感染激減続く:18日から規制緩和予定へ 2020.10.16

イスラエル市民 出展:MARC ISRAEL SELLEM/THE JERUSALEM POSThttps://www.jpost.com/health-science/israel-reaches-covid-19-infection-goal-cabinet-to-approve-reopening-645811

イスラエルでは、2回目の厳しいロックダウンを実施したためか、感染が急速に落ちつきをみせている。10月15日の感染者は、24時間で1608人。検査に対する陽性率は4.5%にまで下がった。(チャンネル12)

死者は29人(前日は43人)とまだ多く、累計2121人と更新が続く。しかし、重症者は742人と上限800人を切った。念のため、今のロックダウンを18日まで継続した政府だが、その後、18日からの緩和軽減で合意に至った。その内容とは以下の通り。

客の出入りがないビジネスは再開、6歳以下の幼稚園は再開。国立公園、ビーチ、嘆きの壁、聖墳墓教会、神殿の丘も開放される。自宅から外出1キロまでとの制限も解除。家族の訪問許可。集会については、室内10人まで。屋外20人まで。

ただし赤地域とされたところでは、規制の緩和はなされない。どこが赤地域かはまだ決定ではないが、エルサレムの一部地域、ブネイブラック、ベイトシェメシュ、ベイタル・イリット、モデイーンなど複数の地域になるとみられる。多くは超正統派地域である。

なお、ベン・グリオン空港は、15日から営業を再開。まだ感染が続くアメリカとの往来も始まり、イスラエル人の国際的な出入りがが再開されている。

www.timesofisrael.com/preschools-some-businesses-to-reopen-sunday-as-ministers-vote-to-ease-lockdown/

<ユダヤ教超正統派との課題>

感染予防については、政府とユダヤ教超正統派との問題が大きい。ユダヤ教超正統派は基本的に神に仕えるとする立場なので、世俗の政府の言うことに従わない場合があるからである。

しかし、超正統派は、総人口が12%であるにもかかわらず、新型コロナ患者の35%は超正統派であるとの結果が出ている。

15日、エルサレム北部、ピスガット・ゼエブで、超正統派が、政府の規制に反して、庭付きの自宅に”大勢”が集まる結婚式を行った。このため、警察が停止を求めてやってきたところ、乱闘騒ぎとなった。

この後、血まみれになって家から連行される花嫁の兄の姿がSNSがアップされ、警察に批判が高まった。

すると、警察からは、逆に、感染予防策に違反する結婚式を取り締まろうとやってきた警察と、家族の話し合いがこじれ暴力に発展する様子がアップされた。警察は、家族が暴力を振るってきたので、警察はあくまで任務を遂行しただけだと主張した。結局、この家の持ち主は、罰金5000シェケルを課されたとのことである。

日本ならこの状態で、結婚式を継続ということはありえないかもしれない。しかし、この後、この結婚式は普通に、同じ場所で続行されたとのこと。この切り替えの早さが、イスラエル人というところだろうか・・・。

www.timesofisrael.com/probe-ordered-after-violent-clash-as-police-break-up-wedding-over-lockdown-rules/

<石のひとりごと>

新型コロナでは、ユダヤ人、しかも同じイスラエル人どうしが、殴り合い、つかみあいの喧嘩をする様子を散々見せられた。大人同士が喧嘩している様子は、なんとも、子供にみえるのだが、当人同士は、必死である。

コロナも今は大ごとではあるが、終わってしまえば、さっさと前を向くというのが、イスラエルなのだろうと思う。今、感染が落ち着き始めているので、このまま、イスラエルに日常がもどってくるようにと祈る。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。