ヴァンス米副大統領イスラエル到着:キリアット・ガットの米ガザ監視隊(準備中)訪問 2025.10.22

ガザでの停戦維持に本気を見せているトランプ大統領。ウィトコフ特使とクシュナー氏に続いて、ヴァンス副大統領がイスラエルに到着した。

その後、ウィトコフ特使たちと共に、キリアット・ガットで準備中のガザ監視を担当する、200人のアメリカ軍部隊を訪問した。

そこには、アメリカ軍だけでなく、イスラエル南部部隊軍幹部たちと、アメリカと協力するイギリス、カナダ、デンマーク、ヨルダンの部隊も集まっていた。

記者会見において、ヴァンス副大統領は、「今日、ここに文民と軍が協力する平和センターをオープンし、ガザを再建する計画を開始する。治安維持の協力部隊がいることで、長期の平和を実現する」と語った。

ヴァンス米副大統領は、アメリカの20項目により停戦が、予想以上に維持できていると述べ、イスラエルと、関係するアラブ・イスラム諸国に賞賛と感謝を述べた。

また、ハマスとイスラエルの衝突を強調して、停戦が終わるのではとの懸念をそそいでいる“弱い”国際メディアを非難。停戦は終わっていないと宣言した。

人質の遺体の返還については、一部の遺体は膨大な瓦礫の下にある上、ハマス自身もどこにあるかわからない遺体もある。全部探すのには時間がかかると述べ、しかし、だからといって捜索しないで良いと言うわけではないと述べた。

ヴァンス副大統領は、「ガザの平和と復興のためには、すべての国に、それぞれが担う役割がある。そのために、イスラエルは、その領域に国際部隊が滞在することを受け入れなければない。ただそれは、あくまでもイスラエルが決めることである」とも述べた。

特に懸念されているのが、トルコの参加である。トルコは公にハマス支援を表明していた国である。最近では、2010年にイスラエルとの関係が断絶したトルコのフロティーラが、イスラエルを非難しつつ、ガザで支援活動を行なっていたこともわかっている。

ヴァンス副大統領は、どうするかを決めるのは、イスラエルだが、トルコにも果たすべき役割はあると思うと語った。

www.timesofisrael.com/liveblog_entry/vance-finding-rest-of-deceased-hostages-is-not-going-to-happen-overnight-hamas-must-disarm/

石のひとりごと

アメリカの副大統領の宣言である。これでもまだハマスが、イスラエルに攻撃を仕掛けて、停戦を崩壊させようとするなら、まさにアメリカを敵に回すということになる。

トランプ大統領のガザ停戦維持への本気度が強調されている。

 

ガザから解放された人質たちがウィトコフ特使とクシュナー大統領顧問と面会 2025.10.22

10月21日(火)、10月13日に解放され、その後病院からも退院できた人質たち9人とその家族たちと面会した。

ウィトコフ特使たちと面会したのは、オムリ・ミランさん、ガル・バーマンさん、ジヴ・バーマンさん、ヨセフ・ハイム・オハナ、マタン・アングレストさん、バー・クパースタインさん、セゲフ・カルフォンさん、ニムロッド・コーエンさん、エイタン・ホーンさんであった。

元人質や家族たちは、ウィトコフ特使たちに深い感謝を伝え、贈り物を渡している人もいた。

www.timesofisrael.com/smiles-hugs-abound-as-witkoff-and-kushner-meet-with-released-hostages/

ガザも霊的解放可能!?ガザ地区イスラエル軍撤退エリアと残留エリアの違い 2025.10.22

イスラエル軍撤退エリア:ハマスが支配復興の様子

10月20日(月)、ハマスがイエローラインを超え、イスラエル軍駐留地帯でイスラエル兵2人を殺害したが、続いて、ガザ市のシャザイヤでも、イエローラインを超えてくるパレスチナ人がおり、イスラエル軍は脅威と判断し、その2人をドローンで殺害した。

www.timesofisrael.com/liveblog_entry/idf-says-2-terror-operatives-killed-in-gaza-city-after-crossing-yellow-line-firing-on-troops/

