UCLAで反イスラエルと親イスラエルデモの衝突も:全米で2300人以上逮捕 2024.5.4

UCLAで反イスラエルと親イスラエルグループの衝突も

4月18日、ニューヨークのコロンビア大学構内で、大規模な反イスラエルデモが発生。一時、その中心的な建物ハミルトン・ホールを占拠するまでになった。警察が動員され、100人が逮捕された。

これを皮切りに、暴力にも発展する反イスラエルデモが、5月3日の時点で、全米44の大学にまで拡大。これまでにアメリカ全国での逮捕者は、2300人を超えた。

特にロサンゼルスのUCLAでは、反イスラエルデモ隊と、親イスラエルデモ隊が衝突し、取り締まりに入った警察とも衝突するカオスとなった。

UCLAでは、15人が負傷。200人が逮捕される事態になっている。また、UCLAでは、暴動が発生してから、警察が踏み込むまで5時間もかかっていたとして、大きな問題になっている。NYTは、親イスラエル側が、暴力を誘発した可能性も指摘している。

www.nytimes.com/interactive/2024/05/03/us/ucla-protests-encampment-violence.html

以下は暴動から一夜明けたUCLA

このカオス状態から、コロンビア大学、ワシントン大学、UCLAでは、授業の中断を余儀なくされている。

一方で、まだ少ないが、学生と合意に至って、自発的に学生が撤退したり、デモが撤去された大学もある。

なお、アメリカでは、昨年10月7日以降、ハマスとイスラエルの戦闘が始まって以降、親パレスチナ、反イスラエルのデモが行われていたのであり、今に始まっていたことではない。

国境・海をこえて世界の頭脳・名門校に拡大する反イスラエルデモ

この反イスラエルの運動は、アメリカ国境を超えてカナダのトロント大学、やメキシコのメキシコ国立自治大学にまで拡大した。

いずれの場所でも、テントを設営しての抗議行動を続けており、親イスラエルのグループとの衝突も発生している。

メキシコでは、大学を超えて、メキシコ政府に、イスラエルとの外交、交易を断つよう求めたとのこと。

さらに海をこえて、オーストラリア、イギリス、フランスの大学でも同様のことが発生している。

www.timesofisrael.com/anti-israel-campus-protests-spread-across-the-us-border-to-canada-mexico/

石のひとりごと

UCLAでは、反イスラエルと親イスラエルグループが衝突していたとは、なんとも・・。

イスラエルという小さな国(総人口は東京都の3分の2程度)に関して、大国アメリカが、これほどのカオスになっているという点に驚かされる。

イスラエルはやはり、普通の国ではない。

イスラエルが、全部正しいと言い切るつもりはなく、背後の背後の話ではあるが、やはり、イスラエルは、主の名が付けられている国なので、人間の価値観とは相容れない、反発を避けられないという現状を、目の当たりにしているような気がする。

アメリカのカオスの背景にあるもの:カタールの影響? 2024.5.4

アメリカ大学のイスラエルへの憎しみはどこから?

デモ隊が訴えていることは、イスラエルが、パレスチナ人に対してジェノサイドを行っているとして、大学にイスラエル、またイスラエルに関連する団体との経済的、学術的な関係を一切断つことである。なぜそこまでの考えに至るのだろうか。

近代のグローバルに拡大する反ユダヤ主義を研究するシンクタンクの一人、チャールス・アシャー・スモール博士( founding director and president of the Institute for the Study of Global Antisemitism & Policy)は、アメリカでのこうした運動の背景に、まず、白人優越につながる反発があると解説している。

すなわち、アパルトヘイト、入植地、帝国主義といった反黒人差別につながる感情が、イスラエルとユダヤ人に向けられているということである。

しかし、今回はそれにとどまらず、そうした感情を伴いつつ、イスラエルが、実際にパレスチナ人に対するジェノサイドを行っていると信じているため、学生たちが、絶対的な正義感で、イスラエルに反発しているということである。

カナダのトロント大学では、学生が、「10月7日、イスラエルは自国民を殺害し、それを使ってジェノサイドを正当化している」というプラカードを掲げている者もいた。

陰謀論を思わせるようなコメントである。世界の頭脳と言ってもいい、優秀な学生たちがなぜそうなるのか。

スモール博士によると、コロンビア大学やUCLAでは、著名な教授たちが、10月7日のハマスの虐殺を、イスラエルの“占領”に対する正当な、抗議行動であるとの視点から、心理、哲学的論理で、解説していたという。

コロンビア大学のジェンダー問題を専門とする教授にいたっては、ハマスの性的暴力を、占領に対する、正当な抵抗運動と解説していたとのこと。

カタール(イランと湾岸諸国の間)wiki

その背景にあるのが、イスラムに基づくカタールのアメリカはじめ、世界の名門大学への進出である。

スモール博士は、こうした背景に、カタールが、アメリカはじめ、世界の大学に世界最大級の資金援助を行っているため、多くの学術的研究プロジェクトのスポンサーになっている。このため、教育内容や、メディア部門にも影響力があると指摘する。

