テルアビブ一帯・悪天候で大規模停電 2015.10.29

www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4717497,00.html

イスラエルでは、25日、本格的な雨が降り始めた。

雨は特にシャロン平原(地中海側テルアビブとその周辺地域)では、例年より強い嵐となり、電信柱が倒れて車が被害を受けた。西岸地区ツルカレムなどでは、こぶし大ほどのひょうが降って車のフロントガラスが壊れた。

その後、広範囲に低電し、6万人が電気なしの夜を過ごした。28日までには、すべての地域で電力は回復したと発表されたが、その直後にまた雨が降り始めて停電。29日には15000家屋がふたたび停電に陥った。*このメールが届くころには回復しているとみられる。

この影響で、一部の信号が動作しなくなり、テルアビブの高層ビル群のアズリエリ前では、相当な渋滞もあいまって混乱した様子が伝えられている。エレベーターが途中で止まって、中にいた人々が救出されたケースも。

テルアビブより北部の地中海側では、雷雨で道路が車の窓あたりまで冠水。浸水した家もある。この1週間の雷雨による事故などで2人が死亡している。

しかし、道路が川のようになり、町の大きなごみ収拾箱が次々に流れて行く様子を見て笑っているところは、さすがに余裕のイスラエル人。

www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4717976,00.html

なお、エルサレムでは上記のような雷雨にはならなかったが、雨の後から、気温が下がり、フリースの上着を引っ張りだしたところである。悪天候は、今週末まで続くとの予報。

日常になるテロ・神殿の丘に監視カメラ装着へ 2015.10.29

10月初頭から急増し始めたナイフなどによるテロ。その後もほぼ毎日、主に兵士をねらうテロが一日に、少なくとも1件は発生している。

最初はエルサレムが多かったが、最近の発生現場は、ヘブロンなど西岸地区内で、兵士をねらったものがほとんどである。どれも、兵士を刺して、テロリストは射殺されるか、重傷になるかでよく似ている。

ここ1週間で、最もテロが多く発生しているのが、エルサレム南部でベツレヘムとの間にあるグッシュ・エチオンと呼ばれるユダヤ人入植地。ここでは兵士がナイフで刺されるテロの他、28日にはスーパー・ラミレビに買い物に来た女性がナイフで刺されて中等度の重傷となった。治安部隊は、グッシュ・エチオンの警備を倍に強化したと伝えられている。

なお、アルーツ7によると、2015年に入ってから発生したテロは1703件。2013年-1414件、2014年-1650件となっていることからテロはすでに昨年より増えたことになる。また1703件のうち778件は、この10月以降に発生している。

www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/202514#.VjHYC6UWnA8

<生活が大事?イスラエル国内のアラブ人>

上記のように、西岸地区では、パレスチナ人によるテロが続いているのだが、イスラエル国内、また東エルサレムでのテロや暴動はかなり落ち着いてきている。

これはテロのために、イスラエル国内で働く一般のアラブ人のビジネスが大打撃を受けており、今後ユダヤ人が、さらにアラブ系ビジネスをボイコットするようになることを恐れ始めたのではないかと分析する専門家もいる。

実際、ナザレの市長(アラブ・イスラム教徒)が、テロを正当化するアラブ系議員の横をたまたま通りかかった際に、「おまえはアラブ系市民を代表してない。ナザレには人が来なくなった。ユダヤ人はほとんど来なくなった。出て行け。」との本音を叫ぶところが以前に報道されていた通りである。

www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/202449#.Vi7eCNgWnA9

<イスラエルとヨルダンの合意:神殿の丘の監視カメラ設置へ>

今回のテロの波は、神殿の丘をユダヤ人がとりに来る、アルアクサモスクを破壊しに来るという扇動が大きな影響を及ぼしている。

”ユダヤ人が、ハラム・アッシャリフ(神殿の丘のこと)に来て、アルアクサモスクを破壊し、ユダヤの神殿(第三神殿のこと)を建てようとしてる。ユダヤ人は、イスラムの敵である。だからユダヤ人は殺さなければならない”と扇動しているのである。つまり、原因は神殿の丘、ということになる。

そこで、ケリー米国務長官が、イスラエルとヨルダン、パレスチナ自治政府を仲介し、25日、両国は、神殿の丘に関する一定の合意に達したと発表した。

いくつかのポイントがあるが、一つは、神殿の丘に監視カメラを24/7で設置して、何が起こっているのかを監視することが新しい動きである。

これについて、イスラエルはおおむね歓迎しているが、パレスチナ人らは反対派していないものの、複雑な表情といったところである。

ただし、どこにつけるかなどの他、ヨルダンのアブダラ国王が、インターネットで映像を流すべきだと言うなど、まだ実際的なとりきめでもめているようである。この他では、神殿の丘を「分割」しないということで合意している。

この扇動に動かされ、パレスチナ人たちが、治安部隊に石や火炎瓶を投げつけるため、治安部隊が神殿の丘に入って暴動を抑えるということの繰り返しになっているのである。

www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4715519,00.html

*ユダヤ人は神殿の丘をイスラムから奪おうとしているのか?

