西岸地区では、5月15日は、イスラエル建国を嘆く日、ナクバの日であった。イスラエルの独立宣言が、5月14日であったので、その翌日を毎年、ナクバ(悲惨)の日と呼び、イスラエルに対する怒りを、デモや時にテロを実施して、抗議運動を行っている。
今年はコロナ危機のため、大きな集会はできなかったが、ナブルスでは、ちょうど来訪していたポンペオ米国務長官の写真を燃やしての集会が行われた。パレスチナ人は、「パレスチナは我らのもの、エルサレムはわれらのもの」と書いたプラカードを掲げていた。
アッバス議長はテレビ演説で、「私たちにナクバをもtらした者たちは、パレスチナが無人であればよかったと持っている。今、パレスチナという名前を消してしまおうとしている。「世紀の取引」の名のもとで、醜い陰謀と、圧力と、虐殺、末梢の計画を遂行しようとしている。
しかし、その中にあって、私たちは、完全な権利の回復と、この憎しみの占領から回復の一歩を踏み出している。」と述べた。
イスラエルは、今、7月1日の入植地とヨルダン渓谷の合併にむけて動き始めているところである。パレスチナ自治政府は、コロナ危機で膨大な影響を受けているところで、今は大きな動きはできないだろう。
そうした中、イスラエルは、コロナ危機対策資金として、パレスチナ自治政府に、8億シェケル(240億円)の借款が予定しており、西岸地区の合併をスムーズにすすめるための一手ではないかとの見方もある。パレスチナ人からすれば、金で合併を買おうとしているともみえるのだろう。
<西岸地区:暴力の応酬その後>
12日、西岸地区で、イスラエル軍のアミット・ベン・イーガル軍曹(21)が死亡し、実家近くに埋葬された。14日夜、その墓地を掘り返そうとした形跡が発見されたため、軍のラビが来て、遺体が汚されていないことを確認する事態になった。
その後、この墓地は閉鎖され、埋葬からメモリアルの設置が終わるまで、ゴラニ部隊の兵士が護衛することになった。
www.timesofisrael.com/signs-of-digging-found-at-grave-of-soldier-killed-this-week/
イスラエル軍は、ベン・イーガル軍曹を殺害した犯人の捜査を続けており、これまでに複数のパレスチナ人容疑者の身柄を確保している。
その後、ヘブロン近郊での衝突で、パレスチナ人のサイード・カイシャさん(15)が死亡した。
www.timesofisrael.com/palestinian-teen-killed-in-clashes-with-idf-amid-uptick-in-west-bank-violence/
14日、同じくヘブロン近郊の入植地、ネゴホット近くの道路脇のイスラエル軍拠点に複数のイスラエル兵が立っていたところに、車がつっこみ、兵士1人(21)が中等度から重傷となり、病院へ救急搬送された。現場にいた別の兵士が、車を運転していた人物をその場で射殺した。
新しい政権の立ち上げとともに、西岸地区の入植地とヨルダン渓谷を合併するという案が浮上しているとともに、コロナ危機による経済の破綻が重なっているので、治安が悪化していくとの警鐘が鳴らされている。
www.timesofisrael.com/soldier-hurt-in-suspected-car-ramming-in-southern-west-bank-driver-shot/