アメリカでは、2005年から、アメリカ・ムスリム・フォーパレスチナ(AMP)が、全国にオフィスを展開しているが、これは、カタールが支援するムスリム同胞団(ハマスの母体)による団体である。これが、今回のデモ拡大にも大きく影響していると言われている。

スモール教授は、カタールでは、本物のイスラム教徒なら、ヒトラーの仕事を完成させるべきとの教えがなされていたとのこと。(スモール教授の発言であり、確認できているわけではない)

したがって、カタールとイスラム同胞団の究極の目的は、イスラエル(イスラムからは小さなサタン)を世界から孤立させ、消滅させるとともに、昔からある反ユダヤ主義を使って、アメリカ(イスラムからは大きなサタン)を混乱させることであると、スモール博士は語っている。

アメリカがカタールにハマス指導者追放を要請:カイロでの交渉でのハマスの出方により

カタールは、ハマスの保護者的立場の国である。イシュマエル・ハニエなど、ハマス指導者らをその首都ドーハに滞在することを許可している他、ガザへの現金支援も行ってきた国である。

さらには、イランとも通じている国でもある。

イスラエルやユダヤ人関係者からは、だいたい、このカタールが、イスラエルとハマスの間の交渉役になっていることに反発の声もあるが、如何せん、現時点で、最もハマスと話ができる立場にあるのは、カタールなので、仲介役の中心を担ってきたということである。

*エジプトのシシ政権は、ハマスの母体であるムスリム兄弟団を弾圧する側に立っている。

アメリカは、10月7日の事件が発生した後、カタールに、ハマス指導者らの追放を要請していたが、実施されなかった。

アメリカは、もし、現在カイロで行われているイスラエルとハマスの交渉において、ハマスが今の条件を受け入れない場合、その報復として、カタールから追放するよう、要求したと報じられている。

今イスラエルが出している条件を、ハマスが受け入れるようにとの圧力のつもりかもしれないが、ハマス指導者らは、その場合は、トルコに移動すればいいだけなので、効果は疑問と、Times of Israelは見ている。

www.timesofisrael.com/qatar-anticipating-us-request-to-expel-hamas-leaders-is-open-to-doing-so-source/

トルコがイスラエルとの貿易全面停止と宣言 2024.5.4

トルコのエルドアン大統領は1日、ガザにおけるイスラエルの行動に抗議するとして、イスラエルとの貿易(輸出入)を全面的に停止すると発表した。

トルコは先月からすでに、鉄鋼やセメントなどの建設資材54品のイスラエルへの輸出制限を開始。すでに、海路ハイファ港とアシュドド港を経由する貿易は停止しているとのこと。

昨年のトルコからのイスラエルに輸出は、54億3000万ドルで、前年の70億3000ドルから、すでに大きく減少している。

www.timesofisrael.com/turkey-halts-all-trade-with-israel-jerusalem-denounces-dictator-erdogan/

(photo credit: MARC ISRAEL SELLEM)

これに対し、イスラエルのカッツ外相は、トルコは貿易協定に違反していると反論。イスラエルは、トルコとパレスチナ自治政府との貿易を制限すると発表した。

パレスチナ自治政府の輸入は18%がトルコからであり、弊害を受けるのは、パレスチナ人ということになる。

これが今後、どういう影響をもたらしていくのか、注目される。パレスチナ人の不満が、イスラエルに爆発しなければよいがとの懸念もなきにしもあらず。。一方で、トルコ国内の反発も出てくるのではないか。

トルコのエルドアン大統領は、パレスチナ自治政府との交易は継続するよう、方策を図ると言っている。

なお、エルドアン大統領は、4月17日、ハマスの指導者の一人、イシュマエル・ハニエをトルコに招き、ハマス支持をアピールしていた。

 

ハマスがイスラエル提案に否定的も交渉は継続と時間稼ぎ様相 :ネタニヤフ首相はどう決断する!? 2024.5.2

人質・停戦交渉:イスラエル案に否定的も交渉続行とハマス

ハマスとの戦争が始まって7ヶ月になろうとする今、イスラエルとハマスの人質と停戦に関する交渉が、カイロで続けられている。今はイスラエルからの提案をハマスが検討している状態にあるが、ハマスは、これには否定的ながら、それでも交渉は続けるという態度をとっている。

www.jpost.com/israel-hamas-war/article-799480

ラファへの攻撃を前に、ハマスの態度は、時間稼ぎにみえる。もし、このままの状態で、イスラエルがラファへの攻撃に踏み切った場合、ハマスとの交渉は頓挫するとみられる。これはすなわち、人質を全部見捨てることにほかならないと、イスラエル国内では、懸念と政府への反発が高まっている。

一方で、政府の極右系政治家たちは、今イスラエルがハマスに提案している交渉で、人質が帰ってきたとしても、これはイスラエルの敗北だと反発している。

宗教シオニスト党のスモトリッチ氏は、ハマスとの交渉を続けるなら、連立からの離脱すると示唆した。もしそうなれば、連立政権は過半数を割ることとなり、政府は崩壊。総選挙になってしまう。