神殿の丘は、ユダヤ人にとっては最も大事な聖地である。しかしながら、1967年六日戦争の後の取り決めに従い、その管理についてはヨルダンのワクフ(イスラム組織)が行うこととなっている。

ユダヤ人とクリスチャンは、神殿の丘を訪問してもよいが、そこで礼拝したりといった宗教行為を行うことは赦されていない。

イスラムだけが、神殿の丘で礼拝できる。その状態でイスラエルが治安を維持するという現状維持の約束がこれまで続けられて来たのである。

しかしながら、最近、第三神殿を建てることを目標に掲げるユダヤ教右派グループが、神殿の丘で祈ろうとする動きが活発になってきた。

もちろん、これら右派たちは、武器を持たず、約束通り、聖書や宗教書を持ち込む事もなく、ただ神殿の丘で、無言の祈りをささげているだけだと主張する。アルアクサモスクを破壊する計画はまったくないと主張している。

しかし、アラブ人からすれば、こうした右派ユダヤ人たちが、第三神殿の建設のビジョンを、公に宣伝している以上、いかに武力は使っていないとはいえ、イスラムの脅威になるというわけである。

<テロの波に便乗する?ISIS>

ネットで挑発的なビデオクリップを流すISISだが、このたび、マスクをした男が、イスラエル人なみの流暢なヘブライ語で、「我々はエルサレムを征服する」と言っているビデオが流された。

この男は、おそらくはイスラエルに住むアラブ人で、シリアのISISに加わっている者ではないかとみられている。

イスラエルのユダヤ人を恐れさせるつもりだったかもしれないが、この数日後、イスラエルからは、これに対抗し、このビデオをちゃかしたクリップがネットにアップされた。

イスラエルの若者たちがラップに乗せて、「おまえたちが1人を殺すたびに、そっちは10人死ぬ。」とか、「ナイフをもって襲って来るが、こっちにはF16(戦闘機)がある。」「おまえたちは、昨日は僕たちにフムス(ひよこまめのペースト)を出していたではないか。」など。

www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/202569#.VjHW46UWnA8

<テロ被害者・その後>

13日に発生したアルモン・ハナチーブでのバス78番でのテロで、重傷となっていたリチャード・ラーキンさん(76)が27日、死亡した。これでバス78番での死者は3人、テロの波発生からは11人目の犠牲者となった。 

一方で、先週ヘブロン近郊で首をナイフで刺され、重傷となっていた兵士(19)は奇跡的にも自発呼吸が戻り、回復に向い始めたという。この他、3人の重傷の兵士たちも少し回復に向い始めたとシャアリーツェデック病院は報告している。

ベエルシェバで、テロリストと間違えられて撃たれ、リンチまで受けて死亡したエリトリア人のハブトム・ゼルホムさんについて。イスラエルは、ゼルホムさんをテロ被害者に認定し、国で定められた補償を家族に支払うことを決めた。

www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4717696,00.html

<テロリスト・その後>     

先月、アフラの中央バスステーションで、ナイフを掲げたため、テロリストとみられたイスラム女性のアスラ・ジバン(30)は、治安部隊に撃たれ重傷となった。この事件がきっかけで、イスラエル北部のアラブ人らが暴力的なデモにまで発展したのであった。

しかし、調べによると、アスラは、ユダヤ人を殺そうとしたのではなく、状況を利用して、治安部隊に自分を射殺させるということで自殺を図っただけだったということがわかってきた。
www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4717800,00.html

この女性は、精神的な課題でこれまでにも自殺未遂をはかっており、テロで人を殺せるような人ではないということは、周囲の人々にはよく知られたことだった。これを受けて、イスラエルは、アスラをテロリストとして起訴せずに釈放する方針を決めた。なお、この女性には10才の娘がいるが、夫とは別れているとのこと。

15才のいとことともに、自転車の13才ユダヤ人少年を殺害しようとした少年テロリストのアフメド・マンサラ(13)は、いとこが射殺されたところ、現場から逃げようとして、車にはねられて負傷。逮捕された。

イスラエルの病院で傷の手当を受けていたが、まもなく、若年者拘置所に移され、殺人の裁判待ちとなっている。アフメドはすでに、15才のいとこと、ユダヤ人を殺害する計画だったことを認めている。

しかし、拘置所内で、他の年上の囚人(といっても少年ら)から殺すと脅迫されるなどの激しいいじめにあっているため、別のセルへ移動したという。

www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/202523#.VjHpAaUWnA8

ウイーンでシリア問題・国際会議:イランも初出席か 2015.10.29

すでに4年半になるシリア内戦問題。ロシアが本格軍事介入し、地上ではロシアとともにイランも公に動き始めて、問題は複雑化を増すばかりである。寒い冬を目前にシリア難民のヨーロッパへの移動は悲惨を通り越している。

28日、ケリー国務長官は、この”地獄”を終わらせなければならないと、外交的解決に向けて、明日から2日間、ウイーンで国際会議(外相級)を行うと発表した。

この国際会議に参加するのは、アメリカとイラン、ロシア、サウジアラビア、トルコ、イギリス、フランス、ドイツ、エジプト、レバノン、EU、この他、中東諸国の外相も参加する予定である。