翌21日には、ガザ南部でも爆発があり、イスラエル兵が軽傷を負った。こうした事件が続くため、イスラエル軍は、イエローラインを明確にするため、200メートルおきに高さ3.5メートルの表示棒を立てた。

A member of the internal security forces loyal to Palestinian terror group Hamas greets young Gazans in the Nuseirat refugee camp in the central Gaza Strip, on October 12, 2025. (Eyad BABA / AFP)

ハマスは、停戦を維持したいと考えている様相と同時に、イスラエル軍が撤退したエリアで、その支配力を復活させる動きがみられている。

イスラエルは、ハマスは、ハマスは、新たに雇い、若干レベルが低いとみられる戦闘員も含めて、今も2万人ぐらいはいると見ている。

ハマスが今も所有するロケット弾は、長距離分も含んでいるとも言っている。

実際、停戦が始まるとすぐに、ハマスは、イスラエル軍と協力したと主張する人々の公開処刑を、少なくとも2回行なっていた。

仮名で取材に応じたガザ住民によると、その後もしばらく殺戮が続いて、ガザ市民たちに恐怖を与えたと言っている。その後、路上に銃を構えて立っているハマス戦闘員がいるとのこと。

www.timesofisrael.com/the-return-of-hamas-with-wave-of-executions-terror-group-reasserts-control-in-gaza/

イスラエル軍残留ラファ:反ハマス部族アル・シャハブが学校再開

ガザ南部ラファは、イスラエルが撤退せず、地域の治安維持を続けている地域で、5000人のガザ住民が避難している。

この地域を管理するアブ・シャハブは、反ハマスで、表向き否定しながらも、イスラエル軍と協力している部族である。

Times of Israelは、アブ・シャハブの上級メンバーへのインタビューを行った。仮名モハンマドさん。

それによると、イスラエルによる治安維持の元、アル・シャハブ一族は、電気、水道、医療などの民間インフラを復興させ、2年ぶりに子供たちの学校も再開している。学ぶのは、幼稚園から7年生までの100人以上である。

一クラス25-35人で6つのクラスに分かれている。教師は、この地域に避難しているガザのパレスチナ人である。教育は、UNRWAが提供してきた、イスラエルを敵視するようにするハマスの教科書によるのではなく、パレスチナ自治政府によるものでもない。多様性と寛容を育てる教育が行われているとのこと。

以下は、アメリカを拠点とする中東の民族間対話を支援する団体、Center for peace communications(NGO)による、今年8月13日と日付されているラファの学校の様子。

「もしクリスチャンが来たらどうする?追い出す?」と聞くと、子供たちが、「いいえ、私たちは皆敬意を払うべきです」と答えている。また「女の子を閉じ込めていいですか」と聞くと、「女の子にも自由の権利があります」と答えるなど宗教や民族の差別にも反対している。

モハンマドさんは、「ハマスが好きではない。彼らがいなければ、良い人生を送れることはわかっている」と語っている。

www.timesofisrael.com/in-idf-controlled-rafah-an-armed-clans-school-plants-seeds-of-a-hamas-free-future/

なお、ガザには主要な部族が3つあり、ハマスに反発している。南部アブ・シャハブ、北部のアシュラフ・アル・マンシ、中央ハンユニスのホッサム・アル・アスタルである。地図で見ると、いずれも、イスラエル軍の領域内にいる。

www.timesofisrael.com/in-southern-gaza-new-anti-hamas-enclave-emerges-under-militia-claiming-israeli-backing/

石のひとりごと

イスラエル軍支配下にあるラファでは、インフラ整備だけでなく、学校まで再会となり、そこで教えられていることにも驚かされた。ちょっと極端すぎる感じもしないではないが・・。

いずれにしても、ハマスがいるところと、いないところに、これほどの違いがあるということである。

いろいろな意見があるが、やはり、主はガザ住民含め、創造したすべての人を忘れていないと思う。ハマス戦闘員ですら、解放される可能性もあるのではとも期待する。

ガザにはびこる悪魔的な霊的なものが、ガザを完全に破壊したが、その復興のためには、やはり、イスラエルが言うように、ガザからハマスの要素をすべて排除することが必須だろう。ガザとそこに住む人々を、この悪の闇から完全に解放されるように祈る。

