ガザ北部へ“部分的・小規模”地上作戦開始:IDFからパレスチナ人に避難路提示 2023.10.14

Gaza City after Israeli air strikes, on October 13, 2023. (MOHAMMED ABED / AFP)

ガザ南部へ部分的作戦開始

イスラエル軍は、空爆を続けながら、13日朝、戦車と地上軍を、ガザ北部の限定した地域に侵攻させた。その地域からハマスを一掃し、さらなる侵入を防ぐこと。地下トンネルの調査・破壊と武器の応酬。そして、行方不明で捕虜になっている人々の居場所の痕跡や資料を得るためである。

激しい銃撃といった報告は出てないので、ハマスも地域からは避難していたのかもしれない。捕虜とみられる遺体を収容したという情報がある。また、行方不明者の捜索に役立つ可能性がある資料を収集したもようである。

www.ynetnews.com/article/bjwb9svzt

Times of Israelが伝えたところによると、ハマスの遺体から、できるだけ多くの民間人を殺すようにとの指示が出ていた証拠資料を押収したとのこと。

www.timesofisrael.com/liveblog_entry/document-left-behind-by-terrorists-shows-hamas-fighters-were-instructed-to-kill-civilians/

ネタニヤフ首相は、金曜夜、侵攻を開始する直前、安息日の夜に異例の国民へのメッセージを発した。ネタニヤフ首相は、ガザへの侵攻を開始するにあたり、イスラエルは、市民に対して行われた蛮行を絶対に忘れない。詳細は言えないが、今の攻撃はまだ始まったばかりであると語った。

励ますつもりであったのだろうが、野党ラピード氏は、なにも新しい情報がないのに、逆に市民をパニックに落としいれたようなものだとの批判をアップした。

www.jns.org/text-netanyahu-statement-ahead-of-shabbat/

逃げるパレスチナ人:イスラエル軍が逃避ルート提示

昨日、イスラエルが110万人に避難するように警告したあと、ハマスは、ガザの市民たちに動かないようにとの指示を出していた。しかし、市民たちが急ぎ避難する様子はテレビでも報じられている。しかし、空爆によって道路が破壊されているなどして、移動は簡単ではなかった。

そのため、イスラエル軍は、「ハマスには構わず、命を守れ」と、ガザ南部への避難路を提示。本日10:00-16:00(日本時間4-10pm)の間に避難するよう、呼びかけている。

国連は、膨大な人的被害が予想されるとして、速やかに捕虜を解放するようにとの声明を出した。

エジプトが避難空路検討:ヨルダンが人道支準備

イスラエルが電気や水、食料をすべて遮断しているため、ガザ市民には緊急事態である。エジプトへの避難経路も案としては上がっているが、ガザにいる市民は200万人を超える。これが一気に流れてくることを受け入れることは難しい。エジプトのシシ大統領は、「同情はするが、エジプトのできることには限界がある。」と語っている。これはヨルダンも同じである。

ヨルダンは、医療・人道支援物資をエジプトから搬入しようとしているが、まだ実施はできていない。

edition.cnn.com/2023/10/13/middleeast/egypt-rafah-crossing-gaza-palestinians-mime-intl/index.html

ハマスの攻撃:ハイファ方面にも

ハマスは、金曜、150発のロケット弾をアシュケロンに向けて発射した。一部は、遠く北のハイファ方面まで届き、ハマスが射程の長いロケット弾も持っていることが明らかになっている。

その後も時々アシュケロンや、テルアビブ、エルサレム方面でも、時々警報がなっている。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。