イスラエルの外務相にリーバーマン氏着任へ 2013.11.7

2月に新ネタニヤフ政権が、発足したとき、外務大臣になるはずだった、アビグドル・リーバーマン氏。17年に及ぶ様々な汚職疑惑、特に昨年10月に起訴された一件で、外務大臣の任務に就くことができなかった。

ネタニヤフ首相は、自らのリクード党と、リーバーマン氏率いる「イスラエル・ベイテイヌ(イスラエルが我が家)党」とを合体させて新党にし、現政権を立ち上げたという経過がある。

そのため、リーバーマン氏の判決が出るまで自らが外務相を兼任し、同氏の判決を待っていたのである。その判決が7日朝、「無罪」と確定された。

ネタニヤフ首相は最高裁のこの判決を歓迎し、7日朝には、さっそくリーバーマン氏に祝辞を述べている。外務相への就任は、来週早々にも国会で承認されるみこみ。

リーバーマン氏は、朝のうちに嘆きの壁に行って神に感謝の祈りを捧げている。

<ロシア系の大物>

アビグドル・リーバーマン氏はロシア出身で右派。様々な容疑で過去17年も調査されてきた政治家で、今回無罪が確定されたとはいえ、まだ他にもくすぶるものは残っているという。「ロシア系マフィア」ともうわさされる人物。

イスラエルにいる5人に1人のロシア系ユダヤ人はこぞってリーバーマン氏を支持するため、大きな力を持っている。
外務相復帰の今、ポスト・ネタニヤフ、次期首相の座を狙っているとの分析もある。

反アラブ的な発言はかなり直接的で、ひんしゅくを買うこともしばしば。しかし、「確かにそうともいえる・・」とひそかに、同意する市民も少なくないようである。

しかし、以前リーバーマン氏の元で副外務相を務めたダニ・アヤロン氏が、「外務相としてはどうかと思う。」と評するなど、リーバーマン氏の復帰を懸念する声も大きい。

シリアでポリオのワクチン接種はじまる 2013.11.6

先週、ポリオの発症例が10ケース確認されたシリア。数週間以内に子どもたちにワクチンを接種しなければ、ポリオの感染が、シリアだけでなく、難民の流出と共に、周辺諸国に広がると懸念されていた。

BBCによると、アサド政権は、現在シリア国内にいる子どもたちへのワクチン接種を始めている。取材ではダマスカスのクリニックでの接種の様子が報じられたが、他地域ではワクチン接種ができているかどうかは不明だという。

イスラエルととりまく中東情勢解説-アモス・ヤディン氏分析 2013.11.6

ヤディン氏によると、現在、イスラエルの戦略的環境は比較的良好だという。シリアはいくらイスラエルに攻撃されても反撃できずにいる。シリアの内戦で、ヒズボラ、シリア、イラン3兄弟の力は弱体化しているのは間違いない。

ヤディン氏は、イスラエルは周辺敵対者らに「イスラエルを攻撃しても益はない。」というメッセージを伝えることに成功していると分析する。

エジプトではイスラム主義勢力から軍部による世俗派勢力が、イスラム主義者とハマスをおさえるようになっている。
ヤディン氏によると、今イスラエルを脅かす最大の問題はやはりイランだという。

ただし、今回、イランの方から、経済に関する交渉を言い出したことは特記するべきこと。経済制裁が、功を奏していると指摘する。

<ネタニヤフ首相に新しい防衛アドバイザー>

聖書の中でもダビデ王やアブシャロムが側近のアドバイザーを置いていてことが書かれている。現代のイスラエルの首相にもこうしたアドバイザーがついている。

今週、任期終了による交代で新しくヨシ・コーヘン氏(52)がネタニヤフ首相の防衛アドバイザーならびに、国家防衛委員会の議長に着任した。

コーヘン氏は、過去30年にわたって、イスラエルに諜報機関モサドの指導者を務め、様々な作戦を遂行してきた防衛のプロである。ネタニヤフ首相の決断に大きな影響を及ぼすと見られ、とりなしが必要な人物の1人。

エルサレムで最古の新訳聖書展示 2013.11.1

 10月23日、エルサレムのイスラエル博物館、並びに死海写本館に隣接するバイブル・ランド博物館(ユダヤ系財閥による公立の博物館)で、新約聖書を含む様々な時代の聖書の特別展示「Book of Books」が始まった。

