれる国際自転車競技が行われる。3週間かけて、3100キロメートルを、20前後のステージに分けて、自転車で走る国際競技である。

この競技に、イスラエルからもチームが参加していたが、スペインのアルバレス外相、スポーツ・教育相でもあるアレグリア報道官は、ガザでのジェノサイドの様相から、イスラエル選手は排斥するべきだと言っていた。

Team Israel-Premier Tech’s August 27, 2025. (Josep LAGO / AFP)

しかし、イスラエルのチーム、プレミア・テックは、それは危険な前例になるとして、撤退要求を拒否。イスラエルだとはわかりにくい、めだたないユニフォームにすることに同意して出場した。

しかし、イスラエルのチームが出ていたことに抗議して、あちこちで親パレスチナデモ隊と衝突が発生し、最後の10ステージのうち、6ステージは混乱で短縮されるなどになっていた。

しかし、イスラエルチームは怯まず、そのまま走行を続け、チームメンバーのマチュー・リッチテッロ選手(23)が、12日のレースで6位となり、最優秀若手ライダーに選出されていた。

スペインのサンチェス首相が暴動を称賛:国を上げてイスラエルを非難

(Borja Puig de la Bellacasa / LA MONCLOA / AFP)

しかし、異常事態は、この暴動をスペイン政府が称賛したことである。スペインのサンチェス首相は、「選手たちへの敬意を表しつつも、スペイン市民は今日、パレスチナなどにおける人権擁護で、一歩前に進み、世界の見本になった」とデモを称賛する声明を出した。

www.timesofisrael.com/anti-israel-protesters-block-final-stage-of-vuelta-after-drawing-spanish-pms-praise/

サンチェス首相は、先週、ガザにおいて、イスラエルが露骨な大量虐殺、ジェノサイドの脅威になっていると避難。「スペインは、核兵器を持っていないので、これを止めることができない」との声明を出し、問題になっていた。

ネタニヤフ首相は、これに対し、「スペインは、かつて異端審問やユダヤ人追放、またホロコーストにおける虐殺もまだ不足であるようだ」と嫌味の声明を返した。

このやりとりの後、スペインは、イスラエルに派遣している在イスラエル大使を召還した。

www.timesofisrael.com/israel-accuses-spanish-pm-of-issuing-blatant-genocidal-threat-after-nuke-comments/

なお、これに先立ち、サンチェス首相は、ガザでの大量虐殺を止め、その加害者を追求するっためとして、イスラエルからの武器輸入と、一部の輸入を禁止すると発表。また、極右のスモトリッチ財務相と、ベン・グビル国家安全保障相のイスラエル入国禁止を決めていた。

www.timesofisrael.com/spain-sanctions-israel-over-gaza-genocide-recalls-envoy-after-antisemitism-charge/

石のひとりごと

9月12日、フランスで20万人レベルの反政府デモが暴動になり、13日には、イギリスでも10万人級の反政府デモが発生。14日にスペインでこの様相である。

アメリカでもチャーリー・カーク氏が暗殺されて以来、国内の分断が大きく懸念されている。世界はいったいどうなっているのだろうか。

第二次世界大戦の時もそうだったが、イスラエル(ユダヤ人)に大きな被害が出る時には、世界の被害はそれ以上だったことを思い出す。大きな時代の変化に、心を備えなければと思う。

秋の例祭休暇で海外旅行に出るイスラエル人に国家安全保障会議が警告 2025.9.15

イスラエルでは、9月22日からユダヤ教新年が始まり、仮庵の祭りと、10月中旬まで秋の大型連休の時期に入る。

イスラエルの首相官邸参加の国家安全保障会議(NSC)は、イランとその傀儡すべて、まずはハマス、ヒズボラ、アルカイダなどが、イスラエル人を人質にしようと狙っている可能性が高いとして、イスラエル市民に海外旅行への警告を出した。特に10月7日が危険だとしている。

渡航自粛国は、イラン、シリア、レバノン、イラク、イエメン、エジプト(シナイ半島含む)、トルコ、ヨルダン。また、どこからでもかけられるホットライン番号も出されている。

