ガザ以外での衝突とテロ:パレスチナ人少年計2人死亡・イスラエル人警察官1人死亡 2024.3.16

. (Menahem Kahana / AFP; Courtesy)

アップが追いつかなかったが、ラマダンが始まって以来、西岸地区では、パレスチナ人少年(13)がイスラエル治安部隊に射殺される事件、同じく15歳少年によるテロ事件、一方で、西岸地区検問所では、パレスチナ人のナイフによるテロで、イスラエル人警察官(51)が死亡するなど、深刻な衝突が発生していた。

東エルサレムの暴動の中でパレスチナ人少年(13):イスラエル治安部隊が射殺

11日、ラマダン2日目の夜、東エルサレムのシュアハット難民キャンプ(とはいえキャンプではなく普通より貧しい感じの地域)で暴動が発生。暴徒らが治安部隊に火炎瓶を投げるなどしていた。

そうした中、少年たちが、ラマダンの花火を高く掲げたため、治安部隊が反応。ラミ・ハムダン・アル・ハルーリ(13)が負傷して、病院に搬送されたが、まもなく死亡した。

アルジャジーラは、少年たちはラマダンの習慣である爆竹を楽しんでいただけだとし、「子供を狙って殺すのは1948年以来、イスラエルの常套手段だ。」と非難した。

イスラエルが子供を狙い撃ちするというのは、全く事実ではない。イスラエル人ほど子供好きの人々はないと言ってもよいほどだからである。逆に、少年を撃った兵士の心の傷を思わされる。

またこんな危ないところで、花火をさせた保護者の責任はどうなのか。子供たちは、どうもイスラエル軍がいることを知っていて、あえて、花火をしたようにすら見えなくもない。撃たれたときには笑い声も聞こえる。

警察を管轄するベン・グヴィル国家治安相は、困難な状況の中で、治安維持につとめようとする警察を支持する意向を表明している。

www.timesofisrael.com/palestinian-boy-13-shot-dead-by-police-in-jerusalem-after-firing-fireworks-at-them/

エルサレム郊外検問所でパレスチナ人少年(15)がナイフテロ:イスラエル人2人が負傷

13日、エルサレムの近い、“トンネル”と呼ばれる検問所でも、パレスチナ人少年2人が、検問所で、イスラエル人治安関係者2人にナイフで襲い掛かって、逆に射殺される事件が発生していた。

テロリストは、西岸地区出身のムハンマド・アブ・ハメド(15)で、自転車で検問所に近づいてきたので、治安部隊が近づいてきたところで、ナイフを出して、周囲にいた人々に襲いかかった。

検問所には、民間警察もいて、その人々が、ムハンマドをなんとか取り押さえようとしたが、IDF兵士が、これを射殺した。イスラエル人の男女(25歳と19歳)の治安関係者が負傷し、病院に搬送されたが、軽症であった。

www.timesofisrael.com/two-lightly-injured-in-stabbing-at-west-bank-checkpoint-assailant-shot/

イスラエル南部ガソリンスタンドでナイフテロ・ベテラン警察官(51)死亡

同じく14日、イスラエル南部、ベエルシェバに近い、カマ交差点のガソリンスタンドにある、アロマ・コーヒーの店内で、警備にあたっていたベテラン警察官のウリ・モヤルさん(51)がナイフに刺される事件が発生した。

ウリさんは、テロリストと取っ組み合いになり、床に倒れ、別の男性がテロリストのてからナイフを奪おうとしたが失敗。モヤルさんは、テロリストを銃殺したあと、店の外で倒れた。すぐに病院に搬送されたが、まもなく死亡した。死ぬ前に自分を殺したテロリストを殺害したということである。

テロリストは、イスラエル国内のベドウインの町ラハットに住むファディ・アブ・アルタヤフ(22)で、母親は、ラハット出身だが、父親はガザ出身だった。

アルタヤフは、ガザで生まれ育っていたが、2019年に、イスラエルの市民権を持つ女性を結婚したことで、イスラエルに住むようになっていた。

石のひとりごと

エルサレムでは、ラマダン期間中、アルアクサモスクに入れるのは、男性は10歳以下と55歳上としている。10歳以上はもはや危険な存在であるということである。

51歳の警察官モヤルさんは、さすがにベテランであり、死をもって、被害が拡大することを予防した。まさに栄誉ある殉職である。しかし、家族や同僚、友人たちの悲しみを思うと、その痛みと空虚感は想像に耐えない。

恐ろしいことに、こうした事件は、イスラエルでは、もはや異常ではなくなっており、上記3件の記事は、もはやさがさないとみつからない。社会でも関係者以外はもう忘れているぐらかもしれない。いちいち立ち止まれないのである。

先日、FBで、アルバート・ギョルジの彫刻が挙げられていて、心に留まった。この像は、子を亡くした親の像だという。心も内臓もえぐられて、一生その穴を抱えて生きていく人々である。

イスラエルでもガザでも、西岸地区でも、そしてウクライナ、ロシアでも、本当に多くの人々が死んでいる。この像のような家族たちがどんどん増えている。

社会はその一人一人どころか、その事件さえも、もはや覚えていないのだが、こういう思いをしている人々は、確実に増えているということである。

戦争は、早くやめないといけない。。が、戦争はいつの時代も始まってしまう、一旦始まったらもはややめられない。これが人間社会の現状である。

ところで、憲法9条がある日本が、なんと戦闘機の第三国への輸出を容認するという。日本も例外ではない。。

なお、日本からの戦闘機輸出可能とされる国は、次の15カ国。▼アメリカ、▼イギリス、▼フランス、▼ドイツ、▼イタリア、▼スウェーデン、▼オーストラリア、▼インド、▼シンガポール、▼フィリピン、▼インドネシア、▼マレーシア、▼ベトナム、▼タイ、▼UAE=アラブ首長国連邦。

www3.nhk.or.jp/news/html/20240315/k10014391661000.html

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。