イスラエル軍ガザ空爆でパレスチナ人3人死亡 2012.10.14

先週、イスラエル軍が、ガザで仮庵の祭り中のテロを計画していたとみられる国際ジハーディスト(聖戦主義者)1人を空爆で殺害したが、その後ガザ地区からイスラエル南部へのロケット攻撃と、それに対するイスラエル軍の報復が続いている。

金曜夜には、イスラエル南部の町ネティボットで安息日の食事をしていた民家の裏庭にグラッドミサイルが直撃。幸い、人的被害はなかったが、イスラエル軍は土曜、ガザへのの空爆を実施。ジハーディスト2名が死亡した。日曜朝にもガザへの攻撃が行われ、アルカイダ系とみられるテロリスト1人が死亡した。

シリアとトルコの関係悪化 2012.10.14

先週、トルコがシリア旅客機を強制着陸させた件。最終的に積荷の中には、ロシア製のレーダーが含まれていたことがわかった。

これについてはロシアも認めたが、「レーダーは武器ではないので旅客機に積み込んでも違法にはならない」と主張している。(ロシアは、昨年だけで10億ドル分の武器をシリア政府に売っている。)

トルコとシリアの国境では、シリアの軍用ヘリが飛来し、トルコの戦闘機が急発進するなど、今も緊張状態が続く。シリアは13日、トルコの航空機(民間機含む)がシリア上空を飛ぶことを拒否すると発表。両国の関係悪化が深まりつつある。

<トルコが安保理非難>

トルコは、現在ニューヨークで会議中の国連安保理が、ロシアと中国の反対でシリア内戦に何の介入もできないでいることを非難する声明を出した。なお、昨日、国連シリア問題特使のブラヒミ氏がトルコを訪問したが、大きな進展は期待されていない。

<アルカイダの存在が明らかに:シリア情勢>

シリア内戦が激化している。金曜の激しい戦闘で、反政府勢力が、アレッポ近郊のミサイル空軍基地を占拠した。

この戦闘において、アルカイダメンバーとして著名なジャファット・アル・ヌスラが戦闘に参加していたことが確認された。ミサイルなどハイテク武器がアルカイダの手にわたることが懸念されている。

シリアでは、金曜だけで260人が死亡。そのうち93人はシリア政府軍兵士。一日のシリア軍兵士死亡はこれまでで最大だという。

<たくましいシリア市民>

内戦となり、国外へ難民となったシリア人は30万人。ということはまだ国内に2200万人以上残っていることになる。激戦のアレッポにも市民はまだ生きている。彼らは戦闘の間にもブドウを売り、スリッパを売っている。物価はかなり上がったようだが、市民たちは、生きなければならないのだ。

一方、BBCがアレッポの病院を取材した。ERでは、ひっきりなしに運び込まれる負傷者の間を走り回る医師や看護師がいる。ERの床は血痕だらけ。処置台は2つしかない。ここではけがの治療よりもとにかく命を保つことに全力がそそがれるという。

頭部を大きく縫合されて泣き叫ぶ2才の子男の子。心肺蘇生を受けていた7才の女の子が死ぬとすぐに血まみれの男性が運び込まれる。さながら野戦病院だが、患者は兵士ではなく市民である。今日市場にいた市民が明日は病院で死亡することもおおいにあり得る。

エジプトのムルシ大統領に試練 2012.10.14

エジプトの最高検事を務めるマフムード氏は、ムバラク政権時代からの重鎮で、2010年のタクリル広場でのデモにおいて、市民への暴力に関わったと批判されている人物。

エジプトのムルシ大統領は、このマフムード氏を更迭し、バチカンの大使にしようとした(つまりは左遷)。しかし同氏は、この命令に反発して13日、最高検事オフィスに出勤。ムルシ大統領もマフムード氏の留任を認めざるを得なくなった。

この敗北は、新しく大統領の権力を確立しようとしていたムルシ大統領にとっては大きな痛手となる。

<カイロでまた大規模なデモ>

エジプトでは金曜、就任100日目を迎えるムルシ大統領に反発する若者たちの群衆が再びカイロのタクリル広場に集結し、ムルシ大統領の辞任を訴えた。この時、ムスリム同胞団(ムルシ大統領所属)と暴力的衝突に発展し、110人が負傷している。

スマホは偶像か 2012.10.14

ユダヤ教正統派の間では、スマホは偶像だとみなされているらしい。先のシムハット・トーラーにおいて、ラビがスマホを呪い、スマホをまっぷたつにして破壊するということが行われていた。

取材したYネットニュースの記者は、スマホを偶像としてみなして呪っているところが、すでに偶像礼拝だと指摘。さらに、正統派は、人々がスマホからくる誘惑に勝てないと宣言しているようなものだとの批判的なコメントを書いていた。

この記者の言うことはもっともではあるが、朝起きてすぐ聖書を読むのかスマホを開くのか、確かにバトルではある・・・と思われる方はあるだろうか。素直にそれを認めスマホを破壊するラビがほほえましくもある。

www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4291320,00.html(ビデオあり)

トルコがシリア旅客機を強制着陸 2012.10.12

10日、モスクワを出てシリアのダマスカスに向かっていたシリアの旅客機を、トルコの戦闘機が誘導し、アンカラの空港に強制着陸させた。シリア政府を支援するロシアからの武器が運ばれているという情報が入ったためである。

