エルサレムにも着弾 2012.11.17

16日16:45(日本時間16日23:45、エルサレムで警報がなり、人々はシェルターへ走るさわぎとなった。着弾したミサイルは2発。一発はユダの荒野方面に着弾。もう一発はエルサレム南部グッシュ・エチオンに着弾したが、空き地で被害はなし。ちょうど安息日に入るところだった。

<シェルターへ!・ご近所の交流と絆>

警報が鳴ったとき、私のアパートには台湾人ジャーナリストの友人ソフィーがいた。「アザカー(サイレン)よ!」エルサレムにくるとは思わなかったので耳を疑ったが、まちがいなくアザカーだ。

バックパックとカメラを抱えて共に階下のシェルターに走った。私のアパートは最上階にある上、窓で囲まれたような家なので最も危険だとソフィー。シェルターまでは5階分の階段を駆け下りなければならない。

二人で階下に降りていくと、あわてたご近所の人々が、続々とけっそうを変えた様子で降りてきていた。子どもたち4人を含む全部で15人くらい。逃げてきていたのは、どういうわけか女性ばかり。下に行く途中で遠くに爆音が聞こえた。来た・・ちょっと足が震えた。

ところが!「閉まってるのよ!」と皆が言う。なんとだれもシェルターの鍵をもっていなかった。おまけにシェルターは物置になっていて、だれも入れない状態だという。7才くらいの女の子がショックで泣き出した。

しばらく緊張した空気だったが、やがて、「あれ、あなたこのアパートに住んでたの?知らなかった。よろしく。」といった会話が始まった。私の真下の家族はだいぶたってから出てきた。子どもが小さいのですぐには動けないのだ。やがて口々に「ニュースを見よう」と言いつつ、部屋に帰っていった。

数分後、各ドアに、「シェルターの物品をかたづけてください。」との張り紙が登場していた。*写真は張り紙と鍵のかかったシェルター

<安息日の主>

ミサイルが来るのはこわいが、同じアパートにご近所がいるということがどれほど心強いかと思った。こういうときこそ何かあったときは彼らの祝福になりたいと願った。ソフィーとたっぷり祈ると、「安息日の主」というみことばが示された。そう、今日は安息日入りの金曜日だ。2時間後、平安と力を得て、ソフィーも自分のアパートで祝福になるべく、帰っていった。

テレビでは、断続的にニュースを流しているが、レポーター、アナウンサーなどのスピリットは悲惨というより、元気である。攻撃にあって国が一つになっているのかもしれない。イスラエル人の心が主につながっていくようにと願う。

<今後の展望・地上戦>

イスラエル軍参謀総長は16日、予備役兵16000人の招集に合意。地上戦への準備が始まっている。

今後、しばらくはイスラエル内陸へもミサイルが来る可能性がある。また地上戦になった場合、北のヒズボラ(レバノン)が動き始める可能性もある。北部にも注意が必要である。

ガザからのミサイルは、確実に内陸に入ってきている。これまでに550発がイスラエルにむけて発射され、184発を迎撃ミサイルが撃ち落としている。イスラエルは、アイアンドーム(迎撃ミサイルシステム)5基目を稼働しはじめている。

テルアビブには2日続けてミサイルが着弾。南部ベエルシェバやシュケロン、14日死者3人を出したキリアット・マラキでも連日ミサイルが着弾している。しかし、いずれも空き地に落ちるなどで実質の被害はない。(祈りに感謝!)

ガザでの空爆は激しさをましている。今日、テルアビブにミサイルが撃ち込まれてからだけでもすでに40カ所へ空爆が行われた。これまでにガザでの死者は20人。BBCによると、ガザでは破壊の度合いの割に負傷者が少ないと伝えている。(祈りに感謝!)

<ユダヤ人を殺せ!エジプトとハマス>

エジプトのムルシ大統領は16日午前中、ガザに首相を派遣し、ハマスとの連携を強調。「(ガザへ)攻撃を続けるなら、大きなツケを払うことになる。」と語った。この時にムルシ大統領が「イスラエル」という名詞を使わなかったことが注目されている。

エジプトの新聞によると、ムルシ大統領が話している間、群衆は「ユダヤ人を殺せ!」と叫んでいたという。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。

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