こうした会議にイランが招かれることは初めてで、シリア問題にイランが大きな役割を果たしていることを国際社会も認めていることを示している。

しかし、シリアの反政府勢力は、イランがこの会議に加わる事で問題はさらに複雑になると訴えている。
www.bbc.com/news/world-middle-east-34663093

<冬目前:ヨーロッパを目指すシリア難民まだまだ移動中>

シリア内戦で、この4年半の間に死亡した人は25万人。難民は国内外を入れて1100万人。シリアだけでなく、難民キャンプのあるトルコなどでも冬は、かなり厳しい。

そのため、シリアからヨーロッパへ逃れる難民の波はまだまだ続いている。トルコからギリシャへ向う難民は1日9000人に上るという。

早くに出発した人々は、すでにドイツに到着し、支援を受けているが、後になればなるほど、難民の状況は悲惨である。
www.bbc.com/newsround/34195449

ところで、ヨーロッパへの難民はシリアだけでなく、アフガニスタンなどからも逃れて来ている。そのアフガニスタンでは、隣国パキスタンとの国境付近で27日、マグニチュード7.5の地震が発生した。BBCによると、この地震で、28日の時点で360人が死亡。7600軒が全壊。

今も10000人近い人々が屋外で過ごしているが、この地域も冬には極寒になるため、このままでは大勢が寒さで死亡する可能性もあるという。テントなど至急の支援が呼びかけられている。

世界は確かにだんだん悲惨になりつつあるようである。。。。

www.bbc.com/news/world-asia-34654686

テロの波続く:テロリストと間違われてユダヤ人死亡 2015.10.22

パレスチナ人の若者によるテロの波はおさまりをみせず、その数は増えつつある。傾向としては、警護が厳重になったエルサレム市内でのテロは落ち着きを見せているが、西岸地区やエルサレム周辺でのテロが増えている。

東エルサレムからのテロリストが出て来なくなったのを受けて、エルサレムでは、イスラエル兵の市内警護が続く中、一部のアラブ地区との境に、道路封鎖の目的で置かれていた大きなコンクリのブロックが除去された。

アルモン・ハナチーブとジャベル・ムカバの間にあった防護壁も除去された。「テロをしないなら、すぐにでも道路封鎖は解除する。」という、イスラエルからのジェスチャーである。

しかし、イスラエル市民の心理に対する影響は、そう簡単に解除できるものではない。いつどこからテロリストが現れるかわからない状況の中、ユダヤ人がテロリストと間違われて治安部隊に射殺されるという悲惨なケースも発生している。

<火曜:テロ4件でユダヤ人1人死亡、パレスチナ人4人射殺> http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4713757,00.html

火曜夜、ヘブロン近郊でパレスチナ人2人がイスラエル兵をナイフで刺し、付近にいた別の兵士に2人とも射殺された。15才と17才。この後、この地域では暴動となっている。

これに先立ち、同じくヘブロン近郊のキリアット・アルバでは、アブラハム・アシュル・ハサノさん(50)が、60号線(西岸地区を走る幹線道路)石を投げられたため路肩に急停止した。アブラハムさんは、車から出たところをトラックにはねられて死亡した。パレスチナ人のトラックの運転手は後に、パレスチナ自治政府に自首している。しかし、これがテロであったかどうかは不明。

エルサレムとベツレヘムの間の入植地グッシュ・エチオン。(昨年3人のユダヤ人少年が誘拐・殺害された町)バスを待っていた人々に突っ込んだ。バス停には、こうしたテロを防ぐための大きなグロックが置いてあるが、車はそれに乗り上げたものの、ユダヤ人2人が負傷した。

この後、テロリストが車からナイフを持って出て来て人々に遅いかかったため、治安部隊が射殺した。この他、兵士をナイフで襲う事件が2件あり、どちらのテロリストもその場で射殺された。

<水曜:テロ5件でユダヤ人5人負傷:パレスチナ人2人射殺> http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4714267,00.html

上記と同じ60号線グッシュ・エチオンエリアで、イスラエル兵5人の車が投石された。兵士5人と後続車の兵士も共に投石犯を探し始めたところ、パレスチナ人の車が猛スピードで兵士らにつっこんできた。このテロで、兵士5人が負傷した。

負傷しなかった6人目の兵士が反撃し、テロリストを射殺。負傷した5人のうち、2人は中等度の負傷。

午後には、西岸地区ベニヤミン地域のアダムで、女性兵士(19)が刺されて重傷となった。別の女性兵士がこのテロリストを射殺。テロロストの体に時限爆弾が仕掛けられている可能性があったため、一時周辺立ち入り禁止となった。

これに先立ち、ナブルス近郊のイズハルで、パレスチナ人少女(15)が、ナイフを持って入植地イズハルに侵入しようとしていたため、治安部隊に撃たれた。少女は重傷で手当を受けている。

