イスラエル南部都市では今朝になり、またロケット攻撃が始まった。キリアット・マラキでは初めてロケット弾が着弾し、アパートを直撃し、イスラエル人3人が死亡した。
ガザでも新たに3人が死亡、計10人が死亡している。
国連安保理は、緊急会議を開いたが、実質的な対策はなし。
アメリカは、イスラエルの自治権を支持するとし、できるだけ市民を巻き込まないようにと伝えた。
イスラエル南部都市では今朝になり、またロケット攻撃が始まった。キリアット・マラキでは初めてロケット弾が着弾し、アパートを直撃し、イスラエル人3人が死亡した。
ガザでも新たに3人が死亡、計10人が死亡している。
国連安保理は、緊急会議を開いたが、実質的な対策はなし。
アメリカは、イスラエルの自治権を支持するとし、できるだけ市民を巻き込まないようにと伝えた。
14日午後4時ごろ(日本時間14日23時すぎ)、イスラエル空軍がハマス軍事部門の最高司令官アフマド・ジャバリを殺害し、「雲の柱作戦」と名付けられたガザへの攻撃が始まった。
<ガザ地区被害>
ガザ地区のさながら戦場のような様子が報じられている。現時点でジャバリとその息子を含むパレスチナ人の死者7人。女性と子ども2人も含む。ハマスは、「イスラエルは地獄のふたを開けた。」と言い、イスラエル市内すべての町をターゲットにすると言っている。
<ガザからの反撃>
現時点で、ロケット弾、グランドミサイルなど計83発が、主にベエルシェバとイスラエル南部に向けて撃ち込まれた。迎撃ミサイルが25発撃ち落としている。ベエルシェバでは、市内に着弾して物的被害が出たが、軽傷者が2人のみ。ショックで搬入された人は16人。
今回はじめて、原子力施設があるディモナをねらったとみられるミサイルが付近に着弾したが、被害はなし。なお、バラク国防相によると、万が一に備え、テルアビブまで届くような長距離ミサイルは、作戦の初期段階で空軍がすべて破壊したという。
15日はガザから40キロ圏内の学校は休みで自宅待機となる。病院は万が一に備えて救急体制を整えているとチャンネル2は報じていた。
<ネタニヤフ首相・バラク国防相記者会見>
ネタニヤフ首相とバラク国防相とともに記者会見と行い、「イスラエル南部では先週末から100発以上のロケットやミサイル攻撃を受けた。このようなことは受け入れられない。いったいどこの国が、市民がロケット攻撃を受けてだまっているというのか。
ハマスとその他のテロ組織は、イスラエルを攻撃してガザ情勢をエスカレートさせた。」と語った。また「ハマスは市民をねらって攻撃し、自らの市民の後ろに隠れている。イスラエルは市民は狙っていない。」とも語った。
ガザからのロケット攻撃について、イスラエルから国連へ訴えるのは、今回の分を入れて3回目。ネタニヤフ首相から電話連絡をうけたオバマ大統領は、イスラエルの自己防衛の権利を支持すると答えたという。
<ムルシ大統領、テルアビブのエジプト大使を召還か?>
ハマスの母体は、エジプトのムルシ大統領の出身でもあるムスリム同胞団である。ガザへの攻撃に、ムルシ大統領はいち早く非難声明を出し、テルアビブ在住の、エジプト大使をイスラエルから呼び戻した。
召還が一時的なのか長期の召還になるのかどうかはまだ不明。もし長期召還であれば、両国の和平条約が危機に陥ることを意味する。
ムルシ大統領は、アラブ連合に緊急の会議を開くよう呼びかけると同時に、国連の安全保障理事会にも緊急会議を開いて対処するよう、呼びかけた。
14日、ハマス軍事部トップで、おそらく最大の影響力があるとみられるアフマド・ジャバリがイスラエル軍によるピンポイント爆撃で死亡した。ジャバリはシャリート兵士返還の時の責任者だったことでも知られる。
これについて、イスラエル国防軍のガンツ参謀総長が、ガザのテロ組織指導者たちを空軍によって殺害するという作戦”Operation Cloud Piller(雲の柱作戦)”を始めたことを明らかにした。
これは、ガザのテロ組織に壊滅的な打撃を与えるため、指導者だけをねらっていくという作戦だ。ハマスのジャバリに引き続き、イスラム聖戦の指導者も殺害されたとの情報もある。
イスラエル軍によると、ガザでは、テルアビブまで届くミサイルの発射地など、これまでに20のターゲットを空爆している。
