勇気のシンボル:タリバンと戦う14才少女重傷 2012.10.10

パキスタンで勢力を伸ばしているタリバン(イスラム原理主義組織)。2007年から支配する地域スワット・バレーでは、イスラムの法律を強化するとして、女子学校が次々に閉鎖された。これに抗議していた14才の少女マララさんが昨日、帰宅途中に銃で頭と首を打たれて重傷となった。

マララさんは、学校の閉鎖を脅迫するタリバン勢力に恐れず毎日登校。2009年からは、イギリスのBBC放送にブログを投稿し、タリバン政権下の毎日の様子を伝え、女子の学校を閉鎖しないでほしいと世界に訴えていた。

マララさんの勇気ある行動は多くのパキスタン人の支持を得ており「勇気のシンボル」となっていた。今回、マララさんが銃撃されたことで、パキスタンでは、反タリバン運動が燃え上がっているという。

救急で手術を受けたマララさんの状態は今、おちついたとのことだが、家族は「マララは、恐れていない。回復したらまた同じ抗議行動に出るだろう」と語っているという。

カルメル山にパトリオット迎撃ミサイル設置 2012.10.9

2日前、イスラエル軍に撃ち落とされたUAV(無人航空機)はヒズボラによる可能性が高いことがわかった。緊急性はないが、イスラエル上空で情報収集された可能性がある。

イスラエル軍は、万が一ハイファ(北部でヒズボラに近い)がミサイル攻撃された場合に備え、カルメル山、ハイファ大学近くに、パトリオット迎撃ミサイルを配置した。

*数日前、迎撃ミサイルに配置された兵士の劣悪な環境が指摘されている。南部の迎撃ミサイル担当の兵士たちはトイレもなく不潔な状態で任務についているという。

イスラエル南部にまたロケット弾の雨 2012.10.9

日曜、イスラエル空軍がガザ地区内にいた二人のパレスチナ人ジハーディスト(聖戦主義武装勢力)を、イスラム教モスクを含む地点への空爆で殺害。巻き添えで負傷者も発生した。

これを受けて本日月曜、ハマスはイスラエル南部の町々に50発以上の砲撃を行った。負傷者はなかったが、建物に一部損傷が出た。住民は1日シェルターですごした。

祭りのあとのひととき(シェミニ・アツェレート) 2012.10.9

レビ記23章36節によると、イスラエル人は仮庵の7日が終わった翌日、8日目も主の前に出るよう記されている。今年はそれが昨日8日だった。

ユダヤの例祭は、主がしてくださったこと、主がこれからしてくださることを覚えるために定められているのだが、この日だけは不思議に記念すべきできごとがなにもない。

ユダヤ教では、この日は、仮庵の週を民とともに過ごした主が、祭りが終わって帰途につく民と最後にもう一日共に過ごしたいと願われている日だと言われる。

この日は、主が何かをしてくださったから主を愛するのではなく、ただ主ご自身をよろこぶ日。主もまた、私たちが何もなしえなくても、ただ共にいたいと願ってくださっている。それを喜ぶ日である。

イスラエルではこの日は安息日と同じ扱いとなり、ビジネスやバスも止まる。この日は早朝から嘆きの壁で祈る人々でいっぱいとなった。

<シムハット・トーラー(みことばをよろこぶ日)>

シェミニ・アツェレートの翌日(一部の宗派ではシェミニ・アツェレートと同日)はシムハット・トーラーと呼ばれ、主がみことばを与えてくださったことを喜ぶ日とされている。ユダヤ教では、1年間の聖書通読が終わって新しくスタートする日となる。

嘆きの壁ではトーラーの巻物を抱えた男性たちが、喜びながら輪になって踊る姿が見られた。

この秋、イラン攻撃はない? 2012.10.7

イスラエルでは、ネタニヤフ政権がイラン対策において、大きく方向転換していると分析されている。

ここ数ヶ月、ネタニヤフ首相とバラク国防相の発言は、今にもイランを攻撃しそうな緊張感にあふれていた。国民にガスマスクを配布し、戦争にはどう対処するかといったパンフレットまで全戸配布していた。ところが、今は、イランとの戦争はない、または不要だとの空気になっている。