*テロリストと間違われてユダヤ人射殺される:エルサレム

水曜夜、エルサレム市内のバス停で、治安部隊の銃を奪おうとしたとして、男性が射殺された。後にこの男性は、精神的に不安定だったとみられるユダヤ人であったことが判明した。

パレスチナ人テロリストと間違われてユダヤ人が撃たれる事件は先週にも発生している。このユダヤ人男性は負傷したが命はとりとめた。

*テロリストと間違われて撃たれたエリトリア人男性をリンチしたユダヤ人4人逮捕:ベエルシェバ

月曜、ベエルシェバの中央バスステーションで、銃の乱射テロが発生し、イスラエル兵(19)が死亡。11人が負傷した事件。当初テロリストは2人とみられ、1人(21)は治安部隊が射殺。もう一人も重傷を負わせた。

周辺にいた市民らは、怒ってこの重傷の男性を殴る蹴る、イスを投げつける、つばをはきかけるなどリンチし、男性は翌朝死亡するに至った。

ところが、この男性は、テロリストではなく、周囲の人々と同様に、テロから逃げようとしていた無実のアフリカのエリトリア人であったことがわかった。これを受けて警察は、リンチした者たちの捜査を開始。水曜、ユダヤ人4人を逮捕した。

なお、射殺されたテロリストムハナド・アルカビ(21)はI、ベドウインで、SISの影響を受けたいたとチャンネル2は伝えている。

<木曜朝:ベイトシェメシュ初のテロ>

エルサレム西の町、ベイトシはェメシュのシナゴーグ前のバス停で、イシバ学生がパレスチナ人2人に刺された。近くにいた市民がテロリストをつきとばしたところ、駆けつけた警察官が2人を撃った。2人は重傷で病院に搬送された。ベイトシェメシュでは初のテロとなった。

<テロ被害者のその後>

テロ被害で負傷した人々のその後についてはあまり報道がないが、2つほどあったので、報告する。

エルサレム北部ピスガット・ゼエブで13才と15才のパレスチナ人に15回以上も刺されて、意識不明の重体になっていた、ユダヤ人少年(13)が、意識を回復し、状態が安定してきたとのこと。

アルモン・ハナチーブで78番のバスが襲撃されたテロで、ナイフに刺された女性マリケ・ベルドマンさんは、テロリストに刺されたとき、「イエスさま助けて!」叫んだとの証言していることから、イエスを信じる女性であったことがわかった。

マリケさんは、32年前にアラブ人孤児の世話をするホームを設立しており、これまでにイスラム教徒、クリスチャン双方の家庭に問題のある子供たち20人を育てている。

テロでマリケさんが負傷したと聞き、マリケさんに育てられ、今はアメリカで自立しているアラブ人女性が駆けつけてベッドサイドで世話をしている。

マリケさんは、テロリストの犯人についてかわいそうに思うと言っている。またアラブ人に対しては、今後彼らの対する信用を取り戻すのに時間がかかるとも言っている。

www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4713456,00.html

<石のひとりごと>

最近、一日1回かそれ以上、救急車のサイレンを聞く。全部がテロ事件ではないのだが、一瞬、腹の悪い思いがする。今日は、私が利用するバス停に早朝から、イスラエル兵が2人立っていた。夜帰って来た時も別の兵士2人が立っていた。ご苦労なことである。

テロに対する恐怖心はないが、なんともいえない不愉快な思いが続く。いかにも異邦人で危険のない私ですらそう感じるのだから、狙われるユダヤ人にとってはもっと不愉快である。ユダヤ人たちの会話を聞いていると、恐怖だけでなく、当然怒りも出て来る。

この異常事態が長引けば、テロリストに間違われてユダヤ人が殺されるという悲惨な事故も増えて来るだろう。殺された方も殺した方も、これからどのように生きて行くのかと思うと、心が痛む以上の話である。

しかし、パレスチナ人とユダヤ人は外見がそれだけ似ているということも特記すべきことだろう。仲良くできるはずの兄弟が骨肉の争いをしているという悲しい現状だ。

それにしても、パレスチナ自治政府のアッバス議長は、ここ数日、沈黙である。仮にテロにいかなる”正当”な理由があると主張したとしても、15才や17才がこうしたテロと起こすことを異常ではないと考え、彼らを止めないという方が、それだけで、すでにかなり異常であると、筆者は思う。

ハマスの息子の父ハッサン・ユーセフを逮捕 2015.10.22

火曜、イスラエル軍は、諜報機関シンベトと協力し、西岸地区ハマス指導者ハッサン・ユーセフ(60)を、自爆テロを扇動する可能性があるとして、ラマラ近郊で逮捕した。

ハッサン・ユーセフは、キリスト教に改宗し、1997年から2007年にかけてシンベトに協力し、テロを未然に防ぐ事に協力したハマスの息子こと、モサブ・ハッサン・ユーセフ氏の父である。

www.jpost.com/Arab-Israeli-Conflict/IDF-arrests-senior-Hamas-figure-Hassan-Yousef-in-West-Bank-427479

