明日公聴会・どうする最高裁!?:9日テルアビブ反司法制度デモは10万人:10日レビン法相自宅前で200人 2023.9.11

最高裁・背後に国会 wikimedia

12日:最高裁は合理性法(基本法)を却下するのかしないのか

“イスラエルの裁きの日” 左派系メディア、ハアレツ紙が、9月12日に予定されている、最高裁での合意性法に関する公聴会の日をこのように表現している。

最高裁は、政府が基本法として成立させた合理性法を却下するのか、しないのか。いよいよ明日にその審議の日がせまったわけだが、これまでに、右派左派両者の間に、妥協案は成立していない。

直前に両陣営がデモ

7日に、この法律の維持に再生する右派で親政府、親司法改革の人々が、最高裁前でデモを行ったがその人数は1万人。

9日には、それに反対する、安息日明け恒例の反政府、反司法改革のデモが、テルアビブを中心に行われたが、その数は10万人であった。

また今日11日、最高裁公聴会前前日、司法制度改革を言い始めたレビン法相の自宅前(モディーン)で200人がデモを行った。警察が警備する中、公衆妨害として6人が逮捕されている。(現在進行のニュース)

国民の大部分は、こうしたデモには参加せずに、行方を見守っているのだが、それでも道路に封鎖などで迷惑も実感しているといったところである。

チャンネル12が調査したところによると、国民の29%は、政府は最高裁の意思に従う必要はない(司法より行政が上)と答え、49%は、従うべきである(従来通りの司法の行政監視を認める)と答えた。22%はわからないと答えていた。

問題は、多くの予備役兵、また新規徴兵の中にも、今の政府の徴兵には応じないと表明する者が数百人規模でいるという点である。

ギャラント防衛相は、どちらについているのか、どうもはっきりしない様相を見せているが、この時点で、国の防衛が危ないとして、政府は最高裁の意思に従うべきとの意思表示をしている。

www.timesofisrael.com/gallant-2-more-ministers-say-government-must-respect-high-court-rulings/

12日、最高裁が、どんな結果が出すかだが、裁判所が出す結果に政府は従うのか。従わないのか。国会議長とネタニヤフ首相は従わないとの意思表示をしているのだが、では、政府が司法に従わない場合は、どうなるのか。イスラエル史上初の事態である。

www.timesofisrael.com/3-in-10-israelis-say-government-not-required-to-honor-high-court-rulings-poll/

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。