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イスラエルとドイツが国交を回復して50年になる。その節目を記念して、リブリン大統領夫妻が10日から3日間の予定で、ドイツを公式訪問している。
ドイツは第二次世界大戦中、ユダヤ人に対してホロコーストという大きな犯罪を犯した。賠償問題の交渉が始まったのは1948年にイスラエルが建国した後の1950年代だった。
この時点でドイツからの賠償を受けるかどうか、イスラエルの国会ではかなり紛糾したという。しかし、建国したばかりのイスラエルは、膨大な移民者を養わなければならならず、経済的な必要は大きかった。
そこで、1952年、初代首相のベン・グリオンは、ドイツとの賠償に合意した。ドイツが2007年までに支払った賠償金は、250億ユーロ(約3兆3000億円)である。ドイツからの賠償の一部は、イスラエル国内を走る公共バスがベンツであることからもうかがえるところである。
その13年後、戦後20年たった1965年、イスラエルは正式にドイツとの国交を回復した。今年はその50年目にあたるのである。
リブリン大統領は、ヨアヒム・ガウク大統領に続いてメルケル首相とも会談。ホロコースト記念式典にも出席している。昨日はドイツ・イスラエル双方の若者10人づつが、今後どのように両国の関係を深めて行くかの論議を行い、メルケル首相とともに出席した。
<イスラエル人ードイツはOK:ポーランドはNO?>
歴史家によると、イスラエルにいるユダヤ人は、ドイツとの関係を再開することについては問題を感じないが、ポーランドに対しては未だに深い嫌悪感を感じる傾向にあるという。
決して赦したわけではないが、ドイツは誠実に反省していると認識している人が多いということである。一方で、ポーランドに対しては根強い嫌悪感を感じているのはどういうわけか。
ホロコーストの時代、ユダヤ人犠牲者を最も多く出したのが、ポーランドだった。戦時中は、ナチスではなく、ポーランドの一般民衆が、ユダヤ人をナチスに告発したり、ユダヤ人を村ごと虐殺したケースもあったという。
また、ポーランド政府は、戦時中は、ユダヤ人を国民として数えなかったにも関わらず、戦後はユダヤ人犠牲者をポーランド人犠牲者の数に含めて、”被害者”の顔を装ったという経過がある。
イスラエルがポーランドと国交を再開したのは、ごく最近の1990年である。戦後70年を迎え、イスラエルは、少しづつだが、ビジネスにおいて、ポーランドとも国交を回復しつつある。
ちなみに、海外にいるユダヤ人、特にアメリカ在住のユダヤ人は、ポーランドより、ドイツに根深い嫌悪感を感じているという。アメリカから移住したHさん(20歳代)によると、Hさんの家族は、今もドイツ製の製品は一切買わないようにしているという。