13日、ネタニヤフ首相は「報復の”時”を判断する。」と言っていたが、その”時”が開始されたということである。イスラエルは必要であれば大規模な地上作戦に発展させる可能性もあると言っている。
<ガザからの反撃>
ハマスは、「地獄のフタが空いた。」と言い、イスラム聖戦は「イスラエルはガザに宣戦布告した。」と言っている。14日17時頃、アシュケロンに向けてミサイルが2発撃ち込まれている。
<北部ゴラン高原の国境>
13日は、丸一日シリアに面するゴラン高原にあらたなミサイルの動きはなく、北部国境は静かな一日となった。
シリアの内戦収束にむけて、反体制派組織代表として11日立ち上がったシリア国民連合。アラブ連合が承認したのに続いて、フランスが西側としては最初に承認の意向を発表した。
ジハード(聖戦)主義組織を含む雑多の組織であるため、アメリカはまだ承認していない。
<南部ガザ国境>
南部国境は、エジプトの仲介でハマスが停戦を受け入れたとのニュースが入った後の14日の朝、アシュドドにミサイルが一発着弾したが空き地におちて被害はなし。午後にもアシュケロン方面に一発着弾したが、こちらも被害はなかった。
ネタニヤフ首相は閣議において、「イスラエル市民の生活を脅かす者をそのままにしておくことはない。首相として私がすることは”時”をみきわめることだ」と語った。
これは、可能性が示唆されていた「大規模反撃は今ではない」との印象を与える一方、ガザ地区へは、暴力には必ず報復があるとの釘をさす発言となった。
10日、ガザからの対戦車砲が国境を警備中のイスラエル軍ジープを直撃し、イスラエル軍兵士4人が負傷、2人が重傷となっていた。このうちヤフダ・パルシさんは頭部と眼に重傷を負っており、命の危険があると報じられていた。
しかしその後パルシさんは意識を回復し、呼吸器からも離脱することができた。痛みがひどいのですぐに麻酔がかけられたが、その前に家族にあきらかな応答のサインを出したという。家族は「命がとりとめられたのは奇跡。祈りが聞かれた。」と語った。
ただし、両目の症状は重く、このままだと両目失明の可能性がある。もう一つの奇跡が期待されるところだ。
また、もう一人重体で、パルシさんと同じベエルシェバの病院に収容されている兵士シモン・アレンカリさんも重傷ながら回復へと向かっているとのこと。
パレスチナ自治政府のアッバス議長は、12日、現在の国連での立場-PLO団体オブザーバーからパレスチナ国家オブザーバーへのアップグレードの申請を11月29日に行うとの方針を明らかにした(BBC)。
申請が出されると、すみやかに国連総会において193カ国が採択することになる。現時点ですでにヨーロッパの数カ国と中国が賛成の意向を表明している。(趣意書は先週7日に各国へ配布ずみ)
国連への申請は、アメリカとイスラエルの反対を押し切っての動きとなる。今後、両国がパレスチナ自治政府に対して経済制裁を発動する可能性がある。
本日月曜午後、イスラエルの警告砲撃にもかかわらず、シリアからの流れ弾が再びゴラン高原イスラエル領内に着弾した。これを受けてイスラエル軍は、シリアの砲撃拠点に向けて戦車砲で打ち返した。
イスラエルのテレビニュースによるとシリア軍兵士数人が負傷したもよう。シリア領内へイスラエルから砲撃するのはこの24時間以内に2回目となる。
イスラエルは、一連のことにについて国連に訴えており、「シリアからの砲撃が流れ弾であり、イスラエルを狙った攻撃でないことは知っている。イスラエルからの砲撃は、戦争拡大を望んでいるからではなく、拡大しないようにとの警告である。」と伝えている。
<反政府勢力のシリア国民連合設立>
シリア内戦を終結させるためには、アサド大統領に代わる政治体制が整わなければならない。先週からドーハ(カタール)で乱立する様々な反政府勢力のリーダーたち60人が集まり、11日、ようやく「シリア国民連合」を立ち上げた。
議長は元ダマスカスモスクの指導者モアズ・ハディブ氏。スンニ派イスラムで穏健派とされる。副議長はリヤド・セイフ氏とスファ・アタシ氏(女性)。いずれもシリア内部にいる勢力の代表である。
