反ハマス・ガザ部族指導者アブ・シャバブが内部家族間紛争で死亡 2025.12.6

Gaza militia leader Yasser Abu Shabab with the backdrop of the Gaza Strip. (credit: SECTION 27A COPYRIGHT ACT, Reuters/Ronen Zvulun, Ebrahim Hajjaj/File Photo)

12月4日(木)、南部ラファ地域で、イスラエルに協力していたとみられる、ガザのベドウィン系反ハマス部族指導者のヤセル・アブ・シャバブ(32)が、内部の家族間紛争でリンチされ重傷を負った。

イスラエル軍は、アブ・シャハブをベエルシェバの病院へ搬送したが、その後死亡が確認された。

ハマスは、アブ・シャバブを裏切り者と位置付け(アブ・シャバブは否定)、メンバーに殺害を指示していた。しかし、実際に殺害したのは、ハマスではなく、内部紛争によるものだった。これについて、イスラエルからのコメントはない。

www.timesofisrael.com/anti-hamas-militia-leader-yasser-abu-shabab-killed-in-internal-clash-in-gaza/?utm_campaign=most_popular&utm_source=website&utm_medium=article_end&utm_content=2

その後、アブ・シャハブの副長官で、アブ・シャハブが殺害された時、一緒にいて負傷した、ガッサン・アル・デュハニが後継者になったとの発表が出ている。

ガザでの協力者を失ったイスラエルへの影響は、明らかではないが、エルサレムポストによると、イスラエルは、シャバブの部族が勢力を回復するようにと伝えたとのこと。

www.jpost.com/middle-east/article-879358

史上初・イスラエル政府と福音派が共同開催:1000人以上の福音派牧師がイスラエル訪問 2025.12.6

福音派牧師1000人以上の親イスラエルツアー:イスラエル政府協力

12月2日(火)から4日(木)、史上最大数となる、1000人以上の主にアメリカからの福音派キリスト教会の牧師たちとインフルエンサーなどが、イスラエルを訪問。聖書を土台とする、ゆるがないイスラエルへの愛と支持を表明した。

教職者ということは、彼らを送り出した教会員たちが、その背後にいるということなので、1000人どころか、その何十倍、何百倍もの福音派クリスチャンたちの思いが、今回、イスラエルに届けられたということである。

*福音派:プロテスタントのクリスチャンで、特に聖書をそのまま受け取っており、今のイスラエルは、神である主の御心により存在していると信じている。

今回、特に記念すべき点は、これまでで最大規模というだけでなく、イスラエル政府が、福音派団体と、このイベントを共同開催した点である。これは史上初のことだった。

かつてユダヤ人たちは、キリスト教会と聞くだけで、迫害する者であり敵対者という認識が普通だった。

また、近年では、有識者の間で、福音派は、ユダヤ人が救われる時に自分たちのメシア(イエス・キリスト)が再臨すると信じているので、結局、自分たちのために支援しているのだと、怒りを燃やす人も少なくない。

しかし、特に10月8日以来、世界のイスラエル批判が深刻化する中、反ユダヤ主義が露骨になり、暴力にまで発展していることを受けて、イスラエル政府や外務省は、福音派への接近と、大きく方向転換している。

福音派のイスラエル支援が、信仰(聖書)に基づくもので、揺らぐことがないとわかったからである。

イスラエルは、世界62ヵ国に、親イスラエル議員連盟コーカス(Israel Allies Caucus(IAF)を展開。これに参加する政治家はほとんどが福音派である。日本でも今年9月に、牧師でもある、金子道仁参議院議員が日本のコーカスを立ち上げたところである。

10月7日被害への理解と遺憾表明

牧師たち1000人一行は、3日間の訪問中に、ハマスの襲撃があったノバ音楽フェスティバルの現場を訪問した。

また、イスラエル建国を記念するヘルツェルの丘を訪問し、戦死者と、テロ犠牲者、特に10月7日の犠牲者の墓石に献花した。

嘆きの壁では、それぞれが、10月7日の犠牲者の名前を書いたメモを石壁に入れて、祈りを捧げた。

同行した、嘆きの壁担当のラビ・ラビのビッツは、詩篇121を読み、イスラエルには神の保護があると語り、アメリカの福音派牧師たちの今回のイスラエル訪問を称賛。

イスラエルを支持するアメリカ政府と、クリスチャンたちに深い感謝を表明した。

また、一行は、神殿の丘の南側階段で、讃美と祈りを捧げた。ここは、ダビデの町に面するところであり、多くのパレスチナ人が住む地域でもある。

この霊的にも戦いが最も激しい場所の一つで、福音派教職者たちが、讃美と祈りを捧げる様子からは、将来、定められている勝利を宣言しているようにも見える。

エルサレムの福音派指導者たちから世界の牧師たちへメッセージ

この共同イベントで福音派を代表したのは、2015年にエルサレム中心地に発足した、FOZ、Friend of Zion museum(シオンの友ミュージアム・代表は福音派のマイク・エヴァンズ博士)だった。

