停戦?情報の錯綜 2012.11.18 

イスラエル軍のガザ地区への断続的な攻撃は17日も続いた。破壊をうけた建物の様はすさまじい。17日だけで、ガザ地区の死者は4人。これまでの死者は39人になった。

17日、エジプトのカイロで、エジプトのムルシ大統領、トルコのエルドアン首相、カタールのエミール王子、ハマスのカリッド・マシャアル政治部代表が4者会談を行った。カイロではアラブ連合も、停戦を目標に緊急会議を開催中。

ムルシ大統領は会談の後「停戦のしるしはあるが、補償はない。」とのコメントを出した。一時18日0:00から停戦に入る可能性があるという情報もあったが、0:00以後もイスラエルのガザへの攻撃は続いているようである。

*イスラエルの方針

イスラエルの目的はガザを再び占領下に置くことではない。イスラエルに対するミサイル攻撃がもはや不可能になったということが確認されたらすみやかに攻撃を停止し、ガザから撤退する。逆にミサイル攻撃がなくならない限り、イスラエルが途中で戦闘をやめることはないと思われる。

<ヒズボラ、イラン、シリア、スーダン、エジプトがガザへ長距離ミサイルを補充している!?>

イスラエル軍が断続的にミサイル発射地を攻撃しているにもかかわらず、テルアビブにまで届くミサイルはまだ飛んできている。イスラエルへのミサイルが止まない限り、イスラエルは攻撃をやめることができない。

レバノンのヒズボラ系列の新聞によると、この24時間の間に、イランからシリアの港を経由してスーダンへ、スーダンからエジプト経由でガザへ長距離ミサイルが密輸補充されているという。
www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4307083,00.html

<エジプトで悲惨な事故 幼児47人が死亡>

17日、エジプトでは列車とスクールバスが衝突。乗っていた47人の幼児(4-6才)が死亡し、悲しみがひろがっている。ガザ情勢対処に忙しいムルシ大統領だが、同じ大統領執務室から今日は国民にむけて悲しみのアナウンスをすることになった。エジプトでは交通事故で年間8000人が死亡するという。

「雲の柱」から「防衛の柱」へ 2012.11.18

今回のガザでの作戦は当初「雲の柱作戦」と呼ばれていた。ところが2日目移行、英語表記の場合「防衛の柱作戦」という名称に変えられた。よく調べると、ヘブル語表記は「雲の柱作戦」のままだった。

「雲の柱」という名称は、聖書の出エジプト記で、イスラエル人がエジプトから出てきたときに主ご自身が昼は「雲の柱」となり、夜は「火の柱」になり、彼らを導いたというところからとられている。(出エジプト14:19-24)

イスラエル人にとっては主ご自身がこの戦いを戦うという励ましになるが、世界、特にエジプトがこれを聞くと、いかにも「神はイスラエルの側におられる。イスラエルはエジプトを打ち負かす」という印象になる可能性がある。

そのため、宗教色を取り除く目的で、英語表記を変えたのだという。

祈りのアイアンドーム(迎撃ミサイルシステム)稼働中! 2012.11.18

世界中のクリスチャンが祈っているのを感じる。それはまるで祈りの盾がイスラエル周囲にあるようである。

土曜日の安息日、イスラエルに向かって放たれたミサイルは60発に上る。南部各地ではひんぱんに警報がなった。アシュドドではミサイルがアパートに直撃し、建物を破壊したが、住民は家におらず無事だった。夕方にはアシュドドに5発来たが、4発を撃ち落とし、一発は空き地に落ちた。

テルアビブでも再び警報がなりひびいた。このミサイルは、そのほんの数時間前にテルアビブ専用に設置されたアイアンドーム(添付図解)がさっそく撃ち落とし、被害はなかった。エルサレムでは昨日以来、警報はない。

エルサレムアッセンブリー、17日の礼拝では、礼拝前にまず集まった約300人に対し、熱血メノー牧師から、避難時のインストラクション。これは非常時に大勢が集まる際の法律だという。

礼拝堂はビルの最上階5階にある。もし警報が鳴ったらあわてずパニックにならず、一階のシェルターへ降りるよう、ユーモアたっぷりに語られた。なお、エルサレムでは警報が鳴ってからミサイルが着弾するまで1分半ある。

<エルサレム・アッセンブリーでの祈り(戦争に関して)>

1.ネタニヤフ首相を覚えて-首相の決断に多くの人のいのちがかかっている。知恵をもって主の決断をするように。

2.イスラエル軍兵士を覚えて-エルサレム・アッセンブリーからも8人が従軍中。そのうち4人は戦闘員としてガザ国境にいる。明日からユースリーダーのティビ兄も戦闘員として1ヶ月従軍する(ヘブロン勤務)

