ガザでIDFハマスインフラ破壊順調:北部からパレスチナ人5万人南部へ移動 2023.11.9

IDF

ガザ北部おおむね制圧:ガザ市内へ前進中か

1)ガザ爆弾工場破壊・トンネル130本破壊

IDFによると、ガザでは1ヶ月の陸海空の攻撃で、ハマス関連地区14000箇所を攻撃。ハマスばすでに主導権を失っているとみられている。

現在、問題のシハ病院があるガザ市内へ前進しているとみらる中、少し前にハマスの要塞を制圧したというニュースも入っている。

イスラエル地上軍は、破壊され尽くしたエリアを中心に、イスラエルの複数の部隊がそれぞれの持ち場から、ハマス拠点、ロケット発射地や武器庫などの破壊を続けている。これまでにモスクや、幼稚園、民間人家屋などから、武器4000セットを押収した。

また、爆弾製造工場を発見。破壊した。この工場があったので、ハマスはエンドレスにイスラエルロケット弾を放っていたのであった。その真上は、子供もいたとみられる一般人の住宅である。まさにハマスが、民間人を盾にしていたことがわかる。

イスラエル軍はこの場所に、特に反イスラエル的な報道が問題になるイギリスのBBC記者らを伴って、現場を見せていた。担当の兵士は、「これがハマスの人間の盾だ。この場所が10月7日の虐殺のスタートポイントなのだ。私たちは敵のみ、ハマスのみと戦っている。我々は民間人を標的にはしていない。この人々の死の責任はハマスにある。」と語った。

ハマス指導者の殺害も行なっている。8日には、武器製造の主導者であったモシェン・アブ・ジナが死亡したとのこと。無論、その間、武装ハマスとの銃撃戦となっている。以下は、ハマスが公開した地上戦の様子。

トンネルについては、その出入り口や、地域との連絡を断つことで、機能できなくする作業を行なっている。これまでに130本のトンネルが破壊された。

www.timesofisrael.com/idf-troops-destroyed-130-hamas-tunnel-shafts-in-gaza-since-start-of-ground-op/

ガザからのロケット弾は、昨日も一回、テルアビブエリアの複数発射されたが、被害は報告されていない。毎日夕刻以降にロケット弾が、ガザ周辺などに散発しているが、前よりは減っているようである。

2)イスラエル兵1人戦死

一連の戦闘で、エルサレム出身のエリヤフ・ベンジャミン・エルマカイエス軍曹(29)が死亡した。ガザ地上戦が始まってから35人目の戦死であった。この他5人が重傷を負った。

これに先立ち戦死したとして発表された兵士は、ヤコブ・オゼリ予備・軍曹(28)、ノアム・ヨセフ・アブ軍曹補佐(20)、ヨナタン・ハツォル軍曹(22)

www.israelnationalnews.com/news/379989

逮捕された武装ハマス:救急車使用・指導者はシハ病院に隠れているなど告白

イスラエル軍は、武装ハマスを殺すばかりではない。生きたまま逮捕し情報を回収している。イスラエル軍に捕まったハマスによると、やはり、救急車を移動手段に使っていることが明らかとなり、その証拠も上がったとして、IDFが発表した。

捕まったハマスは、アルカッサム部隊のメンバー。10月7日のイスラエル襲撃にも参加していたという。見た目は救急車で移動や武器の搬送も行われていたと語った。また、「ハマス指導者のほとんどが、シハ病院に隠れている。病院なら爆撃されないと言っていた。」とも語った。

さらには、ガザ中のモスクや民間人の家にも罠がしかけてあるとも言っている。

www.jpost.com/israel-news/defense-news/article-772341

ガザ北部からパレスチナ人5万人南部へ避難:白旗上げる様子も

IDFのX投稿スクリーンショット

ハマス施設を完全に破壊しようとするイスラエルは、民間人の巻き添えをできる限り最小限にするため、南部から北部への人道回廊を立ち上げた。これまで何度もハマスに妨害されてきたが、ようやく完全な開通になったようである。

昨日午前10時から午後2時の予定で回廊が解放されたが、最終的には、午後3時まで延長された。

イスラエル軍は、パレスチナ民間人たちの大群が、南部へ避難していく様子を発表している。中には白旗をあげている人もみられている。

北部から南部へ移動した民間人は、5日に2000人、6日5000人、7日1万5000人であったが、8日には5万人が避難したと推定されている。

www.timesofisrael.com/thousands-of-gazans-use-humanitarian-corridor-to-move-south-as-idf-presses-offensive/

南ガザに言っても悲惨は想像を超える。国連がテント村を提供しているようだが、十分な場所も食糧もない。今や150万人以上があのせまいところに押し寄せ、多くは負傷し、火傷を負っている子供たちもいる。国境のない医師団たちが、想像を絶する悲惨になっているガザ南部の人々の報告を発信している。

確かに早く対処しなければ、負傷からの死亡だけでなく、脱水や餓死や伝染病も流行ってくるだろう。ハマスは、必需品を持っているのだから、国際社会の支援物資だけでなく、早くそれらを市民たちに解放すべきである。

石のひとりごと

ガザの人々は悲惨だ。食べ物も飲み物もなく、南へ行ってもいくところもない。彼らの政府であるはずのハマスは、イスラエル滅亡飲みを考えており、そのためなら、市民がどんな状態になっても悪いとも思わないのである。そこはイスラエル人と全く違う点である。

イスラエル軍に逮捕されて、なんでもベラベラと喋っているテロリストをみると、いわば普通の若者たちであることにちょっと驚かされた。

ハマスの教育で育てられたこともあるが、生活のためにハマスに従っていた可能性もゼロではないかもしれない。霊肉ともにハマスに支配されているガザのパレスチナ人のためにとりなしが必要である。

国がないということは悲惨だが、国があっても指導者が最低以下であれば、さらに悲惨ということである。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。