ネタニヤフ首相は、交渉がどんな結果になれ、ラファへの侵攻を止めるつもりはないと表明しているが、はたしてそれができるのか。

ブリンケン米国務長官:悪いのはハマス

このように、イスラエル国内では、意見が乱立し、それぞれが要求するというカオス状態である。こうした中、1日、アメリカのブリンケン国務長官が、イスラエルに到着した。

ブリンケン氏は、ヘルツォグ大統領と面会。ネタニヤフ首相と個別会談をした後、政府関係者、アメリカからは、在イスラエル・アメリカ大使も含めての会談が行われた。

また、南部を訪問した際、ガザ周辺や検問書を視察したほか、テルアビブでは、人質家族たちにも会っていた。

ブリンケン国務長官は、「混乱をもたらしているのはハマスだ」として、ハマスこそ早く人質を返すべきだとハマスへの非難を表明した。

一方で、ラファへの攻撃については、「イスラエルには、効果的に民間人の犠牲を予防する策がまだない。」として、明確な反対を表明した。バイデン大統領と同様、イスラエルを支援するが、その反対の部分もあるという姿勢である。

ネタニヤフ首相は、ここからどんな決断を下すのだろうか。非常に難しい決断である。

*イスラエルが出している人質解放と停戦案

レバノン系メディアが、イスラエルがハマスに出している条件を明らかにした。確かにブリンケン国務長官が言うように、イスラエルが、かなり譲歩している。テロ組織に相当な代価を払って、人質を返還してもらう形なので、強硬右派政治家たちが敗北だと言っているのである、。

しかし、ハマスはこれでもまだ合意しようとしていない。最初からまだ完全な停戦ではないことと、ガザ復興に、ハマスはかかわらず、非武装とされているところが、ハマスとしては問題なのだろう。要するに、ガザ市民より、組織維持を考えているということである。

www.timesofisrael.com/hamas-indicates-it-will-snub-latest-hostage-deal-offer-but-says-talks-to-continue/

第一段階(少なくとも40日間は攻撃を停止)

① 人道支援物資のトラック(燃料を搭載した50台を含む約500台)が、毎日ガザへ入るとともに、避難住民がガザ北部へに戻る。イスラエル軍は、これが可能になる程度に撤退する。
② イスラエル軍は、上空の監視を1日8時間停止する。人質交換の日は10時間、上空監視を停止する。

③ この間にハマスが解放する人質は、生存している33人(女性と女性兵士、19歳以下の子供、高齢者と病人、負傷者)

④ イスラエルは、女性と子供の人質1人あたり、20人のパレスチナ人女性と未成年テロリストを釈放する。
高齢者、病人、負傷者の人質1人あたり、やはり病気や負傷しているパレスチナ人(50歳以上で、懲役10年以下)を釈放する。
女性兵士の人質1人あたり、20人の終身刑と、20人の懲役10年以下のテロリスト、つまり40人を釈放する。
どのテロリストを釈放するかは、ハマスがリストを提出できる

⑤ 第一段階がはじまってから16日目から、停戦に関する交渉を始める

第二段階(次の42日間)

① 持続可能な停戦についての話し合いをする
② 男性と兵士の人質を解放し、イスラエルは交換にパレスチナ囚人(人数は不明)を釈放する。
③ イスラエル軍がガザから完全に撤退する

第三段階(次の42日間)

① 双方が遺体を交換する
② ガザの復興5年計画を開始する(ハマスは非武装とする)

石のひとりごと:戦争と政治・外交

非常に難しい状況になっている。これをどう扱うかで、自国民の怒り、自国民のサバイバル、中東、世界情勢まで大きく影響される。ネタニヤフ首相は、海千山千の相当したたかな政治家ではあるが、それでも、これほどの難問はないだろう。

今日、読んだみことばは以下の箇所だった。ネタニヤフ首相が、今、いつもより、本気でイスラエルの神、主に耳を傾けて決断するようにと祈る。

わたしが、あなたの神、主である。わたしはあなたをエジプトの地から連れ上った。あなたの口を大きくあけよ。わたしが、それを満たそう。

しかしわが民は、わたしの声を聞かず、イスラエルは、わたしに従わなかった。それでわたしは、彼らをかたくなな心のままに任せ、自分たちのおもんばかりのままに歩かせた。

ああ、ただ、わが民がわたしに聞き従い、イスラエルが、わたしの道を歩いたのだったら。わたしはただちに、彼らの敵を征服し、彼らの仇に、わたしの手を向けたのに。(詩篇81:10-14)

ブリンケン国務長官・ガザ国境視察:イスラエルはエレツ検問所開所を発表 2024.5.2

GPO

1日、イスラエルに到着したブリンケン国務長官は、ガラント防衛相、ハレヴィ参謀総長などIDF関係者たちと、ハマスに襲撃された、キブツ・ニール・オズなどを訪問。

また人道支援物資搬入路になっている南部、ケレン・ショムロンなど複数の検問所も視察した。

イスラエルはこの機会に合わせて、ガザ北部国境のエレツ検問所を新たな物資搬入路として開放すると発表。アシュドド港と繋いで、大量の食料や医薬品をガザへ搬入することが、可能になる。