ネタニヤフ首相とエジプトのラシャド諜報機関長官と会談 2025.10.22

10月21日(火)、エジプトの諜報機関長官であるハッサン・マフムード・ラシャド氏が、イスラエルを訪問。エルサレムで、ネタニヤフ首相とシンベト長官など関係者とも会談した。

エジプトのこれほどの高官がイスラエルを訪問するのは、2023年10月7日以降、初めてとのこと。

イスラエルとエジプトは、トランプ大統領の停戦案の枠組みの中で、両国の平和の強化と、地域における今後についても話し合った。

エジプトメディアは、ガザへの物資搬入と、トランプ大統領の停戦20項目をどう実現していくのかを話し合ったと伝えている。

the Kerem Shalom border crossing between Israel and Gaza, in the southern Gaza Strip on October 17, 2025. (BASHAR TALEB / AFP)

停戦になった後、ガザへは1日に600台を目標とする物資が搬入される予定になっている。その重要な入り口は、エジプトとの国境ラファ検問所が重要である。

しかし、停戦の後、イスラエルはこの検問所を一時解放したが、ハマスが人質の遺体をすぐに返還せず、イスラエル軍への攻撃もあったため、イスラエルは、10月19日に閉鎖し、解放の時期は、追って連絡するまでと発表している。

www.timesofisrael.com/israel-says-gazas-border-crossing-with-egypt-to-stay-closed-until-hamas-honors-deal/

なお、今ガザに入る物資の入り口は、ケレン・シャローム検問所と、キスフィム検問所である。

エレツとベイトハヌーンの検問所は、10月7日にハマスが破壊し、今は稼働していない。

www.france24.com/en/live-news/20251020-five-things-to-know-about-gaza-s-rafah-border-crossing

ガザ南部ハマス攻撃でイスラエル兵2人死亡・イスラエル反撃空爆後停戦継続と表明 2025.10.20

ガザ南部でハマスがイスラエル軍攻撃:イスラエル兵2人死亡

10月19日朝10:30、ガザ南部ラファで、イェローラインと呼ばれる停戦合意ライン付近で駐留していたイスラエル軍に、地下トンネルから出てきたハマス戦闘員たちがラインを超えて接近。イスラエル軍に向かって対戦車砲を発射した。

これにより、イスラエル兵2人が死亡。その少し後、銃撃により、掘削機近くにいたイスラエル兵2人が負傷した。1人は重傷、1人は中等度である。

さらに。続いてもう1人も銃撃を受けて軽傷となった。以下は、イスラエル軍が公表した侵入してくるハマス工作員の様子

戦死した兵士は、ヤニヴ・クラ少佐(26)とイタイ・ヤヴェッツ軍曹(21)は、2人ともモディーン出身で、クラ少佐は、ナハル旅団932部隊の中隊長、ヤヴェツ軍曹は、戦闘員だった。

www.jpost.com/israel-news/defense-news/article-870968

イスラエルがガザ南部攻撃

イスラエルは、ハマスの明らかな合意違反だと非難。ハマスは、「事件はイスラエル支配域で起こっており、そこにいた戦闘員とは連絡をとっていない(知らない)」と返答した。

しかし、イスラエル地上軍は、周辺のガザ中・南部地域、テロリストがまだいるかもしれないトンネルなどへの攻撃を、戦闘機による空爆の他、ドローンなどを使って開始し、その後空軍が、ガザ南部広範囲から、ガザ広範囲への空爆を実施した。

攻撃対象は、地下トンネル、ハマス拠点や、関連の武器がある地域などと主張している。Times of Israelによると、空爆は120発に及び、約6キロに及ぶ地下トンネルを破壊していた。

また、ハマス工作員や指揮官も標的になっており、イスラエル軍によると、ハマスのエリート司令官アヒヤ・アル・マブフが死亡した。この攻撃の様子から、イスラエル軍は、情報はリアルタイムで伝わっていると述べ、ガザ内部に協力者がいることも示唆している。

