ガザ南北激戦終わらず・まだ2ヶ月かかるか:人質救出作戦は失敗 2023.12.9

IDF

学校校舎はハマス基地のごとく:激戦で戦死者4人

日経新聞より

イスラエル軍は、北部ジャバリヤとシジャイヤ、南部カンユニスでの踏み込んだ戦闘を行っている。

24時間で450箇所を攻撃する激しさである。

ガザ南部では、対戦車ミサイル発射場や偵察地点を破壊。大量の武器や諜報資料を応酬した。

同じく北部、シャジャイヤでは、学校校舎内にハマスの独房があった他、教室内部に、近くのモスクに続くトンネル入り口とネットワークがみつかった。

学校内では、ハマスが待ち伏せしており、イスラエル軍と激しい戦闘になった。以下はその様子。これは映画ではなく、実弾が飛び交っている実戦である。

イスラエル軍によると、昨日までの48時間の戦闘で、200人以上が投降してきたという。その中から、ハマス工作員とみられる数十人への尋問を行っている。

戦死者4人

IDF

この一連の戦闘でイスラエル兵(予備役)4人が戦死した。

南部戦線でコビ・ダバッシュ上級軍曹(41)、ナフタリ・ヨナ・ゴードン軍曹(32)、オムリ・ロト軍曹(25)。

北部戦線でエイヤル・メイール・ベルコヴィッツ軍曹(28)が戦死した。どの人も職業軍人ではなく、予備役で招集された人である。それぞれの家族と人生があった普通の人たちだった。

これでガザ地上戦が始まってからの戦死者は91人。10月7日からの戦死者総数は420人。それぞれに家族があったので、2000人近いイスラエル人が、徴兵後に家族を失った経験をしていることになる。

また、どの兵士かは不明だが、ここ数日の間に、まだIDF兵士が完全に撤退していない建物を、空軍が誤って爆破したために、死亡した兵士もいるとのこと。戦争中とはいえ、悲惨なことは起きるものである。

www.timesofisrael.com/army-says-it-hit-over-450-sites-in-gaza-in-past-day-2-more-soldiers-killed-in-battles/

一昨日戦死したエイセンコット元IDF参謀総長の息子のガルさん(25)の葬儀は、昨日、ヘルツェリアで行われた。ネタニヤフ首相はじめ、数千人が参列していた。

www.timesofisrael.com/your-loss-will-not-be-in-vain-war-minister-ex-idf-chief-eisenkot-eulogizes-slain-son/

カンユニス戦闘完了まではあと2ヶ月はかかるか

イスラエル軍は、徐々にハマスの深部へとせまっているようではあるが、

イスラエル国防高官は、カンユニスを落とすのにまだ3-4週間かかるとの見通しだという。落としてもそこにいるハマスの一掃には、さらに3-4週間かかるとみている。

こうした現状からか、アメリカは、「特にイスラエルに戦闘を終わらせる期限は設けていない。」との声明を出していた。

www.timesofisrael.com/idf-needs-about-2-more-months-in-gaza-to-wrap-up-1st-stage-of-war-israel-believes/

人質救出作戦失敗:イスラエル兵2人重傷

IDF

どの場所かは特定ができていないが、昨夜、イスラエル特殊部隊は、ハマス拠点に人質奪回作戦を行った。しかし、その場所に近づいていることがばれて、激しい戦闘となり、イスラエル軍は、2人の重傷者を出して、人質は救出できなかった。

この時、人質は死亡したとハマスは言っているが、未確認。この失敗については、ハガリ報道官も認めている他、ハマスも同様の状況説明を発表している。

www.timesofisrael.com/idf-needs-about-2-more-months-in-gaza-to-wrap-up-1st-stage-of-war-israel-believes/

イスラエル軍が人質救出作戦をするのは、これが2回目である。1回目は10月30日にイスラエル女性兵士のオリ・メギディッシュさんを救出していた。

石のひとりごと

毎日つらい記事ばかり。もう2ヶ月になる。つらいので、もう読むのをやめたという人もいる一方、あらたに登録をしてくださる方も相次いでいて、励まされている。

かつて、この働きを始める前、オリーブ山の上で、主と共に、体育座りをして、エルサレムで起こっていることを見ているビジョンを見た。

主は戦いが繰り広げられ、多くの主の民や、その周囲の民が死んでいくのを痛み苦しみながら見ておられた。その地に主が来られる。その日が来るまで、主は、痛み苦しみながらそこから目を離さないでおられる。

エルサレムに近くなったころ、都を見られたイエスは、その都のために泣いて、言われた。「おまえも、もし、この日のうちに、平和のことを知っていたのなら。しかし今は、そのことがおまえの目から隠されている。

やがておまえの敵が、おまえに対して塁を築き、回りを取り巻き、四方から攻め寄せ、そしておまえとその中の子どもたちを地にたたきつけ、おまえの中で、一つの石も他の石の上に積まれたままでは残されない日が、やって来る。それはおまえが、神の訪れの時を知らなかったからだ。(ルカ19:41-44)

しかし、世界で起こることを見る中、主が来られる日は、そう遠くないことを思わされる。だから、その日まで、Watchmanとして、記事をまとめながら、いくら悲しくても、苦しくても書き続けようと思う。その主の思いを共有し、日々とりなしてくださる兄姉に感謝して。

見よ。主の日が来る。その日、あなたから分捕った物が、あなたの中で分けられる。わたしは、すべての国々を集めて、エルサレムを攻めさせる。町は取られ、家々は略奪され、婦女は犯される。町の半分は捕囚となって出て行く。しかし、残りの民は町から絶ち滅ぼされない。

主が出て来られる。決戦の日に戦うように、それらの国々と戦われる。その日、主の足は、エルサレムの東に面するオリーブ山の上に立つ。(エゼキエル13:1-4)

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。