同行したガラント防衛相は、ブリンケン国務長官の訪問は、イスラエルは、ハマスと戦っているのであり、ガザ市民と戦っているのではないと、強調した。

今回のブリンケン国務長官のイスラエル訪問は、意見の違いはあれど、アメリカとイスラエルの関係は不動であることを示しているともいえる。

石のひとりごと

ブリンケン国務長官がイスラエルを訪問していることについて、日本の多くの報道は、アメリカは、イスラエルのラファへの侵攻で民間人犠牲の予防策が不十分だとして、これに反対していると言う点を強調してとりあげて報道している。

しかし、ブリンケン国務長官は、イスラエルへの理解も十分に示していた。

しかし、アメリカもまた、難しい政治・外交をせまられている。ブリンケン国務長官は、ユダヤ人でもあるので、個人的にも、複雑な使命を背負っているということである。ブリンケン氏のためにもとりなしを。

パレスチナ人がアウシュビッツで「ユダヤ人はここへ戻れ」2024.5.2

パレスチナ人がアウシュビッツで「ユダヤ人はここへ戻れ」とXに投稿

世界的に、反イスラエル、反ユダヤ主義が暴力となって拡大している。

こうした中、パレスチナ人の男性が、アウシュビッツを訪問し、その映像とともに、「私たちは必ずおまえたち(ユダヤ人)から解放される。そうして、お前たちは、本来いるべき場所、強制収容所へ帰るのだ。」との声明を表明。Xに投稿した。

男性はまた、「これらのゲットーからシオニストは出てきた。アラーの神が、パレスチナ人と(イスラムの)殉教者たちを憐れんでくださるように。パレスチナに自由を」とも言っていた。

ポーランドのワルシャワでは、ユダヤ教シナゴーグに3つの火炎びん?が投げ入れられた。幸い負傷者は出なかったが、ホロコーストの時代にあった反ユダヤ主義の空気がリアルになってくるような事件であった。

apnews.com/article/poland-synagogue-attacked-warsaw-jewish-firebomb-antisemitism-d51fa5305907bf10bbb7a1ecd02f126e

アメリカで反ユダヤ主義定義の法案可決:過激右派キリスト教徒が反対

アメリカ全国の名門大学では、今もまだ、イスラエルに反発する学生たちが、警察官が衝突するなどして、1000人に上る学生が逮捕されている。

学生たちは、「インティファーダ(パレスチナ人の民族放棄)」「川から海まで(ヨルダン川から地中海までの領地はパレスチナ)」と言ったイスラエルへの反発を叫ぶ者もいる。しかし、この学生たちのほとんどは、イスラエルに行ったこともなく、インティファーダがなんだったかも知らない可能性が高い。

アメリカでイスラエルに反発を表明している学生の同期は、たとえば、黒人差別に対する怒りなど、別の社会的な反発が無意識に、イスラエルへの憎しみとなって爆発しているとの見方もある。

下院報道官マイク・ジョンソン氏 AP

こうした中、アメリカでは、反ユダヤ主義を定義する法案が論議されている。

この法律では、反ユダヤ主義をどう定義するかが明記されているのだが、問題は、その中に、イスラエルを非難することも反ユダヤ主義と捉えられて、逮捕の対象になる可能性も出てくるため、激しい論議になってる。

ややこしいことに、アメリカ在住のユダヤ人の中で、イスラエルに反対するユダヤ人もおり、その人々は、この法案に反対している。

驚いたことに、この法案に関して、キリスト教の福音まで、引き合いに出されていた。

過去に反ユダヤ主義で批判されたジョージア州共和党議員のマージョリー・テイラー・グリーン氏は、この法案に反対しているが、グリーン氏は、その理由として、「イエスを十字架にかけるよう引き渡したのが、ユダヤ人であったという“福音”を信じるクリスチャンも違法の対象人になりうる」と言っている。

www.timesofisrael.com/taylor-greene-antisemitism-bill-rejects-gospel-that-jews-handed-jesus-to-executioners/

強硬右派クリスチャンとされる人々の中には、いまだにユダヤ人をキリスト殺しと見る人がいるのである。

ところで、グリーン氏は、“福音”ということばを間違って使っている。福音とは、人間の罪の罰を、あわれみのゆえに、主であるイエスが代わりに背負って死に、そしてよみがえったことにより、それを信じる人は、罪を赦され、永遠の命を得ることができるということである。ユダヤ人がキリストを引き渡したということ自体が福音ではない。

最終的に、アメリカ下院は、この法案を圧倒的な賛成、賛成320、反対91で可決した。共和党、民主党ともに、圧倒的に賛成が多かった。

www.timesofisrael.com/us-house-advances-bill-to-codify-contentious-and-popular-antisemitism-definition/

石のひとりごと

ホロコーストは過去のことで終わらない・・恐ろしいことに、再び、あの理解を超えた何か大きな黒い雲が、世界に広がろうとしているようである。

反ユダヤ主義は、理論的ではない中で、神、主を証するために選ばれているユダヤ人、その国イスラエルをただただ憎むのである。

来週5-6日にかけて、イスラエルでは、ホロコースト記念日を覚える。イスラエル国立ホロコースト記念館ヤド・ヴァシェムから何が発信されるのか、オリーブ山通信でも発信してく予定である。