ハマスによると、この攻撃で少なくとも21人(メディアによっては42人)が死亡したと発表した。市民の犠牲が出ていることが、世界のメディアで強調されている。

停戦の崩壊が懸念されたが、一連の攻撃後、イスラエル軍は、停戦履行に戻ったと発表した。しかし、ザミール参謀総長は、いかなる事態にも備えるとして、警戒体制を続けると発表した。

イスラエルは、人質遺体返還が進まないことを受け、この週末から、エジプトからの物資搬入口であるラファ検問所を閉鎖した。本日再開する予定だったが、その後にこの衝突となったため、どうなるかは不明。

www.timesofisrael.com/2-soldiers-killed-3-wounded-in-attack-on-troops-in-gaza-idf-launches-wave-of-strikes-on-hamas/

石のひとりごと

日本のメデイアは言うまでもなく、世界のメディアは、イスラエル兵が2人も死亡したことは、ほとんど報じていない。

原因を作ったのは、イスラエルではなく、今回もハマスである。しかし、停戦を維持したいアメリカは、ハマス以外の多様なテロ組織が問題だと言っている。

そうであるなら、本当にガザの闇は本当に深いということである。ガザの人々のためにも、ハマスの支配と全ての闇がガザから消し去られるように主に祈ろう。

今日読んだ、聖書のことば。心に響いて涙が出たのでシェアする。

私たちにではなく、主よ、私たちにではなく、あなたの恵みとまことのために、栄光を、ただあなたの御名にのみ帰してください。

なぜ、国々は言うのか。「彼らの神は、いったいどこにいるのか」と。私たちの神は、天におられ、その望むところをことごとく行われる。

彼らの偶像は銀や金で、人の手のわざである。口があっても語れず、目があっても見えない。

耳があっても聞こえず、鼻があってもかげない。手があってもさわれず、足があっても歩けない。のどがあっても声をたてることもできない。これを造る者も、これに信頼する者もみな、これと同じである。

イスラエルよ。主に信頼せよ。この方こそ、彼らの助け、また盾である。アロンの家よ。主に信頼せよ。この方こそ、彼らの助け、また盾である。

主を恐れる者たちよ。主に信頼せよ。この方こそ、彼らの助け、また盾である。主はわれらを御心に留められた。主は祝福してくださる。イスラエルの家を祝福し、アロンの家を祝福し、
主を恐れる者を祝福してくださる。小さな者も、大いなる者も。

主があなたをふやしてくださるように。あなたがたと、あなたがたの子孫とを。あなたがたが主によって祝福されるように。主は、天と地を造られた方である。

天は、主の天である。しかし、地は、人の子らに与えられた。死人は主をほめたたえることがない。沈黙へ下る者もそうだ。しかし、私たちは、今よりとこしえまで、主をほめたたえよう。ハレルヤ。  (詩篇115)

 

停戦維持できるか?:ウィトコフ特使とクシュナー氏がイスラエル到着 2025.10.20

停戦から1週間もしない間に、ハマスとイスラエルの間で衝突になり、停戦が危ういとの懸念が出ている。

これについて、トランプ大統領は、今起こっていることについて、聞かれると、「これからどうなるか注視しなければならない。しかし、ハマスとの平穏は守らなければならない」と述べた。

また、今の衝突の原因は、ハマスではなく、別の危険因子によるものだとし、我々はこれを適正に扱うとし、ハマスとイスラエルの停戦は維持できている」と主張した。

また、本日、アメリカのウィトコフ特使とクシュナー氏が、イスラエルに到着。停戦維持を強化するとみられる。

これに先立ち、ウィトコフ特使とクシュナー氏が、アメリカCBSの「60ミニッツ」に出演し、19日夜に放送されていた。

それによると、2人は、ハマスとの交渉において、10月8日に、ハマス幹部の1人、カリル・アル・ハヤと直接会っていたことなどを話している。アル・ハヤは、イスラエルのカタールの首都ドーハ攻撃の際、息子が死亡していた人物である。

Palestinians watch Hamas members search for bodies of hostages in an area in Hamad City, Khan Younis, in the southern Gaza Strip, October 18, 2025. (AP Photo/Jehad Alshrafi)

