ユーロビジョンのイスラエル代表:大規模反イスラエルデモに負けず決勝進出 2024.5.10

ユーロビジョン2024:イスラエル代表も決勝進出

ヨーロッパで毎年行われる国対抗のソングコンテスト、ユーロビジョンには、イスラエルからも毎年エントリーしている。今年は、開催国がスウェーデンのマルメで、5月8日から始まり、決勝は11日となっている。

イスラエルからは、当初、「オクトーバー・レイン」という、10月7日を表現した曲で応募していたが、政治的すぎるとして却下されたため、エデン・ゴランさん(20)の「ハリケーン」でエントリーした。

「ハリケーン」も10月7日を思わせる曲であり、「オクトーバーレイン」からの歌詞も残しているという。

しかし、イスラエルがガザでジェノサイドをしているとの批判が、世界に拡大すると、ヨーロッパでは、ユーロビジョンに、イスラエルが出るべきではないとのデモが行われるようになっていた。

エデンさんは、厳しいセキュリティに囲まれて、出場の期間を過ごしている。

そうした中、エデンさんは、8日準決勝に出場。会場からは、ブーイングもあったが、最後まで歌い上げた。結果、これまで8位予測で来ていたところ、2位にまで急上昇し、11日の決勝進出を決めた。

11日の決勝に出るのは、イスラエルの他、スウェーデン、ウクライナ、ドイツ、スペイン、イギリス、イタリア、オランダ、ラトビア、エストニア、ギリシャ、アルメニア、ジョージア、オーストリア、ノルウェーなど、計26カ国が、競うことになる。

この時も、激しい反イスラエルのデモが予想されている。

ネタニヤフ首相は、出場前のエデンさんに、「あなたはユーロビジョンに、ただ出ているのではない。反イスラエルの大波の前に立って、勝ち進んでいる。大きな栄誉とともに、イスラエルを代表して立っている。」と励ましにメッセージを送っていた。

www.timesofisrael.com/defying-haters-israels-eden-golan-advances-to-the-eurovision-grand-final-on-saturday/

ユーロビジョン前:マルメで反イスラエルデモに1万2000人

コンテストが始まる前、開催地であるスウェーデンのマルメでは、パレスチナの旗を掲げる反イスラエルでもが行われ、1万2000人が参加していたと推測されている。この時少なくとも、9人が逮捕されていたとのこと。参加者は、ロシアのように、イスラエルも出場失格であるべきと言っている。

またこのデモには、環境活動家として有名なグレタさんが参加していたと報じられている。

この時、同時に親イスラエルデモも行われていたが、全く規模は小さく、治安維持のために警察に囲まれる状態だったという。

またベルギーでは、生放送でコンサートを見るイベントが行われていたが、途中で画面に、「イスラエルに人権侵害を訴える」との文字が出たという。

11日のグランドファイナルは、イスラエル時間夜10時(日本時間朝4時)開催。またデモがあるかもしれないが、治安が守られるように。

ヨーロッパ各地の反イスラエルデモ

アメリカでは、名門大学での激しい反イスラエルデモが報じられているが、ヨーロッパでもその波は広がっている。

ドイツでは、ベルリン自由大学で、中庭に親パレスチナ、反イスラエルを訴え、大学に、イスラエルとの研究協力を停止するように求める学生、約100人が、テントで泊まり込みデモを行い、警察が出動して解散させていた。ベルリンでは他の大学でも同様のデモが発生していた。

この他、イギリスのオックスフォード大学やケンブリッジ大学、フランスでは、パリの名門として知られるパロ政治学院の生徒が、建物を占拠する騒ぎとなった。

この他、アムステルダム、スイス、ジュネーブなど、ヨーロッパ中の有名大学で、平和的なデモもある中、警察が出動するようなデモになっているところもある。

www.timesofisrael.com/police-disband-anti-israel-protesters-at-berlin-amsterdam-and-zurich-universities/

www.nikkei.com/article/DGXZQOGN0637D0W4A500C2000000/

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。