3.ガザ市民を覚えて。

地上戦なるか 2012.11.17

<イスラエル国内の様子>

現在朝6:30(日本時間13:30)、エルサレムでは昨夕、警報が鳴って以来、朝まで警報はならず、いたって静かな夜と安息日の朝を迎えている。テルアビブでも警報はない。明け方6時前後に南部アシュケロンなどで警報がなったがミサイルの着弾はない。今日は全国的に、多くのメシアニックの教会で礼拝が行われる。

2日続けてミサイルが着弾したテルアビブは、昨夜の時点ですっかりいつもの通り。カフェやレストランは満員。いつもと全く変わらない様子だという。

<イスラエル軍の動き・ガザ地区の様子>

イスラエル軍は夜もガザ地区への攻撃を続行。ハマスの内務省本部に続いて首相府も攻撃した。ガザ地区の死者はこれまでに29人。昨夜ハマス軍事部の司令官2名が死亡したもよう。ガザ市民で犠牲になった16人にのぼる。子どもを含む270人が負傷し、病院に搬送されている。

ガザ地区にいる朝日新聞記者・山尾有紀恵さんによると、宿泊中のホテル付近の密集地帯からイスラエルへむけてミサイルが撃ち込まれ、続いて30分後、その地域をイスラエル軍が攻撃したという。断続的な攻撃で、地鳴りのような音が続き、上空をイスラエル軍機が旋回している音が夜通し聞こえたと報告している。

イスラエル軍が攻撃するのは、ミサイル発射地点、ハマス政府、軍事拠点などだが、UAV(無人軍用機)の施設も破壊した。

<地上戦準備>

イスラエル軍は、次の段階-地上戦にむけて準備をすすめている。ガンツ参謀総長は16日、予備役兵16000人に招集をかけた。(KBCの皆さんへ・・ハイファ大学日本語学科1年生からも男子女子2名が招集を受けて出ていったそうです。)

なお、16日遅く、ネタニヤフ政権は、必要に応じて徴収する予備役兵の数を、30000から75000人まで上げた。国土防衛省は、イスラエル市民には戦いに備えて7週間分の備えをするように指示を出した。

<ガザ地区住民に警告>

イスラエル軍はガザ地区市民12000人に「ハマス施設から離れよ。次の段階が始まろうとしている。」との携帯メッセージを発信。ビラなどを空から配布している。ハアレツ紙によると、ガザ地区東南部の住民たちが、家を離れて避難を始めているという。

イスラエル北部国境の様子 2012.11.17

シリアとの国境だが、シリアの反政府軍が、イスラエル国境付近のシリアの町々を占拠しているもよう。国境近くに行くと、砲撃が聞こえると近くの住民。その後イスラエルへの流れ弾はない。レバノンのヒズボラは、ガザでの戦闘が始まって以来、今のところなんのコメントも発していない。

隣国ヨルダンで大規模反王室デモ 2012.11.17

隣国ヨルダンの首都アンマンで、ガス料金の値上げをめぐって17日、数千人規模の反王室デモが発生。王室支持派と衝突となり、殴り合いなどかなり暴力的な混乱となった。

シリアのアサド政権が倒れたら次はヨルダン王室が倒れると分析する専門家もいる。その場合、ヨルダンのパレスチナ人が台頭してくるとみられ、注目されている。

エルサレムにも着弾 2012.11.17

16日16:45(日本時間16日23:45、エルサレムで警報がなり、人々はシェルターへ走るさわぎとなった。着弾したミサイルは2発。一発はユダの荒野方面に着弾。もう一発はエルサレム南部グッシュ・エチオンに着弾したが、空き地で被害はなし。ちょうど安息日に入るところだった。

<シェルターへ!・ご近所の交流と絆>

警報が鳴ったとき、私のアパートには台湾人ジャーナリストの友人ソフィーがいた。「アザカー(サイレン)よ!」エルサレムにくるとは思わなかったので耳を疑ったが、まちがいなくアザカーだ。

バックパックとカメラを抱えて共に階下のシェルターに走った。私のアパートは最上階にある上、窓で囲まれたような家なので最も危険だとソフィー。シェルターまでは5階分の階段を駆け下りなければならない。

二人で階下に降りていくと、あわてたご近所の人々が、続々とけっそうを変えた様子で降りてきていた。子どもたち4人を含む全部で15人くらい。逃げてきていたのは、どういうわけか女性ばかり。下に行く途中で遠くに爆音が聞こえた。来た・・ちょっと足が震えた。