この他、海外では、反ユダヤ、反イスラエル主義がエスカレートしている。NSCは、海外では、イスラエルやユダヤのシンボルを避け、公にヘブライ語を話したり、治安管理が不十分な大集会には出ないようにと警告を出した。

www.timesofisrael.com/ahead-of-holidays-israel-warns-of-iran-backed-terror-threats-to-israelis-and-jews-abroad/

しかし、これで、自粛するようなイスラエル人はいない。戦時中でも、行ける時には行っておこうと、海外旅行に出る人が少なくはならない。

Ynetによると、秋の3週間半ほどの例祭期間中に、ベングリオン空港を出入りする人は210万人と予想されている。

特に大型連休の始まりで、ピークにあたる9月18日(安息日前)は、この日だけで、国際便570便が発着し、約10万人がベングリオン空港を出入りする。

ピークはこの他、新年前日の21日に8万8000人、25日に9万2000人、28日に9万2000人となっている。行き先は、ギリシャ、キプロス、アメリカ、イタリア、UAE(アラブ首長国連邦)となっている。

www.ynetnews.com/travel/article/byq2kjnigl

石のひとりごと

いくら止めても、イスラエル市民が、危険を顧みず海外旅行に行くことは国もよくわかっている。公務員たち自身がそうだからである。

なので、これで何かあっても、自己責任だといって国が、市民を見放すことはないし、国民も同じ考えである。

筆者の知人も、もうすぐ家族を連れて、日本への旅行にやってくる。イスラエル人たちの無事を祈ろう。

国連総会がパレスチナ国家設立開始に圧倒的多数で承認:イスラエルは政治的サーカスと非難 2025.9.13

国連総会が圧倒的多数で二国家共存案推進で可決

ニューヨークで開かれている国連総会は、9月12日(金)、イスラエルとパレスチナの二国家解決に賛同するかどうかで採択を取り、賛成142、反対10、棄権12の圧倒的多数で可決した。

これを持って、「ガザでの戦争を終わらせ、二国家解決の効果的な実施に基づき、イスラエルとパレスチナの紛争の公正で平和的かつ永続的な解決を達成するための集団的行動を求める」との声明を出した。

この議題は、アラブ連盟の合意のもと、アラブ諸国含む17カ国が署名して、7月に国連に申請していたものであった。

日本を含む大多数の142カ国が賛成票を閉じたのに対し、反対票を投じた国は、イスラエル、アメリカ、ハンガリー、アルゼンチン、ハンガリー、ミクロネシア、ナウル、パラオ、パプアニューギニア、パラグアイ、トンガである。

これが何を意味するかというと、要するに、パレスチナ人の国を立ち上げて、イスラエルや世界の国々と同じ権限を与えることに同意するということである。それで過激派も満足して、戦争が終、平和になると考えているということである。

国連総会で可決したことに、実行義務は発生しないが、国際社会のコンセンサス、“あたりまえ”を明確にするという事実上の権限はある。

なお、国連では、22日(月)に、フランスとサウジアラビアが、パレスチナ国家承認計画に関するサミットを計画している。現時点で、承認予定を表明している国は、フランス、イギリス、カナダ、オーストラリア、ベルギーである。

世界の後押しを受けて、パレスチナ国家承認が波に乗る様相である。

イスラエルは「政治的サーカス」と反発

at United Nations headquarters (UN) on September 12, 2025, in New York City. (ANGELA WEISS / AFP)

なお、この決定では、10月7日のハマスの暴力を非難し、パレスチナ国家にハマスは関わらないとしており、ハマスは武器をパレスチナ自治政府に引き渡すとしている。

しかし、ハマスをテロ組織と定義づけはしていなかった。

イスラエルは、これまでと同様、「テロ組織に報酬を与えることになる」と反発した。

また、テロ組織に支配され、主要な指導者が不在であり、経済も崩壊しているような地域に、国家を認めるという、いわば非現実な決定に、「政治的サーカスだ」と反発した。

www.timesofisrael.com/un-overwhelmingly-endorses-call-to-establish-palestinian-state-without-hamas/

