デルタ変異株AY4.2確認も11月1日よりワクチン済み旅行者受け入れ開始へ 2021.10.22

イスラエルの感染状況とAY4.2検出について

イスラエルでは、感染の収縮が続いている。20日における1日の感染者数は、1021人で、陽性率は1.05。重症者は331人(1ヶ月前は750人)、死者は3人で、これまでの死者総数は8030人。

graphics.reuters.com/world-coronavirus-tracker-and-maps/ja/countries-and-territories/israel/

ベングリオン空港での陽性者検出も、毎日20人程度で、入国者の0.1%にとどまっている。こうした中、19日、ベングリオン空港でモルドバから帰国した11才の少年から、デルタ株の変異種AY4.2が検出された。以後、2日の間に、国内で5人の感染が確認されている。

AY4.2は、現在、イギリスと東ヨーロッパで検出されており、感染力は前のデルタ株の10%強いとみられている。ベネット首相は、ベングリオン空港での検査で、遺伝子レベルまでの検査を強化するよう指示した。

イギリスでは、感染予防対策が完全撤廃してから、再び感染が右肩上がりになっている。1日の感染者は5万人近くで死者も200人近い。しかし、イギリスのジョンソン首相は、ワクチンの効果が期待できるとして、新たな規制緩和には踏み込まない考えである。AY4.2についても、今の感染拡大の要因かどうかは、不明との認識を表明している。

また、イスラエルは21日、3回目のブースター接種の効果を表しうるとする最初のデータを発表。それによると、3回ワクチンを接種後、デルタ株の感染・発症を防御する率は95・6%であった。ファイザーCEOのボーラ氏は、ワクチン3回接種の明らかな防御効果だとの認識を表明している。

3回目接種について、イスラエルは、アメリカのFDAの判断を待たずに開始した。FDAは、9月に、65歳以上の高齢者やハイリスクの患者にに3回目ブースター接種を推奨するとしている。(イスラエルでは12歳以上全員)

www.timesofisrael.com/3rd-dose-of-pfizer-vaccine-95-6-effective-against-delta-phase-3-results-show/

イスラエルは予定通り11月1日からワクチン済み外国人観光客受け入れ開始へ

AY4.2検出を受け、21日、ベネット首相は、専門家たちとの会議を行った。結果、予定通り11月1日から、感染拡大が認められる赤信号国以外の40あまりの国については、条件をクリアすれば、外国人でも入国を認めると発表した。1日に2000人受け入れを予定するとのこと。

入国の条件は、①ファイザーワクチン2回接種後7日以上半年まで、②ファイザー3回目接種7日以降、②モデルナワクチン、ジョンソン&ジョンソンワクチン接種後14日以降半年まで、③モデルナ、ジョンソン&ジョンソン、アストラゼネカ、シノバック3回目接種7日以降 *ロシア製ワクチンのスプートニクだけはまだ保留。

④感染して回復したという証明書を持ち、NAAT検査後11日を経過した者で半年まで、⑤感染して回復し、WHO推奨のワクチンを受けた者

入国を希望する旅行者は、すべて出発国において到着72時間以内にPCR検査を受け、ベングリオン空港到着後に再びPCR検査を受ける。入国後は、検査結果が出るまでか、24時間までは隔離する。ワクチン接種していない者は、2週間の隔離。1日目と7日目にPCR陰性であれば、隔離は7日に短縮可能。

さらに入国後は、2週間の間、毎日抗原検査を行うか、PCR検査を2日おきに行う。ワクチン接種を終えた人だけからなるグループがカプセル状態で旅行する場合は、これは免除。

www.timesofisrael.com/israel-to-allow-vaccinated-or-recovered-tourists-to-enter-starting-november-1/

日本からイスラエルへの入国について

日本からイスラエルへの入国については、まだ明確な情報はないが、今のところ、イスラエルが接種証明を認める国の中に、日本は入っていない。また日本では、PCR検査が異様に高額である。たとえば関西空港で22日から始まったPCR検査(3時間で結果が出る)の値段は、3万8500円。高い・・・

www.kansai-airport.or.jp/service/other/11.html

また日本への帰国時の手続きもかなり煩雑なので、聖地旅行はもう少し先というところか・・・

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。