西岸地区ジェニンで60時間の激戦:西岸地区パレスチナ人のハマス支持率3倍に 2023.12.15

Fire and smoke rises during an Israeli army operation in Jenin, West Bank, Wednesday, December 13, 2023. (AP Photo/Majdi Mohammed)

IDFジェニンで大規模テロリスト・武器摘発

戦闘はガザだけでなく、西岸地でも継続してテロリストや武器の摘発が続いている。12日、イスラエルは、西岸地区最大のパレスチナ人の町の一つであるジェニンで、60時間に及ぶ捜査を行った。

30時間で、IDFは、400の建物を捜査し、地下トンネルや見張りなど戦闘に関係する部屋や研究室、30箇所以上の武器弾薬保管場所を摘発した。同時に、数百人の指名手配テロ容疑者を拘束している。

www.jpost.com/israel-hamas-war/article-778068

当然、戦闘になったが、イスラエル軍はドローンも使ってパレスチナ戦闘員を殺害。パレスチナ人の中に11人の死者が出たとパレスチナ側は主張している。

10月7日のハマスとの戦闘が始まってから、イスラエルは西岸地区で指名手配になっていたパレスチナ人2000人以上を逮捕した。このうち1100人以上がハマスだという。西岸地区での戦闘で死亡したパレスチナ人は、280人に上っている。

こうした状況の中で、最友好国であるアメリカですら、深刻な問題と見ているのが、過激入植者ユダヤ人の動きである。セトラーと呼ばれるこの過激なユダヤ人の若者たちは、西岸地区はユダヤ人のものだと主張しており、パレスチナ人の村になだれ込んで火をつけるなど恐怖を与えて、パレスチナ人を西岸地区から追放しようとしている。

今のネタニヤフ政権は、この人々を擁護する極右政党が含まれており、入植者たちを、十分に取り締まっていないと言われている。

これについては、基本的にはイスラエルを支持してきたヨーロッパや、アメリカも、問題視しており、最近、滞在ビザを出さないなとの方針を相次いで打ち出しているところである。

www.timesofisrael.com/idf-continues-30-hour-jenin-operation-7-palestinians-said-killed-in-fighting/

また。ジェニンでの戦闘で攻略したモスクから、イスラエル兵が、イスラムの祈りを地域に流すマイクから、ヘブライ語のユダヤ教の祈りを流して問題となった。これは、他宗教に敬意を払うというイスラエル軍の方針に完全に逆走する。

ハガリ報道官は、この行為を非難。関わった兵士たちは懲戒を受けると発表した。

西岸地区でハマス支持3倍に

こうした中、ハマスは、イスラエルとの交渉で、大勢のパレスチナ人を西岸地区へ釈放させた。ハマスのおかげと考える人がいても不思議はないだろう。

パレスチナ人(西岸地区・ガザ地区)で行われた世論調査(11月22日から12月2日にかけて1231人対象)によると、西岸地区の回答者の82%が、ハマスのイスラエルへの奇襲(10月7日)は正しかったと答えていた。

ただし、回答者のほとんどは、ハマスがイスラエル人に行った残虐な行為のビデオは見ていないと考えられる中での回答である。

また、西岸地区では、特にパレスチナ自治政府への不信任が上昇しており、92%がアッバス議長の辞任を求めると答える中、ハマスへの支持は、9月の時点では、12%しかなかったものが、44%と3倍近くになっていた。

この世論調査がとこまで現実を反映しているかは不明だが、ハマスが支持率は意外に下がっていないのかもしれない。

一方で、西岸地区では、ファタハ(自治政府)にもハマスにも所属しない、若者たちのグループが出ていることが問題となっている。若者たちは、純粋な思いで、同じパレスチナ人として、ガザの人々と共に立つと言って、イスラエル軍と戦っているので、ガザとはまた違った問題に発展するかもしれない。

西岸地区・東エルサレムでパレスチナ人がストライキ

東エルサレム、旧市街内部、西岸地区では、11日、ガザと共に立つと訴えるストが行われた。こちらのデモは、戦争以来、観光客が来なくなり、ビジネスが厳しくなっているとして、早く戦争を終わらせるよう、国際社会に訴えるものであった。

www.timesofisrael.com/palestinians-in-west-bank-and-east-jerusalem-go-on-strike-over-war-in-gaza/

石のひとりごと

イスラエルをとりまく状況は、ますます混沌とし、複雑にからみあって、まさに、人類には解決不可能な事態になりつつある。この混乱を鎮めることができるのは、まさに主お一人ではないかと思う。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。