ウィトコフ特使たちは、ハマスは今、停戦を本当に望んでいると思うと語っていた。クシュナー氏は、「ハマスは真摯に遺体を捜索している」とも語った。

ウィトコフ特使は、「イスラエルが中東での”統合”を望むなら、パレスチナ人たちが、栄えるように支援しなければならない」と語っていた。(インタビューがいつだったかは明らかでない)

www.timesofisrael.com/kushner-israel-must-improve-palestinians-lives-if-it-wants-integration-into-region/

ウィトコフ特使によると、トランプ大統領は、ハマス指導者たちと直接会う気もあったとのこと。そのためか、この次の段階への交渉の際は、バンス副大統領が、交渉に参加することも検討中とのこと。

停戦維持にむけたハマスへの圧力の一つかもしれない。

www.timesofisrael.com/white-house-weighs-sending-vance-to-israel-monday-to-discuss-next-phases-of-gaza-deal/

返還された遺体2人の身元判明:残り16人 2025.10.20

10月18日(土)に、新たに赤十字に引き渡された遺体2人の身元が判明した。返還された遺体は12人となり、あと残りは、16人となった。

返還された2人のうち、1人は、ロネン・エンゲルさん(54)。10月7日に、キブツ・ニール・オズで、ハマスに殺害され、遺体で拉致されていた。

プロのフォトジャーナリストであると同時に、MDA(救急隊)のボランティアスタッフであったため、10月7日の襲撃にあたって、救急バッグを持って、救出に出ていて、殺されていた。いつも笑顔で人を励ます人だったという。

ロネンさん一家は、2010年に、キブツ・ニール・オズに住むようになっていた。ロネンさんの妻のカリーナさんと、娘のミカさんも、10月7日にガザに拉致されたが、翌11月に解放されていた。。

もう1人は、タイから農業労働者として、イスラエルに働きに来て8年、様々なキブツを回って、最後は、キブツ・べエリで働いていたソンタヤ・オークカラスリさん(30)。

タイに、母親と7歳になる娘がおり、毎日コンタクトしていたという。2023年10月に帰国する予定になっていたとのこと。帰国後に農場を設立する夢を持っていた。

www.timesofisrael.com/ronen-engel-identified-as-one-of-2-hostage-bodies-returned-to-israel-by-hamas-overnight/

解放された人質7人が病院から自宅へ 2025.10.20

10月19日(日)、ガザから解放されて1週間。20人のうち、さらに7人が病院から出て、自宅に戻った。

戻ったのは、デービッドとアリエル・クニオさん兄弟。ガリとジブ・ベルマンさん兄弟、ヨセフ・ハイム・オハナさん、マキシム・ヘルキンさん、エルカナ・ボーボトさん。

各地で、賑やかに歓迎される様子や、元人質たちが感謝を述べる様子が伝えられている。「ついに家に帰ってきた」とのプラカードを掲げる人たちもいた。

以下はデービッドさんとアリエルさんのメッセージ。「問題はまだ終わってない。人質が全員戻ってくるまで終わってはならない」と語っている。

ハマスが人質遺体1人を引き渡し:エリヤフ・マルガリットさん(75)と判明 2025.10.18

IDF

ハマスは、人質の遺体9人を引き渡した後、丸一日遺体を引き渡さなかったが、10月17日(金)夜、瓦礫の中から発見したとして、ハンユニスから、遺体一体を赤十字に引き渡した。

その後、ガザにいるイスラエル軍に引き渡され、すぐに法医学センターでの検証が行われた。

結果、遺体は、キブツ・ニール・オズの住民、エリヤフ・マルガリットさん(75)と判明した。

エリヤフさんは、馬のエキスパートで、長年キブツの馬を担当していた人だった。皆から“チャーチル”と呼ばれて親しまれた人だった。10月7日同日も、早朝から馬小屋で、馬に餌やりをしていてハマスに殺されていた。この時、ハマスは、エリヤフさんの遺体と共に、馬8頭も奪っていた。

