中東各地で厳しい寒波:エルサレムでも風雪 2021.2.18

地球はやはり一つなのだろう。日本で厳しい寒波が来ているのと同じ昨日から今日にかけて、イスラエルでも厳しい寒波が来ている。16日夜から、北部ゴラン高原やガリラヤ地方で、最大40センチの積雪を観測。17日午後からは、エルサレムでも風を伴う雪が降りはじめた。

エルサレムでも、かなりの風に伴い、一時雪が2センチ積もったとのこと。市内の公共交通に影響が出た他、エルサレムに入る1号線も一時閉鎖となった。

エルサレムでは数年おきぐらいに雪が降るが、2013年の冬は、広範囲で30センチの積雪となり、停電の被害が大きかった。しかし、雪の積もった神殿の丘は、非常に美しかったことを覚えている。通常は石を投げてくるパレスチナの若者たちも、雪の玉を投げ合って遊んでいたのであった。

今回も若いこどもたちは、雪だるまを作るなどして楽しんだもよう。

www.timesofisrael.com/snow-dusted-jerusalem-braces-for-further-downfall-on-coldest-night-of-the-year/

北部ゴラン高原の積雪

www.jpost.com/israel-news/more-than-just-sweater-weather-israel-meets-snowstorm-659228

<中東各地でも積雪:悲惨なシリア難民>

雪はシリア、レバノン、ヨルダンでも観測されていた。特にシリアでは、ダマスカスでも積雪最大15センチを記録したとのこと。いつもは内戦の現場となるハマでもブルドーザーが出て雪かきをしたとのこと。悲惨なのは、シリア難民。シリア北部にもまだ300万人が難民で、テント住まいがから抜け出せないままでいる。

先月には、多量の雨で、テント村90箇所、1万テントが、洪水に破壊されたという。この人々は、厳しい寒さに今どうしているのか、その情報はない。アルジャジーラは、この寒さの中、靴もはいていない子供の様子を伝えている。当然ながら、この人々はコロナの危険にもさらされている。(以下は今年1月22日の様子)

レバノンでは、しばらくの温かい日々が続いたあと、雨が降って気温が下がり、標高400メートル以上で、今年最大の積雪を記録した。道路が閉鎖になったところもある。

ヨルダン渓谷のヨルダン側はイスラエルよりも標高が高い。北部山岳地帯では、暴風に加えて積雪も20センチを記録した。
www.timesofisrael.com/heavy-snowfall-and-gales-sweep-middle-east-as-winter-storm-hits/

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。