ところが!「閉まってるのよ!」と皆が言う。なんとだれもシェルターの鍵をもっていなかった。おまけにシェルターは物置になっていて、だれも入れない状態だという。7才くらいの女の子がショックで泣き出した。

しばらく緊張した空気だったが、やがて、「あれ、あなたこのアパートに住んでたの?知らなかった。よろしく。」といった会話が始まった。私の真下の家族はだいぶたってから出てきた。子どもが小さいのですぐには動けないのだ。やがて口々に「ニュースを見よう」と言いつつ、部屋に帰っていった。

数分後、各ドアに、「シェルターの物品をかたづけてください。」との張り紙が登場していた。*写真は張り紙と鍵のかかったシェルター

<安息日の主>

ミサイルが来るのはこわいが、同じアパートにご近所がいるということがどれほど心強いかと思った。こういうときこそ何かあったときは彼らの祝福になりたいと願った。ソフィーとたっぷり祈ると、「安息日の主」というみことばが示された。そう、今日は安息日入りの金曜日だ。2時間後、平安と力を得て、ソフィーも自分のアパートで祝福になるべく、帰っていった。

テレビでは、断続的にニュースを流しているが、レポーター、アナウンサーなどのスピリットは悲惨というより、元気である。攻撃にあって国が一つになっているのかもしれない。イスラエル人の心が主につながっていくようにと願う。

<今後の展望・地上戦>

イスラエル軍参謀総長は16日、予備役兵16000人の招集に合意。地上戦への準備が始まっている。

今後、しばらくはイスラエル内陸へもミサイルが来る可能性がある。また地上戦になった場合、北のヒズボラ(レバノン)が動き始める可能性もある。北部にも注意が必要である。

ガザからのミサイルは、確実に内陸に入ってきている。これまでに550発がイスラエルにむけて発射され、184発を迎撃ミサイルが撃ち落としている。イスラエルは、アイアンドーム(迎撃ミサイルシステム)5基目を稼働しはじめている。

テルアビブには2日続けてミサイルが着弾。南部ベエルシェバやシュケロン、14日死者3人を出したキリアット・マラキでも連日ミサイルが着弾している。しかし、いずれも空き地に落ちるなどで実質の被害はない。(祈りに感謝!)

ガザでの空爆は激しさをましている。今日、テルアビブにミサイルが撃ち込まれてからだけでもすでに40カ所へ空爆が行われた。これまでにガザでの死者は20人。BBCによると、ガザでは破壊の度合いの割に負傷者が少ないと伝えている。(祈りに感謝!)

<ユダヤ人を殺せ!エジプトとハマス>

エジプトのムルシ大統領は16日午前中、ガザに首相を派遣し、ハマスとの連携を強調。「(ガザへ)攻撃を続けるなら、大きなツケを払うことになる。」と語った。この時にムルシ大統領が「イスラエル」という名詞を使わなかったことが注目されている。

エジプトの新聞によると、ムルシ大統領が話している間、群衆は「ユダヤ人を殺せ!」と叫んでいたという。

テルアビブでも警報 2012.11.16 04:40(日本時間11:40)

<内陸部へ射程を伸ばすガザからのミサイル>

15日朝、ミサイルがアパートに直撃し3人が死亡したキリアット・マラキは、イスラエル最大の近代都市テルアビブからわずか15キロ南。ミサイルは徐々に内陸に届き始めている。

15日18:45(日本時間16日01:45)、テルアビブ方面にもミサイル2発が発射され、町に警報が鳴り響いた。テルアビブで警報が鳴るのは1990年の湾岸戦争以来。ミサイルによる被害はなし。

イスラエルでは、これまでに275発のミサイルが撃ち込まれたが、アイアンドーム(迎撃ミサイルシステム)が多くを撃ち落としている。ガザに最も近く迎撃ミサイルシステムが間に合わないエシュコル地区では砲撃で兵士3人が負傷した。

駐:テルアビブは日本でいえば東京のようなもの。ここが攻撃されることは非常に大きな意味を持つ。

<地上戦に向けて>

ガザ地区で、イスラエル軍が「防衛の柱(初期には雲の柱と報じられていたが同じもの)作戦」を続けている。テルアビブ地域にミサイルが発射されたから、さらに攻撃が激しくなり、今夜だけですでに70カ所を空爆。子どもを含む3人を含むパレスチナ人が死亡、多数が負傷しているもよう。

空軍は、これまでにガザ地区のロケット発射地やハマスの拠点など300カ所を空爆した。ガザ地区での死者は16人。なおイスラエル軍は空爆の前にガザ住民に「ハマスやテロ組織の拠点を離れるよう」とのビラをまいてから攻撃している。