カタールでの攻撃が招いた?新たなイスラエル非難と内部の亀裂

この国連総会での採択は、イスラエルが、カタール領内でハマス指導者たちを攻撃してから、わずか3日後であった。

カタールでの攻撃のタイミングがいかに悪かったかを表している。世界はこの戦争をもはや容認できないと考えているといえる。

カタールでの攻撃について、イスラエルは独断の作戦と言っていた。同盟国アメリカに通達したのは、攻撃の直前、もう引き返すことができない時点であった。

トランプ大統領はこれに不満を隠していない。国連総会で集まっているカタール代表やアラブ諸国と食事を共にすると表明するなど、イスラエルの同盟国らしくない動きを見せている。

また国内での問題もあった。イスラエルでは、当初、カタールで地上部隊がハマス指導者を暗殺する計画だった。この方が確実だからである。

しかし、これまでハマスとの交渉を担ってきた、モサドのバルネア長官は、これに反対した。ハマスがアメリカの条件を検討している最終であったこともあり、この時期に攻撃したら、カタールとの関係が切れる可能性があったからである。

バルネア長官の考えに、イスラエルのザミール参謀総長も同意し、地上部隊の派遣には反対したとのこと。

しかし、ネタニヤフ首相は、この前日にエルサレムでのテロで6人が死亡したことから、空軍による、カタールのハマス指導者たちの攻撃を実行したのであった。これには、カッツ国防相、ダーマー戦略大臣も賛成してた。

結果的に、ハマス指導者たちの暗殺には失敗したとみられている。しかし、テロ組織に聖域はなく、指導者たちはどこにいてもイスラエルが攻撃するとの強力なメッセージを伝えたことにはなったとネタニヤフ首相は主張している。

アメリカと国際社会は、イスラエルが、またどこかでハマス指導者を攻撃するのではないかと懸念している。

石のひとりごと

国際社会は、パレスチナ国家と言っているが、では本当にそれが実現するのかといえば、かなり難しい、いや不可能にしかみえない。だから、イスラエルは政治的サーカスだと言っているのである。

世界はどんどん、おかしな方向へ向かっているようにみえる。世界だけではない。イスラエル国内でも、政府と軍が不一致という、混乱の中にある。

どうか、主がイスラエルを見捨てないように、その名のゆえに、イスラエルとその中に住む人々を助けてくださるようにと祈る。

エルサレム西郊外キブツ・ツォバでナイフテロ:イスラエル人2人負傷 2025.9.13

9月12日(金)、エルサレムに近い、キブツ・ツバのホテルのダイニングルームで、パレスチナ人の男が、キッチンからナイフを取り、「アラー・アクバル!」と叫びながら、ナイフで、イスラエル人たちに斬りかかった。

これにより50代男性が胸を刺されて重傷。パーキングにいて後ろから刺された23歳男性が中等度の負傷を負った。2人とも命に別状はない。

on September 12, 2025. (Israel Police Spokesperson)

犯人は、東エルサレムのシュアファットに住むパレスチナ人で、このホテルの従業員だった。過去に治安上の問題がある人物だが、今回の犯行の際、死にたいと叫んでいたという。自殺願望のテロであった可能性がある。

ハマスは事件を賞賛したが、犯行声明は出していない。

www.timesofisrael.com/two-wounded-one-seriously-in-suspected-terror-stabbing-at-hotel-west-of-jerusalem/

石のひとりごと

このテロ事件は、死者がなく、自殺願望でのテロ事件だったせいか、ニュースサイトからはすぐに消えていた。

テロを起こすことで、イスラエルの治安部隊に殺されるという方法で自殺をこころみるパレスチナ人は少なくない。それによって、殉教者とみとめられ、パレスチナ自治政府が、家族に補償金を出すからである。

イスラエルはこの補償金を止めるために、パレスチナ自治政府に代わって徴収している税金の送金を止めているのだが、それで、経済はされに悪化し、パレスチナ市民の生活はさらに悪化。テロをするしかない。この悪循環なのである。

