停戦を模索するバイデン政権:エジプトと2日後の停戦を協議か? 2021.5.18

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バイデン大統領とネタニヤフ首相:ガザとの戦闘から3回目電話会談

17日、バイデン大統領は、ネタニヤフ首相と会話する中で、「停戦を支持する」との意向を伝えた。ガザとの紛争が始まってから3回目の電話会談である。

ホワイトハウスによると、バイデン大統領はイスラエルの自衛権を支持していることを改めて強調するとともに、できるだけ市民は保護するよう、ネタニヤフ首相に伝えた。両首脳は、ガザ内部でハマスやその他の組織幹部を攻撃するイスラエル軍の作戦向上についても話し合ったとのこと。

またバイデン大統領は、アメリカがエジプトなどと、停戦にむけた交渉を行っていると伝えた。チャンネル12が伝えたところによると、エジプトは、ハマスと連絡を取り、もし停戦を望むなら、イスラエルへの攻撃を止めなければならないと伝えたとのこと。

この他、イスラエル軍が南部国境周辺住民たちに、少なくともあと2日は攻撃が続くはずとの指示を出していることから、2日後あたりに停戦というのが目標になっているのかもしれない。

この表明は、アメリカが安保理のように、直ちにイスラエルが譲歩する形での停戦を要求したものではなく、イスラエルにとってはありがたい動きであったようである。

イスラエルの自衛権を認めて外交的停戦を模索

アメリカは、早期からイスラエルの自衛権を支持すると表明していた。また、国連安保理で、イスラエルとハマスを同格においての停戦支持表明に、3回とも反対を表明し、これを阻止したのであった。

イスラエルは、独立した民主国家なので、その都市を攻撃してくるテロ組織ハマスと、同格においての“停戦”を安保理が支持するというのはおかしいのである。たとえば、ハマスが東京を攻撃して自衛隊が反撃したとする。その場合、日本政府がテロ組織ハマスと“停戦”ではなく、本来なら、ハマスが攻撃をやめなければならないというだけのことである。

今すすめられている“停戦”は、国連安保理後者の形であり、アメリカが安保理の動きを止めて、この形をすすめていることをイスラエルは歓迎している。
実際のところ、1週間たってアメリカが動いたので、イスラエルはガザでハマス幹部らをかなり攻撃できたとも言えるわけである。

今もアメリカは、「停戦を求める」と言いながら、今すぐの動きにはでていないことから、イスラエルはいましばし、ガザでの攻撃をつづけることもできる。ガンツ国防相とアシュケナジ外相は、アメリカのオースティン国防相、ブリンケン国務長官に感謝を伝えている。

こうした中、トルコのエルドアン大統領が、「アメリカはその手に血をつけた」と反発した。これにより、アメリカの動きが、イスラエルにとっては助かる助けであったということを示しているともいえるだろう。

www.timesofisrael.com/biden-netanyahu-to-hold-phone-call-about-state-of-gaza-conflict/

なお、安保理で合意にいたらなかったことから、国連は、国連総会にこの件の論議を以降するとのこと。総会決議はいくら厳しくても、安保理のように、何かを実際に行使するということはない。

イスラエルへ7億3500万ドル分のミサイル販売を承認

ワシントンポストの情報として、Times of Israel が伝えたとことろによると、バイデン政権は、ガザとの戦闘が始まる1週間前の5月5日、イスラエルに7億3500万ドル(約800億円)の精密な誘導ミサイルを販売することを承認していた。

しかし、その後、ガザとの戦闘になったことから、今、停戦成立の前にこれらの、ミサイルがイスラエルに搬送されるとなると、戦闘が長引く可能性があるとして、民主党議員らがこれを阻止、または遅らせようとしているとのことである。特に上院議員のバーニー・サンダース氏らがこれに反対している。

しかし、下院では、議員の4分の3以上の議員は、この約束に条件をつけることに反発しているとのこと。カマラ・ハリス副大統領は、大統領選挙前に、バイデン政権に、アメリカからイスラエルへの支援には条件をつけないよう要請していたとのことである。したがって、これらの武器が、イスラエルに届く予定ということになる。

今のところだが、アメリカはやはり、イスラエルの友という形が続いているかのようである。

石のひとりごと

イスラエルでは、予想に反して、ネタニヤフ首相が、今のイスラエルを導く首相としてポジションに残留している。バイデン大統領は、オバマ大統領の再来であり、トランプ大統領ほど、イスラエルを助けないだろうと見られていたが、結果的に、上記のような流れになっている。

無論、まだ断定することはできないが、イスラエルの背後にはやはり、主がついておられるのではないかと思わされている。やはり、イスラエルは、決して”あなどってはならない”国だと思う。

とはいえ、ロケット弾の攻撃は続いているし、国内での紛争も続いている他、施設の管理不足からくる将棋倒しやシナゴーグでの事故が発生している。けっして甘えた状況ではない。主がついておられる国は、その分、厳しい扱いも受けるということのようでもある。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。