イスラエルのラファ侵攻を防げるか:エジプトとアメリカが必死の仲介 2024.4.30

ハマスとイスラエルの交渉が、まだ合意に至らないまま先行きが見えず、イスラエルがいよいよラファへ侵攻するかという事態になっている。しかし、世界はまだ諦めずに、なんとかそれを阻止しようとしている。

イスラエルからの歩み寄りオファーをハマスはどうするか

カタールが若干お手上げの様子を見せた後、現時点では、エジプトが、本腰を入れて、人質解放と停戦への交渉を試みている。

伝えられているところによると、週末に、イスラエルは、人質130人のうち、40人の解放を要求していたところ、33人に減らしている。

イスラエルが人質の数を減らしたのは、それ以外は死んでいるとの見方もある。その33人との交換に数千人のテロリストを釈放するとしている。

さらにイスラエルは、40日間、停戦とするという、譲歩案を出しており、これでもだめならラファ攻撃を開始すると最後宣告のような声明を出している。

ブリンケン国務長官は、イスラエルがかなり、かなりと強調しつつ、譲歩しているのだから、ハマスはそれに合意することを望むと声明を出している。

www.timesofisrael.com/blinken-hopes-hamas-takes-israels-extraordinarily-generous-truce-offer/

ハマスは、昨日29日(月)、カタールとエジプトの仲介者に、イスラエルからの提案に対する返答を表明する予定だった。しかし、その内容について、「これまでと目立った違いはなかった」と述べ、合意する動きには出ていない。

イスラエルは、本日、カイロの代表団を送り出すとのことだったが、ハマスの返答を待つとして、派遣を保留にしたとのこと。

いわば、最後の試みであり、これで交渉が挫傷すれば、イスラエルのラファ攻撃が始まる可能性が高まっている。

アメリカがサウジアラビアとの国交正常化で、イスラエルのラファ侵攻停止説得急ぐ:ブリンケン国務長官中東歴訪開始

1) サウジアラビアとイスラエルの国交正常化への働きかけ

(AP Photo/Thomas Padilla, Pool)

アメリカはそれでもまだ諦めていない。Times of Israelによると、昨日から、中東全体を視野に入れて情勢沈静化を目指すアメリカのブリンケン国務長官が、皮切りとなるサウジアラビアを訪問している。

アメリカは、イスラエルにサウジアラビアとの国交正常化という大きなアメをもたらすことで、ガザへの侵攻を思い止まらせようとしている。

ブリンケン国務長官は、サウジアラビアの後、イスラエルとヨルダンを訪問する予定である。

サウジアラビアは、イスラエルとの国交を、受け入れてもいいと匂わせながらも、パレスチナ国家をイスラエルが認めることを明確な条件にあげている。

このため、ブリンケン国務長官は、イスラエルにパレスチナ国家を認めるよう、圧力をかけている。

無論、イスラエルにとっても、サウジアラビアとの国交正常化は、魅力的な話だが、その条件として出されている、パレスチナ国家を認めることは、およそ不可能である。

アッバス議長 . (AP Photo/Craig Ruttle)

パレスチナ人が住んでいるガザは言うまでもなく、西岸地区にもイスラエル殲滅を狙うハマスはじめ、さまざまな過激派組織がとぐろをまいている。そこに、過激ユダヤ人たちも負けておらず、暴力の応酬はエスカレートを続けて、死者も相次いでいる。

パレスチナ自治政府はこれに全く対処できていない。だからイスラエル軍が入って対処せざるを得ないのだが、それを世界は、イスラエルの占領というわけである。

これが現状であるそ自治政府をかしらとするパレスチナ国家を、隣人として正式に受け入れることは、ネタニヤフ首相が言うように、非現実的でしかない。

2) アメリカと17カ国がハマスに人質解放を要求声明

こうした中、25日、アメリカは、17カ国を率いて、ハマスに対し、すみやかに人質を解放するように訴える共同声明を出していた。17カ国は、人質になっているイスラエル人の中で、二重国籍を持つ人々が所属する国々である。

先週、アメリカ国籍も持つイスラエル人、ハーシュ・ゴールドバーグ・ボーリンさん(24)のビデオが、公開されたあと、アメリカがようやく、ハマスへの直接の圧力を公にした形である。

17カ国とは、アルゼンチン、オーストリア、ブラジル、イギリス、ブルガリア、カナダ、コロンビア、デンマーク、フランス、ドイツ、ハンガリー、ポーランド、ポルトガル、ルーマニア、セルビア、スペイン、タイ、となっている。

イスラエル人の多様性には驚かされるところだが、これをみても、イスラエルとハマスの戦いが、世界にも影響を及ぼすものであることを象徴しているかのようである。

www.nytimes.com/live/2024/04/25/world/israel-gaza-war-hamas/biden-and-17-other-world-leaders-turn-up-heat-on-hamas-to-free-hostages?smid=url-share

April 29, 2024. (CENTCOM)