しかし、このパレスチナ人男性も主が創造された、大事な一人だと思うと悲しい思いだ。なぜそこまで自分を落とし込んだのか。

こんな状態にあるパレスチナが国となり、イスラエルと平和に共存できると考える世界は、やはりおかしいとしかいいようがない。

イスラエル軍ガザ市攻撃の中25万人避難:ユニセフがガザの子供1万人が栄養不良と 2025.9.13

ガザ市全域へ避難警告を発して以来、イスラエル軍は、ガザ市への攻撃を続けている。こうした攻撃で、ガザ市民が南部へ避難することも目的とみられる。

これまでにガザ市から、避難した避難民たちは、25万人、全体の4分の1と推測されている。

イスラエル軍は、ガザ市以外にも攻撃を行なっており、ハマスによると、先週金曜日だけで50人、それ以降、43人でこのうち、33人はガザ市など北部地域で死亡したと言っている。

www.timesofisrael.com/liveblog_entry/hamas-authorities-50-reported-dead-throughout-strip-as-israel-steps-up-attacks-in-gaza-city/

イスラエル軍COGATは、南部ケレン・ショムロン検問所と、北部のジキム検問所からも、食料や支援物資を搬入しており、11日(木)にトラック350台が入ったとのこと。国連は毎日600台が必要だと主張している。

www.timesofisrael.com/palestinians-report-43-killed-by-israeli-fire-across-gaza-strip-since-dawn/

ユニセフは、12日(金)、この2ヶ月の間に、ガザ市で急性栄養失調と診断された子供は1万人以上で、特に治療が止まれば餓死に至るとされる重度の栄養失調の子供は2400人と発表している。

石のひとりごと

今ガザにいるハマスの心境はどうなっているのだろう。ネタニヤフ首相の心はもう定まっている。いくら国際社会から非難され、いかに孤立しても、絶対にハマスを殲滅しようとしている。

今、出ていけば殺されるだけだが、彼らが頑張れば、頑張るほど、ガザ市民には大迷惑になる。少なくともハマスは、市民にこれだけの迷惑をかけていることについてもなんとも思っていないということか。

ガザの瓦礫の中で荷物を運んでいる少年の写真が目についた。こんな日常が普通ではない。ガザの人々のためにも、とにかく早く、ハマスを支配する霊的な悪を追放してくださるように、In Jesus Name.

イラクで1年半人質だったエリザベス・ツルコフさん帰国:ネタニヤフ首相と会話も 2025.9.13

Elizabeth Tsurkov in an undated photo (Social media; used in accordance with Clause 27a of the Copyright Law)

2023年3月、研究目的で滞在していたイラクで、イスラエルのスパイと疑われて、カタエブ・ヒスビラに拉致され、2年半にわたり、人質となっていた、エリザベス・ツルコフさん(38)。

アメリカ、カタールの介入で、民兵上級人物関係者との引き換えで、バグダッドの米大使館に解放され、9月10日(水)、イスラエルに帰国。病院で家族との再会を果たした。

エリザベスさんは、イスラエルとロシアの二重国籍の人だった。解放されたエリザベスさんは、イラクでの監禁中、何ヶ月も拷問を受けたと話している。今は腰痛に苦しんでいる。

ネタニヤフ首相は、エリザベスさんを訪問。会話の中で、エリザベスさんは、解放のために努力してくれたことを感謝した。

イラクではラジオにアクセスがあり、ガザの人質のことを聞いていたという。ネタニヤフ首相には、自分自身の苦しみからも、早く全員が解放されるよう、働いてほしいと伝えたとのこと。

www.timesofisrael.com/struggling-to-walk-elizabeth-tsurkov-embraces-loved-ones-after-return-to-israel-from-captivity/

チャーリー・カーク氏殺害容疑者身柄拘束:家族・友人の通報で警察に連絡・自白 2025.9.13

Utah Valley University in Orem, Utah, Wednesday, Sept. 10, 2025. (Tess Crowley/The Deseret News via AP)

9月10日(水)、保守派で親イスラエルでもあった福音派インフルエンサーのチャーリー・カーク氏が暗殺されてから、警察は、防犯カメラの映像などから、犯人の捜査を続けていた。

近くの森では、犯行に使われたライフルも発見されていた。

こうした中、事件から約30時間後の11日(木)夜、容疑者タイラー・ロビンソン(2)が親族、家族に告白したのか、その家族の友人が警察に連絡。

警察に本人が自白したため、現在、ユタ州刑務所に身柄を拘束されている。

カーク氏が強力な保守派、犯人は、強硬左派系など政治的な背景も考えられていたが、今のところ、単独犯とみられている。ユタ州では、死刑も検討されているとのこと。

ロビンソンの母親によると、ロビンソンは、2021年に、ユタ州立大学で学ぶための3万2000ドル相当の大統領奨学金を受け取っていた。(未確認)しかし、大学では、2021年から予備工学専攻して1学期しか在宅していなかった。

