XのCEOイーロン・マスク氏がハマスは殲滅すべき:イスラエル被災地クファル・アザを訪問後 2023.11.28

Amos Ben-Gershom (GPO)

億万長者でXのCEOであるイーロン・マスク氏は、2022年にXのプラットフォームを引き継いだあと、発言は自由にしなければならないとして、反ユダヤ主義の投稿を排除する規制を緩和する政策を開始した。

ADL(反ユダヤ主義と戦う名誉毀損防止同盟)は、Xへのヘイトスピーチに抗議したが、マスク氏はひるまず、それ以降にXに上げられる反ユダヤ主義的な投稿は2倍以上になった。

今年9月、アメリカを訪問したネタニヤフ首相は、マスク氏を訪問して、反ユダヤ主義を取り締まらないことへの撤回を要請したのであった。その時、マスク氏は、自分は反ユダヤ主義ではない、それには反対だと言ったが、それ以降も反ユダヤ主義を煽ったといった話題は続いていた。

www.timesofisrael.com/musk-endorses-tweet-claiming-jews-stoke-hatred-of-white-people-as-the-actual-truth/

10月7日のハマスの襲撃以降も、微妙な発言が続いていた。こうした中、ネタニヤフ首相は、イーロン・マスク氏をイスラエルへ招待。

メディアにも公開した、ガザ国境地域でハマスが行ったテロ行為の記録を見たあと、ネタニヤフ首相も共に、雨の中、襲撃を受けたガザ国境のキブツ・クファル・アザを訪問した。壮絶な様子を目の当たりにし、被災した家族にも面会して話を聞いた。

マスク氏は、ヘルツォグ大統領にも面会。殺人の現場を見、殺人者が殺した後それを祝っている様子は見るにたえなかったと語った。

また、Xでのネタニヤフ首相とのライブチャットの中で、「ハマスがテロ路指揮であり、ユダヤ人の大量虐殺を目標にしている。ガザにより良い未来をもたらすためにも、テロ組織ハマスを壊滅させる以外に選択肢はないということに同意を表明した。

しかし、同時に、第二次世界大戦後のドイツと日本を引き合いに出し、テロリストを排除するだけでなく、生き残った者たちへの正しい教育と、経済的にも立ち上がれるよう、支援していくことが大事だとして、戦後のガザ支援への意欲も語ったとのこと。

マスク氏が、この問題をどのように理解したのかはわからない。今後、どのようにイスラエルとの関係を持っていくのか、注目される。

www.timesofisrael.com/liveblog_entry/in-joint-live-chat-on-x-elon-musk-agrees-with-netanyahu-that-hamas-must-be-destroyed/

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。