この他イスラエル軍は、西岸地区において、ハマス16人を含む47人のパレスチナ人を逮捕。このうち20人は、いずれの組織に所属していないものであった。(エルサレムポスト)このようなテロは防ぎようがなく、最強の治安部隊をもってしても、対処に困っているようである。

www.jpost.com/Arab-Israeli-Conflict/Initial-report-Stabbing-attack-in-Binyamin-region-IDF-soldier-lightly-wounded-428625

<ガザからのロケット弾>

ハマスかどうかは不明だが、水曜夜、イスラエル南部に向ってガザからロケット弾が撃ち込まれた。例のごとく、空き地に落ちたので被害はなし。

ネタニヤフ首相の訴え:国際社会の仲介 2015.10.22

<バン・キ・ムン国連事務総長:電撃訪問>

火曜、国連事務総長のバン・キ・ムン国連事務総長が、ヨーロッパ訪問の機会をとらえ、突然エルサレムにやってきた。事務総長は、「私が来たということは国際社会がそれだけ懸念しているということである。」と語った。

訪問後の記者会見で、バン事務総長は、パレスチナ人の若者に対し、「占領され、入植地の拡大が続き、事態になにも変化がなく、リーダーたちが効果的なことをできないでいることの葛藤はよくわかる。」と理解を示しつつ、若い世代や子供たちが、武器をとって殺人に走ることへの深い懸念を表明した。

一方、ネタニヤフ首相は、「アッバス議長はISISとハマスに仲間入りし、イスラエルが神殿の丘の現状維持を破って、モスクを破壊しに来ると言っている。しかし現状維持を破っているのは、爆発物をアルアクサモスクに持ち込んでいるパレスチナ人の方でイスラエルではない。アルアクサモスクを破壊しに来るという主張も全くの嘘である。」と強い語調で訴えた。

バン国連事務総長は、この後、アッバス議長、ヨルダンの国王と会談の予定。なお、ヨルダンは、イスラエルを非難する立場である。国内の70%を超えるパレスチナ人市民の手前、そうせざると得ないのだろう。

<物議をよぶネタニヤフ首相の発言>

www.jpost.com/Israel-News/Politics-And-Diplomacy/Netanyahu-trivializing-Holocaust-by-claiming-mufti-persuaded-Hitler-to-kill-Jews-Herzog-says-427598

エルサレムでは現在、世界シオニスト会議が開かれているが、その中で、ネタニヤフ首相が言ったことが物議をよんでいる。

ネタニヤフ首相は、第二次世界大戦中、パレスチナのリーダーであったハジ・アミン・フセイニが、ヒトラーと会談した時に、ユダヤ人大虐殺を促したと語った。

ハジ・アミン・フセイニが、当時ユダヤ人の追放政策をすすめていたヒトラーに「追い出されたユダヤ人の多くはパレスチナの地に来てしまう。ユダヤ人を殺せ。」と言ったというのである。これは聞きようによっては、ユダヤ人虐殺はヒトラーではなく、ハジ・アミン・フセインの責任ともとれる発言である。

この直後、歴史家からは、「それは歴史上の事実ではない」「ネタニヤフ首相はヒトラーの責任を軽くした」「ホロコーストを利用するのは赦されないことだ」などと、非難が相次いだ。

ネタニヤフ首相は、ちょうど延期になっていたドイツ訪問を実現するため、ドイツへ向ったが、その前の記者会見では「私はヒトラーの責任を軽くしたのではない。ホロコーストの責任はそれを実施したヒトラーだということに変わりはない。」と語った。

ドイツでは、メルケル首相もこれについて、「ドイツには、歴史的な責任があるという認識にはなんの変わりもない。」と語った。

www.bbc.com/news/world-middle-east-34599706

ネタニヤフ首相は、ドイツでもくりかえし、神殿の丘の現状維持を守っていないのはイスラエルではなく、パレスチナ側であると訴えるとともに、「パレスチナ人のテロは、現状に葛藤しているからではない。単純にユダヤ人を憎み、イスラエルをなきものにしようとしているだけである。」と訴えた。

シリアのアサド大統領がロシア訪問 2015.10.22  

www.bbc.com/news/world-europe-34595409

自国民だけでなく、ヨーロッパはじめ世界に迷惑をかけているシリア。その一応はいまも指導者であるアサド大統領が火曜、ロシアを訪問。モスクワでプーチン大統領と会談した。

アメリカと同盟国、さらにはロシアの戦闘機が飛び交う中、アサド大統領がシリアを飛行機で出るとはこれいかに、の話だが、この訪問により、ロシアがシリアに対し、絶大な影響力を持っていることが印象づけられる結果となった。

ロシアがシリアへ介入し始めたのは3週間前。アサド大統領は、ロシアの介入によって、テロリストの動きが弱体下しているとプーチン大統領に感謝を述べた。

ロシアは、ISISを攻撃すると言ってシリアに軍事介入を始めたのだが、実際には、反政府勢力の支配地域への攻撃の方が本格的である。(BBCの上記サイトの下の方にある地図参照)

これは、反政府勢力を支援して、ISISもアサド大統領も排斥しようとするアメリカと正面から対立する状況である。ホワイトハウスは、アサド大統領のロシア訪問を強く非難している。