fozmuseum.com/about/

Friends of Zionミュージアムには、イスラエル建国から今にいたるまで、自分のことを顧みず、ユダヤ人やその国、イスラエルを支えてきた福音派クリスチャンたちを紹介するミュージアムである。

イスラエル建国に貢献した鍵となるクリスチャンたち、政治家のトゥルーマン米大統領、チャーチル英首相や、独立への闘いを助けたウインゲート英少佐、ホロコースト時代にユダヤ人を助けたシンドラーや、コーリー・テンブーン、杉原千畝が紹介されている。

若干、恩着せがましい一面もあり、イスラエル人の中には敬遠する人もいる。しかし、ユダヤ人以外でも、真剣に、イスラエルを支えてくれる人がいるという事実を見て、感動するイスラエル人もいる。

設立以来、FOZは、福音派とイスラエル政府との連携に努力してきた。10年後の今年、FOZに登録する人の数は、29万人を超えている。この中で、今回、1000人を超える牧師教職者や、有力なインフルエンサーが集まることとなったのである。

マイク・エヴァンズ博士と、福音派牧師であり、現在は、在イスラエル米大使を務めるマイク・ハッカビー氏(写真)も、最近アメリカでは、今のイスラエル国家は聖書とは関係ないとの考えが広がっていると警告する。

教会の講壇からもイスラエルが、語られない傾向にあるという。

ハッカビー大使は、これは非常に危険だと語る。なぜなら、もし神がイスラエルとの契約を破棄したと考えるなら、私たちとの契約も破棄される可能性があることを認めるようなものだからである。

ハッカビー大使は、「反ユダヤ主義のプロパガンダが横行する今こそ、牧師たちは、教会の講壇からイスラエルを支持する声を出してくべき時だ」と語っている。

マイク・エヴァンズ博士は、来年も同様のイベントを計画している。来年のビジョンは、世界中の100万人の牧師、100万人の教会にアプローチし、主がイスラエルとの契約を忘れていないという、典型的聖書的な世界観を伝えたいと語っている。

石のひとりごと

世界では、イスラエルを憎む人々の様子が報じられている。終わりの時に向かう中、主は、隠れキリシタンならぬ、イスラエルを支持する福音派を世界中に準備しておられるようである。

ニューヨークで襲撃受けたシナゴーグを支持する集会に1100人以上 2025.12.6

wikipedia

ニューヨーク市マンハッタンでは、先月、代表的なシナゴーグであるパーク・イースト・シナゴーグで、イスラエルへの移住促進イベントが行われた際、その周囲で、シオニズムに反対する群衆によるデモが行われた。

憎しみを込め、「イスラエル軍に死を!」と言った暴言まで出ていた。これによりニューヨーク在住のユダヤ人を恐怖に陥れたのであった。

12月4日(木)、その同じシナゴーグ前に、今度は親イスラエル、親ユダヤ人のデモが行われ、1102人以上が参加した。デモ隊は、「ユダヤ人、シオニストは、誇りあるニューヨーカーだ。」「パーク・イースト・シナゴーグを誇りに思う」などと叫んだ。

参加者の一人、アリソンさんは、祖父母がホロコーストサバイバーだったという。参加した理由として、「黙っていれば何が起こるのかを知っているから」と語っている。

ホロコーストの時代、社会全体が、反ユダヤに傾き、ユダヤ人への暴力が正義扱いされた。その結果600万人ものユダヤ人たちが殺されたのであった。

ニューヨーク市では、次期市長にイスラム教徒のゾーラン・マムダニ氏が決まっている。

先月、このシナゴーグで行われた大規模なデモについて、デモ自体は、非難したが、中で行われていたネフェシュ・ベネフェシュのよるユダヤ人の移住促進イベントについては、国際法違反はするべきではないとのコメントを出していた。