ハマスへの厳しい声明を出すと同時に、アメリカは、26日、ガザ沖に、支援物資搬入様の桟橋建設(3億2000万ドル)を開始した。

アメリカは、イスラエルを支えるが、同時にガザの人々への人道支援も忘れていないという、バイデン大統領のダブルスタンダード?と揶揄される方針を見せている。

jp.reuters.com/world/us/WEVNBY4EYRK3DCDN55YTBQ6CLM-2024-04-25/

イスラエル国内のハマスとの交渉優先デモ続く:“ラファは待てる“

強硬姿勢を崩さない政府に対し、ラファ侵攻よりもハマスとの交渉をすすめて、人質解放を優先するよう、訴えるデモは毎週続けられている。

昨日29日、テルアビブで、数千人が、ラファ侵攻より、ハマスとの交渉を行い、戦闘ではなく、交渉で人質を取り戻せと訴えるデモを行った。こうしたデモは、反政府、ネタニヤフ政権打倒、また極右政治家たちへの非難を訴えている。今週も、警察と暴力沙汰の衝突となり、5人が逮捕された。

石のひとりごと

歴史を振り返れば、外の敵よりも、国内の分裂がイスラエルに最も大きな危機であったことは、イスラエル人なら誰もが知っているパターンである。

しかし、デモをしている人々も、ネタニヤフ首相も、どちらもが自分こそ、国にとって正義だと信じているので、一致を祈ろうにも、どうにも非現実的にみえるだけである。

イスラエルを一致させるのは、共通の敵、イランのような存在でしかない。一致を祈って外敵を呼び寄せるのも嫌な話である。

私たちには、もはや、どうしたらいいのか、どうなったらいいのかもわからない。そういう時は、「主よ。何か言ってください!何かしてください!」と祈れとは、ニューヨークのディアナ牧師がいつも言っていることである。

ガザでの戦闘続行でイスラエル兵2人戦死・1人重傷:ハマスがレバノンからミサイル20発 2024.4.30

ガザで続く戦闘

on April 27, 2024. (Israel Defense Forces)

イスラエルが新たな提案を出し、国際社会が、イスラエルのラファ侵攻を防ごうを躍起になっているが、ガザでは、まだ停戦合意に至ったわけではないので、変わらず激しい戦闘が続いている。

昨日もイスラエル兵2人が、ガザ中部での戦闘で死亡。もう一人が重傷を負った。戦死した2人は、イド・アビブ予備役軍曹(28)とカルキダン・メハリム軍曹(37)

www.timesofisrael.com/two-idf-reservists-killed-one-seriously-wounded-in-fighting-in-central-gaza/

① 生存?人質2人が政府非難の映像をまた公表

また、ハマスは、先にハーシュ・ゴールドバーグ・ボーリンさん(24)さんのクリップを出したのに続いて、あらたに2人の男性の人質のクリップを公表。

人質にイスラエル政府を非難させて、今、まだ続く反政府デモを煽るようなこともしている。

新たに公表された人質は、イスラエル人のオムリ・ミランさん(46)と、キース・シーガルさん(64)オムリさんには妻と小さい娘が2人いる。キースさんは、妻のアビバさんと拉致され、アビバさんだけ昨年11月に解放されていた。

www.timesofisrael.com/hamas-airs-propaganda-clip-of-2-hostages-as-fm-says-deal-could-delay-rafah-op/

② ハマスがレバノンからミサイル20発

また、レバノンから20発のミサイルが、イスラエル北部へ飛来したことについて、ハマスが、堂々とその責任を認めた。なお、空き地に着弾した以外は迎撃したので、被害はなし。

www.timesofisrael.com/hamas-fires-more-than-20-rockets-from-lebanon-at-northern-israel/

こうした中、カイロでの交渉が破綻した場合、48から72時間以内に、ラファへの攻撃を行うかどうかがわかるとの報道もある。

石のひとりごと

世界はイスラエルを攻める一方だが、イスラエルは、四方八方から攻撃され、まさに存在否定の真っ只中にある。

それと戦ってどんどん若い優秀な息子たちを失っているということを世界はわかっているのだろうか。

また2人行ってしまった。家族を思い、その心が守られるようにと祈る。

国際刑事裁判所(ICC)がネタニヤフ首相と防衛指導者2人に逮捕状発行準備と危機感 2024.4.30

ICC(国際刑事裁判所)が戦犯でネタニヤフ首相に逮捕状を発行する!?

ガザ保健省(ハマス)の主張によると、イスラエルとの戦争で、3万4000人が死亡したと訴えている。(このうち1万3000人以上は武装兵とイスラエル主張)

これについて、オランダのハーグにある、国際刑事裁判所(ICC)は、イスラエルのネタニヤフ首相と、ガラント防衛省、ハレヴィIDF参謀総長に、戦争犯罪者として、逮捕状を準備している動きがあり、数週間前から、イスラエルと世界でも物議となっている。