その後、現在は、ディキシー技術大学の電気系見習いプログラムの3年生だった。アパートに友人と二人で住んでいた。知人たちによると、ロビンソンは、テレビゲームや漫画が好きで、共和党の家庭に育った控えめで知的な青年だったとのこと。

また、ロビンソンは、モルモン教徒でその教会に通っていたという。

NYTによると、アメリカ人の2%がモルモン教徒だが、ユタ州はその本家でもあり、他州とは比べ物にならないほどモルモン教徒が多い。そうした中なので、ロビンソンが、どの程度教会活動に活発だったかは不明。

なお、ユタ州のモルモン教会は、「ユタ州での暗殺を含め、世界の恐ろしい暴力行為を避難する」との声明を出した。

今のところ明確な動機は不明というところか。。

www.timesofisrael.com/trump-says-suspect-in-charlie-kirk-killing-taken-into-custody-ending-fierce-manhunt/

www.nytimes.com/live/2025/09/12/us/charlie-kirk-news-suspect#tyler-robinson-charlie-kirk

イスラエルのドーハ攻撃で死亡した6人(ハマス5人とカタール人1人)葬儀:ハマス指導者らは見えず 2025.9.12

カタールでドーハ攻撃で死亡した6人の葬儀

9月11日(木)、ドーハでは、イスラエルの攻撃で死亡した6人の葬儀が行われた。カタールによると、死亡したのはハマス関係者5人とカタール人治安部隊員1人で、イスラエルが標的としていたハマス指導者は一人も含まれていない。

死亡したのは、ガザのハマス最高幹部でイスラエルの標的になっていたハリル・アル・ハイヤの息子のヒマン・アル・ハイヤ、アル・ハイヤのドーハでの事務局長ジハード・ラバド、アドバイザーかボディーガードとみられる3人とカタール治安部隊アル・ドサリ伍長となっている。

5人は殉教者とされ、遺体にはパレスチナの旗が覆われ、1人はカタールの国旗に覆われていた。葬儀には、カタールの首長であるシーカー・タミム・ビン・ハマド・アル・サーニーも出席するほど敬意が払われた葬儀であった。

息子が死亡したにもかかわらず、父親であるハリル・アル・ハイヤはじめ、標的となっていたハマス指導者は一人も出席していなかった。

遺体は実は、ハマス指導者ではないかと思わせるような動きだが、イスラエルの治安関係者は、ドーハへの攻撃で、ハマス指導者は一人も死んでいないとの見方を強めている。2人負傷したといわれているが、それも未確認とのこと。

www.timesofisrael.com/hamas-says-israeli-strike-on-doha-was-assassination-of-the-entire-negotiation-process/

ネタニヤフ首相は声明の中で、「カタールが、10月7日の大犯罪者であるハマス指導者への正しい措置をとらないなら、イスラエル自らが断行する。ハマスに聖域はない」と述べ、再び攻撃することも示唆している。

カタールが今週末に緊急アラブ・イスラム首脳会談開催

ドーハ攻撃の後も、ハマスは、イスラエルとの交渉は続けるといい、カタールも仲介は続けると言っている。

しかし、交渉は現時点では止まっており、カタールからは、イスラエルのドーハへの攻撃が、「人質のあらゆる希望を奪った」というような発言も出ている。

カタールは、この件に関する国連安保理の後の今週末14、15日に、緊急のアラブ・イスラム首脳会談を開催し、これからの対策を協議すると発表した。

専門家によると、カタールは狡猾なので、イスラエルに対する軍事的な反撃はせず、経済やその他のことで制裁を発動してくる可能性があると予測されている。

石のひとりごと

ハマスは、アメリカがテロ組織と指定する組織であり、いわば犯罪者である。にもかかわらず、カタールは、首長が参列するほどの最高の敬意を持って葬儀を行なっている。

カタールは明らかにハマス側なのである。イスラエル国内では、カタールが仲介者であること自体がおかしいという声はあったが、ハマスと話ができるのはカタールだけであったことから、カタールに頼らざるを得ない状態だった。