国際法違反とは、国際的にまだイスラエルの領土と認められていない地域(西岸地区)への移住には反対を表明した形である。

しかし、ネフェシュ・ベネフェシュは、西岸地区への移住は促進していない。ユダヤ人の間では、マムダニ次期市長が、反ユダヤ的であると警戒を強めている。

なお、今回のデモは警察に保護され、最後に、シナゴーグの子供たちが、「ハティクバ」を歌って解散になったとのこと。

www.timesofisrael.com/more-than-1100-gather-in-support-of-nyc-synagogue-targeted-in-anti-israel-protest/

www.jpost.com/diaspora/antisemitism/article-879316

石のひとりごと

アメリカには、イスラエルに激しい憎しみを持つ人々がいるが、その逆もいる。どちらに立つのか、それぞれの決断である。それは神の前の決断なのである。

ユーロビジョン2026出場選出改革でイスラエルも出場容認へ:オランダなど4カ国はボイコットへ 2025.12.6

今年もユーロビジョンコンテストの話題が出始めた。(決勝2026年5月16日)

ユーロビジョンへの出場者は、投票で選ばれるが、アーティストの出身国に関する政治的問題により、出場を反対する運動が起こり、選出に影響を及ぼすことが問題になる。

May 16, 2025. (Martin Meissner/AP)

特に問題となるのが、イスラエルだが、イスラエルのアーティストは人気があるので、毎年、これをすり抜けて出場し、優勝したこともある。しかし、毎年、激しい反発が出て、物議になる。

 

特にガザでの戦争中は、反イスラエルグループが、イスラエル人アーティストの出場に激しく反対を表明した。しかし、ユーロビジョンを主催するEBU(欧州放送連合)は、これは歌のコンテストであっ

May 11, 2025. (Stefan Wermuth / AFP)

て、国と国の争いとは無関係だとの立場を貫いている。

今年、EBUは、投票の方法を変えて、政治的な運動や圧力が影響しないよう、出場を希望し、新たな規定を遵守するなら、すべてのEBU加盟国からの参加を認めるとする、改革を行うかどうかの投票を行った。

ドイツとウクライナは、改革を認めるとしていたが、イスラエルは出場させるべきでないと考えるスペイン、オランダ、アイルランド、スロベニアは、改革に反対を表明した。

しかし、投票の結果は、改革賛成が738票、反対が264票、棄権が120票で、改革が行われることとなった。これにより、イスラエルも他国と同様、出場を容認されることになった。

この件で、改革を進めることに尽力してきた一人、イスラエルのヘルツォグ大統領は、感謝と歓迎を表明した。

しかし、スペイン、オランダ、アイルランド、スロベニアは、出場自体をボイコットすると発表。その他の国もそうするか、これから審議するとのこと。

www.timesofisrael.com/israel-cleared-for-eurovision-2026-in-ebu-vote-netherlands-spain-ireland-slovenia-quit/?utm_campaign=most_popular&utm_source=website&utm_medium=article_end&utm_content=1

石のひとりごと

不思議にイスラエルは嫌われるが、不思議に、世界によいものをもたらしている。これをどう捉えるか、こちらもそれぞれである。

しかし逆に、ヨーロッパの国々が、なぜそこまで、イスラエルを憎むのか、理解に苦しむところだが・・・。要は、聖書を読んでおらず、自分たちの基準での正義感による判断にとらわれているのだろうと思う。

ハマスが遺体引き渡し:タイ人のスディシサク・リンサラクさん(43)と判明 2025.12.4

ハマスが、人質でない遺体の一部を送りつけてきた翌日、イスラム聖戦が、ガザ北部で、人質の遺体と発見したと発表。ハマスは、12月3日(水)夕刻、遺体を赤十字に引き渡した。

この時点で、ガザにまだ遺体があるのは、イスラエル軍のラン・グヴィリ上級軍曹と、タイ人労働者のスディシサク・リンサラクさん(43)の2人だった。

イスラエル軍は、敬礼をもって遺体を受け取り、道路脇では、人々が黄色の旗を振って迎えた。

その後、テルアビブで急ぎ、身元確認が行われた。結果、タイ人のスディシサク・リンサラクさん(43)と判明した。

リンサラクさんは、キブツ・べエリで働いていた時にハマスの襲撃を受け、10月7日の時点で殺害され、遺体はガザへ拉致されていた。

あと残るは、イスラエル人のグヴィリ上級軍曹の遺体のみとなった。

家族の心が支えられるように。ネタニヤフ首相は、グヴィリ上級軍曹の遺体を必ず取り戻すとの決意を表明している。

www.timesofisrael.com/liveblog_entry/body-returned-from-gaza-on-wednesday-identified-as-that-of-thai-national-sudthisak-rinthalak/

