テルアビブにもロケット弾で1人死亡:ベングリオン空港も閉鎖 2021.5.12

テルアビブ:Wikipedia

テルアビブもターゲットに:女性(50)1人死亡

エスカレートしているガザ情勢。ついにテルアビブで死者が出た。

11日、ハマスは、空爆をやめなければテルアビブを攻撃すると警告していたがが、11日夜9時(日本時間3時)テルアビブへの攻撃を開始した。住民たちは、サイレンを聞いて、シェルターに駆け込んでいる。

テルアビブは人口43万人の大都市で、イスラエルのスタートアップなどの産業の中心。エルサレムと違って、宗教的な聖地ではなく、市民の90%以上はユダヤ人なので、攻撃に手加減はないと懸念される。

この攻撃で、テルアビブ南部リション・レチオンの女性(50)が死亡。ホロンでは、バスに直撃してバスが炎上している。これにより、5歳少女含む3人が負傷した。こうした事態を受けて、ベングリオン空港は一時的に閉鎖となった。

Ynetによると、ガザでは、テルアビブで立ち登る煙が見えると、「アラーアクバル(神は偉大だ)」との声が広がったとのこと。東エルサレムのダマスカス門でも、拍手して喜ぶパレスチナ人がいた。

www.ynetnews.com/article/H100WHVOdO#autoplay

ハマスがテルアビブへの攻撃を開始する前、イスラエルは、アシュケロンなどで続いているロケット攻撃を止めるため、ガザのハマスなどの武装拠点への攻撃を行なっている。SNSでは、ガザの13階建てビルが一気に倒壊する様子もアップされた。

これについて、ネタニヤフ首相は、イスラエルの攻撃であることを否定せず、このビルがハマスの司令センターであったとの認識を述べている。しかし、これだけの建物なので、市民が全くいなかったと言えるかどうかは不明。

ネタニヤフ首相とガンツ国防相が記者会見(GPO資料より)

防衛会議: ネタニヤフ首相とガンツ国防相がいる
出典:GPO

11日夜、ネタニヤフ首相はガンツ国防相(2014年のガザとの戦いでは国防軍総司令官)は記者会見を開いた。ネタニヤフ首相は、今、イスラエルは、「壁の護衛作戦」の只中にあり、この2日の間に、ガザのハマス、イスラム聖戦拠点への攻撃を実施した。これまでに指導者十数人が死亡したと報告した。

ガザのビル倒壊については、ハマスの司令センターであったと述べ、ハマスは、自分のやったこと事に対する結果だとし、「彼らの血は彼ら自身の手にある」と述べ、今後も厳しい対応を続けると語った。

また、犠牲になった全ての人への追悼とともに、負傷した人々のために祈ると表明した。そして、イスラエル軍、治安部隊を背後で支持しようと呼びかけ、国内治安部隊の指示に従い、適切にシェルターに入るなどの行動を呼びかけた

“We are in the midst of a major campaign – Operation Guardian of the Walls. Yesterday and today, the IDF attacked hundreds of Hamas and Islamic Jihad terrorist targets in the Gaza Strip. We have eliminated dozens of terrorists, including senior commanders. We have bombed Hamas command centers and toppled buildings that serve the terrorist organizations. We will continue to attack with all force.

We have just finished a consultation and assessment of the situation with the heads of the security establishment and we made decisions. Hamas and Islamic Jihad have paid and – I tell you here – will pay a very heavy price for their aggression. I say here this evening – their blood is on their heads.

Citizens of Israel, we stand united against a reprehensible enemy. We all grieve for those who have been killed. We all pray for the wellbeing of the wounded. We all stand behind the IDF and the security forces.

I ask everyone, without exception, to strictly follow the directives of IDF Home Front Command and enter protected spaces, this saves lives. I tell you something else this evening. This campaign will take time. With determination, unity and strength, we will restore security to the citizens of Israel.”

 

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。