アンカラでは貨物の一部が運び出され、査察が行われた後、同機は数時間後にダマスカスに向かった。旅客は30人。パイロットらはトルコの兵士に暴行されたと訴えている。

<ロシアとトルコのコメント>

これについてロシアは「武器は搭載されていなかった。トルコの行為は海賊行為だ。」と非難。トルコのエルドアン首相は12日になってコメントを発表。「シリア機には武器が積まれていた。旅客機に武器を積み込むのは違法だ。」と語った。なお、武器の写真など詳しい情報はない。

トルコとシリアの国境では、先週から武力衝突が続いて緊張している。今回の措置は、トルコが大胆な行動を起こすことで、シリアに砲撃をやめるよう警告する目的があったとみられる。今後トルコとシリア、その背後にいるロシアの対立が懸念されている。

アメリカの特殊部隊がヨルダンに待機 2012.10.12

シリアの内戦で最も懸念されるのが、シリアが保有している生物化学兵器である。これらがシリア国内で使用されたり、ヒズボラやアルカイダなど国際テロ組織の手に渡ることは絶対に防がなければならない。

アメリカは、シリア内にある化学兵器を監視すると同時に、万が一の場合に備えて150人の特殊部隊をヨルダンに待機させていることを明らかにした。ヨルダン軍とも協力しているという。

撃墜のUAV(無人航空機)はイラン製:ヒズボラが声明 2012.10.12

先週、イスラエル南部で撃墜されたUAV(無人航空機・ドローン)について12日、ヒズボラのナスララ党首が、レバノンから離陸したことを認める声明を出した。ナスララ党首によるとドローンはイラン製で、レバノンで組み立てられたという。

ナスララ党首は、「ドローンは、イスラエルとアメリカのレーダーをくぐり抜け、イスラエルの”繊細な部分”(ディモナの原子力センターのこと)の情報収集に成功した。これはヒズボラの軍事力のほんの一部にすぎない」と豪語した。

イスラエルのネタニヤフ首相は、イスラエルの国境を脅かす者には厳しく対処すると語っている。

自信のネタニヤフ首相:総選挙は1月22日 2012.10.12

昨日、国会の解散・総選挙を発表したネタニヤフ首相。総選挙の日程は1月22日と決まった。現時点での支持率は、リクードのネタニヤフ首相がトップ。次に労働党、次に新党で元人気アナウンサーのラピード氏率いる「未来がある党」が3位となっている。

この他注目されているのは、政治家に返り咲きを目指す元オルメルト首相、カディマの党首で、前回ネタニヤフ首相と首相の座を争ったカディマのツィッピー・リブニ氏の動きが注目されている。

イスラエル経済は上昇予測 2012.10.12

東京で行われているIMF(国際通貨基金)と世界銀行の年次総会。世界経済の成長率は3.3%と下方修正され、悪化をたどっている見通しとなった。原因はユーロ圏の経済危機(成長率わずか0.4%)が大きく関与している。(ギリシャの若者の失業率52%を記録)

その中でイスラエルの経済は2.9%、来年は3.2%で上昇と予測。失業率は横ばいで7%である。日本の成長率は2.2%。来年は1.2%と厳しい見通しだ。中国は下方修正されたものの、7.8%ののびで来年は8.2%とダントツである。

前倒し国会解散・総選挙決定 2012.10.10

9日夜、ネタニヤフ首相が、国会の解散・総選挙を来年早々にも行うことを正式に発表した。来年10月の任期切れを待たずに行う前倒し選挙ということになる。イスラエル国内は現在、このニュースでもちきり。

ネタニヤフ首相は、解散の主な理由は、連立政権内で、新しい予算案に合意できなかったことだと述べた。

次に、総選挙のある年は、残念ながらどの党も国の利益よりも党の利益を優先せざるをえないことをあげ、不安定な中東情勢、イラン問題やヨーロッパの経済危機を前に、来年10月までゆっくりと選挙戦を行うことは国の益にならないとも述べた。

総選挙の日程はまだ明らかではないが、ネタニヤフ首相の発表によると、3ヶ月後の1月中旬から2月初頭になるみこみ。

ベン・グリオン空港付近で未確認飛行物体?2012.10.10

今朝現地時間5時ごろ、ベングリオン空港の管制塔で、あやしい飛行物体が確認されたため、一時、全旅客機の発着が停止された。空軍機がスクランブル発進し、安全を確認してから航空機の発着が再開された。

先日UAV(無人航空機)がイスラエルに飛来して撃ち落とされたため、緊張が続いているもよう。

フランスの反ユダヤ主義暴力再燃 2012.10.10

フランスでは3月にトゥルーズでのテロで、ユダヤ人4人が銃殺されたが、9月にも、パリ郊外のコシェル食品店(ユダヤ教の食物規定にあった食品を取り扱う専門店)に手榴弾が投げ込まれ、1人が負傷した。

さらに先週、パリ郊外で、走り去る車からユダヤ教シナゴーグに実弾が撃ち込まれた。幸い負傷者はなかった。現在、フランス警察は大規模な反ユダヤ勢力狩りを行っており、フランス中ですでに多数の逮捕者が出ている。

今週末、警察はパリ郊外のある駐車場への掃討作戦を実施。この時、犯行グループと警察の間で銃撃戦となり、一人が死亡、10人が逮捕された。

現場では、爆弾製造物資の他、多額の現金と武器も押収された。逮捕された者たちの中には遺書を書いていた者もいたという(自爆テロの可能性)。これまでに逮捕された者たちは、すべて最近イスラムに改宗したフランス人である。

警察は、フランス国内でかなり危険な勢力が動いているようだと懸念を語っている。