コロナ危機は陰謀!?:ベルリンでネオナチ含む反政府デモ2万人以上 2020.8.3

ベルリンでのデモを報道するDW スクリーンキャプチャ

1日、ドイツの首都ベルリンでは、政府のコロナ対策に反対するデモ(ラリー)が行われた。2万人ともみられる参加者たちは、コロナ危機は政府の陰謀で、決して危険なものではないと主張。

「2月、3月に比べて、重症になる人は少ない。もはや、政府がいうような制限は必要ない。マスクもいらない。」と、政府のコロナ政策を非難した。また、政府に対して退陣するよう、要求した。

その叫び通り、マスクをしている人は少なく、ソーシャルディスタンスも守られていなかった。警察が、感染予防を叫んだが、人々は聞かなかったという。

ドイツでは、第一波は、死者9000人少しと、他のヨーロッパ諸国に比べて比較的良好に抑え込むことに成功した。世界の傾向と同様、今また感染が拡大する傾向にあり、8月1日の新規感染者は955人と5月9日以来最大となった。

しかし、重症になる人や死者も出ておらず、病院は今も空きが多いことから、市民たちが、政府の対策に疑問を持つようになっていると、DW(ドイチェ・ヴィレ)は伝えている。

しかし、同時に、ついこの間までは、第一波をうまく抑え込んだ政府に国民は感謝していたとも指摘。大部分は、平和的なデモではあるが、その背後には、妙な陰謀主義思想や、極右、極左、反ユダヤ主義、ネオナチの扇動があったと伝えている。

www.timesofisrael.com/neo-nazis-others-hold-massive-berlin-protest-against-virus-restrictions/

<極左と極右・ネオナチも参加:ユダヤ人たちが懸念>

このデモは、「自由の日」と名付けられていたが、この名前は、1935年、ナチスドイツ時代の記録映画に使われていた名前であった。デモは、極左と極右、ネオナチグループも含まれていたという。このため、反ユダヤ主義的な旗や、叫びも聞かれた。

反ユダヤ主義的な旗の中には、黄色のダビデの星とともに、「ワクチンしていない」と書かれていたり、表に「FCK ZION」、裏に「プロトコール(ユダヤ人の陰謀論)を読め」と書かれたTシャツを着てる者もいた。

こうした問題のあるグループを止めようとして、警察官45人が負傷し、100人が逮捕されたとのこと。ベルリンで反ユダヤ主義の監視を担当するユダヤ人コミュニティのシグモント・コエニグスバーグ氏は、反ユダヤ主義に「陰謀論」はつきものであったと懸念を表明している。

www.timesofisrael.com/jewish-community-protests-open-anti-semitism-at-berlin-coronavirus-protest/

<石のひとりごと>

最近、群衆心理というものは、いとも簡単にひっくりかえるということを学ばされたところであった。

聖書を読むと、使徒パウロがルステラに行った際、足の悪い人を奇跡的に癒すのを見た住民たちが、パウロを神扱いしようとした。パウロはこれを必死に思いとどまらせた。ところがそ直後にアンテオケとイコニオムから来たユダヤ人が来ると、その話を鵜呑みにして今度はパウロを石打にしようとするのである。(使徒14章)。

群衆心理というものは、特に社会が不安定になってくると、ちょっとしたことにいとも簡単に変わってしまうということを覚えて、それに振り回されないようにしなければならない。

それにしてもコロナ以降、世界はどこへむかっているのだろうか。世界各地でデモが発生している様子を見ると、いままさに時代が、終わりにむかって前に進もうとしていることを思わされる。聖書は次のように書いている。

マタイ24:3−14

イエスがオリーブ山ですわっておられると、弟子たちが、ひそかにみもとに来て言った。「お話しください。いつ、そのようなことが起こるのでしょう。あなたの来られる時や世の終わりには、どんな前兆があるのでしょう。」

そこで、イエスは彼らに答えて言われた。「人に惑わされないように気をつけなさい。 わたしの名を名のる者が大ぜい現われ、『私こそキリストだ。』と言って、多くの人を惑わすでしょう。 6 また、戦争のことや、戦争のうわさを聞くでしょうが、気をつけて、あわてないようにしなさい。これらは必ず起こることです。しかし、終わりが来たのではありません。

民族は民族に、国は国に敵対して立ち上がり、方々にききんと地震が起こります。 しかし、そのようなことはみな、産みの苦しみの初めなのです。

そのとき、人々は、あなたがたを苦しいめに会わせ、殺します。また、わたしの名のために、あなたがたはすべての国の人々に憎まれます。 また、そのときは、人々が大ぜいつまずき、互いに裏切り、憎み合います。

また、にせ預言者が多く起こって、多くの人々を惑わします。 不法がはびこるので、多くの人たちの愛は冷たくなります。しかし、最後まで耐え忍ぶ者は救われます。 この御国の福音は全世界に宣べ伝えられて、すべての国民にあかしされ、それから、終わりの日が来ます。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。