まずは、国連総会でのネタニヤフ首相の発言から、少なくとも来年春、または夏までは攻撃はないということがあきらかになった。さらに先週、イラン通貨リアルの大暴落を受けて、大規模な反アフマディネジャド・デモがテヘランで発生。世界の経済制裁が、予想以上にイランに影響を与えていることがあきらかになったためである。

これと平行して、ネタニヤフ首相とバラク国防相の関係が悪くなっていることも方向転換の原因と考えられている。

国民は胸をなでおろしているものの、ネタニヤフ首相の”ジグザグ政治”(ころころと方針を変える)にはやや食傷気味である。

新しい脅威:UAV(無人航空機) 2012.10.7

昨日土曜、地中海ガザ方面から一機の無人航空機(UAV:いわゆるドローン)がイスラエル領内に飛来。15分強飛んだ後、ネゲブの無人地帯でイスラエル軍戦闘機が撃ち落とした。

撃ち落とすまでに15分かかったのは、人口密集地上空を避け、さらに危険物を搭載していないか確認するためである。現在残骸の調査が急がれている。

<懸念されること>

イスラエルの脅威はイランなど周辺諸国からの弾道ミサイルである。しかし、最近はUAVが発達し、情報収集されるだけでなく、それらに爆発物や化学兵器が搭載されている可能性もあり、対処が難しい。

今回のUAVは、ガザ方面から来たのだが、ハマスはそうしたハイレベルな武器は持ち合わせていないことから、ヒズボラが、イスラエル南部ディモナにある原子力センターを偵察していた可能性がある。

なお、UAVの飛来は今回が初めてではない。2006年にもヒズボラが2回UAV(イラン製)をイスラエル北部に飛来させ、イスラエル軍に撃墜された経過がある。

トルコとシリアは戦争突入寸前-緊張続く国境周辺 2012.10.7

先週、シリアの砲弾でトルコ市民5人が死亡。トルコはすぐに報復攻撃し、シリア兵数名が死亡したと見られる。

シリア政府は、トルコに謝罪したが、その後も、シリアからは流れ弾などがトルコ領内に着弾している。トルコはそのたびに報復。今日で4日目となった。国境付近のトルコ市民はシリアからの砲弾をさけて避難中である。

トルコのエルドアン首相は、「トルコはシリアとの戦争は望まない。」としながらも、トルコは自国民を守る用意があるとも語っている。トルコ議会は、先週の攻撃を受けて、攻撃された場合は、国境を越えてシリアへ武力行使することを承認している。

<誰の責任かはわからない>

トルコはシリアへ反撃しているが、実際のところ、トルコに砲撃したのが、シリア政府軍なのかどうかは明らかではない。トルコは反政府勢力を支援している立場だが、反政府勢力は、様々なグループが集まった烏合の衆に近いものがある。反政府ゲリラ一派からの砲撃、または流れ弾である可能性も否定できない。

国民を守る義務のあるトルコのエルドアン首相は難しい立場に立っているといえる。

<無力な国際社会>

トルコとシリア国境の緊張だが、アメリカは、トルコを砲撃したシリアを非難したが、大統領選挙直前で、対処するどころではない。国連安保理も相変わらずロシアと中国との一致がなく、なんの対処もとれていない状況である。

ただひたすら、シリア内戦が、シリアだけで収まることを願っているというところか。

ヨルダンでも大規模市民デモ(指導はムスリム同胞団) 2012.10.7

「アラブの春」-市民デモによる中東独裁指導者の転覆の波ーが始まってから、夜安心して寝られないのがヨルダンの国王である。ヨルダン王室は、こうしたデモがヨルダンでも発生しないよう、議会政治の改革を国民にアピールしてきたのだが、今にいたるまで大きな変化がみられず、国民の反発が高まっていた。

こうした流れを受けて、ヨルダンのアブダラ国王は、先週木曜に現在の国会の解散しての改革を宣言。しかし、その翌日の金曜5日、首都アンマンで数千人規模のデモが発生した。市民は、憲法を改正し、王室が単独でもつ権威を減らすよう訴えている。

今回、特に注目されたのが、このデモを指導したのが、ムスリム同胞団だったということである。ヨルダンの政治には昔からムスリム同胞団が大きな役割を果たしてきているのだが、これが同団体の台頭につながるかどうかが注目されている。