ハマスと反イスラエル・反ユダヤ主義に正義を与えると世界が危機感

もし、大々的にこれを発行すると、ハマスがイスラエルを攻撃することに正義を与えることになり、イスラエルとハマスの交渉が、いよいよ頓挫する可能性が出てくる。

それだけでなく、すでにエスカレートしている世界の反ユダヤ主義に拍車がかかる懸念がある。イスラエルとアメリカ、イギリスなどがが、これを阻止しようと動いている。

GPO

ネタニヤフ首相はICCに対し、「イスラエルは、中東で唯一の資本主義国家で、世界で唯一のユダヤ人の国だ。

我々固有の自衛権を脅かすような動きは、絶対に受け入れない。」と強い反発を表明した。

これに対し、ICCは、表にはわからないが、いったん、ネタニヤフ首相たち3人が、国外へ出たときに逮捕されるという秘密逮捕状を出すのではないかとの懸念も出ている。

一方で、イスラエルでは、ICCが、イスラエルだけでなく、ハマスにも逮捕状を出すとの予測もあるが、これだけ反イスラエル感情が世界で高まる中では、あまり意味がないかもしれない。

アメリカのメディア、ブルーンバーグによると、アメリカ、イギリス以外にも、G7の国々からも、ICJに、イスラエル指導者に対する逮捕状は思いとどまるように働きかける動きがあるという。しかし、どうなるのか、注目が集まっている。

www.nytimes.com/2024/04/28/world/middleeast/netanyahu-icc-arrest-warrants-israel-hamas.html?unlocked_article_code=1.n00.D-s3.NgidMzWCjmS7

ICC HPより

なお、ICCでは、今年、日本人の赤根智子氏が所長に就任したばかりである。今のところ、この件について、赤根氏の名前は出ていないが、今、とりなしに覚える人物である。

*ICJ(国際司法裁判所)とICC(国際刑事裁判所)

ICJは、国連の認可の元、国単位で戦争犯罪を裁くが、ICCは、虐殺などの戦争犯罪を個人レベルで裁く機関で、国連の承認を受けてはいるが、法的には、国連から独立している。

昨年3月、プーチン大統領に逮捕状を出した他、今年1月には、イスラエルのヘルツォグ大統領に、ガザ問題で「犯罪の訴えがあった」とする罪状を突きつけていた。

www.reuters.com/world/middle-east/israels-herzog-gaza-genocide-claim-icj-atrocious-preposterous-2024-01-09/

www.timesofisrael.com/report-several-nations-urging-icc-not-to-issue-arrest-warrants-for-israelis/

米コロンビア大学で反イスラエルデモ隊が建物を占拠:不気味なナチス時代の空気到来か  2024.4.30

コロンビア大学反イスラエルデモ:建物占拠

ニューヨークのコロンビア大学を皮切りに、全米に拡大した名門大学の学生たちによる、親パレスチナ、反イスラエルデモは、いわゆる平和的なデモを通り越して、暴動のような光景にもなっている。これまでに100人が逮捕されていた。

学生たちは、イスラエルが、パレスチナ人に対するジェノサイドを行っていると信じきっており、学内にテントを貼って、大学が保有する、イスラエルに関係する金融資産を売却するよう要求するなど、イスラエルとの関係を断絶するよう訴え続けて、もう2週間になる。

そのシュプレヒコールには、反ユダヤ主義にもなっており、ユダヤ人学生に深刻な危機が及んでいる。大学でのデモでは、イスラエルの旗を振りかざす親イスラエルの学生と親パレスチナの学生が対峙する様子もある。

コロンビア大学は、テントでの泊まり込みで、デモを続ける学生に対し、29日午後2時までに引き上げるよう指示したが、学生たちがそれに従わなかったので、学生への退学処分を開始したとのこと。

その後、30日深夜にかけて、デモ隊は、暴力的に、キャンパスの中心的な建物であるハミルトンホールと呼ばれる建物を暴力的に占拠した。

この建物は、1960年代にコロンビア大学で行われた反ベトナム戦争デモ、1985年の南アフリカの人種差別を非難するデモが行われた場所である。それと同じぐらいの正義感で、反イスラエル感情を募らせているということである。

ニュージャージー州では、プリンストン大学で、29日夜、親パレスチナデモ隊が、大学院のクリオホールを占拠し、大学院生ら13人が逮捕された。

テキサス州のテキサス大学オースティン校では、治安部隊が出動していた。暴動が始まってから、全国の名門大学での逮捕者は、900人以上にのぼっているという。

www.timesofisrael.com

www.nytimes.com/2024/04/29/nyregion/columbia-student-protest-encampment.html

こうしたデモが続いていることについて、エルサレムポストは、カタールなどアラブ・イスラム系の国々が、金を払っているという情報も出している。

www.jpost.com/middle-east/pro-palestine-protests-are-generously-funded-by-donors-promoting-radical-islam-studies-analysis-799154

石のひとりごと:反イスラエルから反ユダヤへの不気味な移行

NYTが伝えるところによると、デモを行なっている学生たちは、「自分は反シオニストだが、反ユダヤ主義ではない」ととまどいを語っているという。しかし、全員がそうではないとNYT。

学生が訴えているのは、大学が保有する金融資産の売却であり、テルアビブ大学の共同学位制度停止など、どれも学生にとっては、有益なものである。

それをやめて、イスラエルとの関係を完全に断ち切ることを求めているということである。背後に得体のしれない憎しみが見え隠れしている。これこそが、欧米社会に染み込んでいる反ユダヤ感情ではないかと感じる。