徹底的な空爆が終わった後は地上戦になる可能性が高い。イスラエルはすでに戦車等を南部へ移動させつつある。招集される予備役兵(一般人からの臨時招集)は最大3万人と言われている。

<なぜ今ガザを攻撃するのか、目標は何か>

「堪忍袋の緒が切れた。」-というところか。イスラエル南部都市は13年にわたって、ロケット弾、ミサイル攻撃を受け続けてきた。イスラエルはそのたびにガザへ報復攻撃を行い、2008年には大規模攻撃作戦「防衛の盾」作戦も行った。

しかしそれでもガザからの攻撃はやまず、先月からガザからの攻撃はこれまでになく頻繁となり、住民はシェルターへ出たり入ったりの状態だった。PTSDで苦しむ住民は多数。

今回は、今後南部へ攻撃が不可能になるまでハマスやテロ組織の拠点を徹底的に破壊し、南部に平穏をもたらすことが目標であるとイスラエル政府は言っている。

ミサイル直撃の現場から 2012.11.16 04:40(日本時間11:40)

キリアット・マラキの被害現場に行ってきた。ミサイルは4階建てのアパートの最上階を直撃し、3階に突き抜けていた。ミサイルから飛び出す無数の金属片が、壁を穴だらけにしている。リビングルーム、台所、ほんのさっきまで普通の日常だったその場所が爆風で戦場のようになっている。

子ども部屋の前の廊下にはまだ血痕が残っていた。普通の日常ある一瞬。その一瞬に2人の人の命がなくなってしまった。この家で負傷した子どもは重傷である。

アパートは、被害者の遺体などの処理をするツダカとよばれるユダヤ教の処理班とジャーナリストでごったがえしていた。かろうじて難を逃れた2階の男性はそうした人々の出入りをたばこを吸いながら戸口に立って眺めていた。その顔にはいいようのない「暗さ」があり、ジャーナリストの質問にはほとんど答えず、背をむけて部屋にゆっくりと入っていった。

その破壊された真横のアパートでは、人が今日もかわらず洗濯物を干していた。こうしたことが日常になっているこの地域の人々の姿である。

現場は関係者と、見物にきた近所の人々でごったがえしていたが、キリアット・マラキ、アシュケロンでは、今日もシェルターで過ごすようにとの指示で、町には人影はかなり少なかった。店もほとんどが閉じていた。ガザから半径40キロ圏内の都市では明日も学校は休み。

<住民の声>

イスラエル軍の作戦で、さらにミサイル攻撃が増えたわけだが、住民らは口々にイスラエル軍の作戦を支持しているという。17才のパズさんは、「生まれた時からミサイル攻撃が日常になっている。今回で終わりにしてほしい。」と語った。

アシュケロンに40年以上住んでいるブラッハさんは、今日ベエルシェバの職場へ出勤できなかった。「ハマスがなぜこんなことをするのかわからない。昔はガザの人たちがアシュケロンに買い物に来ていたのに・・。」と葛藤を語った。

*迎撃ミサイルは、よく奮闘しているが、100%ではない上、非常に高価である。もし空き地に落ちると計算された場合、迎撃しない。そのため、道路や屋外にいることが危険なのである。ブラッハさんが仕事に行けなかったのはそのため。

反イスラエルの風 2012.11.16 04:40(日本時間11:40)

<エジプトとの対立深まる>

ハマスは、イスラエルは停戦しようとしていたところを攻撃してきた。「市民を狙った」暴力だと強調している。

エジプトのムルシ大統領は、エジプトはパレスチナ人を支持するとして、イスラエルに対立する立場をますます明らかにしている。15日、エジプトの各都市で反イスラエルデモが行われた。

<イギリス国営放送(BBC)の報道>

BBC(イギリス国営放送)は、イスラエル南部都市にガザからミサイルが撃ち込まれていた時はいっさいニュースにしなかった。ところが今は、「Gaza Israel Violence(ガザでのイスラエルの暴力」というタイトルでニュースを流している。

そのロンドンでは数百人が、イスラエル大使館前で、「イスラエルは犯罪者」などと叫びながらデモを行った。

ガザ情勢-イスラエル人3人死亡 2012.11.15

イスラエル南部都市では今朝になり、またロケット攻撃が始まった。キリアット・マラキでは初めてロケット弾が着弾し、アパートを直撃し、イスラエル人3人が死亡した。

ガザでも新たに3人が死亡、計10人が死亡している。

国連安保理は、緊急会議を開いたが、実質的な対策はなし。
アメリカは、イスラエルの自治権を支持するとし、できるだけ市民を巻き込まないようにと伝えた。