今後シリア国民連合がどこまで一致を保てるのか、西側はこの組織をポスト・アサド政権とみてどの程度支援していくことになるのか注目されている。(連合にはイスラム過激派もおり、支援がテロ組織へ回っていく可能性もあり判断が難しい)
*この動きの背後で、内戦続くシリアでは日曜・月曜あわせて120人が死亡した。
土曜夜から続いているガザからイスラエル南部周辺都市への攻撃。本日月曜午前中にはネティボットの家屋を直撃して家は大破したが、負傷者はなし。ネティボットには夕方からも攻撃が続いており、住民は緊張した夜を迎えている。
ベエルシェバ上空では迎撃ミサイルがグラッドミサイル2発を撃ち落とした。
ネタニヤフ首相は、今日各国大使を同伴して南部を訪れ、イスラエルが直面している現状を伝えた。
ビデオ:①警報「ツェバ・アドン(赤色)」で逃げる子どもたち、②ゲーム中の男性たち
①http://sderotmedia.org.il/bin/videos.cgi?q=watch&id=5351 (スデロット・メディアセンター)
②http://sderotmedia.org.il/bin/videos.cgi?q=watch&id=5534 (スデロット・メディアセンター)
注)このビデオに収録されている町スデロットでは、警報がなってから15秒でロケット弾が着弾するが、ガザにもっと近いエシュコル地区などでは発射されるとほぼ同時に着弾する。そのため、警告なしに突然着弾するという。
今日11日午後、シリアからの砲弾が、ゴラン高原のイスラエル軍駐留地点付近に着弾。負傷者や物的被害はなかったが、イスラエル軍は、シリア政府へ警告するため、シリア領内に向けて一発の砲撃を行った。
イスラエルからシリアに発砲するのは1973年のヨム・キプール戦争以来となる。イスラエルは、国連に対し、シリアからのこれ以上の砲撃があるならば”本当の”反撃に出るとの警告を通告した。
ガザ地区からの攻撃は現在も続行中。グラッドミサイルがベエルシェバに向けて発射されたが、迎撃ミサイルが撃ち落とした。現時点で計75発がイスラエルに撃ち込まれている。市民の負傷者3人。工場や駐車中の車両に被害が出ている。
パレスチナ側の情報によるとガザ地区での死者は6人。
<天が息子を守ってくれた>
ガザ地区からの砲撃を受けて負傷した体育教師のモシック・レビさんは、「今朝、息子を私と一緒に学校へ連れていかない方がよい気がして連れていかなかった。天が息子を守ってくれた。」と語った。
レビさんは、車の運転をしていたときにロケット弾から飛び出した金属片がフロントガラスに直撃。ガラスが車内に飛び込み、顔面に負傷していた。
ガザ周辺地区では今日は学校は休校。土曜から続いているロケット攻撃で、南部地域ではPTSDを持つ人々の症状が悪化しているという。
ここ1ヶ月ほどガザ国境で紛争が頻発しているが、土曜夜再び国境を警備していたイスラエル軍ジープが攻撃され兵士4人が負傷した。1人は頭部と眼の外傷で瀕死の重体となっている。
これに続いてアシュケロン、アシュドド、スデロット、エシュコル地域にロケット弾30発以上が撃ち込まれ、住民は再びシェルターへ走ることとなった。迎撃ミサイルが撃ち落としたのは1発のみ。日曜朝にもこもロケット弾が着弾し、イスラエル人2人が負傷している。
イスラエル空軍が直ちにガザ地区のミサイル発射地へ報復攻撃を行い、パレスチナ人4人が死亡、29人が負傷。ガザではイスラエルの攻撃で木曜にも13才の少女が死亡している。
<大規模ガザ攻撃の可能性も>
ネタニヤフ首相は現在、バラク国防相、ガンツ参謀総長と会議を行っており、相次ぐ攻撃に終止符をうつため、大規模な作戦に出る可能性も指摘されている。
昨年、国連の加盟国に加えられるよう申請し、話題となったパレスチナ自治政府。パレスチナを「PLOとしての団体オブザーバー」の立場から「国家としてのオブザーバー」へのアップグレードを要請する方向で、申請趣意書のようなものを国連加盟国193カ国に配布した。
しかしながら、肝心の国連事務総長への申請書は提出しておらず、正式な申請をするかどうかはまだ未定だという。
*正式には申請書は国連事務総長が受理した後、事務総長が総会に議題を提示し、採択がとられることになる。
アメリカは、こうした申請をイスラエル総選挙の直前にしないよう、アッバス議長に要請していた。