石のひとりごと

遺体が帰ってくる。自分の家族なのかどうかとの緊張の中、違うとわかる・・・何とも心理的な拷問ではないかと思う。あと1人。グヴィル軍曹の遺体が、早く戻って来られるように祈る。

ラファ地下トンネルからのハマス攻撃でイスラエル兵5人負傷:反撃ハンユニス空爆で6人死亡か 2025.12.4

12月3日(水)午後3:15、ラファ東部で、ゴラニ部隊が、トンネルから出てきた戦闘員と戦闘になり、イスラエル兵5人が負傷した。

ネタニヤフ首相は、これをハマスによる合意違反だと断定。ハンユニスのハマスを標的にした空爆を行い、ハマスによると、ガザ市民含む少なくとも6人が死亡したと発表している。

なお、この一連の戦闘は、ハマスが、人質の遺体を赤十字に引き渡し、イスラエル国内に搬送されるのと同じ時間帯に行われていた。

またハンユニスで、54組が結婚する合同結婚式(別記事あり)が行われた翌日のことであった。

ラファの地下トンネルからハマス5人以上襲撃:イスラエル兵5人負傷

ガザが停戦になり、イスラエル軍がイエローラインまで撤退したが、ラファでは、ラインよりイスラエル軍側の地下にあるトンネルに、ハマスら約200人が、そのまま動けなくなったと報じられていた。

停戦から一月になり、食糧も不足しているとみえ、200人は、ばらばらに穴から時々出てきて、投降した者もあるが、イスラエル軍を攻撃して、逆に射殺されるケースも出ている。

しかし、まだ60〜80人はいるとみられており、最近、ハマス指導者と連絡を取り合っていると言われていた。ゴラニ偵察部隊は、ラファで地下トンネルとその中にいる残党を探しつつ、トンネルを破壊する作戦を行なっている。

12月3日(水)午後3:15、ゴラニ部隊は、一つの穴にいた容疑者を逮捕し、さらに捜索を続けて約30分後、突然、少なくとも5人の戦闘員が、地下トンネルから飛び出してきて、イスラエル兵たちに向かって攻撃し、銃撃戦となった。

そのうちの一人が、対戦車砲を軍用車に向かって発射し、エリートのゴラニ偵察部隊兵士4人が負傷。このうち司令官が1人重傷。2人は中等度で、1人は軽傷を負った。

テロリストは、少なくとも2人が死亡したが、3人はトンネルに逃げ込んで姿が見えなくなったとのこと。

www.timesofisrael.com/5-soldiers-wounded-one-seriously-in-attack-on-troops-in-rafah-pm-vows-response/

イスラエル軍反撃でハンユニス空爆:6人死亡とハマス

その夜、ネタニヤフ首相は、カッツ国防相、ザミール参謀総長、ツィニ・シンベト諜報部長と治安関係高官たちを招集して、治安閣議を開催。明らかなハマスによる停戦合意違反だとして、強力に反撃を行うと決定した。

また、イスラエルは、ラファとエジプトをつなぐラファ検問所を開き、希望するガザ市民がエジプトへ移動できるようにする方針を示唆していたが、この計画は中止すると発表した。

その後、ハマスによると、ハンユニス西部で、アルマワシ人道地帯とも接する地域に、イスラエルの空爆があり、少なくとも6人が死亡した。イスラエルは、名前は出していないが、ハマス指導者を標的にしたと言っている。

www.ynetnews.com/article/rkms3fr11bx#autoplay

ガザはこんな状況だが、トランプ大統領は、詳細は出さずに、ガザでの次の段階が、まもなく始まるだろうと表明した。

www.timesofisrael.com/trump-says-next-phase-of-his-gaza-plan-will-soon-commence-amid-concern-its-stalling/

石のひとりごと

ハンユニスで死亡した人が、前日結婚した人たちと関係なければよいがとも思うが、なかなかクレイジーな様相である・・。

ガザ・ハンユニスで54組が合同結婚式:UAEの人道団体の支援で実現 2025.12.4

Khan Younis, Gaza Strip, Tuesday, Dec. 2, 2025. (AP Photo/Abdel Kareem Hana)

