中東諸国それぞれの反応:UAE(アラブ首長国連邦)がガザ内部に野戦病院を設立へ 2023.11.7

UAE president Sheikh Mohamed bin Zayed Al Nahyan, upon his arrival at the Hamad airport in Doha, Qatar, December 5, 2022. (Qatar Amiri Diwan via AP)

ガザとの戦闘が始まって以降、イスラエルに反対して、在イスラエル大使を召喚した国は、バーレーン、ボリビア、チャド、チリ、コロンビア、ホンドュラス、ヨルダン、南アフリカ、トルコとなっている。

こうした中、2020年のアブラハム合意以降、イスラエルと国交正常化を開始したUAE(アラブ首長国連邦)は6日、ガザに野戦病院を設立すると発表。病院は150床で外科、整形外科、小児科、婦人科、歯科、精神科、内科をカバーする。

すでに医療機器などを載せた飛行機5機がアブダビを出発した。これについては、イスラエルとも合意の上とのことだが、詳細は不明。

ハマスが病院を拠点に使っているので、それとは別に野戦病院ができて、パレスチナ市民たちがそちらに行ってくれたら、ハマスへの攻撃もしやすくなる。UAEは、ハマスが病院を拠点に使っていることを非難して、この動きに出たと言っている。

UAEは他のアラブ諸国とは違い、ハマスが、イスラエル市民に対して行った残虐な殺戮と人質240人をとっていることを非難している。同時にパレスチナ人への人道支援の必要性から、野戦病院を設立し、2000万ドル(30億円)を計上したと発表した。さらに、ガザで負傷した子供と園家族1000人を国内へ連れて行って治療すると発表した。

エジプトも、ラファ国境から15キロの地点で、エジプトとガザの中間地点に野戦病院を設立中である。これをフランスが助けているとのこと。

www.timesofisrael.com/uae-says-it-will-establish-field-hospital-to-treat-palestinians-in-gaza/

石のひとりごと

これはイスラエルにとってもありがたい動きではないだろうか。イスラエルに停戦を求めるより、今、本当に必要な動きではないだろうか。暗い中で、少し明るい気分になれたような気がする。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。