フランスのマクロン大統領がイスラエルに即攻撃停止を要請:世界で週末反イスラエルデモ過激化懸念 2023.11.11

in Jerusalem on October 24, 2023. (Christophe Ena/Pool/AFP)

 マクロン大統領:イスラエルは即刻停戦すべき

10月7日のイスラエル人への残虐な殺戮を受けて、アメリカはじめ、欧米諸国首脳は、今の所は、イスラエルを支持する立場である。しかし、10日、フランスのマクロン大統領が、BBCを通して、「イスラエルはただちに攻撃を止めるべきだ。これほどの女性や子供たちが死んでいることに正当性はありえない。」との声明を出した。

マクロン大統領は、イスラエルの友人になろうとするものだとして、「自衛の最善の方法が民間人への空爆だというイスラエルの主張には同意できない。」と語った。

マクロン大統領は、世界諸国に、自分に続いて、イスラエルに攻撃を停止するよう、呼びかけようと言っている。

これに対し、ネタニヤフ首相は、「イスラエル軍は、できるだけ民間人を巻き添えにしないように努力しているが、ハマス(ISIS)がそれを妨害する。学校やモスク、病院をテロの拠点にして、民間人を人間の盾にしている。まさに人道に反して、女性や子供、高齢者を人質にし、人間の盾にしている。これは人道に対する犯罪だ。」と反論した。

www.timesofisrael.com/macron-israel-must-stop-bombing-civilians-pm-says-hamas-responsible-for-their-deaths/

しかし、パレスチナ人の死者が、1万人を超えたことで、ブリンケン米国務長官も、「パレスチナ人の死者数が、あまりにも多すぎる」と顔を歪める様子が伝えられており、アメリカの方向転換の気配もと伝えるメディアもある。

過激化する反イスラエルデモ:ニューヨークマンハッタン

大規模な反イスラエルのデモは、世界の大都市で週末に行われる傾向がある。金曜夜、ニューヨークのマンハッタンでは、通りを埋め尽くすほどの、イスラエルに停戦を求めるデモが行われた。

グランドセントラルステーションでは、一時閉鎖する事態になっていた。

www.dailymail.co.uk/news/article-12736343/columbus-circle-pro-palestine-new-york-city-rally.html

デモ隊は、ニューヨークタイムスのオフィスを一時占拠し、イスラエルに好意的な記事をだしていると訴えた。また、警察車両に「IDF・KKK」と落書きをした。イスラエルの旗を燃やす様子もあったとのこと。警察はだれも逮捕していない。

*KKK:白人至上主義の秘密結社・悪魔的ほどに残酷な集団

www.timesofisrael.com/liveblog_entry/palestinian-supporters-in-new-york-burn-israeli-flag-splatter-paint-on-nyt-building/

先週土曜日には、ワシントンやロンドンでも大規模な反イスラエルデモが発生していたが、今週はどうなるか懸念されるところである。

以下はオーストラリアで本日行われた親パレスチナデモの様子。

11月9-10日:水晶の夜を彷彿とするユダヤ人たち

USHMM

11月9―10日は、1938年にドイツで発生したクリスタルナハト(水晶の夜)を記念する日であった。ドイツ全土、当時のドイツが併合したばかりのオーストリア、チェコスロバキアなどで、反ユダヤ主義暴力が発生し、ホロコーストが本格的に始まったことを覚える日である。

この日、ユダヤ人たちのシナゴーグや店などが、暴徒たちによって破壊され、燃やされ、そのガラスが月夜に光っていたことからこの名前がつけられている。暴徒はただユダヤ人であるというだけで、これほどの破壊をおこなったのであった。

暴徒は、ナチスだけでなく、ナチスのプロパガンダで動いた一般庶民である。警察も消防もその隣家に被害が及ばない限り、動かなかったというこの暴動で、ユダヤ人91人が死亡。3万人が強制収容所に送られた。これ以降、ユダヤ人への暴力がエスカレートしていくことになったのである。この事件を境に、ユダヤ人たちは命の危険を感じるようになり、ヨーロッパからの逃避に殺到するようになった。

この時期に今、世界中で、反イスラエル、反ユダヤのデモ、暴動が発生していることで、海外にいる70%のユダヤ人が、身の危険を感じるようになっているという。

イスラエルに行くしかないが、そのイスラエルも戦争をしているので、ディアスポラのユダヤ人たちは、今、どのような思いになっているのだろうかと思う。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。