イスラエルとパレスチナの間では、暴力の応酬が続いている。西岸地区では、パレスチナ自治政府の弱体化にともない、違法な武器とともに、過激な運動が高まっていることから、イスラエルは、毎夜のように西岸地区に入って、テロリスト逮捕・違法武器押収を行っている。
昨年中に逮捕されたパレスチナ人は2500人。衝突で死亡したパレスチナ人は171人。今年に入ってから2ヶ月たたない現時点での死者は70人にのぼる。このうち11人は、先週水曜日である。一方、イスラエルの方でも市民33人が、パレスチナ人のテロで死亡している。両者は防衛なのか、攻撃なのか反撃なのか、暴力の応酬を続けており、エスカレートする様相にある。
このため、ヨルダンが、イスラエルとの南部国境にあるアカバで、双方の代表を呼び、暴力の沈静化に向けた対話への仲介を行った。会議には、アメリカとエジプトの代表も出席した。イスラエルは、この会議にむけて、その前夜は、西岸地区への捜査突入は行わず、この会議に備えた。
この会議後の共同声明では、新たな入植地建設を4ヶ月停止し。入植地承認は6ヶ月停止する。一方パレスチナ自治政府は、国連にイスラエルを訴えることはしないと約束したということであった。これで多少なりとも沈静化にむかえば、3月にシナイ半島のシャルム・エルシェイクで再度交渉を行うということであった。
この交渉はアメリカの圧力で行われたとみえ、アメリカは結果に満足を表明していた。しかし、イスラエルの西岸地区担当スモルトリッチ氏は、入植活動が停止することは1日たりともないと表明。西岸地区での暴動と衝突は、これまでにもなかったほどの事態となった。アカバでの安全保障サミットはあまり意味をなさなかったという流れである。