妻のダフナさんは無事だったが、エリヤフさんの娘のニリさんはハマスに拉致され、55日目に解放されていた。

エリヤフさんの遺体は、742日目に、家族のもとに戻った。家族は、エリヤフさんの帰還のために共に戦ってくれた人質フォーラムに深い感謝を表明している。遺族は、妻と子供3人、孫3人である。

www.timesofisrael.com/hamas-returns-body-of-eliyahu-margalit-18-slain-hostages-remain-held-in-gaza/

遺体捜索の様子 in Khan Younis in the southern Gaza Strip on October 17, 2025 (Omar AL-QATTAA / AFP)

ハマスが返還すると約束した遺体は28人だが、これまでに10人が引き渡されただけである。あと18人について、イスラエルは、ハマスは居所を知っているのに、捜索活動を十分行っていないと訴えている。

これに対し、ハマスは、「ハマスに遺体を拘束する理由はない」と言っている。

しかし、合意の段階では、28人の遺体をすぐに引き渡す約束をしていたのである。今遺体の場所がわからないということは、嘘を言っていたことになる。

この違反について話し合うため、来週、ウィトコフ特使がイスラエルを含む中東に来ることになっている。

www.ynetnews.com/article/sjhuj5erxx

なお、昨日ハマスから解放された後、病院にいた人質たちの中から新たに3人が、自宅に戻ることができた。家族でビーチに行く姿が報じられている。

www.timesofisrael.com/time-to-return-to-life-three-freed-hostages-released-from-hospital-after-4-days/

ガザ周辺被害13地域は90%回復:新たに50家族が移住へ 2025.10.18

ガザ周辺地域の今

ガザではまだ戦争が終わっておらず、ハマスが非武装化するかどうかもわからない。しかし、ガザのすぐそばにある、周辺地域では、ハマス襲撃から2年後の今、すでに、回復が始まっている。

特に被害が大きかった5地域を除く、13地域については、今年9月の段階で、90%が回復していると報告されていた。

避難していた元住民たちが、帰宅したのに加えて、他地域から、50組の家族が移住しつつあり、現時点で2500人が住んでいる。

個別にみると、ケレン・ショムロンでは、住民の88%が戻り、新たに6家族が移住してきた。エイン・ハシロシャでは、住民の90%が戻り、5家族増えた。

ニリムでは、90%が戻って、1家族増えた。キブツ・レイムでは、90%が戻り、10家族増えた。キブツ・ナハル・オズでは、今年9月1日に、住民の帰還が始まったキブツ・ナハル・オズは、約3週間後に33%が戻り、4家族が増えている。

この背後には、国の膨大な復興計画があった。インフラの復興とともに、新たな温室など、農業における新技術投入、被災者の回復、教育への投資を含め、国は、この地域の復興のために、5年間で52億5000万ドル(約7900億円)を計上。この2年の間に、24億ドル(3600億円)が使われていた。

被災者の子どもたちの回復への投資は、①教育支援に5億シェケル(200億円)を投じることで、クラスの生徒数を縮小し、情緒と回復へのケアを熱くする。②子どもたちの帰属意識を回復するための社会活動に7000万シェケル(28億円)が計上されている。

この他、天才児など、特殊な教育や、そのためのインフラなどへも4600万シェケル(18億円)が投資されている。教育において、かなりの優遇措置であるとみられる。

大人たちのためにもウエルネスセンターや、福祉インフラなどの充実に、1億2800万シェケル(51億円)、トラウマやグリーフケアに6100万シェケル(24億円)が計上されていた。こうした心理的なケアは、実際に多くの人々が利用している。

こうした状況から、他地域のイスラエル人たちが、あえて、この地域を選んで移住してくる人がいるということなのだろう。復興を超えた、地域開発の様相である。

被害が大きかった5地域

キブツ・ニール・オズ

なお、被害が大きく、復興がまだ遅れている5つのキブツなどでは、住民たちはまだ戻れないので、外から来て、修復作業を行なっている。しかし、これらの地域でも復興は進められている。

