イスラエルでは、2回目の厳しいロックダウンを実施したためか、感染が急速に落ちつきをみせている。10月15日の感染者は、24時間で1608人。検査に対する陽性率は4.5%にまで下がった。(チャンネル12)
死者は29人(前日は43人)とまだ多く、累計2121人と更新が続く。しかし、重症者は742人と上限800人を切った。念のため、今のロックダウンを18日まで継続した政府だが、その後、18日からの緩和軽減で合意に至った。その内容とは以下の通り。
客の出入りがないビジネスは再開、6歳以下の幼稚園は再開。国立公園、ビーチ、嘆きの壁、聖墳墓教会、神殿の丘も開放される。自宅から外出1キロまでとの制限も解除。家族の訪問許可。集会については、室内10人まで。屋外20人まで。
ただし赤地域とされたところでは、規制の緩和はなされない。どこが赤地域かはまだ決定ではないが、エルサレムの一部地域、ブネイブラック、ベイトシェメシュ、ベイタル・イリット、モデイーンなど複数の地域になるとみられる。多くは超正統派地域である。
なお、ベン・グリオン空港は、15日から営業を再開。まだ感染が続くアメリカとの往来も始まり、イスラエル人の国際的な出入りがが再開されている。
<ユダヤ教超正統派との課題>
感染予防については、政府とユダヤ教超正統派との問題が大きい。ユダヤ教超正統派は基本的に神に仕えるとする立場なので、世俗の政府の言うことに従わない場合があるからである。
しかし、超正統派は、総人口が12%であるにもかかわらず、新型コロナ患者の35%は超正統派であるとの結果が出ている。
15日、エルサレム北部、ピスガット・ゼエブで、超正統派が、政府の規制に反して、庭付きの自宅に”大勢”が集まる結婚式を行った。このため、警察が停止を求めてやってきたところ、乱闘騒ぎとなった。
この後、血まみれになって家から連行される花嫁の兄の姿がSNSがアップされ、警察に批判が高まった。
התנהלות הזויה ומופרעת של שוטרים כעת בשמחה בגבעת זאב. פשוט מקומם! pic.twitter.com/iP9G5Tg7L3
— ישראל כהן (@Israelcohen911) October 14, 2020
すると、警察からは、逆に、感染予防策に違反する結婚式を取り締まろうとやってきた警察と、家族の話し合いがこじれ暴力に発展する様子がアップされた。警察は、家族が暴力を振るってきたので、警察はあくまで任務を遂行しただけだと主張した。結局、この家の持ち主は、罰金5000シェケルを課されたとのことである。
גבעת זאב: לטענת המשטרה, השוטרת שתיעדה את המתרחש ביקשה לזהות את בעלת הבית, הותקפה על ידה, ולכן השוטרים הודיעו לה שהיא מעוכבת. חלק מהנוכחים החלו זורקים לעברם בקבוקי שמן מזכוכית. השוטרים עצרו חשוד תוך שהוא מתנגד למעצר ותוקף אותם, ובתוך כך החליק על השמן, ושניהם נחבלו משברי הזכוכית. pic.twitter.com/N5WSdrTOhd
— שלומי הלר (@Heller_shlomi) October 14, 2020
日本ならこの状態で、結婚式を継続ということはありえないかもしれない。しかし、この後、この結婚式は普通に、同じ場所で続行されたとのこと。この切り替えの早さが、イスラエル人というところだろうか・・・。
תיעוד: אחרי הפינוי האלים – האורחים בחתונה בגבעת זאב, שנערכה בניגוד להגבלות, ממשיכים לחגוג@carmeldangor pic.twitter.com/ZAewIjenj0
— כאן חדשות (@kann_news) October 14, 2020
<石のひとりごと>
新型コロナでは、ユダヤ人、しかも同じイスラエル人どうしが、殴り合い、つかみあいの喧嘩をする様子を散々見せられた。大人同士が喧嘩している様子は、なんとも、子供にみえるのだが、当人同士は、必死である。
コロナも今は大ごとではあるが、終わってしまえば、さっさと前を向くというのが、イスラエルなのだろうと思う。今、感染が落ち着き始めているので、このまま、イスラエルに日常がもどってくるようにと祈る。