<イスラエルはなぜ攻撃をやめないのか>
世界の報道を見ると、イスラエルからガザへの攻撃の激しさが強調されている。確かにガザでの圧倒的な破壊をみれば、イスラエルのアパートの一角がミサイルで破壊された写真は、アピール力に欠ける。死者の数もガザの方が圧倒的に多い。イスラエルの被害はニュースにはならないのだ。
しかし、知って頂きたいことは、イスラエルは、ガザを攻撃したくてしているのではないということ。イスラエルは、ただガザからの攻撃をやめてほしいだけである。地上戦などだれがやりたいと思っていることか。
ガザとの紛争に終止符を打つため、イスラエルはまず2005年に市民と軍隊をガザから完全に撤退し、パレスチナ人に土地をゆずった。しかしその後逆にイスラエルへの攻撃は増えた。攻撃されるたびに報復攻撃を繰り返してきたが、いっこうに攻撃がやまなかった。それで2008年、大規模侵攻を行った。
しかしそれでもミサイル攻撃はやまず、今年10月に入ってからはその頻度が高まっていよいよ堪忍袋の緒が切れたのである。「今回は徹底的にハマスの攻撃能力をたたいてほしい。」というのが現時点でのイスラエル世論。ただし、イスラエルも、”ハマスが言うように”この作戦でガザからの暴力がなくなるとは考えていない。
せめてこの先10年でも15年でもガザからの攻撃がなくなる、というのが雲の柱作戦の目標である。(イスラエル軍スポークスマン)
<イスラエルはガザ市民を狙っているのか>
ハマスは、「イスラエルは女性や子ども、市民をねらっている。」と主張する。はっきり言うがそれは大きな誤りである。イスラエル軍は攻撃の合間に携帯メールを送り、「ハマスから離れよ。ハマスはあなた方を人間の盾にしている。」とのビラをまき続けている。
イスラエルは民主人権保護国家である。イスラエル市民だけでなく、ガザ市民の命を守ることは最優先事項である。法的に見てもガザ市民の巻き添えは避けるための手だてを最大限に行わなければならない。
軍事専門家によると、今回の作戦で注目されるのは、ピンポイント攻撃の技術力。そして、諜報活動能力である。2008年のガザ侵攻の時とは格段に進歩しているという。こうした努力は世界には報道されていない。
今も諜報活動を続けているガザ内部のエージェントたちがいることを覚えたい。