しかし、結局、今、カタール国内でハマスを攻撃する事態になったわけである。

イスラエル国内では、もっと早く(ガザでの破壊がここまで壮絶になる前に)これを決行して、ハマス殲滅をしておくべきだったとの声も出ている。

確かに、ハマスがアメリカの提案を検討している最中というタイミングの攻撃が賢明だったかどうかは疑問である。

トランプ大統領は、今回のカタールでの攻撃には不満を表明しており、ネタニヤフ首相には、これ以上の攻撃を繰り返さないよう求めたと伝えられている。

この方法では、仮にハマスを殲滅できたとしても、イスラエルは世界での孤立に自分自身を追い込むことになるとトランプ大統領は語っている。

すべては主の支配の中にあるが、イスラエルが今、置かれている立場は、非常に厳しいといえる。

国連安保理がイスラエル指名なしでカタール攻撃非難の共同声明:アメリカ拒否権発動せず 2025.9.12

国連安保理は、9月11日(木)、イスラエルによるドーハ攻撃についての緊急協議を行った。

イスラエルのダノン代表は、ネタニヤフ首相が、表明したように、「テロリストを免責にするべきではない。テロリストに聖域はない」と訴えた。

しかし、カタールのアブダラヒム・アル・シャーニー首相は、攻撃自体を非難するにとどまらず、イスラエルは、進行中だった交渉を破壊したのであり、人質の命を見捨てたと訴えた。

www.timesofisrael.com/liveblog_entry/at-un-security-council-qatar-accuses-israel-of-trying-to-derail-gaza-truce-efforts/

最終的に、国連安保理加盟国15カ国は、全会一致で、イスラエルのドーハ攻撃について、「安保理は、緊張緩和の重要性を強調する。国連憲章の原則に基づき、カタールの主権と領土保全を支持する」共同声明を出した。

今回、アメリカが珍しく拒否権を発動しなかったことが注目された。

アメリカがイスラエルのドーハ攻撃に合意していたわけではないことが表れている。しかし、「イスラエル」という名称は、共同声明の中には出ていないところに、アメリカへの配慮があったと言われている。

トランプ大統領は、イスラエルのドーハへの攻撃が、人質解放の障害にならないことを願っていると表明した。

www.timesofisrael.com/liveblog_entry/in-rare-joint-statement-un-security-council-condemns-israeli-strike-in-doha/

「パレスチナ国家はありえない」ネタニヤフ首相がE1建築計画に署名 2025.9.12

パレスチナ国家承認に向かう国際社会

国際社会では、今、長引いているガザ戦争を終わらせ、恒久的な平和をもたらすためには、パレスチナ国家を設立するしかない、との考えが広がっている。フランス、イギリス、カナダなどG7からも、次々に、パレスチナ国家を承認する意向表明が出ている。

国連では、本日、二国家解決に関する投票を行う。また、フランスとサウジアラビアが中心となって、22日(月)に、パレスチナ国家承認について、が話し合われることになっている。

この時に、新たにパレスチナ国家を承認しようとする国が、その意向を正式に表明することになる。

なお、国連では、その加盟国193カ国中、147カ国は、すでにパレスチナ人の国を承認している。これにより、パレスチナ自治政府は、まだ国連加盟国ではない中、オブザーバーとしての立場で国連に出入りしている。

まだ国と認めていないのは、G7含む欧米諸国で、日本もまだ承認していない。しかし、林官房長官が、日本は二国家共存を支持していると強調した。

また、11日(木)岩谷外相が、超党派「人道外交議員連盟」から、パレスチナを国家として承認するよう、政府に求める要望書を受け取ったとのこと。承認するかどうか検討すると言っている。

www.nikkei.com/article/DGXZQOUA115CU0R10C25A9000000/

パレスチナ国家はありえないとネタニヤフ首相

イスラエルは、今現在の治安状況、またこれまでにパレスチナ国家を設立しようとして、逆にテロが増えて失敗してきた経験から、パレスチナ国家承認は絶対に認めないと、激しく反発している。