今回の展示では、ユダヤ教の聖書と共に、新約聖書を含むクリスチャンの聖書(ユダヤ教聖書と旧約各書の並びが違う)が対等に展示されている。これはイスラエル史上初で画期的なことである。

www.youtube.com/watch?v=2un4CKJbxZk(CBN ニュース・博物館内部ビデオ)

<ユダヤ人とクリスチャンが共同作業>

特別展「Book of Books」はアメリカの福音派クリスチャンで億万長者のグリーンファミリーが集めた4万点に及ぶ様々な時代の聖書からの展示である。

展示の目的は「ユダヤ教とキリスト教は土台が同じ。どちらもイスラエルから発している。」ということを伝えることと明記され、グリーン・ファミリーは、これらのコレクションを世界に持ち回って展示している。

しかし、今回のエルサレムでの展示は、発案から実現まで、4年もかかったという。23日のオープニングにおいて、バイブル・ランド博物館の主事アマンダ・ウエイス氏は、「クリスチャンからの申し出によって、ユダヤ人とクリスチャンが対等に協力して、このような展示か実現するのはイスラエル史上初めてのこと。」と語った。

オープニングには、イスラエル政府から文化相、観光相の他、驚いたことに、アシュケナジー・チーフラビのダビッド・ラウ氏も出席していた。

あれほど新約聖書を毛嫌いしていたはずのユダヤ教指導者、しかもチーフラビが、「新約聖書の原点はイスラエルにあり、同じ根っこをもっている」という展示、しかも十字架など、イエスの絵付き新約聖書を多く含む展示のオープニングで、推薦の挨拶をしたのである。

エルサレムでの一般公開は来年4月まで。次はバチカンで展示され、その後、ワシントンDCで常設の展示として落ち着くことになっている。

<億万長者の福音派クリスチャン:グリーン・ファミリー>

グリーン・ファミリーは、フォーブス誌によると世界第90位の億万長者。会社はホビー・ロビーというアート&クラフトの会社で、1973年にデービッド・グリーン氏が創設し、今では561のチェーン店を持つ。

このグリーン・ファミリー。敬虔な福音派クリスチャンである。今でも日曜日は店を開けずに礼拝を守っている。ビジネスとともに伝道活動も行っているようである。

オーラル・ロバーツ大学など聖書大学への献金を含め、これまでにグリーン財団が捧げた額は5億ドル(500億円)に上るという。さらにアフリカやアジアに配布する福音書を14億冊提供している。

さらにビル・ゲイツとウオーレン・バフェットが始めた「Giving Pledge(捧げる約束)」にも登録している。これは億万長者たちに対し、少なくとも財産の半分は、チャリティーに捧げようという運動である。

<クリスチャンによって中東から世界に運ばれた聖書>

聖書(トーラー)はもともとヘブル語だが、そのままではユダヤ人のラビしか読めなかった。しかし、その聖書がエジプトでギリシャ語に翻訳され、セプチュージェントと呼ばれるようになり、もっと多くの人が読めるようになった。

ちょうどそのころ、エジプトではクリスチャンが激増している。西暦400年ごろまでにはエジプト人口の80-90%はクリスチャンだったという。パウロの書簡の最古の写本の切れ端がみつかったのもエジプトである。(ヘブル書9章、ローマ書9,10章、エペソ4:14-21 いずれもギリシャ語、2-4世紀)

ギリシャ語になった聖書は、エジプトからチュニジア、イエメン、イラク、エチオピアへと広がっていった。展示にはこれらの国で発見された聖書の切れ端が転じされている。ところで、当時の聖書はギリシャ語とアラム語だが、アラム語の方はシリアで発展している。

こうしてみると、イエスの十字架と復活から2世代もしない間だに新訳が加わった形で、聖書は世界に持ち運ばれた。しかも今はイスラム主義に完全に支配されている中東・北アフリカから、世界に広がっていった!のである。

新しく信じたばかりのクリスチャンは最も喜んで伝道するが、この当時の聖書の切れ端をみていると、当時のクリスチャンたちの興奮した様子が伝わってくるような気がした。     

その後、聖書はヨーロッパにわたり、様々な言語に翻訳され、印刷技術が開発されたことで聖書は飛躍的に広がっていった。展示には、中世13-15世紀の聖書から、最初の機会による印刷板グーテンバーグ聖書も展示されている。

