ロックダウンの秋の例祭への影響 2020.9.18

嘆きの壁 出展:KRM

今年は新年祭からロックダウンという超・異例の秋の例祭シーズンとなっている。この時期、嘆きの壁は、大群衆になる時期だが、パーソナルディスタンスをとるため、床に立ち位置を示すマークが付けられ、祈りのエリアはカプセル状に区切られている。

昨日は例年の通り、壁に差し込まれた願いの紙の清掃が行われた。以下は、例年とは違う秋の例祭の様子。

1)12日から始まっているスリホット(悔い改め月間)

スリホットとは、エルルの月から始まり、ヨム・キプール(大贖罪日)まで続く、悔い改め月間のことである。新年祭に続くヨムキプール(大贖罪日)は、人類に最後の神の裁きが下されることから、その日までに、自らの行動を振り返り、罪があれば悔い改めようとする期間のことである。

神の赦しを得るためには、まず、自分が傷つけた人の赦しをえなければならないことから、互いに罪を告白し赦し合い、神の前に出る備えをしようとするのがスリホットである。

宗派によっては、先月20日から始まったエルルの月の初めから、その他の宗派でも、新年祭が始まる前の日曜、今年は12日に、スリホット(赦し)が始まっている。コロナ禍で、多くが集まれない今年と、例年の様子。今年入れたのは、特別許可のあった人のみであった。

2)ごちそうも控えめ?

通常なら、新年祭には、家族が集まって特有の食事をして楽しむのだが、今年は、離れて暮らす家族がともに集まることが禁止されている。エルサレムの人が北部の家族のところに行った場合、3週間は帰ってこれないということだからである。

そのためか、例年なら買い物客でごった返すエルサレムのオープン市場、マハネイ・ヤフダもかなり空いていると報じられていた。

LIVE at the Mahane Yehuda Market

Join us LIVE at the Mahane Yehuda Market where we are asking Israelis about the signing of the #IsraelUAE #PeaceDeal and the upcoming #lockdown. As well as trying to find the 7 species listed in the Bible. Deuteronomy 8:8 The seven species listed are wheat, barley, grape, fig, pomegranates, olive (oil), and honey (date).#Jerusalem #RoshHashana #pomegranates #olives #IsraelUAE #Peacedeal #oliveoil

Jerusalem Datelineさんの投稿 2020年9月14日月曜日

3)ショーファー(角笛)は風に乗って

通常なら、新年には、シナゴーグでショーファー(角笛・ラッパ)が吹き鳴らされる。しかし、飛沫が飛ぶので、先にマスクを装着するべきとの記事もあった。

www.timesofisrael.com/put-a-face-mask-on-your-shofar-so-it-wont-blast-virus-to-worshipers-experts/

しかし、今年の新年祭で、シナゴーグに集まれるのはわずか10人までである。このため、今年は各地域、通りで空に向かってショーファーを吹き鳴らすという計画になっている。

www.timesofisrael.com/this-rosh-hashanah-the-shofars-are-blowing-in-the-wind/

<石のひとりごと>

今年の新年からの秋の例祭がどうなっていくのだろうか。オリーブ山通信でもお伝えしていきたいと思っている。

ユダヤ教では、こんな困難の中でも、ポジティブにとらえようとしている。信仰の中心が家族に立ち返ったこと。また超正統派ではないユダヤ教徒の場合、バーチャルで新年の礼拝に参加して、世界中のユダヤ人とつながることができたり、世界的ラビのセミナーにも参加できるという変化を喜んでいる人もいる。

筆者は、角笛(ラッパ)が、屋外の通りで吹き鳴らされるということに感動した。

今地球では様々な異常気象が起こっているが、この地球がいつまでも今のままで存在するということはない。聖書は、この地上のすべてが終わりを迎える日が来ると私たちに明確に示している。その前に神に会う準備はできているのかとの神の呼びかけがこの角笛(ラッパ)の日である。

それが、今年は、シナゴーグだけでなく、エルサレムの通りで吹き鳴らされるのである。もうすぐ神の裁きが来るよ、もう残っている罪はないのか、和解しておかなければならない人はいないのかとの神の呼びかけのようにも見えるのである。

新約聖書にも、ラッパの日が来ると書かれている。このラッパの日までに、イエスとその贖いを信じて、罪赦されている者は、この日、物理的にも天にあげられると約束されている。(第一テサロニケ4:16−17)

もし、それが実際に起こったら、それは本当に、この地球の終わり、また神の裁きの時が近づいているということになる。その日までに、多くの人がぜひ、真の悔い改めとイエスの十字架という犠牲とそこからの復活にある罪の赦しを受け取っておいてほしいと思う。

 

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。