万国民の仮庵 2012.10.5

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昨日、国際クリスチャンエンバシーが毎年開催するカンファレンス「仮庵の祭」が最終日を迎え、恒例のエルサレム・パレードが行われた。

今年も世界90カ国からきた5000人の福音派クリスチャンたちが、それぞれの民族衣装と旗をもってパレードし、沿道に集まったイスラエルの人々に、満面の笑顔をもって愛と心からの支持を伝えた。

90カ国といえば、ほぼ全世界といってもいいのではないだろうか。それが今、それぞれの旗と民族衣装を持って行進しながら「We Love Israel!」と叫びながら、エルサレムに集まっている。その光景はあまりにも壮大で、イエス・キリストの現実を見る思いだった。

キリストの福音は確かに世界の隅々にまで伝えられている!それが今、この時代に聖書に従ってエルサレムに集まっている!

パレードには、アメリカやイギリスなどの大国にまじって、名前すら知らないアフリカの小さな国々からの使節団もいる。小さくても、カラフルな衣装とたいこ、ダンスは、どの国よりも人目をひいていた。イスラム国家であるマレーシアからの使節団もいる。国としては破算状態のスペインもいる。

しかしさすがは100万人のジーザス・マーチを行うブラジル。総勢800人の大行列である。次には中国。3グループに別れて行進していたが、赤い旗をひらめかせながら、あたり一帯を真っ赤にしていた。

元気な若者から中高年。車いすの高齢者もいる。「We love you!」「We are with you!」「We Pray for you!」と伝えながら、それぞれの小さな旗を沿道のイスラエル人たちに渡している。皆がほほえんでいる。皆が手をふっている。セキュリティの兵士の顔もほころんでいる。正統派ユダヤ教徒がいる。世俗の若者たちがいる。

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それにしても、文字通り世界の隅々からやってくるクリスチャンの姿はあまりにも壮大だった。写真撮影していると、付近にいた婦人が「マ・ゼ!!(これはいったい何なの!)というヘブライ語)」と感動をおさえきれない様子で友人に叫びながら、目の涙をぬぐっていた。

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ふと見ると、子どもを肩車している男性も目をぬぐっていた。それをみて思わずもらい泣きしてしまった。このパレードを何年も見てきたが、今年ほど感動したことはなかった。

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<エルサレムの空気>

8月から9月にかけて、イランとの戦争に皆緊張していたのだが、先日の国連総会でのネタニヤフ首相の演説(10月2日送信分参照)を受けて、戦争は遠のいたとの見方が広がっている。詳しくは近日解説予定。

エルサレムで”お箸リバイバル”!?(尖閣諸島・竹島問題を超えて) 2012.10.5

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上記の国際クリスチャン・エンバシーのカンファレンスは最大だが、この時期、エルサレムでは、同時進行で様々な福音派クリスチャンのカンファレンスが目白押しとなる。昨夜は、中国のクリスチャンが中心となって韓国、日本、イスラエルの牧師を招いてのカンファレンスを取材した。

その中で、トム・ヘス師が「チョップスティック・リバイバル(お箸リバイバル)」という、中国、韓国、日本の3国に与えられたビジョンをシェア。

それは銃の絵だという。銃の後ろのハンマー部分は韓国、銃身が中国、そして引き金が日本。韓国と中国が、完全に日本を赦し受け入れるとき、日本にリバイバルがおこり、引き金がひかれる。

このリバイバルの波が遠くエルサレムにまで届いてイスラエルのリバイバルに波及するという。ヘス師はこれを「お箸リバイバル」と呼ぶ。3国ともに箸を使う国だからである。

<尖閣諸島・竹島問題について>

イスラエルからはアリエル・ブルーメンソール師が、2015年は戦後70周年にあたると指摘。バビロンにいたイスラエル人が70年後にエルサレムに帰る日が近づいている悟ったダニエルの祈りからメッセージを語った。

ブルーメンソール師は、ヘス師の語ったビジョンに関連し、2015年まであと数年にせまった今、突然浮上してきた尖閣諸島、竹島問題だと指摘。サタンが今、3国が一致しリバイバルの波がイスラエルに届くのを妨害しようとしていると語った。同時に、主が今真に3国を一致させようとされているチャンスの時でもあるとも語った。

