人々の傷は予想以上に深い:2日前にイスラエルから帰国した川端さん夫妻報告 2024.3.9

A woman puts up a poster with pictures of hostages held in the Gaza Strip on a message board in Tel Aviv.Credit: Clodagh Kilcoyne / Reuters

人々の傷は予想以上に深い:イスラエルから帰国した川端さん夫妻からの報告

テルアビブ・人質広場の川端夫妻

川端さん夫妻は、約2か月イスラエルに滞在し、2日前に帰国した。川端ひろみさん、まあささん夫妻によると、イスラエル人たちの心は、折れそうなほどに傷ついているということであった。

ニュースには全く出てこないが、ガザでの戦闘や西岸地区でのテロ、また北部でも、イスラエル兵たちが戦死している。

ひろみさんによると、毎日毎日、葬儀が行われているという。イスラエルは小さな国なので、ほとんどの人が家族や、親族、友人を失っているといってもよいほどである。

ガザ国境に近い被災地、NOVAフェスティバルの現場には、犠牲者や拉致された人々の写真が掲げられていおり、多くのイスラエル人たちが、その痛みを共有していたという。

そこに春の花が咲き乱れ、さらには、近くを走る戦車の大きな音も聞こえていて、「こんな美しい場所で、こんな残酷なことがどうにも合致しない」とまあささんは、その予想だにしない現場での思いを、どう伝えたらいのかといいながら、懸命に伝えようとしていた。

こうした中、人質たちは、いまだに残虐極まりないハマスの手の中にある。その家族の心の痛みはもはや計り知れないほどの苦しみであろう。

テルアビブにある人質広場では、人質になっている人たちが、今も現在進行形でガザで過ごしている時間を刻々と刻む時計があり、そこには慟哭のように叫んでいる人もいたとのこと。以下は人質広場とされる場所。だれでもが訪れて、人々を思う場所になっている。

町のあちこちに、人質になっている人の写真や、記念が置かれ、バス停にも写真が貼られている。その人たちを覚える黄色のリボンがあちこちに見られる他、イスラエルの旗が、入手不可能になるほどに翻っているという。旗は新聞とともに配られたとも言っていた。

「共に勝利する」というプラカードがあちこちにあるのだが、人々はもう疲れ果てていて、勝利できるとは思っていない人も少なくないとのことであった。

南部農場でボランティア

写真:川端さん提供
写真:川端さん提供

川端さんたちは、南部ガザ周辺にある果物畑でボランティアをされたとのこと。人手がやはりかなり不足しているという。

オレンジのようなフルーツはまだ綺麗には見えるのだが、水を十分に与えられなかったなどで、もはやジュースにするしかないと言われたとのこと。

美しい畑、気温も20度前後と実に気持ちよく、まるで天国のような景色であり、ここでもまた、戦争がすぐ近くで現在進行形という現状とどうにも合わず、どう理解していいかというような思いを語っていた。

また、まあささんは、イスラエルのあちこちで、日本の茶道を披露しながら、日本人もイスラエルの人々のことを思っているということを伝えたという。イスラエル人たちに喜ばれたとのこと。

川端夫妻は、イスラエルで見てきたことを、日本各地で報告したいと願っている。貴重な報告であるので、教会、学校などでの、講演を希望される方は、次のメール先に連絡のこと。

Shaalu.shlom@gmail.com

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。