キブツ・キスフィムでは、この11月に修復が終わり、住民の帰還が始まるとみられる。

クファル・アザは来年7月、キブツ・べエリは来年8月に、住民の帰還が可能になるみこみである。

最も激しい破壊に見舞われたキブツ・ニール・オズでは、住民が戻る見込みは立っていないが、今年4月に、復興に向けた予算について、国と合意したとのこと。

www.timesofisrael.com/over-2500-israelis-have-moved-to-gaza-border-area-towns-in-wake-of-oct-7-report/

www.ynetnews.com/article/sy4vvrvslg

石のひとりごと

ガザでの戦争はまだ終わっていないし、ハマスもまだ消えるかどうかわからない。そのすぐ横で、あれほど悲惨な被害を受けた地域に、膨大なお金をかけて、復興を試みる国、そして、そこに住む人々がいる。

これこそ負けないということであり、勝利を主張する姿である。さすがイスラエルだと思う。

また、復興にとどまらず、地域開発への原動力にする。その中でも、人への細やかな投資も忘れない。国民を国の財産と見る、イスラエルらしい動きだと思う。

これにハマスは勝てないということである。イスラエルの政府と担当閣僚のために、そこに住もうとする、被災した人々や新しい家族たちのために祈ろう。

ガザ戦闘に戻るか?残り19人遺体捜索国際部隊ガザへ 2025.10.17

人質遺体あと19人:国際捜索隊がガザへ

ハマスは、これまでに3回に分けて9人の人質遺体を引き渡した。しかし、確保できていた遺体はこれで最後だと主張。あと19人の遺体を発見するには、重機が必要で、時間もかかると主張している。

以下は、アル・ジャジーラが伝えた、ハマスが遺体を探している様子

しかし、ウォールストリートジャーナルによると、イスラエルは、仲介者に、ハマスは、少なくともあと6人の遺体は把握しているとみていると伝えたとのこと。

また、イスラエルのテレビ、チャンネル12は、イスラエル高官が、ハマスが返還しうる遺体は、二桁だと語ったとも伝えている。

こうした中、ハマスは、地上に現れ、ガザの部族たちの殺害を続けている。ガザの地域部族からは、戦後のガザ体制設立が遅れているので、ハマスが勢力を回復していると訴えている。

この様子から、ハマスは、遺体を確保しているのに、時間稼ぎのカードとして使っているのではないかとの見方もある。

イスラエルのカッツ国防相は、遺体の返還がなされないなら、攻撃を再開する示唆している他、トランプ大統領も、ハマスがガザでの殺戮をやめないなら、我々が言って殺すと警告した。

イスラエルとアメリカがガザに攻め込んで、いよいよハマスを殲滅する可能性が、懸念が出始めていた。

www.timesofisrael.com/trump-if-hamas-doesnt-stop-killing-gazans-we-will-have-no-choice-but-to-go-in-and-kill-them/

しかし、ネタニヤフ首相としては、遺体を取り戻さないうちに戦闘が再開になり、残りの遺体を見捨てるようなことは避けたいことであろう。トランプ大統領も達成した停戦は継続したいはずである。

イスラエルは、遺体を発見する可能性がある場所の情報を、中間交渉者に伝えたと言われていた。チャンネル13によると、アメリカ、トルコ、エジプト、カタールから、遺体を捜索する捜索隊がガザに入っており、まもなく捜索活動を開始するとのこと。

www.timesofisrael.com/team-enters-gaza-to-search-for-hostages-bodies-as-israel-vows-to-ramp-up-pressure/

www.timesofisrael.com/liveblog_entry/hamas-claims-it-cant-return-remaining-hostages-bodies-without-equipment-to-clear-rubble/

ガザ市に戻った市民:自宅は瓦礫・水も電気もインターネットもなし

Palestinians make their way past destroyed buildings in Gaza City on October 12, 2025. (Bashar TALEB / AFP)

ガザで停戦が発効すると、ガザ北部や特にガザ市住民たちが、自宅へと戻っていく様子が伝えられていた。

しかし、戻った人々の多くは、自宅であったアパートがことごとく瓦礫となっているのを発見している。

中には、テントもなく、ホームレスで、文字通り瓦礫の中で寝なければならなくなっている家族たちもいる。

破壊により水道、電気、インターネットはない。ガザ市の住民の多くは避難したままなので、ガザ市ではまだ、市内での食料配布も行われていないようである。

国連は、すでに瓦礫の撤去にはとりかかっており、停戦になってからだけで、すでに5500万トンの瓦礫を撤去したとのこと。しかし、ガザ全域の復興には、数十年かかるとも推測されている。

