ガザからロケット弾200発(エルサレムにも7発):イスラエルの反撃でガザ20人死亡 2021.5.11

スクリーンショット

エルサレムの神殿の丘での紛争、ガザからのロケット弾攻撃が続いている中、ハマスは、イスラエルが神殿の丘から完全に撤退することを要求し、10日午後6時までに撤退しないなら、攻撃再開すると言っていた。

その予告通り、10日午後6時過ぎ、ロケット弾は、主にアシュケロンやスデロットなどに降ってきた。11日午後6時までの12時間の間にガザから、200発以上(メディアによっては250発)のロケット弾が撃ち込まれている。*日本はイスラエルより6時間早いので早朝は日本の午後になる。

ロケット弾が撃ち込まれたのは、イスラエル南部地域にとどまらず、エルサレムでも夜サイレンが鳴り響き、1発はアイアンドーム迎撃ミサイルが撃墜。6発が郊外などに着弾した。この時、国会では一時議論が行われていたが、一時中断され、議員たちは安全な部屋へ移動を余儀なくされた。

エルサレムが攻撃対象になるのは、2014年のガザとの紛争以来で、住民たちは、久しぶりに防護室などで夜を過ごしている。ガザに近い大都市テルアビブでも、シェルターを解放し、いつでも駆け込めるように準備したとのこと。

www.timesofisrael.com/gaza-rocket-fire-forces-temporary-clearing-of-knesset-plenum-and-western-wall/

被害を受けたアシュケロンの建物
出典:KRM

 

窓が破壊された家 出典:KRM

これまでのところ、アシュケロンや、スデロットで、建物や道路の一部が破損。エルサレムポストによると、イスラエル人の子供5人を含む26人が負傷したと伝えている。

2軒がロケット弾の被害を受け、2つの家族から4人の負傷者が出ているという。17人は軽傷、1人が中等度、1人が重症とのこと。
ショックに陥った人は7人。ガザから40キロ以内の学校は、11日休校となった。

 

www.jpost.com/israel-news/four-people-injured-after-rocket-strikes-house-in-ashkelon-667825

また、ガザからスデロット南部では、戦車砲が撃ち込まれ、イスラエル人の車を直撃。車は大破し、炎に包まれたが、そこにいたイスラエル人は、奇跡的に軽症で済んだとのことである。(この場所からはガザがはっきり見えるので取材には最善の場所)以下はハマスの投稿

イスラエル軍は、ガザ周辺の道路を封鎖。病院には、負傷者に備えるよう支持を出し、国境に戦車隊派遣して駐留部隊を強化した。「壁の守り作戦」と名付けて、大きな戦争に備える様相を見せている。しかし、今のところ陸軍が動くということはなく、空軍によるハマス拠点への攻撃が行われている。

www.timesofisrael.com/idf-sends-reinforcements-to-gaza-border-as-hamas-issues-ultimatum-on-jerusalem/

イスラエル空軍は、ハマス指導者自宅、ハマス諜報機関拠点、イスラエルに続く攻撃用トンネル2箇所、倉庫などハマスの拠点130箇所以上に激しい空爆を行った。パレスチナ保健省によると、子供3人を含む20人が死亡している。

イスラエルが攻撃しているのは武装施設であり、極力市民に被害が出ないようにしているため、子供が犠牲になったという事実については、調査すると言っている。しかし、ガザからは激しい破壊の傷跡の写真がアップされている。

イスラエルは、今後も、ハマスが攻撃してくるようなら、厳しい反撃を行うと言っているが、ハマスは、「イスラエルが攻撃してくるならアシュケロンは地獄になる。」と言い返している。南部国境は極めて高い緊張が続いている。

www.timesofisrael.com/6-israelis-wounded-as-hamas-launches-massive-rocket-barrage-on-ashkelon/

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。