宗教シオニスト党のスモトリッチ財務相は、エルサレムと、西岸地区のユダヤ人地区マアレイ・アドミムの間にある、E1地区にユダヤ人の家屋3412戸を建設し、エルサレムとつなぐ計画を発表した。

これにより、西岸地区は、南北で分断され、国家設立が事実上、不可能になる形である。

世界からは非難の炎上となったが、ネタニヤフ首相が、9月11日(木)この地域を訪問しb、この計画に合意する文書に正式に署名。「パレスチナ国家はありえない」と宣言した。

この案は、もうずいぶん前からあった計画だが、国際社会の反発を受けて実施できなかったものである。それを今、実施するということで、国際社会に反旗を翻すようなものである。

www.timesofisrael.com/there-will-be-no-palestinian-state-pm-signs-plan-cementing-e1-settlement-expansion/

なお、西岸地区のパレスチナ自治政府は、厳しい経済不審に陥っており、自治政府が転覆して、カオスに突入する可能性が懸念されている。強硬右派は、それも予想しているのか、近い将来、ユダヤ・サマリア地区(西岸地区)をイスラエルに併合する野望を口にするようになっている。

www.timesofisrael.com/there-will-be-no-palestinian-state-pm-signs-plan-cementing-e1-settlement-expansion/

石のひとりごと

2000年代初頭から、イスラエル情勢を追ってきた中で言えることだが、現実問題として、また特に今のパレスチナ人の状況で、パレスチナを国として承認することには無理があると思う。

今のパレスチナの支配者が、基本、テロ組織だからである。国になる準備もそれを真剣に目指す動きもないからである。

国になるには、まず自国のイメージとともに、隣国と共存し、共に助け合い、成長するという目標が必要になるが、今のパレスチナ社会には、どれもみあたらない。こういう信念がない中では国は成り立たないと思う。

にもかかわらず、国際社会がまともに、国として認めようとしている。そんな特権を今の状況で与えようものなら、現地にいる両方の人々に命の危機が及ぶことになる。

現地の実情を何も知らない人たち、特にそこに行ったこともないような人が、感情論や自分自身の正義感や、人道問題だけで国承認というのは、無責任に過ぎると思う。

一方で、それがわからない人々の前で、強硬右派たちが、強行的に西岸地区を併合することになれば、イスラエルは、さらに非難の的になるだろう。とはいえ、パレスチナの国が承認されたら、今後の嵐は恐ろしいことになるので、何かしなければならないわけである。

あらゆる点において、イスラエルは今、ジレンマに直面していると言われている通りである。

フランスで反政府暴動20万人:マクロン大統領危機 2025.9.12

パレスチナ国家承認を推し進めているフランスのマクロン大統領。足元では危機的状況にみまわれている。9月10日(水)、パリはじめ、フランス全土で、20万人が参加したとみられる暴動が発生した。

高速道路を封鎖し、バリケードを貼るなどの暴徒であった。対処した警備員は8万人。催涙弾なども使われ、パリだけで300人。全国で約500人が逮捕された。

このデモは「すべてを封鎖せよ」と名付けられ、主に若者世代が、今の政府に反発して起こしたものである。現在、フランスは、深刻な赤字経済に陥っており、年金凍結など、さまざまな緊縮財政を進めている。

こうした中、9日(火)、予算案をめぐって、前のバイル首相が議会で不信任とされ、政府が崩壊した。マクロン大統領が、次にルコルニュ首相(39)を任命したが、これにも反発が出ている。

国民に緊縮を押しつける政府だが、それを運営するマクロン大統領はじめ、首相たち政治家が、金持ちであるため、不満が爆発したとみられている。パリでは、マクロン大統領に反発する若者たちが、「金持ちのエリート共和国」と叫んでいた。

結局、マクロン大統領が退陣しなければならないと言われている。

www.reuters.com/world/europe/block-everything-protests-sweep-across-france-scores-arrested-2025-09-10/

石のひとりごと

イスラエルを祝福する者は祝福されると聖書は言っているが、その逆も言っていることである。どちらかというと、その逆、イスラエルに敵対する者が、困難に直面するという例の方が確実なような気がする。石のひとりごと。