ブルーメンソール師は、「尖閣諸島、竹島問題は、本当に小さな島々だが、実に大きな問題を現している。それはこれまでの未解決の問題、プライド、怒りなど未解決問題の現れだ。」と語る。

その上で、大胆にも、会場いっぱいにいる中国人クリスチャンたちにむかって、「日本を赦す」というチャレンジを語った。「イスラエル」を思うたびに、近くにいる日本との和解を考えてほしいとも語った。

<日本を赦せるか>

一方、中国人のポール師もまた主から与えられたビジョンを語った。その一つが日本が突然中国を攻撃するというものである。記者自身は、日本は戦後すっかり草食系になったと感じているが、中国人にとって、日本はやはりまだ好戦的に見えるらしい。

ポール師は、それが国は国に対して立ち上がる聖書預言だと語り、それを防ぐことができると会衆にチャレンジ。その方法とはやはり「日本を赦す。」ということだった。

この中国人のカンファレンスでは、「日本を赦す」ということが大きなテーマだった。最後に日本人牧師代表として招かれていた福島県いわき市の森章師の足を、中国と韓国の牧師が洗った。その後それぞれの国の牧師が足を洗いあった。

<石のひとりごと>

これまでは、日本が中国や韓国に行って赦しをこうというパターンのカンファレンスが目立っていたが、今回のパターンはその逆で、日本人として複雑な思いだった。

私は、これまで中国や韓国の人々が、日本のしてきたことでどれほど苦しんでいるのか、考えようともしていなかった、本当のところ無関心だった、何もわかっていなかったと気づかされた。実際には日本が何をしてきたのかさえよく知っていないのだ。それは占領、慰安婦問題といった単語では現しきれないものである。

これらの国々は、日本を今も恐れている。不必要なまでに。子どもたちに「日本を警戒せよ。日本を赦すな。」と教えている。そうした教育はクリスチャンになっても心にしみついていて、兄弟姉妹たちでも主によらなければ日本を赦せないまでに苦しめている。

まずはこの問題に、関心を持つことが必要だ。日本人クリスチャンとして、彼らを愛し、彼らのために祈ること。国の経済的な補償や天皇の謝罪ではなく、祈りこそ日本がしなければならないことなのではないだろうか。そしてそれができるのは日本人でクリスチャンの私たちだけである。

<祭司の国イスラエル>

また今回、祭司としてのイスラエルの役割をも確信できた。イスラエルを愛するという一つの目的がなかったならば、今こうして中国、韓国、日本がここまでへりくだって一緒になることはなかっただろう。

もしこのカンファレンスが、いずれかの国で開催されていれば、どこか対等でなくなる。イスラエルであるからこそ、3者が神の前に対等に立って向かい合えるのである。やはり、イスラエルは祭司の国なのだ。

万国民の仮庵。主の偉大さと栄光を実感するとともに、終末の時が近づいているということを改めて教えられた。

イランで反アフマディネジャド市民デモ 2012.10.4

イランでは、ここ数ヶ月の間にチーズの価格が3倍になるなど物価上昇は尋常ではない。さらに今週、イラン通貨リアルの価値が半額近くにまで下落したことを受けて、首都テヘランで大規模な市民デモが発生した。

数千人の市民は、急激な物価上昇に抗議。イランの経済危機をもたらしたのはアフマディネジャド大統領だと叫んでいる。市民は政府がシリアのアサド政権を支援していることにも抗議している。

この前日、アフマディネジャド大統領は、リアルの下落について公式会見を実施。イランの経済危機を認め、その責任は経済制裁をしている世界だと非難した。イラン市民は責任は世界ではなく、アフマディネジャド大統領だと言っているのである。

デモに対し、イラン政府は暴動鎮圧隊を派遣し、催涙弾を使って鎮圧を試みている。これまでに150人が逮捕されている。

<2009年のデモと関係ありか>

イランでは2009年にアフマディネジャド大統領が再選されたときにも市民デモが起こったが、政府軍に暴力的に鎮圧された。

2009年のデモを主導したラフサンジャニ前大統領の息子ハシャミ・ラフサンジャニだった。今回のデモは、この人物が最近、逃亡先のロンドンからイランに帰国したことと関係があるのではないかとの分析もある。