驚いたことに、12月2日(火)、ガザ地区中南部に位置するハンユニスで、54組の合同結婚式が行われた。

瓦礫のなかではあるが、新郎新婦とも、民族衣装の晴れ着を着ている。

花嫁は美しく化粧も完璧である。ちょっと前まで餓死とか言われていたのとあまりにも対照的である。

この結婚式は、UAE(アラブ首長国連邦)の人道支援団体の支援で実現したという。結婚式だけでなく、新しい夫婦生活のために少しの祝い金を渡したとのこと。さすが、アラブ人同士。ニーズがわかっているのだろう。

パレスチナ人の間では、結婚は大変重要な人生の節目と認識されている。

結婚すれば、次世代の子供が生まれることになる。結婚は、次世代の家族の誕生であり、パレスチナ民族の回復力の象徴とも認識されている。

大変な祝い事なので、通常の結婚式では、1日中、食べたり飲んだり、ダンスして祝うのである。それが、まる2年以上、全く誰も結婚できなかったのである。

mass wedding ceremony Tuesday, Dec. 2, 2025. (AP Photo/Abdel Kareem Hana)

今回の合同結婚式では、式の後、新郎新婦たちを乗せた車が、祝いに集まり、喜びに満ち溢れている群衆と、瓦礫の中をパレードしていた。

それが2年間の戦争で、まったく結婚式をすることができなかった。

新郎新婦たちは、厳しい状況の中にありながらも、「ここから新しい人生が始まる。戦争が終ことを期待する」と喜んでいる。

しかし、ガザでは、戦争で7万人近い人が死んだと言われており、ここに集まっているほとんどの人は、自宅を追われた避難民であり、家族を失った経験もしている。

花嫁の一人、エマンさんは、結婚式は、苦しみからの少しの解放の時になったが、同時に、これまでに死んでしまった両親やその他の家族がいないことの痛みの時にもなったと語っている。

「喜びと悲しみを一度に経験するのはつらい」と涙しながらも、「神によって、一歩一歩回復するでしょう」と語った。

www.timesofisrael.com/mass-wedding-in-gaza-celebrates-new-life-after-years-of-war-and-tragedy/

石のひとりごと

ハンユニスでこれほどの結婚式が行われたとは、本当に驚いた。瓦礫の中で、これほどの死者が出ているところで、日本人にはおよそありえないことではないかと思う。まさに負けない精神である。

また、10月7日の殺戮の後で、人質の遺体がまだ全員もどらないという、イスラエル人たちはこれをどう見ているのだろうかとも思う。

さらに、この翌日、ハンユニスは、イスラエル軍の空爆を受けた。ガザの人々の心はどうなっているのか。少なくとも6人が死亡したとのことだが、新郎新婦でなかったことを願う。このアップダウンに耐えられる日本人はいないのではないか。

まったく、ハマスはだれにもなんの役にもたたない、傷つけることしかしていない。自分の人生も無茶苦茶にしている。それになぜ気がつかないのかと思う。

ハマスが人質遺体の部分を引き渡し:いずれの人質でもないと判明 2025.12.3

昨夜ハマスは、これまでのような発表をせずに、赤十字に、遺体の部分を引き渡した。イスラエルに引き渡された後、精査の結果、その遺体の“部分”は、まだ残されている人質2人のいずれのものでもないことがわかった。

www.timesofisrael.com/liveblog_entry/israel-says-forensic-findings-handed-over-by-hamas-do-not-belong-to-either-hostage/

 

 

緊張する北部ヒズボラ前線:アメリカは停戦崩壊抑制の動き 2025.12.3

北部ヒズボラとの停戦から1年目の緊張

先月23日、イスラエルが、ヒズボラ指導者がNO2の軍事参謀総長、ハイサム・アリ・タバタバイを暗殺した後、約1週間後の29日(金)に、ヒズボラのトップ、ナイム・カッサムが、ヒズボラは反撃する権利があると表明。対戦姿勢を明らかにした。

北部国境が緊迫する中、ネタニヤフ首相は12月2日(火)、アメリカのレバノン特使モルガン・オルタガス氏と会談。イスラエルはあらゆるシナリオに備えているとして、停戦合意から1年を迎え、それが崩壊する可能性も示唆した。

