イスラエルとパレスチナの和平交渉をごり押しするアメリカだが、エルサレムの神殿の丘ではもめごとが続いている。
今年は仮庵の祭り中、警察や警備隊が厳重にガードする中、大勢のユダヤ人が、なんとか神殿の丘へ入って祈ることができていた。
しかし、25日(水)、治安部隊はパレスチナ人の若者らが神殿の丘で暴動を起こすとの情報を受けて、部隊を大規模に神殿の丘内部へ投入。この日も、一部のユダヤ人が神殿の丘へ入っていたが、滞在時間はわずか2分。約1時間後、それも停止された。
やがてパレスチナ人の若者たちが、イスラエルの警備隊にむかって石を投げ、催涙弾を放ってきた。石といっても大きなごつごつの岩石で当たると大けが、または死亡するような石である。イスラエルの治安部隊は、暴徒を追ってアルアクサモスクへ乗り込み、11人を逮捕した。
その数時間後には、ユダヤ人一家が、こりずに子どもをつれて神殿の丘へ上がり、3人が治安部隊に逮捕された。これを受けて、26日(木)はユダヤ人は、神殿の丘へは完全に立ち入り禁止となった。
最近、神殿の丘でのこのようなもめごとが増加している。
<神殿の丘・完全分離へのよびかけ!?>
昨年の仮庵の時も同様のもめごとが発生している。この時ユダヤ人側の「神殿の丘」組織(神殿再建をめざす組織)は、ヘブロンのマクペラの洞窟がユダヤ人側とパレスチナ人側に完全に2分割されているのと同様に、神殿の丘も、完全二分割にするよう、警察に呼びかけている。
神殿の丘特別警備隊も、もめごとに対処しきれないため、神殿の丘内部にユダヤ人用の場所を確保するという、マルカ・アビブ裁判長の提案を実行に移すようにとの意見書を提出している。
その後、その件は頓挫したままだが、今後、神殿の丘がユダヤ人とパレスチナ人で分け合う形になるのか!?注目されるところである。