2014年、ヘブロン近郊で、ユダヤ人入植者の少年(16)3人が誘拐され、殺害された事件があったが、この犯人の家族はハマスから、車2台とコンピューター2台、またその後も多額の報酬金を受け取っていたようである。
イスラエルの治安部隊は17日、ヘブロンに在住するこの家族の家に乗り込み、その報酬金(5000シェケル/約15万円)を押収した。ハマスがこうした報酬金を払うのは、他のパレスチナ人に同様の犯行をそそのかすためである。
この夜、イスラエルの治安部隊は、ヘブロンや西岸地区のテロ組織壊滅に向けて、多数の地点への踏み込みを行い、22人を逮捕した。こうした踏み込み調査と押収は、ニュースにはならないが、時々行われているもよう。
イスラエルにとっては、これでテロを未然に防ぎ、イスラエル市民は安心して生活できるわけだが、当然、パレスチナ人たちの間では、さらなる憎しみを募らせることにもなっているのは言うまでもないことである。
とはいえ、イスラエルがこれを止めることもできない。両者の憎しみは、軽減するどころかますます深まっていく。終わりのない悪循環そのものである。
www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4963864,00.html
<ヘブロンの新市長は元テロリスト>
ヘブロンは人口約22万人の西岸地区最大の都市である。ヘブロンには、アブラハムの墓とされるマクペラの洞窟がある。アブラハムは、ユダヤ人には父祖だが、アラブ人にとっても父と考えられている。
このため、ヘブロンにはアラブ人とユダヤ人が混じり合って住んでいた。ところが、1929年には、アラブ人がユダヤ人67人を虐殺。1994年には、ユダヤ人による銃乱射でアラブ人29人を殺害。
以来、ヘブロンは、ユダヤ人側とアラブ人側と、2つに分割されて、互いに行き来がない状態になった。
マクペラの洞窟は1つの建物だが、それも2つに分割され、アブラハムの墓をユダヤ側と、アラブ側と2つに分けて礼拝している。いわば、父アブラハムの墓の前で、2人の息子がいがみあっているというなんとも悲しい状況である。
ヘブロンに、ユダヤ人(右派宗教シオニスト系)が在住していることから、ヘブロンはパレスチナ自治区ではあるが、B地区とされ、基本的に、治安はイスラエルが守るを守る形となっている。
そのヘブロンに新しい市長が選出された。ファタハに所属するタイシル・アブ・スネイネ市長である。問題はこの人物が、1980年に、ファタハの戦闘員として、ヘブロンのイシバ学生を6人殺害した人物であるという点である、
就任にあたり、アブ・スネイネ市長は、ヘブロンがイスラエルとの共存状態であることから、過去のことは忘れ、イスラエルとの対話を続け、住民の生活を改善したいと述べている。
しかし、6人のユダヤ人殺害に関しては、当時は、戦闘であったのであり、今は状況が違うと述べ、悔い改めの様子はないとYネットは伝えている。