しかしながら、アメリカが供給する武器が、反政府勢力以外のテログループにも流れている可能性は否定できず、地上軍を派遣しないアメリカのシリアでの影響力は、ロシアに比べると力不足であることは否めない。

しかし、シリアでは、内戦勃発以来、50万人以上が死亡。国内外の難民は、1200万人を超え、国民の半数は難民になったことになり、アサド大統領をこのまま権力者にするわけにはいかないというアメリカの主張ももっともな部分もある。

シリアなどからの難民は、厳しい冬を前にヨーロッパへの移動を急ぐ難民の数はまだまだ増える一報である。特にその最初の地であるギリシャはもはや手に負えない状況で、一部暴動にになっている。

トルコから決死の思いでギリシャにたどり着いた難民の子供たちが寒さに震えている様子や、どうしようもない状況に子供を抱き、顔を歪めて目をまっ赤にしたお父さんや、女性たちを涙なくしては見れない状況である。

www.bbc.com/news/world-europe-34597282

今後、シリア情勢がどう変わって行くのか、目を離せない状況である。

ベエルシェバ:銃乱射・兵士1人死亡5人重傷 2015.10.19

18日夕刻、ベエルシェバの中央バスステーションで、銃とナイフによるテロがあり、イスラエル兵のオムリ・レビさん(19)が死亡。警察官ら9人が負傷した。このうち5人は重傷。

イスラエルのメディアによると、テロリストは、銃とナイフをもってバスステーションに入り、人々をナイフで襲い始めた。

一人の女性は、ナイフで刺されようとしたが、テロリストを殴り、胡椒スプレーで反撃。そのすきに逃げた。犯人は女性を追跡する中、イスラエル兵のオムリさんを射殺し、そのライフルを奪って、無差別に乱射した。

女性は無事だったが、9人が負傷。5人が重傷。うち2人は命の危険があるという。

テロリストはその後、中央バスステーションのビルから出たところで治安部隊に射殺された。パレスチナのメディアによると、死亡したテロリストは東エルサレム・シュアハット在住のアサム・アラジ。詳細はまだ不明。

悲惨なのは、治安部隊は当初、テロリストは2人とみて、もう一人も撃って重傷をおわせたことである。この男性は、テロリストではなく、逃げようとしていた違法滞在とみられるエリトリア人だった。

さらに周辺にいた人々は、この男性もテロリストだと思い、怒って、重傷のこの男性を殴る蹴るの暴行を加えたという。多数の救急隊員が駆けつける中、ユダヤ人たちは、「アラブ人を殺せ」「イスラエルの民は生きる」と叫んだという。

ハマスはこの犯行を歓迎し、「イスラエル軍と入植者の冷酷なしうちに対する自然な反応だ。」とのコメントを出した。ハマスとイスラム聖戦は、「占領者を永遠に追放するまで、インティファーダは続くだけでなく、エスカレートする。」と言っている。

今回のベエルシェバでのテロは、これまでで最悪となった。

www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4712997,00.html

<市街地にイスラエル軍兵士配置>

イスラエル軍は、警察や国境警備隊員とともに、バスなど公共交通機関や市街地を警護するエリート部隊隊員300人の特別訓練を終え、18日より、エルサレム市内に配置された。

www.jerusalemonline.com/news/politics-and-military/military/300-idf-soldiers-deployed-in-jerusalem-buses-16504

また、テロ事件が2つ発生したアルモン・ハナチーブでは、隣接するジャベル・ムカバとの間に、一時的で、限定した防護壁が置かれた。しかし、部分的でもあり、移動を妨害するブロックの背が高くなったようなもののようである。

www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4712958,00.html

ヨーロッパで、親イスラエルラリー 「Stand with Israel」2015.10.19

www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4713080,00.html 

反イスラエル感情が高まる中、日曜、ローマ、パリ、マドリードで、テロの波に襲われているイスラエルの立場を理解する群衆が、イスラエル大使館前で、親イスラエルのデモを行った。

パリでのデモは、ユダヤ人組織が企画したものだが、参加者は4000人とみられている。人々は、「このような時だから、イスラエルを支持することが大事だと思った。」と語っている。

ローマでは、イスラエルの旗を掲げる群衆とともに、政治家らも参加していたが、「イスラエルとともに立つ事は当然の義務だ。」と語っている。

*ヨーロッパの難民問題・その後 http://www.bbc.com/news/world-europe-34567247

ヨーロッパでは、引き続きシリアやアフガニスタンなどからの難民流入問題が深刻化している。ドイツでは、80万人もの難民受け入れを決めたメルケル首相に対する反発が広がっている。

EUは、この問題について審議を行って入るが、それぞれの国によって考えや事情が違うためいっこうにまとまらず、明確な方針も定まっていない。これを受けて、難民の入り口になってきたハンガリーが、ついに難民の流入口を閉鎖してしまった。

これを受けて、難民らは、隣国スロバニアに向った。当初、スロバニアは難民を受け入れていたが、BBCによると、1日2500人に限定しているという。難民は、スロバニアを通ってオーストリアへ行くわけだが、そのオーストリが1日1500人しか受け入れないからである。

