ローシュ・ハシャナ2023(ユダヤ暦5784年):ラッパとともに到来するメシアを待つ 2023.9.16

CBN Jerusalem Dateline

今年もやってきたユダヤ教の新年

イスラエルと世界のユダヤ人は、15日、ローシュ・ハシャナ(新年)を迎えた。翌16日朝にラッパ(角笛)を吹いて、神の前に出る。ユダヤ暦では、5784年の始まりである。

新年の前夜にあたる14日夜に行われた、嘆きの壁でのスリホット(前年の罪を言い表す祈り)には5万人が来ていた。

その翌日の15日日没から、イスラエルはじめ、世界各地で新年を祝う行事が行われた。東京と神戸のシナゴーグでも、伝統にそった夕食会が行われた。

神戸シナゴーグの新年のテーブル

聖書とは特に直接の関連はないが、はちみつとりんご、豆、デーツ、かぼちゃ、ビートルート、ざくろを食べながら、繁栄、増加、敵からの守り、敵の撃退などを共に神に祈ってから安息日の食事をする。魚(鯛ではない)の頭がテーブルにおかれ、世の中で、尾ではなく、頭となれるようにと、日本でもいいそうなことも言われていた。

神戸では、安息日で働くことのできないユダヤ人たちのために、今年も関西圏、広島からクリスチャンたちがかけつけ、配善の奉仕をして、ユダヤ教と、クリスチャンたちが出会う時となった。

終わりの時のしるしはユダヤ教もキリスト教も同じ!?

この後、今年は、新年と安息日が重なったため、ラッパを吹き鳴らすのは、安息日が明けた17日午前中になるとのこと。なお、このラッパについては、新約聖書により、将来、いつになるかはわからないが、この日に、イエスの携挙(信者が携え上げられる日)が起こると考えるクリスチャンたちは少なくない。

主は、号令と、御使いのかしらの声と、神のラッパの響きのうちに、ご自身天から下って来られます。

それからキリストにある死者が、まず初めによみがえり、次に、生き残っている私たちがたちまち彼らと一緒に引き上げられ、空中で主と会うのです。

このようにして、私たちはいつまでも主とともにいることになります。

(第一テサロニケ4:16-17)

この終わりの時の主の到来については、ユダヤ教の基である旧約聖書(新約聖書より前)にすでに書かれていることである。キリスト教より先に、ユダヤ教は、終わりの時に、救い主がやってくることを信じてきたということである。

クリスチャンは、イエスの到来という新約聖書の視点で、その古くから信じられてきた救い主が、イエスであると信じているということなのである。

*以下は、神殿で新年に祭司たちが吹いていたラッパの様子。

先日、神戸のラビと話す中で、ユダヤ教では、今は、エルサレムに神殿がない、患難時代にあるので、メシアが来ることを待っているという話になった。

驚いたことに、ラビは、日に3度祈る中、毎回、過去にすでに死んだ人々が復活することを祈っているという。それがメシアの到来の時におこることだからである。

新年に吹くラッパ(角笛)の響き。いつか、メシアがやってくる。それがイエスなのか否か。筆者自身は、イエスであることを信じている。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。