嘆きの壁の祭司の祈り:分断進むイスラエルで5万人が参加 2023.10.5

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ビルカット・コハニーム(祭司の祈り)

嘆きの壁では、仮庵の祭りの中日にあたる2日と4日午前中に、ビルカット・コハニーム(祭司の祈り)が行われた。とちらも5万人のユダヤ人が、嘆きの壁を埋め尽くした。

祭司の祈りとは、レビ族の一員とされる男性たちが、国を代表して神に祝福を祈るということである。

聖書には、彼らが、わたしの名でイスラエル人のために祈るなら、わたしは彼らを祝福しよう。(民数記6:27)と書かれている。彼らとは、祭司であるレビ族とその子孫たちのことである。その代表として、以下の聖書箇所をチーフラビが、祈りの最後にメロディに合わせて祈る。

主があなたを祝福し、あなたを守られますように。主が御顔をあなたに照らし、あなたを恵まれますように。主が御顔をあなたに向け、あなたに平安を与えられますように。(民数記6:24-26)

イスラエルに一致を呼びかけ

手前がラビ・ラビノビッチ Birkat Kohanim at the Western Wall in Jerusalem, Israel on October 2, 2023. (Canaan Lidor/Times of Israel)

今年は特に、テルアビブで、正統派と世俗派に分かれて、ユダヤ人同士が争うという中での祭司の祈りであった。

正統派グループが、世俗な町、テルアビブで仮庵の祭りのイベントを、正統派としては普通である、間にしきりを置いての男女別席で行おうとして、ユダヤ人同士がつかみ合いの喧嘩になっていた。

またスファラディのチーフラビのラビ・イツハク・ヨセフが、コシェル(食物規定にあった食品)以外の物を食べるとユダヤ人が愚かになるというメッセージを語ったことで、物議をかもしたところであった。

嘆きの壁管理者のラビ・ラビノビッチは、2人のチーフラビも共に立って、5万人に向かって、イスラエルのうちにある争いをあげ、「今日、私たちは、あなたに平安を与えられますようにと祈り、心に天の父なる神からの平和を受け取りました。神が、意味のない争いを取り去り、仮庵の隅々にまで平和を与えてくださるように。」と述べた。

www.timesofisrael.com/worshipers-hail-remedial-priestly-prayer-in-jerusalem-after-tel-aviv-confrontation/

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。