ネタニヤフ首相から国民へ:司法制度改革は民主主義を促進する 2023.7.22

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司法制度改革については、アメリカからも大きく釘をさす警告が出始めている。バイデン大統領は、ネタニヤフ首相に司法制度改革の法案は、幅広い合意がない限り、可決しないようにと伝えた。これに対し、ネタニヤフ首相は、「これは内政問題だ。」と回答。あくまでも改革は続ける意向を表明していた。

国内では、野党・国民統一党のガンツ氏が、ネタニヤフ首相に、野党と合理性の基準を決める交渉を再開することを求めるとする声明を出した。

こうした国内外からの声が出てきたことに返答するかのように、20日夜、ネタニヤフ首相は、司法制度改革を止めるつもりはないと明確に表明するメッセージを、国民に対して発表した。

ネタニヤフ首相は、ガンツ氏の声明に反して、これまで3カ月間、野党反対派との交渉を行ってきたが、野党側は、政府を倒すことだけを目標としており、残念ながら、交渉は進まなかったと述べた。

また、今回の合理性法案は、民主主義を損なうのではなく、逆に推進するものであると強調。逆に、予備役兵が招集に応じないと言っていることについて、それこそが民主主義の国を危うくさせるものだ。あってはならないことだと強く訴えた。

また、これまでオスロ合意など大きな決断の際には、国民の反対がある中で実施されてきたが、それでも予備役兵が招集に応じないといった動きには出たことがないとして、予備役兵たちの今の動きに強く警鐘を鳴らした。

また、自分は首相として16年、イスラエルを導いてきたが、常にイスラエルの最善のために尽くしてきたと主張。合理性問題についても最善を導き出せることを願っている。合意できなかったとしても、連立政権はいつでも話し合いに応じると強調した。最後は、国は一つしかない。私たちは兄弟だと訴えた。

この直後に、テルアビブで大規模なデモが行われたということである。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。