イスラエルは、ウクライナ、ロシア双方に立場を表明しない方針を続けている。しかし、それをどこまで継続できるのかというジレンマに立ち続けている。強硬右派で固める与党ネタニヤフ政権は、この方針をつらぬく様相である。
しかし、左派、民主主義などの立場の与党勢は、やはり、EU側に立場を明確にするべき時だと主張している。実際、ラピード前首相はそういう動きになっていたのであった。
ウクライナへは、EU各国首脳が訪問を実施し、ゼレンスキー大統領と面会。支援を継続することで、とりあえず表面的には一致している。今年G7議長である日本の岸田首相は、ウクライナへの訪問が、法律や安全面、秘密裏校などさまざまな難点があり、難しいとされている。
そうした中、20日、イスラエルからは、野党政治家らが、ウクライナを訪問。ゼレンスキー大統領と面会していた。ゼレンスキー大統領は、イスラエルのロシアとの関係維持の必要性などは理解するとはいいながらも、そろそろ、立場を明確にし、迎撃ミサイルなど強力な武器支援を要請している。
訪問した議員は、リクードの前国会議長ユリ・エデルステイン氏、野党からは、ウクライナ出身で閣僚を歴任しているゼエブ・エルキン氏らであった。一行は、イスラエルは、軍事部門も含め、ウクライナへの支援を拡大すべきだと主張した。
www.timesofisrael.com/likud-opposition-mks-urge-upped-support-for-ukraine-including-missile-defense/
*ウクライナとロシア:数字で振り返る恐るべし殺戮と破壊
ロシアがウクライナへ侵攻を開始してから1年。日本でもさまざまなニュースが流れている。おそるべき破壊と殺戮である。
ロシアでは、軍兵士が85万人と軍事会社からワグネル5万人。徴収された市民は、当初20万人だったが、続いて30万で合計50万人。合計140万人が戦闘に出ていることになる。
一方、ウクライナ側は70万人。
死亡した兵士は、双方合わせて30万人。
ウクライナによると、ロシア兵で死亡した人は14万5000人。アメリカによると、ロシアの民間軍事会社ワグネルの傭兵が3万人が死亡したとの推測を発表している。一方、ウクライナ側の死者は10万人である。
民間人の犠牲者は、ウクライナで少なくとも8006人(1万6000人との説もあり)。負傷者は13287人。ロシアでは被害が本土に及んでないので、市民の死者はない。
ウクライナからの難民は、800万人を超えたとされている。
これまでに、ロシア軍は戦車はロシア軍が3350台、軍用機299機、ヘリコプター287機、ドローン2029、戦艦18、軍用車両5215台を失った。ウクライナ軍は、戦車7994台軍用機387機、ヘリコプター210機、ドローン3222、軍用車両8501、対空ミサイルシステム405基などを失った。
キエフ経済学校(KSE)の発表では、破壊されたビルは13万5800棟(個人の家屋が11万9900棟、アパートが1万5700棟)。破壊された医療機関は978箇所。学校1270校と幼稚園786園が破壊された。
世界教会委員会によると、少なくとも494の教会、シナゴーグ、モスクが破壊された。