石のひとりごと

地獄の暗闇と瓦礫の中にいるガザ避難民たち、その間にいるハマスたち。その中へ入って、イスラエル人の人質遺体を捜索する国際部隊・・なんともカオス状態だ。

主のあわれみが、この状態の上にあり、戦闘が勃発しないよう、遺体が速やかにみつかるよう、祈りたい。

www.timesofisrael.com/as-dust-settles-in-gaza-city-amid-truce-residents-return-to-razed-homes/

同じ日に喜びと悲しみを共有するイスラエル人たち:解放された人質たちが病院から自宅へ・戦死者を葬る人々も 2025.10.17

元の生活に戻る元人質たちを迎えるイスラエル人たち

イスラエルでは、20人の生存する人質が帰還したが、このうちの2人、エイタン・ホーンさんと、ニムロッド・コーヘンさんが、病院での健康状態確認を終え、それぞれクファル・サバと、レホボトの自宅へと戻ることができた。

2人が乗った車は、それぞれの街で、歓喜して2人を迎える群衆に埋め尽くされていた。

www.timesofisrael.com/because-of-the-people-two-ex-hostages-return-home-from-hospital-to-cheering-crowds/

元人質たちは、家族にこの2年間経験してきた恐ろしい事実を、家族を通して、明らかにし始めている。

手足を縛られ、暗い穴に放り込まれ、今にも頭を撃ち抜かれる恐怖など。特に解放される数日前に、7人の男性が、全員が座る場所もない穴に放り込まれ、立っているしかない状態に置かれるなどである。

(photo credit: STOYAN NENOV/REUTERS)

骨と皮になり、自分の墓穴を掘らされている様子のクリップを撮られた、エビヤタル・デービッドさんは、あの状態になる3ヶ月半前から意図的に、飢餓状態に置かれていたという。

ハマスは、「骨と皮になった子供のポスターを作るためだ」と言っていたとのこと。

飢餓状態で戻ってきたので、今まだ普通に食事摂取ができない人もいる。人質たちは2年という長い拷問状態に置かれていたことから、これからの回復にも苦難と忍耐に直面すると予想されている。

www.ynetnews.com/article/h1xsadnsxe

帰ってこなかった家族を葬るイスラエル人たち

帰ってきた人質とその家族ともに喜ぶ人々もいれば、愛する人を葬る家族とともに泣くイスラエル人もいる。10月16日(木)、イスラエル各地では、遺体となって帰ってきた人々の葬儀が行われていた。

病院から元人質のエイタン・ホーンさんを迎えたクファル・サバでは、その同じ16日(木)に、遺体で帰ってきたタマール・ニムロディ軍曹(18)の葬儀が行われ、数千人が見送っていた。

 

葬儀では、タマールさんの父親のアロンさんは、タマールさんが、従軍する際、父親として、我が家から従軍を回避する者はいないと従軍を進めたこと、またガザでの配置にも反対しなかった自分を後悔していると語った。「私の長男である息子よ。どうか私を赦してほしい。赦してほしい。」と言っていたとのこと。

ニムロディさんは、ADHDがあるので、従軍後も重要なポジションには置かれていなかったという。

しかし、2023年10月7日の1週間前に昇格の面接を受けた後、ガザに配備されたもようである。ニムロディさんは、その日にハマスに殺されていた。

www.timesofisrael.com/the-moment-we-so-feared-tamir-nimrodi-final-hostage-with-fate-unknown-confirmed-dead/

ベドウィンのムハンマド・アリ・アトラシュ軍曹も家族たちに葬られていた。今後、イスラエルのあちこちでこのような様子が続くことになる。

石のひとりごと

日本ならおそらく、喜ぶ方が自粛するのかもしれないが、イスラエルではそうではない。喜んでいる人は喜んだらいいし、悲しむ者は悲しむ。この極端さが、いわばイスラエル人を強くしているようにも思う。

自分がクファル・サバにいたら、どちらに行くだろうか。やはり悲しんでいるほうだろうか。。