ナチスが台頭してきたドイツでも、ベルリン大学といった、特に社会的に有能な人々が、ユダヤ関係の書物やナチスのイデオロギーに沿わない本を焼き捨てるという事件があった。

ユダヤ人を排斥することは、国にとって正しいことだと、おおむね同意する社会ができていったというのが、ホロコースト前夜であった。

以下はベルリン大学で本を燃やす学生たち

今はこの時代にはなかった、ユダヤ人の国、イスラエルが存在している。反ユダヤと反イスラエル主義が重なっている。

これはアメリカに限らず、欧米社会全体を中心に世界に拡大している。オリーブ山通信では全部カバーできていないが、各地で反ユダヤ暴力が発生している。なんとも末恐ろしい、不気味な空気である。

過越の中日:嘆きの壁での祭司の祈りに数千人 2024.4.25

22日に始まった過越の祭り。本日25日は、その中日にあたり、祭司の祈りが嘆きの壁で行われた。けっこう人で埋め尽くされている。

祈りの中では、人質たちの写真がかかげられて、祈る様子もある。(下側クリップ1:10:22あたり)

祭司とはコーヘン氏の家計の男性たちで、この人々が祈る時に、共に神の前に出ることが祝福と考えられている。過越だけでなく、仮案の祭りの時などにも中日の祭司の祈りがある。

www.ynetnews.com/article/hkdrofv11a

ハマス心理作戦か:人質男性の反ネタニヤフ声明ビデオ発信 2024.4.25

カタールからアメリカに届いた人質男性のメッセージ

いよいよイスラエルがラファへの攻撃を開始するという、このタイミングで、ハマスが、24日、人質になっているハーシュ・ゴールドバーグ・ポーリンさん(4日前に24)の映像をアップした。

ハーシュさんは、アメリカとイスラエルの二重国籍であるため、ビデオは、22日、仲介のカタールからアメリカのホワイトハウスにも直接届けられていた。そこから家族に届けられたという。人質になっているアメリカ国籍を持つ人は、ハーシュさんを含め5人。

ハーシュさんは、10月7日、ガザ近郊の音楽フェス会場で重傷を負った上で、拉致されていたようで、左手首が切断されている。撮影がいつであったかは不明だが、この傷口の治癒の様相から、最近ではないかと思われる。

ハーシュさんは、絶望の表情で、目には正気がない状態で、3分間のメッセージを語っている。その中で、家族に会いたいと言い、また、いまだに救出に来ない、ネタニヤフ首相とその政府は恥を知れと、怒りも表現している。

また、人質70人がイスラエル軍の爆撃で死亡したとか、交渉においては、全てを拒否したと、祖国への非難も表明している。

言わされたのか、言っているのかは不明だが、なかなか助けがこない軍や政府に、苛立ちがないはずはないだろう。

www.haaretz.com/israel-news/2024-04-24/ty-article/.premium/hamas-airs-video-showing-israeli-american-hostage-hersh-goldberg-polin-in-gaza/0000018f-10d7-d361-a3ef-52f7a0400000

ハーシュさんの両親からのメッセージ

ハーシュさんの両親、ラケルさんとジョンさんは、多数のアメリカ人も拉致被害者であることを世界に発信すると同時に、もしかして、息子が見ていればと、「強くいて。生き延びて。」とメッセージを発している。

なお、こうしたビデオは心理的作戦の一環であるため、通常は一般公開はしないのだが、ハーシュさんの両親が、公開に合意したため、公開に至ったとのこと。

*人質の現状

人質の数字は、メディアによっても変化している。Times of Israelが出している数字によると、今もガザにいるとみられる人質は129人だが、どのぐらいの人が生きているかは不明。IDFは34人は死亡しているとみている。

10月7日時点で、拉致された人は253人。11月の人質交換で解放された人は105人。これまでに遺体となって帰国した人が12人。このうち3人は、イスラエル軍の誤爆で死亡していた。

www.timesofisrael.com/in-hamas-propaganda-clip-israeli-american-hostage-hersh-goldberg-polin-describes-hell/

IDFハガリ報道官:一つの石も崩されないで残ることはない

ハーシュさんの映像が公開されたことを受けて、IDFのハガリ報道官は、10月7日の残虐性、ハマスがいかに狂気の組織であるかを思い出させることとなったとし、徹底的にハマスを倒すことが急務であるとし、一つの石も崩されないで残らないまでにすると宣言した。

エルサレムの反政府デモで警察と衝突

イスラエル人の一部ではあるが、政府の方針に同意しない人も少なくない。24日、ハーシュさんが、政府に恥を知れと言っているビデオが公開された後、エルサレムの首相官邸周辺、アザ通りで、人質解放を政府に求めるデモが発生した。

ゴミ箱をひっくり返すなどの暴徒となり、警察が放水銃を使うまでの混乱となった。極右政治家ベン・グビル氏周辺での衝突もあり、4人が逮捕された。逮捕者の1人はハーシュさんの友人だったという。

www.timesofisrael.com/six-months-into-war-israeli-soldiers-still-count-on-donations-for-basic-supplies-why/