笑ったのはイラン?-世界6カ国とイランの核交渉 2013.2.28

26日から2日間にわたってカザフスタンで行われたイランと世界6カ国(アメリカ、ロシア、イギリス、フランス、中国、ドイツ)の核交渉が、27日、終了した。

6カ国がこれまでイランに要求してきたのは、①ウラン20%濃縮の停止 ②既存する20%のウランを海外へ出す ③20%の濃縮を行っているファルドーの核施設を閉鎖する、の3点。

これらを実施すれば、イランがウランの濃縮を完全停止したことが立証され、核兵器開発も放棄したと判断できる。これらが実施されれば、経済制裁を緩和すると提示していた。

ところが、今回の会議に置いて6カ国は、③のファルドーの核施設完全閉鎖に関して妥協した交渉を行ったことが報じられた。つまり、完全閉鎖はしなくてもよいが、これ以上の濃縮をしてはいけないという形である。

これはつまり、20%のウランを一定量、イランが保持することを認めたことになる。イランはこれに対し、前向きな結果となったと評価している。

<妥協の目的>

イランの核開発は、イスラエルを攻撃することが主要目的ではない。イランの関心は権力にあるといわれる。核兵器を保持していれば、強国として、イスラエルや欧米から攻撃されることもないと考えている。

そのため、イランに核開発を停止させることが不可能に近い。今回の妥協は、こうしたイランのメンツをたてたものと分析されている。

今後の予定は、来月6カ国とイランの技術者レベルの協議が行われ、4月に再び今回のような高官による協議が予定されている。

<軍事制裁しかない-ネタニヤフ首相>

6カ国会議が終了した後、イスラエルのネタニヤフ首相は、「軍事制裁しかイランを止めることはできない。」との認識を語った。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。

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