トランプ大統領は、これを阻止したいと考えているが、ネタニヤフ首相は、これはイスラエルが決めることだと言っている。

www.jpost.com/israel-news/defense-news/article-879004

こうした中、現ローマ教皇のレオ14世(アメリカ人)が、トルコに続いて、11月30日から、レバノンを訪問。レバノンには、3日間滞在して、12月2日(火)に出発した。

イスラエルは、この間に、攻撃することは控えると表明していた。教皇が出立した本日以降、どうなるのか注目される。

最新のニュースでは、アメリカは、停戦を維持するため、オルタガス特使をベイルートへ派遣するとのこと。

イスラエルが黙認できないヒズボラ回復の流れ

ヒズボラについては、2024年11月に、イスラエルとレバノン政府が停戦の合意に至った際に、レバノン政府が、ヒズボラを、リタニ川以北まで追放し、それより南部からは一掃することになっていた。

しかし、レバノン政府は、ヒズボラを十分に制圧できておらず、レバノン南部には、ヒズボラが、再度武装強化しているため、イスラエル自らが攻撃をしなければならなくなっている。

(Photo: REUTERS/Mohamed Azakir)

その中で、ヒズボラの最高司令官であるアリ・タバタバイの暗殺に踏み切ったのであった。

これに対し、レバノン軍は、11月28日(金)、これまでの成果を強調するかのように、レバノン南部で発見された、ヒズボラの地下トンネルをメディアに公開した。

レバノン政府によると、南部ではこのようなトンネル74本が見つかっているとのこと。公開されたトンネルは、電気や水道など生活設備に加えて、医療施設らしき部屋もある。

トンネルは、相当古く、かなり長期間にわたって、ヒズボラが潜んでいたことがわかる。

イランから停戦中にヒズボラに送金:10億ドル(約1550億円)

in Tehran, Iran, Friday, April 11, 2025. (AP Photo/Vahid Salemi)

停戦中、主要な支援国であるイランから遮断されていたはずのヒズボラが、なぜこれほどに武力を再構築しているかについて、WSJ(Wall Street Journal)が、トルコからの支援と、イランからも多額の現金が届いていたことを報じた。

それによると、イスラム教徒たちの間では、何世紀も前からある、「ハワラ」と呼ばれる信頼に基づくマネーロンダリングの方式があり、それによって、イランから、UAEのドバイを経由して、ヒズボラに現金が届けられていた。(UAE政府は否定)

またレバノンも、イランからの密輸を防止するため、直行便の停止や、空港での検査を強化しているが、個人レベルで持ち込む少額の現金や、宝石などは、それらを回避して、ヒズボラに届いていたという。

アメリカの対テロ・金融情報担当者が、2024年の停戦からちょうど1周年に当たる2025年11月に発表したところによると、停戦後の1年間野間に、イランからヒズボラへ届いた現金は、約10億ドル(約1550億円)だったと発表していた。

www.timesofisrael.com/iran-said-funneling-funds-to-hezbollah-via-dubai-in-attempt-to-help-it-rebuild/

緊張のレバノンをローマ教皇レオ14世訪問:最後のメッセージに15万人 2025.12.3

カトリックのレオ14世教皇は、11月29日にトルコを訪問。続いてレバノンを訪問し、3日間滞在した。

トルコでブルーモスク訪問

トルコの首都、イスタンブールには、元教会だが、今はモスクという位置付けになっているアヤソフィアがある。アヤソフィアは、ビザンチン時代には教会だったので、天井には大きなイエスの絵が描かれている。

しかしその後、イスラム帝国になってからはモスクになって500年以上。その後70年以上前に、強硬なイスラム教ではなかったトルコ政府の間に、いったん博物館とされた。

しかし、2020年、今のエルドアン大統領が、再びモスクであると宣言する。このように歴史的な傷を抱えるモスクである。

Pope Leo XIV, Ottoman-era Sultan Ahmed (Blue) Mosque in Istanbul, Nov. 29, 2025. (AP Photo/Domenico Stinellis)

今回、レオ14世は、この複雑な歴史を持つアヤソフィアには行かなかった。

しかし、アメリカ国籍の教皇として、初めて、ブルーモスクへの訪問を行った。敬意を表するため、中では靴を脱いでいたとのこと。

ブルーモスクは、オスマントルコ時代に建てられた美しいモスクである。

一方正教会代表のバーソロミュー総主教とは会談。これはいわば西側のカトリックと東側の正教会のトップが会談した形である。2人は戦争が続く世界について語り合い、指導者たちに平和を呼びかけた。

www.reuters.com/world/middle-east/pope-removes-shoes-doesnt-pray-visit-istanbuls-blue-mosque-2025-11-29/

