10月7日事件で神への信仰強くなったと答えたイスラエル人33%(エルサレムポスト調査) 2024.2.17

イスラエルはユダヤ人の国である。旧約聖書に記された天地創造の神、主の民、選びの民と言われている。選ばれた目的は、主がおられることを、世界に証することである。

聖書によると、彼らに求められていることは、主を信じ、信頼することだが、これについては何度も失敗し、国難を招き、その後また主の恵で回復するということの繰り返しというのが、イスラエルの歴史である。

また、彼らの神、主の名前が付けられているせいか、今はまだサタンの支配下にあるこの世界では、どうしても嫌われる傾向にあり、苦難が耐えない。しかし、最終的にはまた手が助けに来ると約束されているのが、イスラエルである。

今もハマスの残虐な攻撃のあと、イスラエル軍がもう4カ月も戦っており、多くの予備役兵が戦死している。世界からはこうした中、どういうわけか反ユダヤ、反イスラエルの動きが続いている。

こうした中、エルサレムポストが、ラザー研究所と、インターネット経由の調査を行う会社との協力で、イスラエル人の神への信仰がどうなったのかという調査を行なっていた。

調査は2月5―6日にかけて行い。イスラエルに住むユダヤ人のいろいろな派を代表する成人512人の回答によるものからの分析である。

www.jpost.com/israel-news/article-786030

1)神への信仰が強くなった:33%

それによると、10月7日以降、神への信仰、言い換えれば、上の力への思いが強くなったと答えたイスラエル人は33%であった。逆に信仰が衰えたと答えた人は8%。変わらないと答えた人が59%であった。

無論、宗教的な人と世俗派の反応は違っている。神への信仰が強くなったと答えた人は、宗教的な人で44%、世俗派は14%であった。

具体的にどんな変化があったかの問いには、神に祈るようになった(63%)、神と対話するようになった(59%)、前より詩篇を読むようになった(73%)となっている。*ユダヤ教では、聖書の中に出てくる詩篇のセクションはそのまま祈りとして読む習慣がある。

祈りが増えたと答えた人は、60歳以上の高齢者が多く、73%を占めていた。神と対話が増えたと答えた人は、意外に世俗派が多く64%で年齢層は45―60歳。

詩篇を読むことが増えたと答えた人は、45―60歳が60%であった。興味深いことに、ユダヤ教徒でもスファラディ(東欧系)たちは、神との対話が増えたと答えたが、アシュケナジー(欧米系)は詩篇を前より読むようになったと答えていた。

安息日に神を覚えてろうそくをともすようになったと答えた人の中では、18―29歳が20%、60歳以上は51%であった。

2)イスラエルとの一体感が強くなった:75%

回答者の実に75%が、イスラエルという国との一体感が強化されたと答えていた。特に18―29歳の若者に間では85%とその傾向が強い。また、ユダヤ人の伝統とのつながりを自覚するようになったと答えた18―29歳は61%にのぼった。

3)ダビデの星を身につけるユダヤ人が増えた

今のイスラエル情勢で、世界では反イスラエル、反ユダヤの動きが加速している。そうした中、Times of Israelの以下の記事によると、世界のユダヤ人の間で、そのシンボルである「ダビデの星」を身につける人も増えているという。

www.timesofisrael.com/spotlight/why-jews-are-wearing-the-star-of-david-now-more-than-ever/

ここ数年、世界のユダヤ人の間では、特に若者の間で、イスラエル離れが指摘されていた。しかし、ハマスとの戦闘に先立つ、2023年の建国75周年の時に、世界のユダヤ人が、ユダヤ教を柱とするシオニズムにもどりつつあるとの報告も出ていたのである。

www.jpost.com/judaism/article-741410

エスカレートする反ユダヤ主義の中で、すでに一致へと押しやられていたユダヤ人たちが、ハマスとの戦闘、世界からの非難を受けて、ユダヤ人たちが、イスラエルに心身、魂において、一つに集められてつつあるのかもしれない。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。