エルサレムアッセンブリーのスタッフであるビルさん夫妻(妻のサビーナさんがドイツ人)は今、ドイツにいるが、あふれかえる難民たちへの支援・伝道活動に追われているという。

安息日もテロ5件:パレスチナ人3人死亡 2015.10.18

17日土曜は安息日だった。しかし今日もテロは5件発生し、パレスチナ人3人が死亡した。

1)アルモン・ハナチーブ http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4712335,00.html

先週、バス78番でのテロで2人の犠牲者を出したアルモン・ハナチーブで、またテロが発生した。

土曜日朝9時30頃、シナゴーグ付近の静かな住宅地で、自転車の男性があやしい動きをしているアラブ人の若者に気がつき、付近にいた治安部隊隊員らに通報した。

治安部隊がIDの提示を求めた所、大きなナイフを取り出して襲って来たため、テロリストはその場で射殺された。一般住宅の入り口前である。

テロリストは、同地区に隣接するアラブ人地区ジャベル・ムカバに在住する16才の少年とパレスチナのメディアは伝えている。 

<住民の反応>

アルモン・ハナチーブでは2回目となるこのテロは、記者宅にも非常に近い所で発生した。近くにはシナゴーグがあり、事件発生時は、まだ人々が中にいる時間だった。

中にいた人の話では、銃声が聞こえたため、皆が窓にあつまって外を見たという。みな怖がっていたという。もしこの事件が30分後に発生していたら、シナゴーグから自宅に帰る人々を巻き込んでいた可能性がある。筆者にとっても、その時間には、その道を通って、礼拝へ向う時間帯である。

現場で、え近隣に住む2人の女性に聞いたところ、「パレスチナ人ならまだわかる。イスラエルのアラブ人は、イスラエルで働いて共に生活しているのに、国内でテロをするのは赦せない。追い出すべきだ。」、「”アザゼル”に追い出すべき。」とかなり強い語調で言っていた。

*アザゼルーかつて神殿があった時代、贖罪日にほふられる羊と、”アザゼル”に追放される羊がいた。アザゼルとは、完全に国の外へ追い出し、確かに二度と返って来ないようにすることを言う・

今日は、道路が封鎖されていたので、迂回して教会に向った。約3時間後、帰宅したが、いつもは親子連れでにぎわう付近の公園も、通りにも誰一人歩いていなかった。

現場は、すでにすべてが片付けられ、治安部隊の車も警察官も誰一人おらず、まるであたかも何もなかったかのようになっていた。朝の現場を歩いて帰った。

教会の姉妹で、4人の子供たちとともにこの地域に住んでいる人の話によると、子供を一人で外出させないため、必ず学校まで親が送迎しているという。

ここ1週間、子供たちを外で遊ばせるのは危険なので、家で過ごしている。ストレスがたまるので、学校に行く上の2人以外の小さな子供たちは、今週、動物園にでも連れて行こうと思っていると、迷惑そうな顔で言っていた。

私自身はみるからにユダヤ人でないので、危険なことはほとんどないが、ユダヤ人にとっては、いつどこで殺されるかわからないという恐怖はやはりかなりひろがっているようである。

2)その他のテロ

上記テロ事件の少し前、ヘブロンのマクペラの洞窟へ行く途中のユダヤ人入植者が襲われたが、逆にその市民に撃たれて死亡した。パレスチナ・メディアによると、死亡したのはファディル・カワスミ(18)

続いてヘブロンでは、女性警察官が、パレスチナ人女性テロリストにナイフで襲われたため、反撃して射殺した。テロリストは、イスラムの衣装の女性で、バイヤン・アシラ(16)

ヘブロンでは、夜にもイスラエル兵がナイフに刺されて重傷。襲ったパレスチナ人はその場で射殺。その後、同様のテロは、エルサレム北部、カランディア検問所で発生した。計5つのテロ事件となった。

www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4712454,00.html

これまでにパレスチナ人のテロで死亡したユダヤ人は7人。襲われたユダヤ人の反撃と、暴動での対処で死亡したパレスチナ人は39人に上っている。(Yネット)

<迷惑する一般のアラブ人たち> http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4712551,00.html

イスラエルの一般のアラブ人たちの多くは、ユダヤ人とともに働いている。こうしたテロには反対する立場である。

こうした一般のイスラエル・アラブ人たちは、テロが続くにつれて、ユダヤ人たちのアラブ人全体への反感が高まり、いつか報復されるのではないかとの恐怖を感じているという。

そのため、アラブ人たちの多くが仕事を休んでいるとYネットは報じている。建設現場などでは、パレスチナ人もイスラエル領内へ働きに来ているが、途中に多数の検問所があるなどで、働きに来れなくなっている。

一方、検問所の設置により、急病人を病院へ搬送することにも影響が出始めて、アラブ人たちからは不満も出ている。

アラブ人ビジネスへの打撃も大きい。ナザレでレストランを経営するアシュラフ・カタイェフさん(63)によると、ユダヤ人もアラブ人も恐れて家に入っているので、客がほとんど来なくなっているという。

