自作自演!?カタールがハマスと捕虜釈放交渉 2023.10.28

US Secretary of State Antony Blinken, left, and Qatari Emir Sheikh Tamim bin Hamad Al Thani arrive for their meeting in Lusail, Qatar, October 13, 2023. (AP Photo/Jacquelyn Martin, Pool)

ハマスとの戦争が始まって21日目になる。時間がたつにつれて、国際世論は、今、アメリカも含め、ガザにまだ220人とみられる人質解放が最優先という流れになっており、イスラエルのガザへの地上侵攻に足枷となっている。

ロイターによると、先に解放された4人に関わっていたカタールが、さらなる人質の解放にむけて、イスラエルとハマスと交渉を行なっており、まもなく突破口が開けるとみられている。

ハネグビ国家安全保障顧問が、これについて称賛する声明を出した。するとベネット前首相が、これを厳しく批判した。

カタールは、今回だけでなく、これまでもハマスとイスラエルが戦闘になるたびに、その仲介を勤めてきた国である。なぜそれができるのかというと、ハマスを実質的に支援している国だからである。

カタールは、ハマスへの現金資金援助を行っており、ハマスのトップであるイシュマエル・ハニエとハマス政治部門トップ・カリッド・マシャアルというハマスのトップ指導者を受け入れて、長年、贅沢な暮らしをさせている。いわば、カタールが今のハマスを育てたと言ってもよいだろう。

なんと、イスラエルは、これまで、カタールの現金支援が、市民への支援になるとして、ガザに入ることを認めてきたのであった。

ハマスが拉致した人質を、その親分格であるカタールが解放する。ハマスとカタールが格を上げることになるのだが、これでは、まるで、自作自演といっても過言ではない状態である。

www.timesofisrael.com/in-rare-praise-israel-hails-qatars-crucial-diplomatic-efforts-in-gaza-crisis/

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。