ガザ市内激戦でトンネル破壊:救急車爆破で死亡は武装ハマスとイスラエル主張 2023.11.4

Southern Command HQ in Beersheba, November 3, 2023. (Ariel Hermoni/Defense Ministry)

金曜安息日も戦闘:イスラエル兵1人戦死・1人重傷

ガザ市の包囲を完了したとするイスラエル軍は、昨日から本日にかけての安息日にも戦闘を継続。罠や地雷がめいっぱい仕掛けられている迷路状の市街地での戦闘が続いている。トンネルからは突然ハマスが現れるという。表現は悪いが、ネズミ叩き状態を想像してしまう。

その状況下で、イスラエル軍は、多数のハマス司令官の殺害と、地下トンネルを破壊している。以下は、トンネルの様子と、地上軍との協力でトンネルを空爆で破壊したところ。

昨夜の戦闘で戦闘工学隊8170大隊のイェディア・エリヤフ軍曹(25)が死亡。25人目の戦死者となった。もう一人重傷者も出た。以下は、戦場で負傷者を探してヘリコプターで収容する様子。

www.timesofisrael.com/idf-continues-encirclement-of-gaza-city-kills-numerous-terror-operatives/

ガザでイスラエルが救急車爆撃と報道:中にいたのは武装ハマス13人とイスラエル主張

しかし、大きな問題もまた発生した。イスラエル軍が、ガザ北部で救急車を空爆し、負傷者13人が死亡したとして、世界のメディアが報じている。正確な場所は不明だが、現場として映し出されているのは、ガザ最大の病院で、地下にはハマスの拠点があるとイスラエル軍が発表していた、シハ病院の近くである。

イスラエルは空爆を認めたが、救急車の中に乗っていたのは、ハマス戦闘員や武器だったと主張している。

www.ynetnews.com/article/rjzycbmqp

なお、シハ総合病院はガザ地区最大で、10月7日のイスラエルへの奇襲直後から数百人が、避難している病院である。1週間前になるが、報道官は、この病院の地下には、ハマスの中央司令塔があり、周囲の病院ともつながっていると発表。

その地下には、少なくとも50万リットルを保持しているというハマスたちの会話の録音を暴露していた。また録音の中には、「(ハマスは)1万人が死んでもなんとも思っていない」との発言も含まれている。(以下は7日前に発表された病院関連の説明)

人道支援でエジプトに出た負傷者の中にハマス:ホワイトハウス発表

ガザ地区内部の人道支援物資搬入への圧力が高まり、イスラエルはトラック100台の搬入を認め、ラファ検問所から外国籍を持つ人や、負傷者がエジプト側へ出ることを認めた。ガザにいる外国人は数千人と言われている。

ところが、ハマスはそのプロセスを妨害している他、提出した搬出される負傷者の名簿リストの3分の1がハマス戦闘員であることが判明。エジプトとアメリカはそのリストを拒否した。最終的に76人の負傷者がラファから搬出されたが、全員民間人とのこと。

ハマスは心底に、自分達のイデオロギーのみを追いかけているということである。

www.timesofisrael.com/hamas-tried-to-send-fighters-to-egypt-in-ambulances-for-wounded-gazans-us-official/

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。