しかしそれでも、中世の時代、聖書は一般の人々が持つことことはできず、教会にしかなかった。最後に盗まれないよう鎖がつけられた聖書が展示してあり、印象的だった。

聖書はユダヤ人に与えられたが、長い歴史の中で、全世界に聖書を持ち運んだのは異邦人クリスチャンたちであったということに改めて感動した。

イスラエル軍がシリアの空軍基地を攻撃・壊滅 2013.11.1

昨日、シリアのラタキアにある空軍基地で大きな爆発があり、基地は壊滅的になったと、ドバイのメディア、アル・アラビアが伝えた。最初は地中海からの砲撃と伝えられたが、レバノン系のメディアは、イスラエル空軍機を目撃したとの情報を伝えた。

いつものように、イスラエルはノーコメントだったが、オバマ政権は、CNNを通して、「イスラエルが、ヒズボラに搬入されるとみられる高度なミサイルSA-8を破壊した」と発表した。なぜアメリカがこの情報を公開したのかは不明。

*ところで、シリアですすめられている化学兵器の処理だが、OPCW(化学兵器禁止条約機構)は、最初の期限11月1日までに、化学兵器製造工場を破壊するという目標が、一応完了したとの評価を発表した。

ただし、アサド政権が申告した化学兵器工場23個所のうち、2個所は戦闘が激しく、アプローチできていない。今後は、この2つと、現存する化学兵器の処理作業に入る。

1.ガザの巨大トンネル付近で戦闘状態、兵士5人負傷 パレスチナ人1人死亡 2013.11.1

10月8日に発見されたガザとイスラエルの間に掘られた大トンネル網。深さ16メートル、全長1.7キロにも及ぶ巨大トンネルだった。

イスラエル軍は破壊作業をすすめているが、昨夜ガザからの砲撃で兵士5人が負傷した。1人は重傷。イスラエル軍は、ただちに戦車砲で反撃し、一時、戦闘状態となった。イスラエル軍の砲撃で、パレスチナ人1人(21)が死亡した。

ガザからは数日前、イスラエルへ向けて4発のロケット弾が撃ち込まれ、空軍が発射地を空爆している。西岸地区でも一昨日、ジェニン付近で、パレスチナ人とイスラエル軍が衝突し、パレスチナ人1人が死亡している。

<防衛費27億5000万シェケル(8約825億円)追加>

イスラエルのラピード経済相が、防衛費を削減する案を提出したが、昨日、ネタニヤフ首相と国会は、逆に防衛費を増額する方向で可決した。

断腸の囚人釈放再び 2013.10.29

8月に、アメリカの圧力で始まったイスラエルとパレスチナの和平交渉。秘密裏に今もすすめられているが、何が話し合われているのかは、ほとんど外部には聞こえてこない。

この和平交渉再開の条件として、イスラエルは9ヶ月の間に104人のパレスチナ人の囚人を釈放するということが定められている。

釈放する囚人は、1993年以前にイスラエル人を殺害するなどのテロ行為で逮捕されたパレスチナ人テロリストの中から選ばれる。すでに8月、一回目となる26人の囚人が釈放され、今週、二回目となる26人の釈放が予定されている。

今回は、右派で、囚人の釈放に強く反対するユダヤの家党(ベネット党首)が、直前になって囚人釈放を禁止する法案を出し、二度目の釈放をやめさせようとした。

国会はこの件で激しく紛糾したが、最終的に、ネタニヤフ首相はじめ、国会はこれを否決。2回目の囚人26人の釈放が決まったのである。

昨夜深夜、釈放される囚人の名簿が発表された。以後48時間以内に、犠牲者家族は不服申し立てをすることができる。しかし、それはほぼ確実に拒絶されることになっている。

したがって、2回目26人の囚人釈放は今夜夜中(日本時間30日朝)。21人は西岸地区へ、5人はガザ地区へ釈放されることになる。

<不条理きわまりない約束!?>

この和平交渉に伴う囚人釈放は、あまりにも不条理としかいえない部分がある。まずは、殺人犯が、刑期を終える前に釈放されるということ自体、不条理である。

さらに、和平交渉でまだなんの成果も出ないうちに釈放するという点である。もしこの和平交渉が決裂したら、それまでに実行した囚人釈放はまったく無駄になるということを意味する。

しかも、和平交渉でいったいどんなことが話し合われているのか、どんな進展があるのかも、国民にはいっさい知らされていないのである。犠牲者家族の怒り、痛みは想像するにあまりある。

