IDFはシンワルの居場所を知っている!?:イスラエル兵4人戦死 2024.1.9

Gaza City, on April 30, 2022. (AP Photo/Adel Hana, File)

ガザ激戦中:イスラエル軍はシンワルの居場所を知っている!?

ガザでの戦闘は、北部では、概ね主導権を確保する中、武器庫やトンネルの摘発と破壊の作業を続けている。

昨日、ガザ南北を繋ぐ幹線道路に沿ったブレージ難民キャンプで、これまでで最大級となるロケット弾工場を発見した。高度な長距離ロケット弾が製造されていたとみられる。

戦闘は、ガザ中央、南部に重心が移っている。ガラント防衛相、ハガリ報道官によると、戦闘の方針は、焦点を合わせた規模が小さいながらも重要地点や人物を、ピンポイント的に攻撃する形に転換している。

www.timesofisrael.com/idf-spokesperson-says-war-with-hamas-has-shifted-a-stage-to-less-intense-combat/

複数の情報によると、イスラエル軍は、実は既にハン・ユニス地下に隠れているヤヒヤ・シンワルの居場所を突き止めている可能性がある。シンワルが、100人以上いる人質にがっちり守られた位置にいるので攻撃が難しいとのこと。

じわじわとシンワルに近づいているのだが、人質の盾をどうするのか、人の知恵を超える知恵が必要なところに来ているということである。

ガザでイスラエル軍兵士4人戦死

戦闘はより高度なものになっていると思われる。9日、イスラエル軍は、イスラエル兵4人の戦死を発表した。

ロイ・タル軍曹(19)、デービッド・シュワルツ大尉(26)ヤキール・ハクスター少佐(26)、ガブリエル・ブルーム一等軍曹(27)

これで地上戦以降に戦死したイスラエル兵は180人。10月7日以来すべての戦死者を入れると514人である。負傷兵は1042人。このうち、45人は重傷で、まだ病院にいる。228人は四肢を失うなどこれからの人生を大きく変えるほどの傷を負うこととなった。

重傷者の中には、イスラエルと国際社会でも人気のテレビ番組「ファウダ」でイスラエル軍精鋭部隊兵士を演じた、歌手でもあるイダン・アメディさん(35)も含まれている。有名な人だけに注目された。アメディさんはクルド系のユダヤ人とのこと。前線では歌を披露したこともあった。

エルサレムアッセンブリーのメノー牧師の息子のダニエルさんは、48時間家族と共に過ごし、再びガザ南部の最前線へ戻って行ったとのこと。娘のロニットさんも、短い休暇の後、ヒズボラとの緊張が高まっている北部戦線に戻った。教会からはこのほかに33人が従軍中である。とりなしを!

石のひとりごと

テレビニュースでは、とにかくイスラエルが殺戮を行っている、ガザ市民を苦しめているのはイスラエル軍だというイメージだが、それは現実を表しているものではない。

殺戮が終わらず、ガザ避難民の環境が地獄になりつつあるのは、単純にハマス指導者のシンワルが出て来ないからである。

シンワルさえ出て来れば、ともかくも戦闘は一時的にでも停止するだろう。しかし、シンワルは出て来ず、地下で自分を守るために、まずイスラエル人の人質を盾にし、地上にいるガザの人々を日々犠牲にしているのである。

国際社会は、イスラエルを非難する前に、まずはシンワルを早く逮捕することと、イスラエル人の人質を解放することを考えるべきである。それが犠牲者をなくす最短の道である。

また死んでいるのは、ガザの人々だけではない。まずイスラエル市民1200人がハマスに残虐の極みで殺された。240人が人質として連れ去られ、まだ130人以上がガザにいる。イスラエル兵ももう500人以上が死んでいる。

イスラエルがただガザ地区を支配するために、将来ある若者たちを、これほど戦死させることなどありえない。戦争はしているのではなく、イスラエルは戦争をさせられているのである。

ハマスは、死を栄誉と考えるテロ組織。イスラエルは、私たちと同じ民主主義国家。ちょっと考えればわかることである。

 

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。