レバノン訪問:キリスト教徒が人口の3割の国

その後、レオ14世は、レバノンに向かった。レバノンは現在、イスラム主導の国だが、国民の3分の1はキリスト教徒である。

しかし、近年の戦争続きの中、レバノンでは、キリスト教徒の数は減少している。このため、前のフランシス教皇は、レバノンへの訪問を願っていたが、生前に訪問はかなわなかった。今回、バチカンとしては感動の訪問である。

レバノンにおいて、レオ14世は、カトリックだけでなく、正教会の信者や、シリア難民の中のキリスト信者たちにも会い、大きな希望になったと言われている。

最終日の12月2日、ルイ14世は、2020年8月に発生したベイルートの港での大爆発(218人死亡・経済崩壊をもたらした)の現場で祈りを捧げ、メッセージを語った。

ルイ14世は、「民族的、政治的分裂の鎧を脱ぎ捨て、宗教的な違いにもオープンになり、一つのレバノンの夢に目覚めよう。」と述べ、平和の実現を呼びかけた。

この時、犠牲者の写真などを掲げるキリスト教徒たち15万人が集まっていた。

 

特にイスラエルとの戦いが緊張度を増している南部については、訪問はしなかった。南部にいる多くのカトリック信者には、残念なことだった。

レオ14世は、「武力がなんの益ももたらさないことはわかっていることだ。対話にはその可能性がある。攻撃や敵意が鎮まるように」と述べた。

Beirut International Airport on December 2, 2025. (IBRAHIM AMRO / AFP)

レバノンのアウン大統領は、ルイ14世教皇に平和を祈り続けるよう要請した。

www.timesofisrael.com/pope-leo-xiv-sends-message-of-peace-to-southern-lebanon-as-he-ends-1st-foreign-trip/

サウジアラビアがパレスチナ自治政府に9000万ドル(約140億円)供与 2025.12.3

12月1日(月)、サウジアラビアが、パレスチナ自治政府の存続を支援するため、9000万ドル(約140億円)を供与した。パレスチナ国家へのサウジアラビアのコミットを表明するものだとしている。

パレスチナ自治政府がこれほどに経済危機にあるのは。イスラエルが、代理に徴収している関税を自治政府に送っていないからである。その最大の理由は、自治政府が、いまだに、イスラエル人を殺害したテロリスト家族への支援をやめないからである。

これに加えて、イスラエルのスモトリッチ経済省は、欧米諸国が、パレスチナ国家承認への圧力をかけ始めた5月からは、さらに数百万ドルを差し押さえている。これらにより、自治政府経済は、崩壊寸前だった。

イスラエルに対するサウジアラビアの強力な嫌味であり、両国の国交正常化を伴うアブラハム合意へのサウジアラビアの参加は、非現実的な様相である。

www.timesofisrael.com/liveblog_entry/saudi-arabia-transfers-90-million-to-pa-amid-continued-israeli-withholding-of-funds/

ネタニヤフ首相がヘルツォグ大統領に恩赦要請:悔い改めなしで恩赦はないと野党 2025.12.3

ネタニヤフ首相がヘルツォグ大統領に恩赦を要請

ネタニヤフ首相は、2020年に、詐欺、贈収賄、背任などの罪で起訴され、以来、定期的に裁判に出頭して、6年目になる。最近ではこの激務の中でも週3回、法廷に出頭している。

これについて、ネタニヤフ首相は、11月30日、ハダッド弁護士を通じて、ヘルツォグ大統領法務部に正式な恩赦を要請する公式の書簡(111ページ)を提出した。

恩赦とはいえ、ネタニヤフ首相が自らの罪を認めたわけではない。ネタニヤフ首相は、今も訴えの正当性に意義を唱えている。

しかし、恩赦を受けることで、イスラエルの国益をより効果的に推進できると主張している。

また、ハダッド弁護士が提出した書類には、恩赦により、イスラエル国内で続く議論と分断を終わらせることになるとも訴えている。

ネタニヤフ首相がこうした動きに出た背景には、先月、トランプ大統領が、ヘルツォグ大統領にホワイトハウスからの公式書簡として、ネタニヤフ首相の恩赦を要請したことがあげられる。

www.timesofisrael.com/trump-writes-to-herzog-asking-him-to-pardon-netanyahu-amid-unjustified-trial/