テレビでは、今回も、犠牲者家族が、「まるで、愛する家族がもう一度殺されたみたいな気がする。」と涙ながらに国に対する怒り、痛みを訴えていた。

また、28日夜には、犠牲者家族や、釈放に反対する市民が、オフィル刑務所前に集結して釈放反対を訴えた。

<パレスチナ側>

しかし、パレスチナ人にとっては、殺人犯ではあってもテロリストではなく、”自由の戦士”、愛する息子たちである。家族たちは囚人の釈放を心待ちにしている。(オリーブ山便り8月14日参照)

これら釈放された囚人は、第二の人生を歩むことになるのだが、実際は、二度とテロをしないように、スパイの厳しい監視下におかれることになると、パレスチナ人たちは言っている。

”いつもの”ガザ空爆 2013.10.29

28日朝、ガザからアシュケロン郊外などに4発のロケット弾が着弾。サイレンが鳴り響いたが、幸い、負傷者も物損もなかった。これを受けてイスラエル空軍が、ただちにガザ地区内部のロケット弾発射地点を空爆して帰還した。

こうしたできごとは、さほど珍しくないため、有力紙でもトップにあげたのは1社だけだった。

信頼失うアメリカ:電話の盗聴で非難ごうごう 2013.10.29

アメリカでは、元CIA(米中央情報局)のエドワード・スノーデン容疑者が、国家機密事項をリークしたため、香港などを経由して、現在はロシアに亡命している(まだ正式な亡命ではない)。そのスノーデン容疑者の漏らした情報で、アメリカが窮地に立たされている。

アメリカの国家安全保障局が、フランスやドイツ、スペインなど世界の首脳35人を含む携帯電話の盗聴を行っていたという。ドイツのメルケル首相にいたっては首相自身の携帯電話を2002年から盗聴されていた可能性がある(後に業務用携帯だったことが判明)。

メルケル首相は激怒し、アメリカにドイツの諜報部トップを派遣し、事実を明らかにするとしている。この一連の出来事で、アメリカがヨーロッパはじめ世界から非難され、孤立を深めたことは避けられないようである。

<サウジアラビアもアメリカに反旗?>

中東諸国の間では親米のサウジアラビアだが、シリア攻撃をアメリカが直前になって撤回して以来、アメリカに対する信頼を失ったもようである。

スンニ派の国サウジアラビアは、シリアの内戦がシーア派対スンニ派の構図になっていることを恐れている。すなわち、シーア派のアサド政権+ヒズボラ+イランが台頭し、中東諸国に影響を及ぼすようになることを恐れているのである。

そのため、サウジアラビアは、シリアの反政府勢力を軍事支援し続けている。サウジアラビアは、アメリカがシリアのアサド政権を軍事攻撃し、一気にシリア問題とその背後にいるイランの問題を解決へと導きたかったのである。ところがアメリカはそれを実行しなかった。

18日、サウジラビアは、念願の国連安保理の理事国(常任理事国ではない)に選ばれたが、これを拒否した。最近のシリアをやイランに対するアメリカの政策に抗議するためとみられている。

一つでも親米の国を安保理に入れておきたいアメリカに、いわば反旗を翻したようなものである。

バルカット市長続投:エルサレム 2013.10.23

昨日行われた全国市長、市議会選挙が終わった。今回は、投票日が休日にならなかったこともあり、投票率は、全国平均42.6%にとどまった。エルサレム、テルアビブ、ハイファの3大都市の市長は全員続投となった。

特記すべき結果は以下の通り。

1.エルサレム:バルカット市長続投

エルサレムでは通常、投票率が低いと、世俗派候補が不利になる。世俗派と違って、ユダヤ教正統派たちは、自らが支持する候補者が通るよう、一斉に投票するからである。

今回は、世俗派の現職ニール・バルカット市長と、正統派の支持を受けたモシェ・レオン氏の一騎打ちで、いわば世俗派対正統派という図式になっていた。

投票日の午前中、投票率はわずか7%。バルカット市長の続投に影がさすのではないかとも言われたが、午後から夕方にかけて仕事帰りの市民が投票所に向かい、最終的な投票率は42.6%となった。(正統派は投票率70%)

