シリアにイランが新しいミサイル工場建設中:イスラエル摘発 2019.2.10

イスラエルは、シリアの西南部、レバノンとシリアの国境北に位置する町サフィータに、イランの新しいミサイル工場が建設中であると発表した。これは、レバノンのヒズボラに供給するミサイルのための工場で、シリアも協力しているとみられる。

ヒズボラは現時点で、すでに10万とも15万発とも言われるミサイルをイスラエル攻撃用に準備している。しかし、今の所、まだ誘導性は弱いため、今、ヒズボラはそれを改善しようとしているのである。

チャンネル12が伝えたとしてTimes of Israelが伝えたところによると、イスラエルは、以前にこうした試みをしていたシリアにあるイランのミサイル工場を空爆で破壊した。

今回発見されたものは、その再建とみられる。前の工場とはかなり離れた”以外”な場所に建設中で、イスラエルの目から隠そうとしていた意図が伺えるという。

また、イランがこのミサイル工場を建設するためには、国際社会の目をかいくぐらなければならないのだが、これにイタリア、中国、また他のアジア諸国が協力しているとイスラエルは摘発している。

こうしたイランのヒズボラ強化戦略については、ネタニヤフ首相が、国連で警告してきたことでもあった。今回、イスラエルが即、攻撃せずに、摘発したのは、国際社会にイランへの圧力をかけてもらうためだという。

一方、これとは別に、イランのメディアは7日、地下ミサイル基地の完成式典が行われたと伝えた。この地下基地は、”地下都市”とも表現され、かなり大きいものである可能性がある。

そこで紹介されたミサイルは、450キロの弾頭で、射程は700キロあるミサイル。しかし、イランは、すでに射程2000キロで、イスラエルにもアメリカ軍拠点にも届くミサイルを保有していることがわかっている。ただし、すべてイラン独自の報道による情報で、他からの確認はない。

www.timesofisrael.com/israel-said-to-find-new-iranian-precision-missile-factory-in-northwest-syria/

<石のひとりごと>

イスラエルは、シリアでのイラン進出には、非常に警戒しており、イラン軍拠点への攻撃回数も増え、多数のイラン人兵士の犠牲も出ている。イスラエルとイランの軍事衝突も懸念されている。

警告や懸念が、出され続けている中、いつか”その日”が来るのかもしれない。それは明日かもしれないし、まだまだ先かもしれない。恐ろしい日になるだろう。そんな日が来ないように、イスラエルが危機を早く察知できるようにと祈らされる。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。