南部には、ラファットを代表するベドウインの町がユダヤ人の町と混在している。多くのベドウインがユダヤ人とともに働いている。しかし、ラファットでは、ユダヤ人の運送屋が恐れて配送に来ないため、店の商品が不足しているという。

イスラエル国内のユダヤ人とアラブ人が混在する町が特にお互い恐怖に包まれ、緊張した状況にあるもようである。

ユダヤ人とアラブ人が混在し、過去にも暴動を何度も経験している町では、アッコがある。アッコのための祈りも必要である。

<エルサレムの講壇から:アラブ人に福音を!!>

エルサレム・アッセンブリーでは、メノー牧師は、「今、アラブ人たちも、イスラムだけが、常に争いと死に関わっている事に気づき始めているはずだ。彼らが福音に目覚めることこそが解決だ。

アラブ人たちの救いのために祈れ。アラビア語のトラクトをたくさん用意したから持って返ってほしい。」と訴えた。

駐車中バス35台炎上:ラマット・ガン 2015.10.18

 http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4712417,00.html 

テルアビブ市内を走る市内バスにはエゲッドとダンという2つのバス会社である。土曜午後6時すぎ、ダンの駐車場で火災が発生。バスに次々に引火した。

被害拡大を食い止めるため、消火とともにバスの移動が行われたが、最終的に35台が焼失するという大きな被害となった。負傷者はなし。

現在、放火の可能性も視野に、火災の原因追及が行われている。

国際社会:それぞれの反応 2015.10.18

1)神殿の丘へ国際監視団?

www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/202027#.ViLS_qUWnA8

現在のイスラエルでの紛争のエスカレートの根源には神殿の丘の問題があると言われている。

今週末、国連安保理で、フランスが神殿の丘に国際監視団を派遣する案を提案していることが明らかになった。”現状維持”のルールが守られていないというのが理由である。

イスラエルからすれば、これはまったくのナンセンスである。神殿の丘で暴徒と治安部隊が衝突するのは、イスラエルが、現状維持を破ったからではなく、パレスチナ人たちが、ユダヤ人たちに暴言を浴びせかけ、投石や火炎瓶を投げつけて来るからである。

そういう行為さえなければ、治安部隊が神殿の丘へ大規模に入ることはない。ネタニヤフ首相は、繰り返し、「イスラエルは現状維持のルールを堅持する。」と訴え続けている。

イスラエルとアメリカは、この案が実現しないよう、根回しを進めている。

2)アメリカ議会:パレスチナ自治政府への支援50億ドルカットを提案

アメリカの議会は、公にテロの扇動をしているとして、パレスチナ自治政府へのUSエイドを通じた支援から、50億ドルカットするという案を押し進めている。

その中には、アメリカのパレスチナ自治政府財産の凍結や、ハマスを含むパレスチナの統一政府への支援停止などがもりこまれているという。

www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/202029#.ViLNiqUWnA8

オバマ大統領は、暴力のエスカレートはパレスチナ、イスラエル双方の責任だと発言し、イスラエルではかなり問題視されていた。

3)ヨルダンでイスラエルとの和平条約破棄を求める大規模デモ

www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/202032#.ViLQcKUWnA8

神殿の丘は、1967年までヨルダンの管理下にあった。1967年にイスラエルの主権下に入ったのだが、当時のモシェ・ダヤン参謀総長は、アラブ世界との衝突を避けるため、その管理の権利をヨルダンのワクフ(イスラム団体)に引き渡した。

これについて立腹しているイスラエル人は少なくない。そのために、基本的に神殿の丘はヨルダンの管理下だが、治安の維持はイスラエルという非常に複雑な構造になったからである。

神殿の丘をめぐる衝突が頻発しているのを受けて、ヨルダンの主都アンマンでは金曜、少なくとも5000人とみられる群衆が、イスラエルとの和平条約(1994年)を破棄するよう、訴えるデモを行った。企画したのはヨルダンのムスリム同胞団。

ヨルダン王室も、イスラエルに対し、状況の改善がないなら、和平条約を破棄するとイスラエルに釘をさすメッセージを発している。

しかしながら、ヨルダンは、イラクやシリアの隣にあって、ISISの脅威の元にあり、イスラエルの協力を必要としている。和平交渉の破棄は今の所、実現しないと思われる。

4)ロンドンで反イスラエルデモ

チャンネル2によると、ロンドンで反イスラエルのデモが行われた。「最近のパレスチナ人によるイスラエル人攻撃についてどう思うか」との問いに、「シオニストは殺されるべきだ。そこかへ行くべきだ。」「イスラエルに死を」などと叫んでいた。

ある男性は、ハマスのはちまきをし、「ハマスはテロリストではない。ハマスは国の防衛をしているのだ。テロリストはイスラエルのブタだ。パレスチナすべて、ガザもとろうとしている。戦争犯罪だ。ハマスは市民の戦闘員だ。」と言っている。

同様のデモは、サンフランシスコや、カナダでも行われたとのこと。

www.mako.co.il/news-world/international-q4_2015/Article-e1198463c867051004.htm?sCh=31750a2610f26110&pId=1675883010