*東エルサレムのアラブ人も有権者だが、投票率はわずか0.5%だった。

票のカウントは夜10時にはじまり、夜中2時の時点でバルカット氏の得票数が過半数(最終的には51.1%)となり、勝利宣言が行われた。

<投票日当日>

投票日、バルカット氏、レオン氏はそれぞれ選挙事務所をかまえ、日中は、それぞれ嘆きの壁に行って祈りを捧げた。その後、それぞれ、エルサレム市内各地に現れて、市民へのアピールを行った。

市長、市議会議員選挙において、有権者は白い紙に支持する政党、黄色い紙に支持する市長候補を書いて投票箱に入れることになっている。各地域の小中高校が投票所になった。

投票所の入り口付近には、バルカット市長、モシェ・リオン氏の支持ブースの他、各党のブースが立ち並び、投票に来る人を捕まえては、最終的なアピールを行っていた。

<おもしろ選挙運動!?>

ところが、そのブースにいるのがかなり若い青年たちである。聞くと、エルサレム氏内外から来たアルバイトの高校生たちだった。

1人、「モシェ・リオン」と書いたTシャツを着ているのに、バルカット氏のバナーのところで、「バルカット」のTシャツの仲間たちと騒いでいるのを発見。

聞くと、高校1年生のヤコブ君。「バルカットの方がいいと思うけど、こっち(リオン氏)の方が給料がよかったから。はははは~。」と笑っていた。さすがは”ヤコブ”君・・・。

2.ベイト・シェメシュ:ユダヤ教正統派の町へ前進か

エルサレム市のとなり、ベイト・シェメシュ市では、黒服のユダヤ人がどんどん増え、世俗派の人につばをはきかけるなど、過激化しているのが問題となっている。

今回の選挙では、ユダヤ教正統派のモシェ・アブトブル氏が再選。今後、ベイト・シェメシュ市の世俗派がさらに住みにくくなり、やがてがブネイ・ブラックのような正統派の町になるのではと世俗派らは懸念している。

今回、アブトブル氏が再選するかどうかで、ベイト・シェメシュ市の今後の姿が決まるとも言われていた。

3.ナザレ:カウントやりなおし

前回、お伝えしたナザレでは、現職ジャライシ氏(クリスチャン)の得票率が43%、2位のアリ・サラム氏(イスラム)も43%で、ジャライシ氏がわずか21票多いという、超接戦となった。

あまりにも差が小さいので、カウントにやりなおしになっているもよう。(詳しい情報はまだ入っていない。)

なお、反イスラエル発言・行動で問題の女性議員でナザレの市長戦に出馬していたアビ氏の得票率はわずか10%で、撃沈となった。

イスラエル空軍、シリアーレバノン国境で攻撃か 2013.10.23

クエートの情報筋によると、21日、イスラエルの空軍機が、シリアからレバノンへ搬入されようとした輸送隊を攻撃・破壊したもよう。輸送隊が運んでいたのは高度のミサイルとみられる。

イスラエルはこれについて、声明はだしていないが、23日、ヤアロン国防相は、「イスラエルの”赤線”は変わっていない。化学兵器でなくても、危険な武器がシリアからヒズボラへ搬入されることは決して許さない。」と語っている。

イスラエルがこのような攻撃に出るのは7月以来。

<名無しのシリア難民援助活動:エルサレムポストより>

ヨルダンに逃れたシリア難民の間で、不思議な名無しの紫のパッケージが出回っている。中身は食料など生活物資で、配布しているのはイスラエルの災害支援援助団体イスラエイド。

イスラエイドは、ハイチの大地震や、日本の東北大震災の時にも、支援に駆けつけたイスラエルの団体である。シリア難民へのサポートには、イスラエルからだとは知らされずに、難民に配布されている。

活動しているイスラエル人担当官は「私たちは、らっぱを鳴らして、やってることを宣伝しない。難民は飢えている。一缶のツナ缶が、どこから来たかなど、どうでもいいことだ。」と語っている。

<シリア人家族:それぞれの選択>

シリア難民の状況は悲惨をきわめる。国際支援が限界に達し、食料が不足。イスラム教では、シリア難民が、犬や猫の肉を食べる許可を出したばかりである。

シリア難民たちはそれぞれで動き始めている。危険な舟の旅でヨーロッパに向かう者など、家族単位でそれぞれが命がけの行動に出始めている。

BBCなどによると、難民たちが「普通の生活に戻りたい。子どもたちを学校に行かせてやりたい。」と涙ながらに語る様子が伝えられている。一日も早く、シリア内戦が解決し、難民たちが帰れるようにと願う。