トランプ大統領は、その書簡の中で、ネタニヤフ首相が、戦時中に示した恐るべき決断力を上げ、中東におけるアブラハム合意の推進を通じて、イスラエルを平和へと導いている指導者だと述べていた。

ネタニヤフ首相は、「トランプ大統領が、早急な恩赦を要請したのは、二度と戻らない短い期間(トランプ大統領就任期間)に、私とトランプ大統領で、イスラエルとアメリカが共有する国益を大胆に推進できるからだ」と述べた。

また、トランプ大統領も言っていたことだが、ネタニヤフ首相は、こうした裁判の下にあった期間も、ずっと民主的に首相として選ばれ続けてきたことも、恩赦の理由として挙げた。

これに対し、国内では、かなりの論議になっている。野党政治家たちは、ヘルツォグ大統領は、恩赦すべきでないと反対を表明している。

on December 2, 2025.(Screenshot)

野党のラピード氏は、「ネタニヤフ首相が罪を認めていないのに「恩赦」はあり得ない」と述べた。

また、リーバーマン氏は、「ネタニヤフ首相は罪を認め、辞任するべきだ。それが国を一つにする道だ」と表明した。

イスラエル国内の分断は、ネタニヤフ首相への支持不支持がもたらしている部分もあるからである。

ネタニヤフ首相が、2020年に汚職で訴えられた後、今の政権は、最高裁が首相を訴えることを不可能にすることを含む、司法制度改革案を国会に提出した。

行政が司法の上を行くようなこの法案が出ると、国内では、激しい論議となり、分断の様相にもなった。

そうした中で発生したハマスの襲撃とそれに続く戦争となり、司法制度改革問題は、二の次になっている。

こうした動きから、野党はじめ、国民の中にも、ネタニヤフ首相は、政権に止まるために、戦争や問題を利用しているのではないかとの不信感を持つ人は少なくない。

とはいえ、他に首相となる適任者がいないということも、皆が、ネタニヤフ首相の在任を認めざるをえない状況にあるという見方もある。このため、恩赦については、与党内からもでも否定的な意見も出ている。

www.timesofisrael.com/netanyahu-requests-presidential-pardon-in-corruption-trial-doesnt-admit-guilt/

ヘルツォグ大統領はどうする!?:国益が判断の全てと表明

December 1, 2025. (Amos Ben-Gershom/GPO)

イスラエルの大統領は、日本の天皇的な部分もあり、政治とは直接関わらないものの、社会的レベルで活動し、国を一つにする立ち位置にあると言われている。

こうした中で、イスラエルの大統領は、首相を恩赦することが認められている。

大統領が、この件について、決定を下すのは、数週間先になるとみられている。

大統領は12月1日(月)、恩赦については、国の利益だけを考えて決定すると表明した。

また、大統領は、国内で論議になっていることは認識していると述べ、強い論説を恐れないとして、大統領官邸HPで、意見がある者は意見を表明するように呼びかけた。

ヘルツォグ大統領は来週、ニューヨークを訪問する。トランプ大統領と会うかどうかは未定。

www.timesofisrael.com/herzog-vows-to-weigh-only-the-good-of-the-country-in-deliberating-netanyahu-pardon/

石のひとりごと

ネタニヤフ首相が、100%正義ではないことは明らかで、大統領自身もそれは思ってはいるのだが、国益の実質面を重視した場合、ネタニヤフ首相を恩赦すべきと判断せざるをえない可能性は低くないだろう。

しかし、ヘルツォグ大統領は、今大きなジレンマに立っていると言われている。

恩赦で思い出すのは、イエス・キリストの時代に、ローマ帝国からエルサレム管理者として派遣されていた、ピラト総督を思い出す。

ピラトは、イエスには罪がないとみて、イエスを恩赦しようと考えていた。しかし、当時のイスラエル市民は、大祭司たちに煽られて、イエスではなく、犯罪者バラバの恩赦を要求したため、ピラトは、バラバの方を恩赦にしたのであった。これにより、イエスは十字架刑となった。(マタイ27章)

この結果、今、私たちの罪の身代わりになることが実現し、そこからの復活も実現するということになったのである。

ネタニヤフ首相の件も、ヘルツォグ大統領の権限ではなく、結局、その背後にある主のみこころがなるものと確信するところである。